稀代のヒット作となった初代フィット
初代フィットは稀代のヒットモデルになったクルマだ。2001年にデビューし、その翌年には30年以上に渡って新車販売ランキングの首位を走り続けたカローラの連勝記録を止めるほどの売れ行きを示したからだ。
フィットが人気を集めた理由は、小さなボディながらカッコ良いデザインと圧倒的な広さを誇る室内、軽快感のある走りと燃費の良さ、手頃な価格設定など、さまざまな魅力を併せ持っていたからだ。私自身も初代フィットに魅力を感じ、発売直後に購入して満足して乗っていた記憶がある。
そのフィットもフルモデルチェンジの時期を迎え、10月には新型車が発売される予定だ。次期フィットがどんなクルマになるか、興味を持って見守っている人も多いだろう。次期モデルのプロトタイプ車に北海道のテストコースで試乗した印象をレポートしよう。
標準タイプと「RS」、2つの顔を持つ新型フィット
外観デザインは従来のモデルに比べて伸び伸びした印象を与えるものになった。ボディの全長、全幅、ホイールベースなどが拡大されたことも伸び伸びした印象につながっている。Aピラーやキャビン部分をさらに前方に移動させたレイアウトは、より広い室内を感じさせるものになった。
今回のモデルでは標準系に加えて「RS」という名のスポーティなモデルが用意される。フロントグリルにメッキモールが使われるほか、ランプ回りに専用の仕様を用意したり、エアロパーツを装着することによって専用の外観が用意されている。RSはかつて初代シビックのスポーティグレードに使われた名前であり、今回のフィットで改めて注目されるのは間違いない。