CVTがもたらす滑らかな走り
キャリバーに搭載されるエンジンはクライスラーがワールドエンジンとして開発した新世代の直列4気筒2.0Lの自然吸気DOHC。可変バルブタイミング機構の採用などによって動力性能も115kW/190N・mと十分な数値を得ている。
組み合わされるトランスミッションは日本のジャトコ製のCVTで、無段変速の滑らかな走りが味わえるほか、クライスラーがオートスティックと呼ぶレバー操作によってマニュアル車感覚の走りも可能となる。
アメリカンテイストのおおらかな乗り味
大きめのボディのためもあって車両重量は1400kg台と2.0L車としてはけっこう重い。ミニバンに近いような重さである。でも、搭載エンジンがけっこう力強い実力を発揮し、重さを感じさせないような走りを見せる。CVTの変速フィールもそれなりのレベルにあるし、マニュアル操作をしたときのレスポンスの良さも上々だ。
ただ、全体的な走りはアメリカ車らしい大味な印象。良くいえばアメリカ的なおおらかさでもあるのだが、アクセルペダルのフィールにしても、ステアリングの操舵感にしても、やや大雑把な印象である。これは乗り心地や安定性など、足回りについても同じことがいえる。
●お勧めグレード
キャリバーには2グレードが設定されていて、SEが263万5500円でSXTが294万円という設定。この価格帯はゴルフなどヨーロッパの5ドアハッチバック車とオーバーラップする位置にある。まあヨーロッパのハッチバック車と比べて買うユーザーはいないと思うが、大きなクルマの割には安いなという印象もある。ただ、アメリカではベースグレードが1万4410ドルで販売されており、それから考えると輸入車らしい価格になる。まあアメリカでの価格は、装備や前提などが異なるので単純な比較はできないが・・・。
SEとSXTの違いはクロームのグリルやボディ同色モール、17インチのスチールホイールと18インチのアルミホイールなど、主に外観の違いが中心。本革巻きステアリングとクルーズコントロールも有無もあるが、30万円の価格差を考えると、ベースグレードのSEで十分という印象である。