スポーツとエレガント、2つの顔でデビュー!
モデルチェンジするごとに、安全性や居住性の向上を理由に、ひと回りもふた回りもボディサイズが大きくなる傾向が強い昨今、新しいCクラスの「ほんの0.5回り」なサイズアップに、まずは好感をもった。
いわゆる欧州Dセグメントのライバルたちが、のきなみ全幅1800mm超えのリニューアルを果たす中、1700mm台で抑えたことの衝撃と意味は大きい。延びた全長のほとんどが、ホイールベースに充てられている。FFの現行アウディA4とほぼ同じサイズながら、ホイールベースが115ミリも長いといったら、パッケージングの良さが分かってもらえるだろうか。メルセデスがこのCクラスでサイズを抑え気味に仕立てたことで、今後、ボディサイズの大型化傾向には一定の歯止めがかかる可能性さえある。
2つのテーマ、アヴァンギャルドとエレガンス、とでイメージの異なるアピアランスを与えたこともビッグニュースだ。シャープにエッジを効かせたキャラクターラインと力強いフェンダーの組み合わせは、はっきりとSクラスの文脈にあるもの。アヴァンギャルドのグリルにスポーツグレードの象徴であった大きなスリーポインテッドスターが輝く一方で、エレガンスでは従来どおりボンネットマスコットとした。アヴァンギャルドは見るからにスポーティな装いである。
メルセデス・ベンツの伝統に則ったクルマづくり
日本仕様としてラインナップされるのは、3エンジンタイプで、下から順に、1.8Lスーパーチャージャーの200コンプレッサー、V62.5&3Lの250、300である。200Kと250ではアヴァンギャルドとエレガンスのいずれも選べるが、300ではアヴァンギャルド(しかもステアリンレシオがさらに速いS)のみの用意とした。
シャシーがエンジンより速い、というメルセデス・ベンツの歴史的鉄則はそのままに、むしろそれを生かして万人が気持ちよくスポーティだと思える走りを手に入れた。それが新しいCクラスというクルマである。