日産 新型 エクストレイル(欧州仕様) エクステリア

スタイルは旧型にソックリ。しかし、中身は大幅に進化！

新旧のエクストレイルを比較（奥が旧型、手前が次期型）

　海外で先行発表された次期型エクストレイルのスタイルが不評である。なるほどオーナーじゃなければ、並べないと見分けられないかもしれない。私もそう思ってました。しかし！　ハンドル握って走り出すや「こら驚いた！」。クルマとしての仕上がりが素晴らしいのだ。何たって「少し良い」というレベルじゃない。多少クルマにウルさい私でさえ「今年の冬はこいつでスキーかな？」と考えちゃくらいだ。以下、８月に発売される次期型エクストレイルの紹介をしてみたい。

　まず基本スペック。現行モデルとソックリな外観と対照的に、シャシもエンジンも新しい。シャシは高い評価を得ているデュアリスと同じ「Ｃプラットフォーム」と呼ばれる新世代を採用。エンジンも全面変更した２リッター／１４１馬力の『ＭＲ２０型』と、現行モデルではラインナップされていない『ＱＲ２５型』（２，５リッター／１６６馬力）の２タイプが搭載される。ミッションだってＣＶＴを採用。外観じゃイメージ出来ないだろうが、大きく進化しているのだった。

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日産 新型 エクストレイル(欧州仕様) エンジン
写真は２．５リッターエンジン。細かい改良が多く盛り込まれ、フィーリングは良好。
日産 新型 エクストレイル(欧州仕様) ＣＶＴ
日本仕様のトランスミッションはデュアリスと同じＣＶＴ。ヨーロッパ向けにはＭＴの用意もあり。
日産 新型 エクストレイル(欧州仕様) ４ＷＤ切り替えスイッチ
４ＷＤシステムは「オールモード４×４ｉ」に進化。ポテンシャルはクロカン４ＷＤに近い。

上質な走りの乗り味の立役者は良質なダンパー

　現行モデルとの違いは走り出して５０ｍもすればハッキリ解る。クルマ全体の質感が完全に１クラス（少し誇張すれば２クラス）上がった感じ。何たって乗り心地良い！　デュアリスで高い評価を得ているザックス製のダンパーを次期型エクストレイルも採用しているからだろう。日産の実験担当者に聞くと「セッティングに苦労しました。でもこちらが厳しい条件を出していくとドンドン良い製品になっていきます。結果として相当満足の行く仕上がりになりました」。

　デュアリスの場合、若干スポーティな味付けを選択している。次期型エクストレイル用のザックスはしなやか。荒れた道も走ってみたが、しっかりストロークしてくれる上、キックバック（ハンドルに入ってくる路面からの衝撃）も少ない。本格的なクロカン４ＷＤ以上であります。それでいて写真のような舗装のハイスピードコーナリングをしたって車体の姿勢は崩れない。ザックスという優れた素材を日産の開発陣が上手に活かしたということなんだろう。いやいや良い仕事です！

日産 新型 エクストレイル(欧州仕様) 走り（オンロード）

ＶＤＣも標準装備、商品力は超高いぞ！

日産 新型 エクストレイル(欧州仕様) 走り（ラフロード）

　４ＷＤ性能も拍手モノ。エクストレイルやＣＲ−Ｖといった乗用車ベースのＳＵＶは、雪道や多少荒れた林道を走れればＯＫとされる。それ以上の能力はユーザーも期待していない。まぁトレッキングシューズくらいの性能。なのに今回の試乗会、まるで本格的なクロカン４ＷＤコースのような極悪路が用意されていた。完全に１輪が宙に浮くようなモーグル（デコボコ）や、「おいおい！　転覆するんじゃないか？」というくらいの傾きを付けたキャンバーまである！

　開発を担当した角さん（カクさんじゃなくスミさん）に聞くと、次期型は姿勢制御装置ＶＤＣを標準装備するそうな。そいつの機能をフルに使い、悪条件下の走破性能を高めたとのこと。キツい下り坂で自動的にブレーキを掛けてくれる「ヒルディセンド」まで付く。雪道だって万全です。といった性能を持ちながら、舗装路を１００km巡航すればリッター当たり１４km以上走るという乗用車と同じような経済性も有す。ちなみに価格は”ほぼ”据え置きなんだとか。こら大いに期待していい。

日産 新型 エクストレイル(欧州仕様) フロント
旧型に非常によく似ているフロント回り
日産 新型 エクストレイル(欧州仕様) サイドビュー
凹凸の多いサイドビューはなかなかスタイリッシュ
日産 新型 エクストレイル(欧州仕様) リア
リア周りは旧型と非常に近いイメージ
日産 新型 エクストレイル(欧州仕様) インテリア
インテリアはデュアリスに近い雰囲気。質感は価格相応といったところ。
日産 新型 エクストレイル(欧州仕様) リアシート
大幅に広くなったリアシート。ロングドライブも快適に過ごせるだろう。
日産 新型 エクストレイル(欧州仕様) カップホルダー
カップホルダーにはエアコンの風を利用した保温機能が追加された。
日産 新型 エクストレイル(欧州仕様) ラゲッジスペース１
かなり拡大されたラゲッジスペース。下側に設けられた引き出しも斬新なアイデア。
日産 新型 エクストレイル(欧州仕様) ラゲッジスペース２
ラゲッジスペース下部の引き出しはいろいろな使い方が考えられる。また、取り外すことも可能だ。
日産 新型 エクストレイル(欧州仕様) ハイパールーフレール
「ハイパールーフレール」（ドライビングランプなどが埋め込まれている）も継続採用される。

written by 国沢光宏

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