使い勝手はさておき、斬新さはピカイチ
エクステリアに比べるとインテリア回りのデザインには個性的な部分が見受けられる。“フライングバットレス”というヨーロッパの建築手法を採用して作られた一体化したセンタークラスターとセンターコンソールは、これまでにないイメージのもの。コンソール部分に含まれる形のパーキングブレーキレバーも斬新な印象を与えている。
ただ残念ながら、パーキングブレーキレバーは上下左右の遊びが大きい。イメージは斬新でも使い勝手は良いとはいえず、アイデア倒れの感もある。ドアノブとドアグリップの部分のパーツが微妙に異なる色合いになっている点もやや惜しい。
インテリアは新開発のプラットホームの効果もあって、コンパクトクラスとしては広めの室内空間が確保される。2WD車では後席の床面がフラットなものとされ、余裕ある室内を作っている。後席のシートはリクライニング機構やワンモーションチルトダウン機構を備えている。ラゲッジスペースも十分なものだ。
ヨーロッパ基準ならもっと安全装備の充実を
装備関係ではスマートエントリー&スタートシステム(標準またはオプション)や花粉除去モード付きオートエアコン(主要モデルに標準)などが装備される。最近のヨーロッパ車では自動防眩ミラーやレインセンサー付きワイパーなどの標準装備化が進んでいるので、これらの快適装備も欲しいところ。
また安全装備の代表である横滑り防止装置のVSCがSRSサイドエアバッグなどとセットでオプション設定になっているのは大いに不満。ヨーロッパ向けのオーリスは当然標準装備にしているはずで、日本のメーカーでありながら日本のユーザーを軽視する姿勢を取るのは気に入らない。VSCなどはトヨタが積極的に標準装備化しなければほかのメーカーもついていかないではないか。