カントク、気分良くSS観戦へ!

次のサービスは美味しいトムヤムクンね!」

 女性スタッフに「今日はアキの調子がいいから美味しいトムヤムクン作ってやってね!」とお願いし、ラリーを手伝って頂いているタイ在住の坂本さんや、日本語が上手なサービス班長のヨッドさんとアキの走りを見に行く。

 到着して5分くらいして先頭のランエボのエンジン音が響いてくる。左遠方に土煙を発見! さらに30秒くらいすると直線の向こう側に姿を現す。

 観戦場所はSS6の中間地点で、アップダウンのあるなが〜い直線(1kmくらいありそう)を走ってきて、左コーナー曲がるという絶好のポジションである。おそらく1分間近く走る様子が見えるんじゃなかろうか。地元の人達も多数集まってきてます。

 アキにとって当面の目標であるランエボながら、今回は同じくらいのタイムで走っている。クルマの調子悪いのかと思いきや、いつも通り元気一杯だ! アンチラグをバリバリ言わせながら近づいてきた。やっぱりアキが乗れているのだろう。

「みんな転んだと言ってます!」 なぬ〜?

               アキの目標はシンハービールカラーのランエボ

 スタート間隔は2分。ランエボが次のコーナーに消えていく頃、アキのインプレッサの音が聞こえ始める。インプレッサのエンジン音ってノンターボ車みたいで、キッチリとアクセル全開してると素晴らしく良い音を出す。今日は良い音出してるから攻めてるんだろう。今回投入した最新バージョンのアンチラグ付きコンピューターも効いてる感じ。

左足ブレーキの効果を生で見たかったのだけど・・・・・・

 もうすぐ遠くのコーナーに出てくるぞ、と目を凝らしていると、あらら? 土煙でナニも見えず。いや、正確に表現すると、土煙の中から飛び出してくるかと思いきや、音もしなくなった。イヤ〜な感じ。

 すると周囲のタイ人達が口を揃えて何か言ってる。一緒に見ていたタイ在住の坂本さん(タイ語堪能)曰く……。

「みんな転んだと言ってます!」。 

 ナニ〜っ! クルマは点にしか見えない遠い場所でナニか起きたため、私らの視力だとコーナーから出てきた場面を視認出来ず。けれどタイ人にゃ見えたらしい。坂本さんがタイ人に聞くと、車体は傾いてコーナーから出てきて、そのままひっくり返ったのだという。

 ホントか? 未だ濃い土煙で何も見えず。ただエンジン音は聞こないし、クルマも走ってこない。アキと新美にケガはないだろうか。それだけが心配である。

 やがて少しづつ土煙が薄れていくと、あらららら! 何とやっちゃってます!