写真はエアロキットを装着するエアロツアラーというグレードだけに、バンパー形状は異なるが、標準車でもグリルはスポーティだ。 グラスエリアを最小限にしつつ、パネル部分を厚くしたり、ルーフスポイラーを標準で装着することでボリュームをアップさせている。 メーカーオプションの16インチが写真のタイプ。シャープなスポークに注目だ。ほかにもスポークタイプを中心に豊富に用意されている。 先代よりフィールダーはスポーティさを強調していたが、新型でもエアロツアラーを1.5リッター/1.8リッターの両エンジン搭載グレードに設定。 1.5リッターはさらなる煮詰めを行なっており、1.8リッターは新開発となる。吸排気で緻密な制御を行なうデュアルVVT-iを搭載しているのが、最大の特徴だ。136馬力を発生しつつ、10・16モードは16.8km/Lとかなりいい。 エアロツアラーはただスタイルを強調するだけではない。ダンパー式のバーを前後に装着することで、ボディ剛性を的確に高めている。 デザインや各操作系の配列などはセダンと同じ。質感も高い。アルミ調プレートなど加飾の入れ方などはフィールダーのほうがスポーティだ。 一部グレードで5MTも用意される(6速MTは廃止)が、メインはスーパーCVT-iだ。1.8リッターモデルには、7速のシーケンシャルモードも付く。 標準グレードではセダン同様のクッションの効いた上質なシートととなるが、エアロツアラーではセミバケットタイプのスポーツシートとなる。 リヤもフロント同様、硬めの座り心地のスポーティなものとなる。フロアがほぼフラットなのにも注目で、新型カローラの目玉のひとつだ。 元々、見た目よりも広いというのがカローラワゴンのパッケージングの伝統だが、さらに広くなっているのがひと目でわかる。 リヤシートはもちろん倒せるが、完全フラットである点に注目だ。積載性はとてもいい。またこの状態に、ワンタッチでできるのだ。 ラゲッジサイドにあるレバーを引くだけで、リヤシートが格納される便利機能を全グレードに標準装備。ワゴンにはありがたい機能だ。 じつはこの自動ポップ機能は世界初となる。世界初のポイントはリヤシートの座面が自動で跳ね上がるという点にあり。これは便利。 大きなモノは無理だが、薄いシートなどを収納できるトレイをラゲッジ下の用意。細かな収納が多いと、日常的な使い勝手が向上する。 |
カローラだけにワゴンでもセダン同様の充実装備と走り初代誕生40周年という節目に登場した10代目カローラ。それだけに、デザイン、質感、そして走行性能とトヨタの力の入れようは並々ならぬものがあり、実用車としてのスタンダードを今回もしっかりと提案している。 ワゴンは1991年登場の7代目より用意されているのだが(それまではバンのみ)、もちろん新型である10代目でもワゴンをラインナップ。セダンとともに2ライン体制を敷いている。ちなみに先代にあったハッチバックのランクスは廃止。コンパクトミニバンのスパシオはそのまま販売を続行させるとのことだ。 最新のカローラワゴン、つまりフィールダーの特徴は、なんといってもセダン同等の装備や性能を備えているということ。この傾向は先代から見られてはいたが、10代目になってさらに強まった感じだ。デザインから見ていくと、まずグリル形状などをセダンと違うものとすることで押し出し感を強めていて、その結果、まるでヨーロッパ車のような個性的な雰囲気を醸し出すのに成功している。サイドやリヤからの眺めも同様で、ボリュームはかなりある。これはデザイン的な処理によるだけでなく、ルーフスポイラーを標準装備したり、実際にトレッドを広くすることで演出するという念の入れようだ。 そして肝心のラゲッジだが、世界初で「ワンタッチ格納リヤシート」を採用している点にまずは注目。ラゲッジサイドに設置されたレバーを引くことでリヤシートが倒れるというものだが、シート座面が跳ね上がるのが、他社も含めた従来のものと異なる点にある。まさにフルフラットが一瞬にしてできるというわけだ。サイズ的には荷室の最大幅を179mm拡大しつつ、上部の幅についても約100mm広げることで、ただ容量をアップさせているだけでなく、荷物の積載効率や積み下ろしのしやすさにまでこだわっている。 このほかの部分については、最初に紹介したようにセダンとほぼ同様。室内の加飾が同じ木目調パネルでも若干形状が異なるぐらいで、各部の高い質感やシートの形状/各クリアランスは同じ。小型のサルーン的な仕上がりを見せているのが印象的だ。 エンジンは従来からの1.5リッターに加えて、新開発の1.8リッター直4も用意する。これは最先端のデュアルVVT-iを装備することでパワーと経済性を高いレベルで両立するもので、型式は2ZR-FE型だ。組み合わされるミッションは5速MTも用意されているが、最新のトヨタの小型車に続々と採用されているスーパーCVT-iと呼ばれるタイプがメイン。登下坂などを読み取り、ファジー制御を行なうという緻密さが特徴で、さらにHDDナビを装着すると地図データから最適な制御をフィードバックするというNAVI・AI-SHIFTが装備されるという豪華ぶりである。 小型のワゴンというと、実用や価格重視で選ばれることが多かったし、カローラワゴンもその傾向はあった。それが先代でフィールダーへと車名変更されることによって、スタイルで選ぶというポイントも加わってきたように思われる。ヨーロッパ的なデザイン性や質感の高いコンパクトワゴンが欲しい人にはオススメだ。
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