大型のヘッドライトと、ボリューム感あふれるバンパーまわりなど、デザイン性豊かなスタイルで、押し出しもかなりある。 フロントから流れるラインとボディの塊感をうまく両立させている。とはいっても、決して派手ではないのが、カローラのカローラたる由縁。 ホイールはスチール&キャップで14インチと15インチの2タイプが用意され、アルミホイールについては、15インチで1タイプのみとなる。 新型ではカローラのあとにサブネームである、アクシオが付くようになった。新世代のカローラであることを強調している。 注目はやはり新開発の1.8リッター。吸排気の両方でバルブタイミングを制御するデュアルVVT-iを搭載。パワーと経済性を高いレベルで両立。 写真のラグゼールは最高級グレードだけに、高級車のような雰囲気すら漂ってくる。操作系もじつに自然な配置で違和感なく、使える。 全グレードにバックビューモニターを標準装備しているのだが、ナビを装着しなくてもモニターは装着されるのだ。エアコンは下級グレードのX以外はすべてオート。 エンジンの持ち味を最大限に引き出すスーパーCVT-iをメインとしている。ラグゼールのみに、7速のシーケンシャルモードも付く。 シートの出来は極上の部類に入る。クッションは肉厚で、ふんわりとしつつも腰のある乗り心地が特徴だ。シートリフターも装備されている。 リヤシートも同様で、各部のクリアランスも十分。さらに注目なのは、フロアがほぼフラットであるということ。さらにゆったりと足を置ける。 室内パッケージを優先しているからか、上下方向にはあまりスペースがなく、奥行きもまずまず。もちろん不満が出るほどではないが。 |
カローラは残しつつもサブネーム、アクシオが付く初代カローラ誕生から40周年の今年。その区切りの年に10代目がついに登場した。トヨタとしてももちろん満を持して開発を進めてきており、その内容はじつに気になるところ。コンセプトなどは脈々と受け継がれてきたもののをキッチリと継承する形で、まさに正常進化だ。開発を指揮した藤田博也氏によれば「カローラのDNAは基本性能と上質感である」とのこと。そこに対して、時代をリードする魅力をプラスしたり、さらなる造り込みを行っている。 ラインナップは、セダンとステーションワゴンの2ライン。ワゴンは先代から「フィールダー」のサブネームが与えられているが、新型ではセダンにも「アクシオ」が付くようになった。このあたりは、より新型感を演出するためといっていいだろう。ちなみにハッチバックのランクスは廃止。スパシオに関しては、モデルチェンジすることなく、継続販売となる。 セダンのアクシオとは、品質を表すAXIAからの造語というだけに、内外装ともに質感などはかなりレベルが高い。ドッシリとした重量感をうまく表現したエクステリアデザインと、見た目からイメージするよりも広大なスペースとしっとりした高級車的な作り込みはさすがカローラといったところ。トヨタの名刺的な車種だけに、一切の妥協はなしだ。実車に乗り込んで前後シートに腰を下ろしてみたが、"日本人"好みのじつに落ち着いた空間が体を包み、そこにはカローラならではのオーラが存在していた。 安全&快適装備でも最先端技術をふんだんに取り入れているのも、まさにクラスを超えた豪華な部分。全車にバックビューモニターを装備したり、新世代のパーキングアシストを設定するなど抜かりはなし。最上級グレードのラグゼールのみとなるが、プリクラッシュセーフティシステムまで採用されているのはじつに贅沢である。 そして動力性能だが、こちらにも大いに力が入っていて、エンジンが新開発されているのは注目すべき点だ。メインとなる1.8リッターエンジンは、吸排気のバルブタイミングを連続で制御する最新技術のデュアルVVT-iを採用するだけでなく、軽量ピストンや低張力ピストンリングの採用などで徹底的にフリクションロスを低減。燃焼効率のいい、パワフルかつ省燃費なユニットに仕上がっている。 ミッションはFFの2グレードだけに5速MTが用意される以外は、トヨタ自慢のスーパーCVT-iのみ。滑らかで素早い応答性だけでなく、アクセル開度などからドライバーの意志を読みとって駆動力制御を行なってくれるというのがポイントで、登降坂ではさらに積極的な制御がされるなど頭のよさが光る。またメーカーオプションのHDDナビを装着すると、地図情報に沿ってコントロールされるNAVI・AI-SHIFT制御も付く。 飛び抜けた派手さはないものの、着実に進化しつつ、ユーザーの求めているもの以上の装備などをキッチリと提供する。言葉を変えれば「お買い得感の高さ」が初代からの歴代カローラの魅力なのだが、トヨタならではのかゆいところにすべて手が届く的な目線の低い完成度の高さがあるといっていいだろう。
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