グッドデザイン・プレゼンテーション2005の様子

アジア最大級のデザインフェア「グッドデザイン・プレゼンテーション」

 1957年に通商産業省によって創立された「グッドデザイン商品選定制度」を母体とする日本唯一の総合的デザイン評価・推奨制度である「グッドデザイン賞」。今年で創設50周年と意外と歴史があり、2003年の大賞にはトヨタのプリウスなどクルマも多数ノミネートされます。日常生活の中でも、赤い『G』マークを目にすることありますよね〜。
 そんな「グッドデザイン賞」の2次審査の一般公開や、グッドデザイン賞にノミネートされた様々なジャンルのデザインの展示と、デザイン先進企業によるプレゼンテーションなどが行なわれるアジア最大級のデザインフェアが「グッドデザイン・プレゼンテーション」。6回目となる今回は、新企画を用意するなど気合充分。8月の開催に先立って、「グッドデザイン・プレゼンテーション2006」のキックオフ プレス発表会が行なわれました。
 
喜多俊之氏

 プレス発表会は、2006年度グッドデザイン賞審査委員長で国際的にも活躍しているインダストリアルデザイナーの喜多俊之氏による挨拶から。「グッドデザイン賞50周年と日本のデザイン」について語られた。

佐藤可士和氏

 続いて、GDPオフィシャルロゴのデザインを担当したアートディレクターの佐藤可士和氏によるロゴの紹介が行なわれた。写真のバックに写っているいるのが、“GDPオフィシャルロゴ”。巨大「?」マークに、「THINK GOOD」の文字が印象的。佐藤氏は、スマップ、ホンダ「ステップワゴン」、キリン「極生」「生黒」など、CI、広告、空間、商品開発まで幅広く手掛けている。

 そして、今回、新企画となる「デザインコミュニケーション」と「デザインスクエア」について紹介された。「デザインコミュニケーション」は企業やデザイン系学校によるデザインをテーマにした出展ゾーンで、「デザインスクエア」はエコロジー・スポーツといった人々の関心が高いテーマをデザインの視点で掘り下げた提案ゾーンとなる。プレス発表会では、各ゾーンの出展企業によるショートプレゼンテーションが行なわれた。

デザインコミュニケーション

INAX
 INAXは、「サスティナブル スタイル プロジェクト」として、環境面での性能を向上させた“キッチン”の提案をする。
ウィルコム
 ウィルコムは、「SIM−STYLE」という新しいケータイの可能性を提案。この切手サイズほどの薄いものは「ウィルコムシム」といって、無線通信技術を搭載した電話帳などの個人情報をあわせもつ多機能通信モジュール。これに対応する商品を総称して「SIM−STYLE」という。今後は電話のみならず、医療機器などあらゆるものに対応する可能性を秘めているという。
三菱 i(アイ)
 そして、三菱自動車は「i(アイ」をデザインコミュニケーションの場に発表するという。プレス発表会では、三菱自動車 デザイン本部 エキスパートの竹屋氏がプレゼンテーションを行なった。三菱自動車のデザインの考え方としては「明快なプロポーション」「しっかりしたスタンス」「端正な形」をあげ、“スタイリングとエンジニアリングの密接な協力で作られるデザイン”とした。「i(アイ)」のデザインについては成功したと思うと語っていた。
 

デザインスクエア

 時代を映す5つのテーマに深くかかわる企業や団体などが、“デザイン”の視点からメッセージ性に富んだ展示を行なう。

『エコデザインスクエア』/エコロジーとデザイン
 持続可能な発展、快適で低環境負荷のライフスタイル創造に向けた様々なデザインアプローチを、企業による先進的な研究や地域プロジェクトを事例に紹介する。INAXからは“水を使わないトイレ”という気になるトイレも出品されるとのこと。「地球環境のことを考えてデザインするとこんなに面白い」ということを伝えるという。

『24HRS』/スポーツとデザイン
 日常を快適で機能的にデザインする「スポーツ」。スタイリッシュでファンクショナルなスポーツギアやウェアなどの展示や、1日24時間のスポーツライフスタイルを雑誌「スポーツライン」が提唱する。

『キッズデザインスクエア』/キッズデザイン
 子どもの安心と安全の向上や健やかな成長に役立つデザインの確立に向け、子ども目線の製品やコンテンツのデザイン開発を呼びかける。

『JAPAN Old&New』/地場産業とデザイン

『JAPAN Old&New』/地場産業とデザイン
 日本の地場産業からデザイン評価の高い数十社を選出し、各社がこれまで手掛けた製品と新たに展開する製品を対比させ、地域リソースとデザインとの質の高い相乗事例を紹介する。写真は「輪島塗」の新しいオーディオスピーカー。

『Japan`s Greatest Cars 2006』/カーデザイン
 1960年代から70年代にいたる国産車史を飾った名車、約50台を出展。トヨタ 200GT、日産/プリンス スカイライン、ホンダ 600、マツダ コスもスポーツ、三菱 コルト 1000、スバル 360、ダイハツ コンパーノ スパイダー、スズキ フロンテなどが出展予定。数々の名車を通じて、日本のカーデザインの発展が体感できる!

歴代グッドデザイン大賞

 プレス発表会の会場には、歴代のグッドデザイン賞受賞作品も展示されていた。

東芝 電気釜 「RC10-K」
 1958年度選定の、東芝 電気釜「RC10-K」。昭和30年代初期に登場したこの商品は、清潔感あるフォルムで、当時の電化製品の代表的な商品。
 
松下電器産業 クリーナー 「MC-1000C」
 1965年度選定の松下電器産業 クリーナー「MC-1000C」。色も形もかわいらしい掃除機。
ソニー 「HANDYCAM CCD-TR-55」
 1989年度選定のソニー 「HANDYCAM CCD-TR-55」。“パスポートサイズ”のフレーズが話題となった商品。多彩な撮影機能を充実させながらも、超小型化を実現した。
 

 「グッドデザイン・プレゼンテーション2006」では、グッドデザイン賞応募の中から1次審査を通過した、2次審査対象約2,500件が展示される。気になる最新デザインをいち早く見たい人は、是非行ってみては?会期は、2006年8月23日〜26日、東京ビックサイトにて開催される。入場料は1,000円。

  • 「グッドデザイン・プレゼンテーション(GDP)2006」を開催
  • 「グッドデザイン賞」が創設50周年を迎える
  • 「2005年度グッドデザイン賞」受賞結果発表 ベスト15が決定
  • ( レポート:CORISM編集部 原 直美 )