パワーユニットは直噴仕様の2.0Lと1.6Lの2機種。ターボ仕様の設定はないが、6速のティプトロニックATが組み合わされることを含めてゴルフと共通である。パワーは2.0Lが110kW、1.6Lは85kWで、どちらも同排気量の標準的なエンジンに比べて高めの動力性能を発揮しており、走りの性能に不満はない。
背の高いボディのためにゴルフに比べると車両重量が100kgほど重くなっているが、ゴルフプラスの走りはそれを全く感じさせないものだ。6速ATとの組み合わせで効率の良い走りが得られることも影響しているだろう。重量が重くなっているのにゴルフに比べると燃費性能が向上している点も見逃せない。
足回りは重量の増加に応じて強化されているというが、妙に突っ張ったりする感じはなく、ゆったりとロールさせながらコーナーを抜けていく感じはなかなか好感の持てるもの。アイポイントが高めなのにロール感が気にならないのは足回りのデキが良いからだ。
唯一気になるのは左足ブレーキを受け付けない点。これはアウディやVWなどに共通の設定なのだが、ブレーキを踏んだ状態でアクセルを踏んでも、両方が同時に踏まれるのは間違った信号だと判断して加速しなくなる。坂道発進などでは左足ブレーキを使うことは多いので、改善して欲しい点である。
●まとめ
ゴルフプラスの価格はゴルフに比べるとやや高くなるが、その価格差はわずか5万円。居住空間の拡大を考えたら、もっと高くても納得すべきところだが、たったの5万円の価格差となるとゴルフプラスを選ぶユーザーが多くなるのではないか。全高が1605mmに達するため、タワーパーキングなどに入らないのが難点ではあるが、その必要がない人にはゴルフ以上に魅力的なクルマになりそうだ。
ゴルフプラスが登場する以前から、ゴルフではGTIが高い比率で売れていた。ゴルフがスポーティイメージを高めているだけに、ゴルフプラスは一般ユーザー向けのクルマのクルマとして独自の地位を確保しそうだ。