2022年10月にフォルクスワーゲンの新型ゴルフ「R」が発売された。パワフルな2.0TSIエンジンが採用されたため、走行性能は申し分ない。種類はゴルフRとゴルフRヴァリアントの2車種だ。
今回はゴルフRヴァリアントを試乗して感じた走行性能について解説する。
- 万能スーパーエクスプレス誕生!
- 後輪駆動的な走りを可能とした「Rパフォーマンストルクベクタリング」
- 後輪駆動車のようなトラクション性能
- フォルクスワーゲン車最速の2.0Lターボエンジン搭載!
- 荷室広大、小回りも得意!卓越した走行性能。なんでもできるワゴンモデル
- フォルクスワーゲン ゴルフRヴァリアント価格、ボディサイズなどスペック
万能スーパーエクスプレス誕生!
※上図:ゴルフRヴァリアント外観
クルマの理想的な使い方といえば、使用シーンに合わせて最適なモデルを使い分けることだろう。とはいえ、クルマを複数台所有する人は少ないのが現状だ。
ところが、フォルクスワーゲン ゴルフRヴァリアントは、1台でどんな使用シーンにも合い、何でもできる超万能車だった。
サーキット走行も可能な高い走行性能をもちながら、街中での快適さも持ち合わせている。また、4WDなので滑りやすい道をものともしない。ウインタースポーツからキャンプなども快適に走ることが出来る。広い荷室をもつので、ゴルフバッグなどたくさんの荷物を積むことが可能だ。
後輪駆動的な走りを可能とした「Rパフォーマンストルクベクタリング」
※上図:ゴルフRヴァリアントのフロントフェイス
|
全長×全幅×全高 |
ホイールベース |
ゴルフR |
4,295mm×1,790mm×1,455mm |
2,620mm |
フォルクスワーゲン ゴルフR |
4,650mm×1,790mm×1,465mm |
2,670mm |
フォルクスワーゲン ゴルフRヴァリアントは、ゴルフ8のRをベースとしている。
ボディサイズはゴルフRより少し大きくなり、全長が+355mm、全幅が±0、全高が+10mm、ホイールベースが+50mmとなる。
ゴルフRと比べホイールベースが長いため、クルマの動きは穏やかだ。機敏さはゴルフRが上回るが、直進安定性やコントロール性といった部分は、ゴルフRヴァリアントが上回る。
※上図:ゴルフRヴァリアントのリヤエンド
ゴルフRヴァリアントは、直進性もよいが、カーブでの回頭性も抜群だ。これは、4WDである「4MOTION」が新しいタイプの「Rパフォーマンストルクベクタリング」に変更されたからだ。
「Rパフォーマンストルクベクタリング」は、コーナリング性能を高めるシステムだ。最適なトラクション制御でよく曲がり、DCCなども統合制御して快適性を高めている。
従来の4MOTIONは、走行状況に応じてフロントアクスルやリヤアクスル間でのトルク配分を行っていた。
新採用された「Rパフォーマンストルクベクタリング」は、リヤアクスルに配置された2つの多板クラッチが、左右後輪のトルク配分を適切にコントロールする。カーブの立ち上がりなどで、リヤ外輪により多くのトルクを配分している。
このシステムに「ビークルダイナミクスマネージャー」統合制御が加わる。この機能は、電子制御式ディファレンシャルロック「XDS」とアダプティブシャシーコントロール「DCC(オプション)」を統合制御する。さらに、「Rパフォーマンストルクベクタリング」と高度に連携する。
「Rパフォーマンストルクベクタリング」に変更したことで、高速度域でのおよび荷重変化の減衰を最適化し、ドライビングダイナミクスと快適性が向上した。
運転操作が行われている間は、システムが4MOTION(Rパフォーマンストルクベクタリングシステム)、XDS、DCCを絶えずコントロールしている。各ホイールへの最適なトルク配分を行い、機敏で正確なハンドリングを実現した。
また、車両のロールを抑えているため、わずかなステアリング操作に対してスピーディに反応する。
後輪駆動車のようなトラクション性能
※上図:ゴルフRヴァリアントのインパネデザイン
実際に、箱根の峠を走ってみる。
通常のゴルフ8ヴァリアントがクイっと曲がるとすると、ゴルフRヴァリアントは、グリンといった感じでさらに曲がる。ステアリング操作に対するクルマの動きが早く正確だ。車体の動きが早くても、安定して曲がるため、不安感がないのも魅力のひとつ。
クルマの向きが早く変わるため、カーブでは早めにアクセルを踏める。とくに、急な登り坂では、「Rパフォーマンストルクベクタリング」の機能がよく分かる。カーブの立ち上がりで、アクセルを踏み込むと外後輪側にトラクションがかかり、後ろから押されるような加速感を味わうことが可能だ。
後輪駆動車っぽい加速感を感じられ、カーブを抜けていく度に心躍る。多少アクセルをラフに踏んでも、滑る感じは一切なく、「4MOTION」が強力なエンジンパワーをトラクションに変えて加速していく。
※上図:ゴルフRヴァリアント外観
一般的に、ヴァリアントは後方が荷室となる形状のため、ボディ剛性が落ちる。そのため、走りの質は、やや劣る傾向にある。サーキットのような場所であれば、ゴルフRヴァリアントも同様だろう。しかし、一般道や低・中速域が中心の山道程度では、そんなことは微塵も感じさせない。むしろ、荷物をより多く乗せられるメリットの方が大きく感じる。
まさに、オールラウンド快速ヴァリアントだ。
ゴルフRヴァリアントは、圧倒的な走行性能を持ちながら、意外なほど乗り心地は快適だ。そんな快適性をアシストしてくれるのが、オプションのアダプティブシャシーコントロール「DCC」である。
サスペンションの減衰力調整や電動パワステの設定は下記から選択可能だ。
- エコ
- ノーマル
- スポーツ
- カスタム
DCCパッケージを選択すると、タイヤが1インチアップし235/35R19という超低扁平タイヤになる。この超低扁平タイヤであっても、コンフォートを選択していると、少し硬めだが快適な乗り心地となる。
DCCパッケージは、装着必須オプションだ。
フォルクスワーゲン車最速の2.0Lターボエンジン搭載!
※上図:ゴルフRヴァリアントのエンジンルーム
ゴルフRヴァリアントに搭載されるエンジンは、フォルクスワーゲン最強・最速のDNF型2.0Lターボエンジンだ。アイドリング時でも、ボボボボーと野太いサウンドが響く。
エンジンは、最高出力320ps、最大トルク420Nmを誇る。ゴルフRヴァリアントのレヴリミットは6,500回転する。高回転域でのフィーリングは、まさにスポーツカーといえるものだ。
スポーツカー用のエンジンなので、街中での低速域でストップ&ゴーや、アクセルのオン、オフを頻繁に繰り返しているとターボラグを感じることがある。
※上図:ゴルフRヴァリアントのメーター
ゴルフRのライバル車といえるのが、前輪駆動のゴルフGTIだ。ゴルフGTIの出力は245ps&370Nmなので、その差は歴然である。高回転域でのパワーの伸びは、ゴルフRがGTIを圧倒する。ゴルフR5ドアハッチバックの0-100km/h加速は、わずか4.7秒だ。
ゴルフRは、フォルクスワーゲン車の中でも、最速モデルといえる。
荷室広大、小回りも得意!卓越した走行性能。なんでもできるワゴンモデル
※上図:ゴルフRヴァリアントの荷室
ゴルフRヴァリアントは、卓越した走行性能を誇る。
さらに、ワゴンなので荷室容量は、611Lと広大だ。ちなみに、1クラス上のBMW 3シリーズツーリングの荷室容量は500Lなので、いかにゴルフRヴァリアントの荷室が広いか分かる。一方で、最小回転半径は5.1m、全幅は1,790mmと最近の輸入車としては細めだ。
細い道や狭い駐車場が多い日本で扱いやすいスペックを誇る。
※上図:ゴルフRヴァリアントの運転席
※上図:ゴルフRヴァリアントの後席
ゴルフRヴァリアントは、スポーツカー並みの走行性能を誇りながら、クラスを超えた実用性も得ている。まさに、これ1台でウインタースポーツやキャンプ、ゴルフにスポーツ走行などなど、すべてを満たす万能スーパーエクスプレスといえる1台だ。
フォルクスワーゲン ゴルフRヴァリアント価格、ボディサイズなどスペック
代表グレード |
ゴルフRヴァリアントDCCパッケージオプション装着車 |
価格 |
6,525,000円 |
全長×全幅×全高 |
4,650mm×1,790mm×1,465mm |
ホイールベース |
2,670mm |
定員 |
5名 |
車両重量 |
1,600kg |
タイヤサイズ前/後 |
235/35R19 |
最小回転半径 |
5.1m |
サスペンション前/後 |
ストラット/4リンク |
エンジン型式種類 |
DNF型直4DOHCターボ |
排気量 |
1,984cc |
最高出力 |
235kW(320ps)/5,350-6,500rpm |
最大トルク |
420Nm(42.8kgm)/2,100-5,350rpm |
ミッション |
7速DSG |
WLTCモード燃費 |
12.2km/L |
ゴルフのカタログ情報
- 現行モデル
- 令和3年6月(2021年6月)〜現在
- 新車時価格
- 291.6万円〜460.7万円
ゴルフの在庫が現在32件あります
以下車両の保証内容詳細は画像をクリックした遷移先をご確認ください。