この記事の目次 CONTENTS
お勧め 1 3代目シトロエンC3
お勧め 2 2代目ボルボV40
お勧め その3 6代目フォルクスワーゲン ポロ
お勧め 4 プジョー2008
お勧め 5 フォルクスワーゲン ゴルフ7

ライター紹介

クルマ評論家 CORISM代表

大岡 智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員

輸入コンパクトカーの新車価格は高価だが、中古車になると価格がグッと下がって買い得感が増してくる。車種によっては燃料費が安く燃費もよいディーゼル車も選択可能だ。
そこで今回はコスパに優れ、200万円以下で買えるオシャレなお勧め中古輸入コンパクトカーを5台ピックアップした。

お勧め 1 3代目シトロエンC3

問答無用の圧倒的なデザイン力

シトロエンC3

3代目シトロエンC3は、2017年に登場した。早くからSUVテイストを取り入れたモデルだ。ボディ下部やフェンダーを覆うブラックの樹脂製パーツが、ワイルドなSUV的ルックスを強調している。
ボディサイドに取り付けられた大型の樹脂製サイドモールのようなパーツは、エアバンプだ。エア封入の軟素材がボディをキズから守る機能を持ち、さらにC3のデザインアイコンのような存在にもなっている。
フロントフェイスは大きく迫力がある。そのためBセグメントのコンパクトSUVながら、より大きく立派に見えるのも特徴だ。
こうしたデザイン性の高さは、さすがシトロエンのモデルである。日本車には無い独特の存在感がある。

エンジンは直3 1.2Lターボが搭載されている。最高出力は110ps、最大トルクは205Nmと十分だ。最新モデルの燃費は17.2km/L(WLTCモード)となっている。SUVルックだがFF(前輪駆動)のみの設定だ。また、このクラスのモデルとしてはトップレベルの乗り心地の良さを誇る。

C3の中古車価格相場

C3の中古車相場は、130~180万円程度だ。中古車流通量が少ないため、やや価格のばらつきが大きい。当時の新車価格が250~280万円だったので、52~64%にまで価格が下がってきている。年式から考えると、中古車価格はやや高めを維持。それだけ人気があるということになる。
当時のグレードには、シャインとフィールが用意されていた。お勧めは充実装備の上級グレードであるシャインだ。このシャインに純正ナビやETC、ドライブレコーダーなどが付いていれば、よりコスパに優れる中古車になる。

 

お勧め 2 2代目ボルボV40

洗練さが際立ったスカンジナビアンデザインと優れた予防安全装備

ボルボ 外観

2代目ボルボV40は、Cセグメントのコンパクトカーで、超激戦カテゴリーに属する。そのため自動車メーカー各社、自社のプライドをかけたモデルと投入している。
こうした状況下にあるため、Cセグメントのコンパクトカーは、非常に完成度が高いモデルが多い。フォルクスワーゲン ゴルフやメルセデス・ベンツAクラス、BMW1シリーズなどがライバル車だ。

そんな中、異彩を放つのがV40だ。その大きな魅力のひとつがデザインにある。スカンジナビアンデザインとも呼ばれ、ドイツ系やフランス系のモデルとは全く異なる、洗練されたデザインだ。多くのクルマの中でも、ひと際目立つ存在感をもつ。
後期型のフロントフェイスでボルボ車らしさをアピールしているのが、ヘッドライトに採用された北欧神話のトールハンマーをモチーフにしたデザインだ。

V40の走りはなかなかスポーティだ。初期のモデルは硬めの乗り味だったが、後期のモデルではしなやかさが増して乗り心地も良好だ。

搭載されたエンジンは、1.5L、1.6L、2.0Lのガソリンターボと2.0Lディーゼルターボだ(年式によって異なる)。
どのエンジンもなかなかパワフルである。その中でもお勧めは、低燃費でありながら大トルクを発揮する2.0Lディーゼルターボだ。400Nmもの大トルクを誇り、燃費値はJC08モードで20.0km/Lという優れた燃費値を実現した。

ボルボには、優れた予防安全装備が搭載されている。
V40は2013年に発売が開始されたが、2013年12月の改良まで予防安全装備がオプションだった時期がある。装備が非装着な車両は少ないが、2013年式の購入時には自動ブレーキや運転支援機能が装備されているか必ず確認したい。

V40の中古車価格相場

2代目V40の中古車相場は、後期型となる2017年式で約160~240万円だ。新車価格が340~460万円位だったので、新車価格の47~52%程度にまで価格が下がっている。まずまずの値落ちといえる。
予算200万円となると、車両価格は180万円前後になる。選べるグレードは、1.5LターボのT3モメンタムが中心だ。T3系の中間グレードで、装備も充実している。
2.0LディーゼルターボのD4系、SUVルックのクロスカントリーD4系も選べるが、中古車流通量がやや少ない。最上級グレードだったD4インスクリプション、クロスカントリーD4モメンタムなどがあれば、さらにお勧めだ。

お勧め その3 6代目フォルクスワーゲン ポロ

狭い道が多い日本にピッタリな超正統派コンパクト

6代目フォルクスワーゲン ポロ

コンパクトカーを得意とするフォルクスワーゲン車の中で、日本マーケットにピッタリなモデルが2018年にフルモデルチェンジをした6代目ポロだ。
ボディサイズは、全長4,060×全幅1,750×全高1,450mmとコンパクトなサイズとなっている。国産コンパクトカーが全幅1,695mmの5ナンバーサイズを維持しているのに対して、全幅は1,750mmとややワイドだが、最小回転半径は5.1mと国産コンパクトカー並み。車種によっては、国産コンパクトカーより小さい。そのため、狭い駐車場でもそれほど困ることはないだろう。また、室内も広く十分なスペースをもつ。

大きな魅力のひとつが、走行性能だ。やや硬めの乗り心地だが、フットワークは軽快である。4輪のタイヤがシッカリと路面を掴まえているような接地感がある。国産コンパクトカーだと、速度が上がるほどに接地感が無くなり安定感に欠けてくるモデルもあるが、ポロはどんな速度域でも安定しているので、安心して走れる。
搭載エンジンは、直3 1.0Lターボエンジンがメインだ。2019年に直4 1.5Lターボエンジンが搭載されている。初期の1.0Lターボエンジンの出力は95ps&175Nmと十分な数値だ。燃費は19.1km/L(JC08モード)である。

ポロは総合力の高さが魅力だ。小さく使い勝手の良いボディサイズながら広い室内をもち、走行性能はクラス世界トップレベルを誇る。まさに、粗が見当たらないコンパクトカーともいえ、初めての輸入車としてピッタリな1台だ。

ポロの中古車価格相場

ポロの中古車相場は、2019年式で約150~190万円程度だ。200万円の予算で十分選べる。新車価格が約210~270万円(Rラインを除く)だったので、およそ新車価格の70%にまで価格が落ちている。なかなか順調な値落ちで、高年式車としては買い得感がある。

グレードは、中間グレードのコンフォートラインとハイラインが多い。同等程度の価格、車両のコンディションであれば、迷わず豪華装備のハイラインを選ぶとよい。全般的に走行距離が少なく、程度のよい車両が多い。

お勧め 4 プジョー2008

クリーンなデザインのオシャレ系コンパクトSUV

初代プジョー2008

初代プジョー2008は2014年に登場した。Bセグメントのコンパクトカー208をベースにSUV化したモデルだ。

2008の外観デザインは、コンパクトカーの208のイメージを継承している。しかし、よく見ると同じ部分はほとんど無い。より大型化され迫力を増したグリルや、切れ長で睨みの効いたヘッドライトが特徴だ。全体的に品があり、シンプルでオシャレなスタイリングが魅力である。

インテリアもなかなか個性的だ。小径のステアリングホイールで独特の世界観に包まれている。今でもあまり古さを感じさせないデザイン力はさすがだ。

初期の2008には、ETG5と呼ばれる5速MTベースに自動変速機能が付いたミッションが搭載されていた。このミッションは変速時に空走感があり、慣れないとギクシャクした走りになるとあまり評判が良くなかった。そのため、初期のモデルよりも2016年に投入された6速AT車以降のモデルをお勧めしたい。

2008に搭載されたエンジンは、1.2L直3ターボだ。出力は110ps&205Nmで、余裕のある走りが可能になった。乗り心地は少し硬めだが、尖ったようなショックは無い。大きな凸凹もしっかりとサスペンションが吸収しているのは、さすがプジョー車だ。

 

プジョー2008の中古車価格相場

2008の中古車相場は、2017年式で120~180万円程度だ。新車価格が約260~290万円だったので、新車価格に対して約46~62%程度になった。160万円以上する価格帯の車両は、少々高めな印象があるものの、順調に中古車価格は下がっている。予算200万円で十分に狙えるモデルといえる。

2008のグレードは、アリュールとGTラインの2種類だ。上級グレードであるGTラインの新車価格は30万円以上高価。GTラインはグリップコントロールという機能で駆動力が最適化され、さらに装備や内装なども質感が高めだ。

車両価格が約170万円以下だとエントリーグレードのアリュールが中心になる。アリュールでも十分な仕様だ。安価な価格帯でGTラインがあれば、程度にもよるが積極的に選んでよいだろう。どちらのグレードも純正ナビやETC、ドライブレコーダーなどが装備されていれば、さらに買い得感が高くなる。

お勧め 5 フォルクスワーゲン ゴルフ7

全方位スキ無し! 誰にでもお勧めできる超実力派コンパクト

フォルクスワーゲン ゴルフ7

Cセグメント コンパクトカーの定番となっているのが、フォルクスワーゲン ゴルフだ。世界中の自動車メーカーがベンチマークとするほど高い総合力をもつ。

今回お勧めするのは、先代であるゴルフ7だ。このモデルから、MQBという新世代プラットフォーム(車台)に変更されている。最新のゴルフ8も改良型MQBを使用しており、基本性能はゴルフ7とそれほど大きな差はない。

搭載されたエンジンは、基本的に1.2Lと1.4L直4ガソリンターボエンジンだ(年代によって改良されている)。2019年には2.0Lディーゼルターボが追加された。ディーゼル車はイチオシだが、まだ高年式のため予算200万円で購入するのはむずかしい。

中古車のお勧めは、2017年のマイナーチェンジ後モデルだ。1.2Lは必要十分な出力で、1.4Lなら余裕のある走りが楽しめる。

  出力 燃費(JC08モード)
1.2L 105ps&175Nm 19.1km/L
1.4L 140ps&250Nm 18.1km/L

ゴルフ7には多くの特別仕様車があるが、ベースは3グレード構成だ。

  • トレンドライン(エントリーグレード)
  • コンフォートライン(中間グレード)
  • ハイライン(最上級グレード)

トレンドラインとコンフォートラインには1.2Lターボエンジン、ハイラインは1.4Lターボエンジンが搭載された。
リヤサスペンションにも違いがある。トレンドラインとコンフォートラインはトレーリングアーム式、ハイラインは4リンク式で、乗り心地はハイラインが最もよい。

外観は完成度が極めて高く、質実剛健感あるデザインだ。インテリアも同様に、派手さは無いが上質感は非常に高い。クセも強くないので、飽きのこないデザインだ。誰にでもお勧めできる。

ゴルフ7の中古車価格相場

ゴルフ7のお勧めは、2017年のマイナーチェンジ後モデルだ。2017年式中古車相場は、おおよそ130~190万円。予算200万円で十分に購入できる価格帯だ。新車価格が250~330万円位なので、約52~58%にまで価格が下がってきている。まずまずな価格の下落で、買い得感が出てきている。

グレードでお勧めなのは、ハイラインだ。乗り心地や装備が良く、力強い。ハイラインだと車両価格が約150万円台からとなる。ハイラインの装備では、デジタルメータークラスター付きがお勧めだ。ナビ画面をメーターに表示するなど、色々な情報を取捨選択できるので便利だ。オプションなので、装備しているかどうかしっかりと確認してから購入したい。

オシャレで手の届きやすい価格帯の輸入車を紹介した。輸入車の中でも日本の道路事情に適したコンパクトカーを選んだが、利用シーンによって使い勝手は人それぞれだろう。購入検討の際は試乗をしてみて自身の利用シーンに合うか確かめるようにしたい。