走る楽しさが凝縮されたコンパクトボディ
搭載エンジンは1.6Lに排気量アップされたM16A型エンジン。ピストン、クランクシャフト、カムシャフトなどが入念にチューニングされ、高回転域までスムーズに回るエンジンに仕上げている。92kW/148N・mの実力も、1.6Lクラスとしては十分なものだ。
組み合わされるトランスミッションはスポーツ走行に対応した5速MTとスポーツチューニングを施した4速ATの2種類。今どきのクルマとしては、6速MTや5速ATが欲しくなるところだが、無理な注文をして高くなってもつまらない。これは納得すべきところだろう。
そのスイフトスポーツを走らせると、これがとても気持ちが良い。走りの楽しさという点ではデビューしたばかりのロードスターが注目されているが、それに匹敵する楽しさを味わえるのがスイフトスポーツといっても過言ではない。
エンジンの吹き上がりが気持ちの良さを一番に表現しているし、絶対的なパワーはさほどではなくてもボディに見合った性能が操る楽しさを実現する。足回りは街中では硬さを感じる乗り心地だが、ワインディングなどでの操縦安定性の高さは極めて高いレベル。大柄なスポーツモデルにはない軽快な走りが可能である。手応え十分に操舵フィールも安心感につながる。これは相当な掘り出し物といえるだろう。
●お勧めグレード
単一グレードで5速MTと4速ATが設定されているが、スイフトスポーツは5速MTで乗るのが当然のクルマだ。価格は相当に割安な水準に設定されているので、初めてマニュアル車に乗るユーザーなども気軽に選べるクルマといえる。車両本体にカーナビなどのオプションを装着して200万円程度で収まるから、総額でも230万円くらいの予算だ。