搭載されるV型6気筒3.5Lエンジンは、国産車として初めてエンジン出力の自主規制枠超えて300psのパワーを発生するようになった。ただ、そのパワーの出方はスポーツカー風の荒々しいものではなく、高級車にふさわしい滑らかな力強さとして表現されている。SOHC・VTECならではの吹き上がりの良さと、高回転域まで回したときのパワーフィールはとても気持ちの良いものだ。
シャシーは高い操縦安定性を発揮するSH-AWDが優れた性能を示してくれる。高速道路でのレーンチェンジやワインディングでのタイトターンのときなど、後輪の左右に駆動力を配分することで、自然な挙動の走りが得られるからだ。このシステムによるアドバンテージは相当に大きいと思う。
新型レジェンドの走りで強いて欠点を上げるなら、ロードノイズがやや大きめに入ってくること。日本の高級車は静かなことに重きが置かれるので、静粛性に関してはさらに高めて欲しいと思う。
このほか、暗い道路を歩く人間を認識して画面に表示するインテリジェント・ナイトビジョンも注目される。
レジェンドは単一グレードなので特にお勧めグレードはないが、オプションでアドバンスドパッケージを装着しておきたい。本体価格が500万円に達するのはいかにも高い印象だが、SH-AWDを始め、優れたメカニズムが採用されることを考えると、十分に納得モノといえる。