4.3Lに排気量アップされたV型8気筒エンジンのパフォーマンスは相当なもの。停止状態からアクセルを全開にして加速すると、わずかにテールを沈ませながら、豪快な加速フィールを味わわせてくれる。レッドゾーンぎりぎりの6200回転あたりまで引っ張った後の変速は実にスムーズなもので、高級車ならではの加速が楽しめる。6速ATはタウンモードで走ったときにも余分な変速をすることなく、落ち着いた走りが可能だ。
改良された電子制御エアサスペンションを採用した足回りは、基本的に乗り心地重視のチューニングだが、操縦安定性もとても高いレベルに達している。これはVSCを進化させたVDIMと呼ぶ新機構が採用されていることも影響している。従来のTRC、ABS、VSCを総合的に制御して滑らかな効き方にしたほか、ステアリングとの総合制御も実現している。滑りやすい路面などでは特に高い効果を発揮する機構だ。
このほか、安全装備としてプリクラッシュ・セーフティを始め、ナイトビュー、レーダークルーズコントロールのレーンキープアシストや低速追従モードなど、さまざまな新機構が採用されている。これも見逃せないポイントだ。安全装備だけでも全部のオプションを装着すると、オプション価格が100万円を超えてしまうが、安全装備に関しては、可能な限り装着するのを基本にしたい。