税金を払う必要がある?戻ってくる?売却金は所得?【完全ガイド】車売却時の税金
目次
まとめ
- 4月1日以降に売却する場合は自動車税を支払う必要がある
- 買取業者によっては、自動車税や自動車重量税の残期間を考慮して買取価格を上乗せしてくれる場合も
- 50万円以上の売却益があり、かつ用途が『レジャー用』『事業用』の場合は課税対象として確定申告が必要な場合も
- 車を廃車(抹消登録)にした場合は自動車税、重量税の一部が還付される(軽自動車税は対象外)
車の売却に関わる税金3種類
車の売却に関わる主な税金は自動車税/軽自動車税、所得税、消費税の3種類です。ここではそれぞれの税金を支払う必要があるのか、解説します。
自動車税と軽自動車税
自動車税/軽自動車税は『4月1日時点の車の所有者』がこの先1年分を前払いで納めます。
そのため売却予定であったとしても、4月1日時点で車を所有していれば、税金を支払う必要があります。例えば4月中旬に車を売却しても、自動車税/軽自動車税は支払わなければいけません。他方で3月末までに車を売却し名義変更も完了していれば、自動車税/軽自動車税を支払う必要はありません。
なお、車を廃車にする場合は国の還付制度があり、残期間に応じて税金が返ってきます。車を売却した場合は還付の対象外ですが、買取店によっては残期間に応じて買取価格を上乗せしてくれます。詳しくは この記事の後半 で解説していますので、確認してみてください。
4月1日時点で車を所有している場合に支払う自動車税/軽自動車税の金額は、以下のページで確認することができます。
所得税
基本的には支払う必要はありませんが、車の売却によって大きな利益を得た場合には『所得』として見なされ、確定申告と所得税の支払いが必要な場合があります。
以下の条件を全て満たす場合は課税対象となる可能性があるため、税理士や最寄りの税務署に相談すると良いでしょう。
- 車を売却した時の金額が、『購入価格ー減価償却相当額』を上回っている
- その売却益が、控除額である50万円を超えている
- 売却した車の利用目的が『事業用』『レジャー用』などであり、『生活に通常必要』とはいえない
※『通勤用』など『生活に通常必要』と認められる場合は確定申告は不要
上記の3つ全てを満たす場合には、確定申告をし、所得があったことを国に報告する必要があります。確定申告をすると、他の所得額などを踏まえた税率の所得税の支払いを求められます。
所得を申告していないことが発覚した場合は、本来の税金に加えて加算税や延滞税を課されることがあるので注意してください。
消費税
消費税は、事業者が事業として売却した時に発生するものです。個人事業主等を除く『一般の個人』が生活に通常必要な車を売却した場合は、納める必要がありません。
個人事業主や法人が事業用の車を売却した時には、売却した人は、購入した人から『消費税を預かっている』状態です。(※売却時の明細や契約書に「消費税」と別途書かれていない場合は、購入者が事業者から購入したとしているからです。)
個人事業主や法人は、その預かった消費税を納税する必要があります。
廃車や売却の時に支払い済みの税金は還付されないの?
今まで乗っていた車を廃車にした場合、前払いしていた自動車税や自動車重量税の一部が国や自治体から払い戻される「還付制度」があります(軽自動車税は対象外)。還付金額は以下のように計算します。
自動車税
▽計算式
▽具体例
2019年に購入したトヨタ/アクア(自動車税額3万500円)を7月に売却する場合
重量税
▽計算式
▽具体例
2019年に購入したホンダ/フィット(1.5t以下、重量税額24,600円)で車検期間が8か月残っている場合
ただし、車を売却した場合は「廃車」でなく「譲渡」に当たるため、国や自治体からの還付制度はありません。
しかしガリバーを含めた一部の買取店では、支払い済みの自動車税や自動車重量税を考慮して査定し、買取価格をつけています。詳しくは「ポイント2. 自動車税・重量税の未経過分を「上乗せ」してくれる業者も」をご覧ください。
車の売却時の税金にまつわる注意点・ポイント
注意点1. 自動車税が未納だと売却できない
自動車税は、その年の4月1日時点の所有者が1年分を前払いする必要があります。自動車税が未納のままでは、車を売ることはできません。通常、自動車税の納付書は4月下旬から5月上旬に送られてきます。納付書がある人はすぐに延滞分を納付しましょう。
「納付書を紛失してしまった」という人は、再発行をしてもらいましょう。都道府県の税事務所(軽自動車の場合は市区役所)や自動車税コールセンターに連絡してください。
注意点2. 個人売買の場合はトラブルが多い
車の個人売買の場合、「売主と買主のどちらが税金を負担するのか」を決める明確なルールがないため、トラブルになりやすく注意が必要です。
一般的には以下のように負担することが多いですが、ルールとして定められているものではないので、事前に売主と買主で相談し、しっかりと認識を揃えておきましょう。
- 自動車税の未経過分は、月割りで買主が負担する
- 自動車重量税及び自賠責保険料は、残期間があっても買主に費用負担を求めない
- リサイクル券の金額は、買主が負担する
口約束はトラブルの原因になりやすいので、契約書を作成し、「どちらが何を負担するか」を明記しておくと良いでしょう。
個人売買における税金負担のポイントは、以下のページで詳しく解説していますので、参考にしてみてください。
ポイント1. 個人事業主は特別控除を利用しよう
個人事業主が車を売却する場合は、譲渡所得(総合所得)として特別控除が50万円まで認められています。
譲渡所得の金額は、一般的に「売却額-(購入価格-減価償却相当額)-50万円」となります。売却益が出た場合は、特別控除の50万円を活用しましょう。
ポイント2. 自動車税・重量税の未経過分を「上乗せ」してくれる業者も
廃車にした場合は自動車税や重量税が一部還付されるのに対し、車を売却した場合には、こうした還付制度はありません。
しかし中古車買取を行うお店の中には、既に支払っている自動車税や自動車重量税を考慮して、買取価格に上乗せしてくれるお店もあります。
ガリバーでは、既に支払った自動車税や自動車重量税はもちろん、車検の残り期間やリサイクル券も買取価格に反映しています。 今の車の買取価格を確認するためにも、まずは気軽に無料査定をご利用ください。
記事に対する監修者コメント
新車が手に入らない状況で、中古車の買取相場が高騰していることもあります。こうしたケースでは、車の売却により思いがけない高額な売却益が生じることがあります。転売目的やレジャーで使用しているなど場合によっては所得税が課税されることもあります。納税が必要な場合は、売却で得たお金から納付する必要がありますので、事前に課税関係を確認しておくと良いでしょう。
クルマを高く売る方法
この記事を執筆・監修した人
- 現在の役職・肩書
- 保有資格
税理士、CFPⓇ、FP技能士1級
- 略歴
1997年から税理士業務に従事し、税理士として20年以上のキャリアがあります。
自動車税、所得税といった身近にある税金関係の記事監修が得意。確定申告の仕方や自動車税金の仕組みについてメディアで多く記事監修をしている実績があります。