事業用のクルマ売却時の仕訳と控除

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事業用のクルマ売却時の仕訳と控除

勘定科目は?預託金は? 事業用のクルマ売却時の仕訳方法と控除

営業を始めとした事業活動に、クルマを利用されている方も多いでしょう。しばらく乗った後に車両を売却すると現金が入ってきますが、会計処理の際にどのように仕訳をするのかわかりにくいもの。個人事業主と法人でも計上の方法が異なるので、それぞれのケースを把握しておきましょう。預託済みリサイクル料金や減価償却費の処理方法など、紛らわしいものも分かりやすく解説します。

  • 当記事の文章及びその内容に関して、万が一誤りがあった場合でも当社は一切その責任を負いかねます。

会計におけるクルマの考え方

クルマ売却時の仕訳を理解するには、購入から今まで、クルマがどのように計上されているかを理解する必要があります。
基本的な考え方は、以下の通りです。

  • クルマは「経費」ではなく「資産」であり、購入時に以下のように計上
    • 車両そのものは「車両運搬具」という資産(※減価償却対象)
    • リサイクル預託金は「預託金」という資産(※減価償却なし)
  • 車両の資産価値は、減価償却分だけ毎年減少(※減価償却分を損金計上しているため)
  • 車両を手放した時の「利益」は「車両の売却額(※リサイクル預託金分除く)- 今のクルマの資産価値」

法人がクルマを売却した時の仕訳

法人がクルマを売却して損益が出た場合、その勘定科目は「固定資産売却益」「固定資産売却損」になります。

ただしクルマを売却した場合、その中にはリサイクル預託金相当額も含まれていることが多いので、仕訳の時には注意が必要です。 そこで、以下のような具体例で、仕訳方法を確認してみましょう。

購入時の価格(帳簿価額) 3,000,000円(①)
購入時に支払ったリサイクル預託金 18,000円(②)
減価償却累計額 2,000,000円(③)
売却時の車両の価値(帳簿価額) 1,000,000円(①-③)
売却価額(リサイクル預託金含む) 1,200,000円(④)

減価償却には「減価償却した金額をそのまま帳簿に記載する方法(いわゆる直接法)」と、「帳簿上で減価償却をする方法(いわゆる間接法)」があるので、その双方をご紹介します。

【直接法(消費税込み処理)】

借方 金額 借方 金額
現預金
(※手放したことにより手に入った金額:④)
1,200,000円 車両運搬具
(※手放した段階でのクルマの資産価値:①-③)
1,000,000円
    預託金
(※リサイクル預託金:②)
18,000円
    固定資産売却益
(※手放したことによる利益:④-①+③-②)
182,000円
合計 1,200,000円 合計 1,200,000円

【関接法(消費税込み処理)】

借方 金額 借方 金額
現預金
(※手放したことにより手に入った金額:④)
1,200,000円 車両運搬具
(※購入時のクルマの資産価値:①)
3,000,000円
減価償却累計額
(※損金として今までに償却された価値:③)
2,000,000円 預託金
(※リサイクル預託金:②)
18,000円
    固定資産売却益
(※手放したことによる利益:④-①+③-②)
182,000円
合計 3,200,000円 合計 3,200,000円

直接法と間接法、どちらを選んでも資産や経費の金額は変わりません。
今までと同じルールで計上していくのが基本なので、前例があれば、それに倣うようにしましょう。
初めて減価償却がある資産を売却する場合は、自分にとって分かりやすい方を選ぶことをおすすめします。

個人がクルマを売却した時の仕訳

個人がクルマを売却した場合、固定資産の帳簿価額と売却価額との差額は「事業主借」「事業主貸」として計上します。

「事業主借」とは「事業主から借りたお金」という意味の勘定科目で、売却をした時に利益が出た時に使います。
「事業主貸」は「事業主に貸したお金」という意味で、減価償却や手数料を含めると、クルマ売却により損が出た場合に使う勘定科目です。
法人のように「固定資産売却益/固定資産売却損」を使わないのは、クルマを手放した際に生まれた利益は「譲渡所得」として、事業所得や不動産所得とは分けて考えられるからです。

このように使用する勘定科目は異なりますが、基本的な仕訳の考え方はあまり変わりません。
直接法、間接法それぞれ、以下のように仕訳をします。

【直接法(消費税込み処理)】

借方 金額 借方 金額
現預金
(※手放したことにより手に入った金額:④)
1,200,000円 車両運搬具
(※手放した段階でのクルマの資産価値:①-③)
1,000,000円
    預託金
(※リサイクル預託金:②)
18,000円
    事業主借
(※手放したことによる利益:④-①+③-②)
182,000円
合計 1,200,000円 合計 1,200,000円

【関接法(消費税込み処理)】

借方 金額 借方 金額
現預金
(※手放したことにより手に入った金額:④)
1,200,000円 車両運搬具
(※購入時のクルマの資産価値:①)
3,000,000円
減価償却累計額
(※損金として今までに償却された価値:③)
2,000,000円 預託金
(※リサイクル預託金:②)
18,000円
    事業主借
(※手放したことによる利益:④-①+③-②)
182,000円
合計 3,200,000円 合計 3,200,000円

更に
差がつく!
譲渡所得には最大50万円の特別控除が!

譲渡所得には最大50万円の特別控除が!

事業用のクルマ売却によって利益が出た場合、それは「譲渡所得」という扱いになり、所得税の対象になります。
ただし、譲渡所得には控除額が設けられており、家屋・土地以外については最大50万円の控除が受けられます。課税されるのは以下の計算式で譲渡所得が生じている場合のみです。

譲渡価額 -(取得費+譲渡費用)- 特別控除額50万円 = 譲渡所得

  • 取得価額から減価償却費累計額を控除した金額

所有期間が5年以上の「長期譲渡」となった場合、課税されるのは上記で算出された譲渡所得の1/2のみです。
ただし、特別控除額は全ての譲渡に対して上限で50万円までとなっており、例えば1年の間に2台のクルマを売却しても、それぞれのクルマについて50万円ずつ控除される訳ではありません。

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