軽自動車の車検で10万円は高い?費用相場と安く抑えるポイント

軽自動車の車検で10万円は高い?費用相場と安く抑えるポイント

軽自動車の車検で10万円は高いのでしょうか?ここでは、軽自動車の車検費用の内訳や相場、費用が高くなる理由、安く抑えるポイント、買い替える場合のおすすめ車種などを解説します。

軽自動車の車検で10万円は「やや高い」

軽自動車の車検で10万円は「やや高い」といえます。特に、整備工場やガソリンスタンドの車検で大きな故障や不具合もない状態なら、これはかなりの高額です。一方で「古い車の車検をディーラーに依頼した」というケースなら、相場の範囲内といえます。

車検費用は、依頼先と車両状態で大きく変わります。費用が妥当か判断する場合は、この2点を踏まえて考えましょう。

軽自動車の車検費用の内訳と相場

車検費用の内訳

車検費用は、法律で定められた「法定費用」と車検業者が独自に設定する「点検・整備費用」から成ります。

  • 法定費用…自動車重量税、自賠責保険料、印紙代
  • 点検・整備費用…車検基本費用(24ヶ月定期点検料、測定検査料、代行手数料など)、部品交換費用

法定費用は、どこで車検を受けても変わりません。一方、点検・整備費用は車検を受ける場所によって変わります。

法定費用|軽自動車は約2~3万円

軽自動車の法定費用は、以下の合計で決まります。最低で約2万円、最高でも約3万円程度です。

  • 自動車重量税…0円~8,800円(※年式や環境性能による、24ヶ月分)
  • 自賠責保険料…17,540円(※2025年1月時点、24ヶ月分)
  • 印紙代…1,600円~2,200円(※申請方法や依頼先による)

点検・整備費用|相場は約2~8万円

点検・整備にかかる費用は、車検を受ける場所によって大きく幅があります。依頼先ごとの大まかな相場費用は、以下の通りです。

  • ディーラー…3.5〜8万円程度
  • 整備工場…2~6.5万円程度
  • ガソリンスタンド…1.5~3.5万円程度
  • カー用品販売店…1.5~4.5万円程度

また、走行距離の長い車や古い車は、部品交換や修理が必要になることも多いです。そのため、同じお店で車検を受けても点検・整備費用が高くなる傾向があります。

車検費用全体|約4~10万円が目安

法定費用と点検・整備費用を踏まえると、軽自動車の車検費用の目安は4~10万円ほどです。さらに言えば、年式が新しく、不具合等もなければ8万円以下のことが多いでしょう。

冒頭でもお伝えしたように、依頼先や車の状態によっては軽自動車で車検費用10万円もあり得ます。しかし、全体的に見るとこれは「やや高い」金額です。

車検費用が高くなる理由3つ

車検費用が10万円前後になるのは、具体的にどういったケースなのでしょうか。ここでは、考えられる3つの理由をご紹介します。

理由①ディーラーなどに依頼した

ディーラーは、他のお店に比べて車検の点検・整備費用が高い傾向があります。そのメーカーの車種に詳しい整備士が点検・整備を行うので人件費が高く、部品交換でも純正品を使うためです。ディーラーだからこその安心感はありますが「質が高い分だけ費用も高い」と考えましょう。

なお、ディーラー以外であっても基本的な車検料金が高いお店もあります。

理由②愛車が10年/10万km超え

新車登録から10年、或いは走行距離が10万kmを超えた車について、法定費用が変わるといったことはありません。しかし、10年/10万kmは部品の消耗や劣化が激しくなる「目安」といえます。

タイミングベルトなど、大きな部品の交換時期も10年/10万kmが目安となっていることが多いです。部品交換が重なれば、必然的に車検費用は高くなります。

理由③愛車が13年/18年超え

新車登録から13年/18年を超えるタイミングでは、車検時に納める自動車重量税が重課されます。具体的に、年式ごとの自動車重量税の金額は以下の通りです。

【税額(エコカー以外の場合)】

  • 1~12年目:3,300円/年
  • 13~17年目:4,100円/年
  • 18年目~:4,400円/年

自動車重量税の重課に加えて、13年以降はいよいよ車の劣化が顕著になってきます。そのため、10年/10万kmを超える車以上に車検費用が高くなる可能性があります。

軽自動車の車検費用を安く抑えるポイント5つ

車検費用を抑えたい場合は、依頼先や見積書の内訳、割引の有無などをよく確認しましょう。また、古い車などで10万円を超える場合は車検を機に買い替えるのも一つの選択です。

ポイント①依頼先をよく検討する

ディーラーで車検を受ける予定だった場合は、他の選択肢も検討してみましょう。また、ディーラー以外の場合も、点検・整備費用を比較するのがおすすめです。

ただし、費用だけで選ぶと点検・整備の質が低い可能性があります。インターネットなどで基本的な費用を調べ、お店を絞り込んだら見積書の内容も見て最終判断をすると良いでしょう。

ポイント②費用の内訳を確認する

車検の点検・整備の内容は「どのお店で受けても同じ」という訳ではありません。
お店によっては、法律で定められている以上の項目について細かく点検・整備を行うケースがあります。また「まだ交換しなくても良い」という状態でも積極的に部品交換を勧められるケースもあります。

見積書を受け取ったら、点検項目数や部品交換が多すぎないか確認してみましょう。

ポイント③割引の有無を確認する

お店によっては、車検の点検・整備費用について割引サービスを用意しています。Web予約割や早割など、種類もさまざまです。

割引の有無でも最終的な車検費用は大きく変わりますので、割引サービスの有無や条件を確認しましょう。

ポイント④簡単な整備は自分で行う

車検では、ウォッシャー液の補充やオイル交換、ワイパーゴムの交換などを勧められるケースも多いです。ただし、こうした作業は個人で行うことができます。自分で整備すれば、その分だけ車検費用を抑えられるでしょう。

さらに費用を抑えるならユーザー車検も検討
ユーザー車検とは、車検に必要な検査をユーザー自身で実施するものです。お店に払う点検・整備費用をカットできるので、車検費用を大幅に抑えられます。
自分で細かなチェックをする自信がない場合は、車検の際に行われる「24ヶ月点検」のみお店に依頼し、車の状態を整えて臨むことも可能です。

ポイント⑤車検前に車を買い替える

車検を機に車を買い替える人は少なくありません。車検前に買い替えれば車検費用を浮かせることができ、年式や走行距離の条件次第で故障・不具合のリスクを減らすこともできます。

特に「車が10年/10万kmを超えている」「13年落ち以上になっている」といった場合は、買い替えを考えても良いでしょう。

軽自動車を買い替える場合のおすすめ車種

ここでは、軽自動車のなかでも自動車重量税を抑えやすく、且つ実用性の高い3車種をご紹介します。
※自動車重量税や燃費は年式によっても異なります。

おすすめ①スズキ「アルト」

軽自動車の費用を抑えたい場合のお勧めの例:アルトの車両画像

現行モデルのアルト(2021年12月~)は、軽自動車のなかでも最も燃費性能の優れた車種です。2WD車のWLTC燃費は27.7km/Lであり、新車購入時の重量税が免税となります。

燃費が良いので購入後の維持費も安く、車両価格も抑えられているのでコストパフォーマンスに優れた一台です。

おすすめ②スズキ「ハスラー」

軽自動車の費用を抑えたい場合のお勧めの例:ハスラーの車両画像

現行モデルのハスラー(2020年1月~)も、燃費性能が優れた一台です。全車マイルドハイブリッド搭載で、2WD車(ターボ非搭載)のWLTC燃費は25.0km/L。新車購入時の自動車重量税は50%軽減となり、継続車検以降も5,000円(※エコカー以外は6,600円)です。

中古車市場でも流通量の多い車なので、車両価格を抑えたい場合は中古で購入しても良いでしょう。

おすすめ③ダイハツ「ムーヴキャンバス」

軽自動車の費用を抑えたい場合のお勧めの例:ムーヴキャンバスの車両画像

ムーヴキャンバスは、ハイト系ワゴンながらスライドドアを備えた実用性の高さが魅力です。また、バスを思わせるような愛らしいデザインも高く評価されています。

新車では、2WD車で購入時の重量税が50%軽減、4WD車で25%軽減となります。中古の場合も、現行モデル(2022年7月発売)は継続車検での重量税が5,000円です。

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軽自動車は、車種ごとの税金が変わりません。だからこそ、買い替えの際は燃費と実用性を中心にチェックすると良いでしょう。
また、現在の愛車を高く売ることも買い替えの大切なポイントです。

Supervised by norico編集長 村田創

norico編集長_村田創

中古車のガリバーに勤務して20年以上のベテランが車の知識をわかりやすく解説します。車のことは、多くのメーカーを横断して取り扱うガリバーにぜひ聞いてください。「車ってたのしい!」を感じてほしいと思っています!