2021年、車の盗難件数は5,182件
警視庁の発表によると、2021年の車両盗難認知件数は5,182件。平均すると1日に14台以上のクルマが盗難に遭っている計算です。
中でも2021年に盗難件数が多かった車種は以下の通りです。
順位 | 車種名 | 構成比 |
---|---|---|
1 | ランドクルーザー(トヨタ) | 13.6% |
2 | プリウス(トヨタ) | 11.0% |
3 | LX(レクサス) | 6.4% |
4 | アルファード(トヨタ) | 5.7% |
5 | クラウン(トヨタ) | 3.3% |
6 | ハイエース(トヨタ) | 3.2% |
7 | RX(レクサス) | 2.4% |
8 | ヴェルファイア(トヨタ) | 1.7% |
9 | LS(レクサス) | 1.5% |
ハリアー(トヨタ) | 1.5% |
被害が多いのは、主に海外で人気の車種や高級車です。またボディサイズの大きな車種も盗難件数が多い傾向にあります。これらのクルマは海外で転売されたり、解体されて部品として売られたりします。
エリアとしては、特に国際貿易空港が近い大阪・愛知・茨城・埼玉・千葉での被害が多いです。
スマートキーを悪用する手口が増加
近年はスマートキーの技術を悪用した盗難が増加しています。特に多いのが「リレーアタック」と呼ばれる手口です。リレーアタックでは、特殊な機器でスマートキーが発する電波を増幅させて車両を開錠し、そのままクルマを盗みます。
このリレーアタックを予防するには、次の章で紹介する「おすすめグッズ8選」の③で紹介している電波遮断ケースなどが有効です。
車の盗難防止の基本対策とおすすめグッズ8選
クルマの盗難対策は、主に以下の3種類に分かれます。
- 動かさせない(例:おすすめグッズ①タイヤロック)
- 侵入させない(例:おすすめグッズ③電波遮断ケース)
- 盗まれても追跡する(例:おすすめグッズ⑧GPS通信機器)
上記の異なるタイプの対策を組み合わせると、盗難のリスクをより下げることができます。具体的なグッズを8つご紹介していますので、ぜひ取り入れてください。
①ハンドルロック(ステアリングロック)
- 相場価格:4,000円~8,000円
ハンドルロックはその名の通り、ハンドルを固定して動かせなくするグッズです。防犯機能として標準装備されている車種もありますが、取り付け式のものもあります。
②タイヤロック
- 相場価格:3,000円~2万円
これは、タイヤのホイール部分にロックを装着するものです。ひと目で防犯対策がされていると分かりやすく、外すのにも時間がかかります。ただし外出するたびにユーザー自身もロックを着脱しなければいけません。
③電波遮断ケース
- 相場価格:1,000円~4,000円
最近多いリレーアタックに有効なグッズです。スマートキーをケースに入れ、電波を遮断します。通常のキーケース仕様のものや、自宅に置くボックスタイプがあります。
④防犯アラーム
- 相場価格:2,000円~6万円
ドアのこじ開けなど、車両に異常があると警告音を発したり、ランプを点滅させたりします。音量調整機能、通報機能が付いているものなど種類は様々です。機能性をよく調べた上で購入しましょう。
⑤セキュリティライト
- 相場価格:500円~2,000円
夜間にライトが点灯することで、人を近づけにくくします。アラーム音を発するといった効果はありませんが、安価で気軽に取り入れやすいグッズです。
⑥盗難防止ステッカー
- 相場価格:200円~1,500円
窓に警戒心を煽るステッカーを貼ることで、盗難を予防するためのグッズです。こちらも手軽に取り入れやすいですが、小さくて見えにくいというデメリットもあります。
⑦クルマ用カバー
- 相場価格:3,000円~2万円
高級車など盗難被害が多い車種なら、車種を特定されないようカバーをするのも有効です。ただし使うたびに着脱が必要であり、外出先ではカバーをかけにくいというデメリットがあります。
⑧GPS通信機器・追跡アプリ
- 相場価格:3,000円~4万円
万が一盗まれた時に追跡できるようにするなら、GPS通信機器やスマートフォンの専用アプリがおすすめです。バッテリー切れを起こさないよう、定期的に充電するようにしましょう。
【番外編】車両追跡サービス
こちらはグッズではありませんが、セキュリティ会社や各メーカーの車両追跡サービスに登録するのも有効な対策です。盗難に遭った時に迅速に対応してもらえるだけでなく、サービスによっては係員が現場まで急行してくれるので心強いです。
車の盗難被害に遭った時に取るべき行動
盗難に遭った場合に取るべき主な行動は以下の4つです。
- 警察に盗難届を提出する
- 保険会社に連絡する
- 税関に連絡する
- 車両の一時抹消登録をする
1. 警察に盗難届を提出する
車両がないと気づいたら、速やかに警察に盗難届を提出しましょう。盗難被害に遭った場所から最も近い交番や警察署で事情を説明し、提出手続きを取ってください。
2. 保険会社に連絡する
任意保険に加入していれば、盗難被害が保険の適用対象になっている可能性があります。
3. 税関に連絡する
盗難に遭ったクルマは、海外への転売のために税関を通ることもあります。近くの税関にクルマの特徴などを伝えておきましょう。
4. 車両の一時抹消登録をする
「一時抹消登録」とは、一時的にクルマの使用を中止する手続きのことです。陸運支局で一時抹消登録をすれば、普通自動車の場合、一時抹消登録以降の自動車税の還付を受けることができます。軽自動車は還付制度がありません。
なお一時抹消登録の手続きをしない場合でも、都道府県税事務所に申し立てをすれば自動車税の還付を受けることができます。
備えとして事前に車検証のコピーを
盗難届の提出や車両の一時抹消登録をする時には、ナンバープレートの番号や車台番号の情報が必要になります。万が一の時のために車検証のコピーを自宅などに保管しておくと良いでしょう。
「万が一のトラブル対策」にオススメの記事
盗難に限らず、クルマの運転では思わぬトラブルに巻き込まれてしまうことがあります。トラブルの予防や対策のために、以下の記事もお読みください。
- Supervised by norico編集長 村田創
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中古車のガリバーに勤務して20年以上のベテランが車の知識をわかりやすく解説します。車のことは、多くのメーカーを横断して取り扱うガリバーにぜひ聞いてください。「車ってたのしい!」を感じてほしいと思っています!