持っていた方が良いカー用品は?おすすめグッズを整備士が解説

持っていた方が良いカー用品は?おすすめグッズを整備士が解説

カー用品は種類が豊富で、初心者ではどれを買っておけば良いか悩む人も多いでしょう。今回は、愛車との快適なカーライフを送るために、最低限持っておいた方が良い、カー用品について整備士が解説します。メンテナンスが億劫といった人のために、カー用品の紹介数は厳選しているのでぜひ、参考にしてみてください。

日常的に起こりそうな車のメンテンナンスとは?

日常的に発生する車のメンテナンスにはまず、車内の掃除や洗車のような「見た目を美しく保つこと」があげられるでしょう。
次に、タイヤの空気圧のチェックやウォッシャー液の補充など「車の機能を保つため」の簡易的なメンテナンスがあります。
これらを中心に、初心者の車オーナーの方にもおすすめのカー用品をジャンル別に紹介します。

カー用品おすすめ(洗車編)

洗車は、洗車機を使う人もいれば手洗いでしたい人もいるでしょう。
いずれにせよ、ボディを拭きあげるタオルが必要になります。
そこでおすすめなのが、セーヌタイプの吸水タオルです。

実はわたし自身、職場でもプライベートでも上記商品を愛用しており、以下のようなメリットがあります。

  • 使用後に洗濯する必要がない
  • 干して乾かす必要がない
  • 吸水したら、水を絞り出して繰り返し使える
  • 吸水セーヌの中でも丈夫で破れにくい

洗車は準備や片付けが面倒ですが、拭きあげることに関して強いこだわりがない限りは、これ一枚で十分です。

手洗い洗車セット

手洗い洗車をする方は、拭きあげ用のタオル以外に、以下のような洗車グッズが追加で必要になります。

  • バケツ
  • シャンプー
  • ホイール用ブラシ、スポンジ
  • ボディ用スポンジ

すべて揃うわけではありませんが、どれを買えば良いのか分からない!という方には、セットになった洗車用品を買うのも良いでしょう。

カー用品によっては、蓋付きのバケツに収納して車に載せておくこともできるので便利です。
また、ボディやホイールを洗うのに一般的なスポンジでも十分ですが、グローブタイプも使いやすいのでおすすめです。

高圧洗浄機で楽々洗車

通販番組などでもよく紹介されている高圧洗浄機は、自宅での洗車にとても便利です。
中には、洗車での使用に特化したものがセットになっているものもあります。

この商品の特徴は、モコモコの泡をボディ全体に噴き付けることができる点です。
また、ケルヒャーは家庭用高圧洗浄機の中でも有名なメーカーですが、上記の商品は、コンパクトで持ち運びが楽なのがとても便利です。
実はこの高圧洗浄機はわたしも所有しています。
降雪地帯での融雪剤や、海に近い場所での塩害で車が錆びやすい環境にある方は、定期的に高圧洗浄機で下廻りや足廻りを洗浄するのにも使えるのでおすすめです。

セルフは注意!洗車時に初心者が気を付けたいこと

洗車をするときは、きれいな状態のスポンジやタオルを使いましょう。
使いかけのものや一度、地面に落としたものをそのまま使用すると、洗車傷をつけてしまう原因になります。
また、同じ理由でホイールとボディを洗うスポンジを分けたほうが良いでしょう。
コーティング施工車は、専用のシャンプーを使ったり、水洗い推奨というように洗車方法の指定がある場合があります。
コーティングを施工した業者や車屋さんに、あらかじめ洗車方法を確認しておくようにしましょう。

カー用品おすすめ(ボディ編)

必要になったときで十分ですが、どうしても使用過程でついてしまった、ボディの傷を消したり目立たなくするために、オーナー自身でも使えるカー用品があります。

ちょっとした傷の補修

ちょっとした傷を補修するためには、以下の2点があれば十分です。

  • コンパウンド
  • タッチペン(タッチアップペイント)

コンパウンドはカー用品店で様々な商品が販売されています。
用途にあったものを選びましょう。
タッチペンは、ボディカラーと色味が合わない場合、せっかく補修したのにきれいにならい可能性があるので、自動車ディーラー等で純正のものを購入することをおすすめします。

セルフは注意!車の傷消しで初心者が気を付けたいこと

コンパウンドは、目の粗いものから仕上げ用の目の細かいものまで様々な種類があります。目の粗いコンパクトで局所的に磨きすぎると、磨き傷が目立ってしまう可能性があります。ある程度、磨いて傷が消えないような深い傷の補修は、プロに任せるようにしましょう。
また、タッチペンによる補修時、付属のハケで細かい傷を塗ることは難しいです。
その場合、爪楊枝などを使用すればきれいに補修できます。

<関連記事>車のキズを自分で修理する方法(傷消し剤の種類・使い方)

カー用品おすすめ(ガラス・ミラー編)

ガラスやミラーに使うおすすめのカー用品を、まとめて紹介します。この章で紹介するカー用品は必須ではなく、それぞれ好みや用途によって使い分ければOKです。
例えば、冬に氷点下になるような地域にお住まいの方は、不凍効果のあるウォッシャー液があれば「凍結していてウォッシャーが使えない!」ということになりづらいので安心です。

ガラス・ミラーに使える多種多様なカー用品

  • ガラスクリーナー

ガラスクリーナーは汚れたガラスを拭くときに使います。乾いたタオルと合わせて使うことで、ガラスをきれいにしたいときに、拭きムラや拭き残しを防ぎます。

  • 油膜取り

油膜取りは、ガラスにギラつきが感じられるときに、油膜を取るのに使います。

<関連記事>フロントガラスの油膜取り!落とし方やおすすめ対策を整備士が解説

  • コーティング剤

撥水や親水、滑水などコーティングにもさまざまな種類がありますが、視界を確保することが主な目的で使用されます。
少しの雨なら、ワイパーを使わなくても走行風で水滴を飛ばすことでフロントの視界を確保できたり、ガラス表面に水滴を残りにくくして視界を確保するものなどがあります。

  • ウォッシャー液

ウォッシャー液は商品によって「不凍効果がある」「タンク内に水垢が発生しにくい」「油膜の付着を防ぐ」「撥水効果がある」といった効果があります。

セルフは注意!ガラスのケアで初心者が気を付けたいこと

ガラスに使うカーケア用品は、使用方法によって油膜ができてしまうことがあります。
特にコーティング剤の使用時にムラが残ったままだったり、拭き取りが十分でないと油膜ができやすいです。油膜ができると、雨の日の(特に夜間走行時)視界が悪くなり危険です。
また、ウォッシャー液は薄めて使うタイプと原液そのままで使えるタイプの2種類があるので注意しましょう。
薄めて使うタイプは、濃度によって不凍温度も変わります。

カー用品おすすめ(タイヤ編)

タイヤに関係するカー用品でおすすめのものは、空気圧チェッカーです。
カー用品店で数百円程度で購入可能です。
空気圧は自然に抜けるものかつ、温度による膨張・収縮の影響を受けやすいです。
タイヤの空気圧は安全な走行のためにも、オーナー自身で定期的に点検することが義務付けられています。

セルフは注意!空気圧チェッカーでは補充は不可

タイヤの空気圧の確認方法:車両に記載されている空気圧シールの画像

空気圧チェッカーは、あくまで空気圧の点検をするものです。
空気圧の補充はできないので、補充する場合にはガソリンスタンドや整備工場で実施します。また、国産車であれ運転席ドアを開けたボディ側に、規定の空気圧が記載されたラベルが貼ってあることが多いです。
分からない場合は、車の取扱説明書に記載されているのでチェックしてみましょう。

タイヤワックスの使用は慎重に

タイヤに使うカー用品の代表として、タイヤワックスをイメージする人もいるでしょう。タイヤの艶出しの役割を持つのがタイヤワックスです。
しかし、成分によってはタイヤの劣化を早めたり、使用方法を守らないとタイヤの性能を落とすことにつながります。
一方で水性タイプを使用方法を守って使えば、タイヤの保護効果もあると言われています。
タイヤワックスに関しては様々な意見がありますが、デメリットが目立つ使い方をされている方が多いこともあり、この記事内ではおすすめしません。

カー用品おすすめ(エンジンルーム編)

エンジンルームで使うおすすめのカー用品は、ブースターケーブルです。
ブースターケーブルはバッテリー上がりでエンジンが掛けられないときに、ほかの車から救援してもらう時に使うものです。

セルフは注意!初心者が気を付けたいブースターケーブルの使用方法

ブースターケーブルは、基本的にバッテリーのプラスとマイナス端子に繋ぎます。
もし繋ぐ場所を間違えると、配線やコンピュータが焼損するなどの危険を伴う可能性があります。
また、ハイブリッド車やEV車は構造上、バッテリー上がりの車を救援できないので注意が必要です。(逆に救援を受けることはできます)

<関連記事>バッテリーが上がったときの原因と対処法は?整備士が解説

初心者が気を付けたいブースターケーブルの選び方

ブースターケーブルは商品によってケーブルの太さや長さが異なります。
大きなバッテリーを搭載した車を救援する場合には、「太い=許容電流量が大きい」ケーブルが必要です。
また、長さも十分でないとせっかくの救援時にケーブルが届かないこともあり得ます。
安易に安い商品を選ばないようにしましょう。

不安な場合はロードサービスに依頼しよう

バッテリー上がりの対処で、使用方法や購入時の商品の選び方に不安がある人はロードサービスに依頼するようにしましょう。
JAFや任意保険に付帯のロードサービスを活用すれば、条件によっては無料で対応してもらえることもあります。該当するか事前に確認しておくと、もしものときに安心でしょう。

その他、整備士がおすすめするカー用品

ここまで紹介してきたカー用品以外で、現役の整備士がおすすめするものをジャンルを問わずに紹介します。

緊急脱出用ハンマー

緊急脱出用ハンマーは、ぜひオーナーの皆さんには必ず車載しておいてほしいカー用品です。ゲリラ豪雨による浸水被害など、車内に取り残されるリスクは誰しもにあります。最後の脱出手段はガラスを叩き割ることしかありませんが、車のガラスは簡単に割れません。そんな時に必須なのが緊急脱出用ハンマーです。
力のない方でも簡単にガラスを割ることができます。万が一の備えとして必須と考えましよう。

三角表示板

車のトラブルで路肩に停車中、後続車に追突されて死亡するといった痛ましいニュースを定期的に見聞します。
やむを得ず停車していることを後続車に伝えるために、高速道路で停車する際には、三角表示板等の表示が義務付けられています。
もちろん一般道でも、もしもの時には表示することで安全につながります。
万が一のときに、自分自身と同乗者や周囲の人を守るためにも、かならず車載しておくようにしましょう。

ブランケット

車専用の用品ではありませんが、ブランケットを車に載せておくと便利です。
シートを汚したくないとき、または汚してしまったときにブランケットを敷けば対処できます。
冬場であれば足元が冷えるときに使えますし、同乗者にも喜ばれるでしょう。

サンシェード

夏の日差しは、車内温度を高温にしてしまうのはもちろんのこと、ステアリングなどの内装も手で触れられないほどに熱くしてしまいます。
少しでも低減するために、駐車中はフロントガラスにサンシェードを設置することが有効です。
ドラレコ装着車に対応したサンシェードや、車種専用設計された商品もあり、スマートな設置が可能です。

例:NBOX用のドラレコ対応サンシェード  

ハンディクリーナー

車をマメに掃除して綺麗に保ちたいオーナーさんは、車内の掃除をするのに、コードレスタイプのハンディクリーナーがあれば便利です。
ただし、吸引力の弱いクリーナーも多くて、マットに落ちた砂が満足に吸えないこともあります。
レビューを参考にして失敗のない商品選びをしたいですね。

整備士のまとめ

カーライフを快適にするために、思わず色々なカー用品を揃えたくなるものです。
自分でもできる簡単なことは、チャレンジしてみたいですね。
しかし、ウォッシャー液の補充のような初歩的なメンテナンスでも、間違えてエンジンオイルの注入口や、エンジン冷却水のタンクに入れてしまうようなミスを、実際に目の当たりにしたことがあります。
車のメンテナンスを初心者がやる場合は独断でやらずに、あらかじめプロの整備士や車屋さんに、メンテナンスのコツを学ぶことをおすすめします。
また、初心者が見様見真似で無理にあれこれしてしまうと、取り返しのつかないことに繋がることもあるので、車のメンテナンスは信頼のできる車屋さんにお任せするようにしましょう。

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Supervised by 整備士 ヒロ

ヒロ 2級整備士

保有資格:2級整備士。国産ディーラー整備士、輸入車ディーラー整備士の経験がある、現役の整備士。 整備士経験は10年以上で過去にはエンジニアとして全国規模のサービス技術大会に出場。 車の整備に関する情報をtwitterで発信している。