車の主要部位の名称
車でよく調べられる主要部位の名称は、以下の通りです。
上図にない部位の名称や、各部位の役割に関する解説は「外装・フロント」「外装・サイド」「外装・リア」「内装」「エンジン回り・足回り」の章で確認してください。
外装・フロント部分の部位の名称
名称 | 役割等 |
---|---|
①ルーフ | 車の屋根部分。乗員を雨風や日光から守る |
②フロントガラス | 車体前面の2層構造のガラス。前方の視界を確保する |
③フロントワイパー | 雨粒や汚れを拭き取る。ワイパーのゴムは定期交換が必要 |
④ボンネット | エンジンルームの蓋部分。エンジンを保護する。また、衝突時の衝撃を緩和する |
⑤ヘッドライト | 前方の視界を確保するとともに、対向車に自車の存在を伝える。光の向きや強さの調整が可能 |
⑥フロントグリル | ボンネット下にある格子状や網目状の部分。もとはエンジンの冷却等が役割だったが、現在はデザイン的要素が強い |
⑦フロントバンパー | ヘッドライトやフロントグリルより下のやや膨らんだ部分。衝突時の衝撃を緩和する |
⑧フォグランプ | 霧などの際に、視界を確保する。装着されていない車も多い |
⑨フロントフェンダー | タイヤを覆っている部分。泥や水、小石などが飛び散らないようにする。また、タイヤと障害物や人との接触を防ぐ |
⑩フロントドア | 運転席・助手席のドア |
⑪ドアミラー | フロントドアに装着されたミラー。後側方の確認に使われる |
③~⑦、⑨の部位については、以下に細かな解説を記載しています。
フロントワイパー
ワイパーはゴムとブレード、さらに土台となるアームから成り、ガラス面の雨粒などを拭き取ります。
ワイパーゴムは劣化しやすいため、年1回程度の交換が望ましいです。交換はディーラーやカー用品店でもできますし、自分でもできます。方法や費用の目安は以下の記事を参照してください。
ボンネット
ボンネットとは、エンジン等が搭載されているエンジンルームの蓋部分で「エンジンフード」とも呼ばれます。エンジンの修理やメンテナンスを行うため、開閉できる仕組みです。
エンジンを雨風から保護したり、歩行者と衝突した際に衝撃を和らげたりします。
ヘッドライト
ヘッドライトは、悪天候時や夜間に前方の視界を確保するとともに、対向車に自車の存在を伝える役割があります。
最近は自動で点灯・消灯する「オートライト機能」やハイビーム・ロービームを自動調整してくれる「オートハイビーム機能」を有する車も多いです。
ヘッドライトが点かなくなった場合は、速やかな交換が必要です。
フロントグリル
フロントグリルは、ボンネット下部にある格子状や網目状の部分です。
もとはエンジンの冷却や外気の取り込みのために設置されていましたが、現在はデザインの重要要素となっています。グリル形状が自動車メーカーを表すモチーフになっていることも少なくありません。
車種によってはフロントグリルが上部と下部に分かれており、こういったケースでは上部を「アッパーグリル」、下部を「ロアグリル」と呼びます。
フロントバンパー
フロントバンパーは、ヘッドライト類やフロントグリルの下にある、少し前に膨らんだ部分です。衝突などの衝撃からボディを守ります。
多くのバンパーは表面がプラスチック製ですが、内側に金属製の骨組みが入っています。
フロントフェンダー
フェンダーとは、泥除けのことです。フロントフェンダーは前輪を囲むように存在し、タイヤ巻き上げた泥や水、小石などが散るのを防ぎます。また、タイヤが障害物や人に接触することを防ぐのも、フェンダーの役割です。
後輪側にはリアフェンダーが存在します。
外装・サイド部分の部位の名称
名称 | 役割等 |
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①クォーターウィンドウ | 一部の車種に存在する、フロントガラスとフロントサイドウィンドウの間にある三角窓。主に視界の確保が目的 |
②フロントサイドウィンドウ | 前席の窓 |
③リアサイドウィンドウ | 後席の窓 |
④Aピラー | フロントガラスの後ろ側にあるピラー。車のデザインや空間効率、空気抵抗に関わる。また、衝突時の衝撃を緩和する |
⑤Bピラー | 前席と後席の間に位置するピラー。衝突や横転の際に乗員を保護する。また、ドアやシートベルトを固定する |
⑥Cピラー | 後席の後ろ側に位置するピラー。軽自動車やコンパクトカー、セダンでは車体後部を支える |
⑦サイドシル | 車の側面にある敷居部分。車の乗り降りで足をかけるのに使われる。また、ボディ剛性を高める |
以下では、④~⑥のピラーと⑦サイドシルについて詳しく解説します。
ピラー
ピラーは英語で「柱」を意味し、車においてはルーフとボディをつなぐ骨格部分を指します。車体前方からAピラー、Bピラー、Cピラー…と呼ばれます。
ピラーの役割は、衝突時や横転時の乗員保護と、乗り心地や静粛性の向上です。ただし、実際には各ピラーごとに細かな機能や役割が存在します。また、ダイハツ「タント」のように、一部のピラーが存在しない車もあります。
サイドシル
サイドは英語で「横」、シルは「敷居」を意味し、サイドシルはその名の通り車体側面の敷居部分を指します。
車の乗り降りの際には、サイドシルに足をかけます。また、車体の土台としてボディ剛性に関わる部分でもあり、サイドシルが高く・太いほど、ボディ剛性が高くなります。
外装・リア部分の部位の名称
名称 | 役割等 |
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①ハイマウントストップランプ | 車体後方上部に設置されたブレーキランプ。後続車にブレーキサインを明示し、衝突リスクを低減する |
②バックドアガラス | 車体後方側のガラス。後方の視界を確保する |
③リアワイパー | バックドア用のワイパー。雨粒や汚れを拭き取る |
④バックドア | バックドアガラスと一体になった、トランクを開けるためのドア |
⑤リアバンパー | 車体後方下部にある、少し膨らんだ部分。衝突時の衝撃を緩和する |
⑥フューエルリッド | 燃料の給油口を覆っている蓋 |
⑦バックランプ | 車両後退時に点灯するランプ。周囲への注意を促す |
⑧ウィンカーランプ | 右左折などウィンカー使用時に点滅するランプ。周囲への注意を促す |
⑨テールランプ | 悪天候や夜間において点灯し、後続車などに自車の存在を知らせる |
⑩ブレーキランプ | ブレーキペダルを踏んだ際に点灯するランプ。後続車にブレーキサインを明示し、衝突リスクを低減する |
以下では、④バックドアと⑦~⑩のランプ類について詳しく解説します。
バックドア
トランクを開けるためのドアで、バックドアガラスと一体になったものを指します。殆どのドアは上に開けますが、稀に観音開きや横開きのドアも存在します。
なお、セダンなどで見られるような、ドアだけ開く(リアのガラスは一体になっていない)タイプの扉は「トランクリッド」と呼ばれます。
リア側のランプ類
リア側のランプ類には、主に以下の4種類が存在します。
- バックランプ(後退灯)
- ウィンカーランプ(方向指示器)
- テールランプ(尾灯)
- ブレーキランプ(停止灯)
バックランプはギアを「R」に入れて後退するとき、ウィンカーランプはウィンカーを出したとき、テールランプは悪天候時や夜間、ブレーキランプはブレーキペダルを踏んだときに点灯します。
内装の部位の名称
名称 | 役割等 |
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①ダッシュボード(インストルメントパネル) | フロントガラスより下の全体部分。衝突時に、乗員への衝撃を緩和する。また、オーディオ機器やエアコンなど各種装備を備える |
②メーターパネル | 運転席の前面にある計器盤。時速や燃料の残量等の情報を表示する |
③レジスター | エアコンなどの風の吹き出し口 |
④センタークラスター | ダッシュボード中央部分。スイッチ類やナビゲ―ション、オーディオ等が設置されており、各種操作を行う |
⑤グローブボックス | 助手席の前方に設置されている収納ボックス。車の取扱説明書や車検証の保管に使われる |
⑥シフトレバー | ギアチェンジに使用する。MT車では主に数字が、AT車では主にアルファベットが表記されている |
⑦センターコンソール | 運転席と助手席の間にある装備一式。収納スペースやアームレストなどの機能を備えている車も多い |
⑧ハンドル(ステアリングホイール) | 車の進行方向を調節する。中央にはエアバッグを収納している |
⑨ホーンスイッチ | ハンドル中央の、緊急時にクラクションを鳴らすためのスイッチ |
⑩ワイパー・ウォッシャースイッチ | ハンドルの裏・左側。ワイパーの稼働や速度調節、ウォッシャー液を出す |
⑪ターンシグナルスイッチ | ハンドルの裏・右側。右左折などをウィンカーで示す |
⑫イグニッションスイッチ | 車のエンジンを始動させるためのスイッチ |
⑬フューエルリッドオープナー | フューエルリッドを開けるためのスイッチ |
⑭ボンネットオープナー | ボンネットを開けるためのスイッチ |
⑮アクセルペダル | 足元に存在する、車を発進・加速させるための操作ペダル |
⑯ブレーキペダル | 足元に存在する、車を減速・停止させるための操作ペダル |
⑰パーキングブレーキ | 車輪を固定するための装置。足踏み式・レバー式・電動式と複数のタイプが存在する |
以下では、①~②、⑤~⑦、⑰の部位について詳しく解説します。
ダッシュボード
ダッシュボードは、運転席と助手席の前方に広がる、フロントガラスから下全体を指す言葉です。事故などの際に人への衝撃を和らげることが主な役割で、比較的柔らかい素材で構成されています。
ダッシュボードは「インストルメントパネル(インパネ)」と呼ばれることも多いです。インパネは元々メーターパネル(計器盤)を指す言葉でしたが、現在ではダッシュボードとほぼ同義語で使われるようになっています。
メーターパネル
メーターパネル(※狭義ではインストルメントパネルと呼ばれることも)は、ドライバーに以下のような情報を示します。
- 車の速度(スピードメーター)
- エンジンの回転数(タコメーター)
- 燃料の残量(燃料計)
- 車の総走行距離(オドメーター)
- シフトの位置やランプの状態
- その他車両状態(各種警告灯)
なお、警告灯の種類と警告内容については、以下の記事で解説しています。
グローブボックス
グローブボックスは、助手席の前に設置されている収納スペースです。もとはグローブ(手袋)を収納するスペースだったため、この名称になったといわれています。
フタと一体になったものが多く、車検証や小物を収納するのに便利です。
シフトレバー
シフトレバーは、ギアチェンジをする際に使う部品です。MT車とAT車でデザインや使い方が異なり、MT車は主に数字、AT車は主にアルファベットの表記があります。
シフトレバーは、後述のセンターコンソールに設置される場合もあります。また、最近ではボタンだけダッシュボードに設置し、シフトレバーを装備しない車もあります。
センターコンソール
センターコンソールは、運転席と助手席の間一体を示す言葉です。
スイッチ類やシフトレバー、パーキングブレーキが装備されていることも多くあります。また、カップホルダーや収納スペースを有する車も少なくありません。
パーキングブレーキ
パーキングブレーキは、車輪を固定して車体を動かさないようにするためのブレーキです。レバー式や足踏み式、電動式があります。
ブレーキペダルで車を停止し、ギアを「P」に入れれば基本的に車は動きません。しかし、パーキングブレーキをかけると後輪側がロックされるので、駐車時の衝突被害などの軽減に役立ちます。
エンジン回り・足回りの部位の名称
ここでは、エンジン回りや足回りの基本部位の名称と役割をご紹介します。
名称 | 役割等 |
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エンジン | ガソリンなどの燃料を燃焼させ、車の動力を生み出す |
ラジエーター | エンジンの熱を冷ます |
トランスミッション | エンジンで生み出した動力を車輪に伝える。走行状況に応じて、回転数やトルクを調整する |
マフラー | エンジンから車体後方へと伸びている排気系パーツ。排気ガスの抑制や排気音の低減を担う |
サスペンション | 車体とタイヤをつなげる装置。路面からの衝撃を吸収し、車の乗り心地を安定させる |
ホイール | タイヤの内側に装着する車輪状の部品。車軸の回転をタイヤに伝える |
タイヤ | 車体や乗員、荷物の重さを支え、車を動かす。また、路面の凹凸を吸収する |
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- Supervised by norico編集長 村田創
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中古車のガリバーに勤務して20年以上のベテランが車の知識をわかりやすく解説します。車のことは、多くのメーカーを横断して取り扱うガリバーにぜひ聞いてください。「車ってたのしい!」を感じてほしいと思っています!