「自動ブレーキは後付けできる?」後付け可能な安全装備と補助金対象

「自動ブレーキは後付けできる?」後付け可能な安全装備と補助金対象

各社が出している安全装備

最近のクルマは安全装備が充実してきています。「トヨタセーフティセンス」や「ホンダセンシング」など、耳にしたことがある人も多いはず。

これらの安全装備は色々な機能がパッケージになっており、詳細な機能はメーカーやグレードによって異なるものの、以下のような機能が含まれていることが多いです。

  • ぶつからないための「自動ブレーキ」
  • 踏み間違え事故を防ぐ「誤発進抑制制御」
  • はみ出しを防ぐ「車線逸脱警報」
  • ふらつきを防ぐ「車線維持支援」
  • 視界を確保するための「オートマチックハイビーム」

危険を察知し緊急停止する自動ブレーキ

このうち自動ブレーキは車両や歩行者を検知し、警報を鳴らしたり緊急停止をしたりする機能です。以前は定義がバラバラでしたが、2018年4月に国土交通省が以下のように基準を定めています。

  • 前に停まっている車に50km/hで接近した場合、自動ブレーキにより衝突時の速度が20km/h以下になること
  • 前の車が20km/hで走行している場合、衝突を確実に回避できること
  • 自動ブレーキが作動する0.8秒前までに警報を鳴らし、ドライバーに注意喚起する機能を備えていること

これを超える性能を備えているものもあり、「クルマだけでなく歩行者も検知してくれる」「もっと遅い速度で走っていても反応してくれる」など各社が技術を磨いています。

自動ブレーキは後付けできない

この自動ブレーキですが、後付けをしてくれるメーカー・ディーラーはなく、今後の発売も発表されていません(2020年9月現在)。

またカー用品店などでも、後付けできるようなグッズや器具は販売されていないので、「今使っているクルマに自動ブレーキを後付けする」というのは難しいでしょう。

誤発進抑制は後付け可能

 

誤発進抑制は後付け可能

他方で、「誤発進抑制制御」は後付けすることができます。

これはアクセルとブレーキの踏み間違いによる事故を防ぐための機能で、急にアクセルを踏み込んだ時などにはそのアクセルを無効化してくれます。

自動ブレーキが危険を察知した時に「停まる機能」であるのに対し、誤発進抑制制御は「アクセルをかけない/緩やかにする機能」だと考えると分かりやすいでしょう。

ディーラーなら安心だが高額

こうした後付けの誤発進抑制制御装置は各自動車メーカーが用意しています。

「やっぱり純正品が良い」「メンテナンスはディーラーにお願いしている」という方はディーラーが安心でしょう。普段から付き合いがあるディーラーなら、対象車種の確認も簡単です。

ただしディーラー純正品はやや高額なのがデメリットです。例えばトヨタの「踏み間違い加速抑制システムII」の場合は、税込み価格が38,500円。これにディーラーによる取り付け工賃がかかるので、ディーラーに頼む場合は合計で10万円前後かかることを想定しておく必要があります。(※後述の補助金を除いた価格)

カー用品等で買えばリーズナブル

この他に、カー用品メーカーなども独自の後付け誤発進抑制装置を開発しています。

有名なのが「ペダルの見張り番」という商品です。大手カー用品店であるオートバックスで販売、取り付けをしています。ディーラー純正品と比べると価格がリーズナブルで、商品、部品、取り付け工賃、消費税込みで44,000円です。(※後述の補助金を除いた価格)

他にもナルセ機材の「ワンペダル」ワールドウィングの「あしもと見守るくん」などがあります。

高齢者には国から補助金制度

近年、高齢者による踏み間違い事故が相次いだことで、後付けの急発進抑制装置を取り付ける際に最大4万円の補助金が給付されることが決まりました。

対象となるのは以下の要件を満たす人です。

  • 令和元年度中に65歳以上となる方(昭和30年4月1日以前に生まれた方)
  • 都道府県公安委員会が交付する有効な免許証を有する事
  • 自動車が安全装置を設置することが可能なものであること

既に補助金の給付が始まっており、補助金予算がなくなり次第、終了とされています。対象となる装置は随時認定されており、以下のサイトに記載されていますので、購入前に確認してみてください。

自治体にも独自補助金がある場合も

国による補助金の他、自治体独自の給付金が用意されているエリアもあります。

都道府県や市町村ごとに金額や対象が決まっているので、まずは自治体のHPなどを確認してみてください。

新車・中古車購入にも補助金が

また後付けの誤発進抑制装置だけでなく、安全装備が充実したクルマの購入にも補助金が用意されています。

新車はもちろん中古車購入も対象ですので「新車はちょっと手が届かない。でも自動ブレーキが欲しい」という場合などは検討してみてください。

 

 

Supervised by norico編集長 村田創

norico編集長_村田創

中古車のガリバーに勤務して20年以上のベテランが車の知識をわかりやすく解説します。車のことは、多くのメーカーを横断して取り扱うガリバーにぜひ聞いてください。「車ってたのしい!」を感じてほしいと思っています!