「どんな時に開く?閉じ方は?」エアバッグの効果や使い方と注意点

 

「どんな時に開く?閉じ方は?」エアバッグの効果や使い方と注意点

エアバッグとは?

エアバッグとは、事故などが起こった時に、乗っている人の胸や頭への衝撃を和らげるための安全装備。衝撃を検知すると、窒素ガスで瞬間的に膨らみます。

日本で使われているのは「SRSエアバッグ」と呼ばれ、シートベルトを着けていることを前提に、その役割を補助できるように設計されています。

取り外しても罰せられないが

日本ではエアバッグの装着は義務ではありません。既に装着されているエアバッグを自分で取り外しても、特に法令違反にもなりません。

ただしエアバッグを取り外す際に配線等を適切に処理しないと、エアバッグ警告灯が点灯したままになります。その状態では車検が通らないので、クルマに乗り続けることはできなくなります。(※エアバッグ警告灯については後述)

注目されるサイドエアバッグ

 

注目されるサイドエアバッグ

日本のクルマに設置されているエアバッグの主流は、運転席と助手席にある「フロントエアバッグ」。これは主に正面からの衝突に対して、運転席や助手席に座っている人を守る役割です。

しかしフロントエアバッグは、側面からの衝突にはあまり強くありません。

そこで最近増えてきているのがサイドエアバッグやカーテンエアバッグ。どちらもドアにエアバッグが収納されており、横から衝撃を受けた際に体や頭を守ってくるものです。

日本ではオプションになっていることが多いサイドエアバッグですが、欧米では「当たり前」になりつつあります。近年、ドイツやアメリカでは販売台数の9割以上でサイドエアバッグが標準装備されています。

安全への効果が高いことも実証されていますので、これからクルマを買う時には、積極的に検討したいオプションの一つです。

エアバッグはどんな時に開く?

日本で主流なSRSエアバッグは、以下の条件を満たした時に作動します。

  • 固定された壁に時速20~30km以上の速度で正面から衝突した場合。またこれと同程度の衝撃を正面から受けた場合
  • 停止しているクルマに時速40~60kmで正面から衝突した場合(※同じようなクラスのクルマの場合)

事故に遭っても開かないことも

SRSエアバッグの作動条件として「正面衝突」とある通り、正面から一定の衝撃がない場合には作動しない場合があります。具体的には、以下のようなケースではエアバッグが開かない可能性があります。

  • 斜めに衝突した場合
  • 真横から衝突された場合
  • 電柱や立ち木との衝突など「当たる面積」が狭い場合
  • 大型トラックの下に巻き込まれるなど「上部」に衝撃がかかった場合

事故じゃなくても開くことも

逆に、事故でなくても一定の衝撃を検知するとエアバッグが開いてしまう場合もあります。多くのエアバッグは車体の下の方にセンサーが付いているため、具体的には以下のようなケースが報告されています。

  • 縁石やクルマ止めに衝突した場合
  • 転落やジャンプし着地した場合
  • 地面に強くぶつかった場合

思い当たる節がないのにエアバッグが開いた場合は、センサーなどに何らかの異常が起こっている可能性があります。ディーラーや整備店に点検してもらうことをお勧めします。

エアバッグの閉じ方は?

エアバッグは、開いたらすぐに空気が抜けてしぼむようにできています。そのため、特にエアバッグを閉じたりしなくても、クルマを動かしたりするのに不自由はないでしょう。

ただしエアバッグ装置は基本的に「使い捨て」なので、元の場所に戻して再利用することはできません。一度開いてしまったら取り換える必要があります。できるだけ早くディーラーや整備店に行きましょう。

通常、エアバッグの部品やその作業工賃を含めて10~30万円程度かかるといわれています。事故に遭うなどしてエアバッグが作動した場合は他の部分の修理も必要なので、損傷具合によっては買い替えも検討しましょう。

エアバッグ警告灯が点いていたら?

 

エアバッグ警告灯が点いていたら?

エアバッグ警告灯とは、クルマのメーター類の中に並んでいる「AIRBAG」という文字やマークで示されているランプです。エアバッグやシートベルトに故障や異常を検知すると点灯します。

「エアバッグは開いていないのに警告灯が点いている」という場合は、早めにディーラーや整備店に相談しましょう。いざという時にエアバッグが作動しない可能性があります。

Supervised by norico編集長 村田創

norico編集長_村田創

中古車のガリバーに勤務して20年以上のベテランが車の知識をわかりやすく解説します。車のことは、多くのメーカーを横断して取り扱うガリバーにぜひ聞いてください。「車ってたのしい!」を感じてほしいと思っています!