平坦な道でも険しい道でもスムーズな走行ができる4WD車。4WDとは「Four-wheel drive」の略称で、4つの車輪すべてが駆動輪となる車のことです。
雪道や坂道では特に重宝されますが、それ以外のシチュエーションにおける走行性能はどうなのでしょうか?
4WDのメリット・デメリット、そして雪道・坂道以外の走行性能についてまとめてみました。
4WDのメリット・デメリットについて
車選びで重要なのは、購入を検討している車のメリット・デメリットを知ることです。まずは4WDの特徴について詳しくご紹介していきます。
4WDのメリット
メリット | ■雪道や坂道など、悪路走行に向いている ■アウトドアやオフロード走行にも最適 ■4輪駆動ゆえに走行の安定性が高い |
---|
降雪・凍結した路面に強いので、雪の多い地域に住む人にとって4WDはありがたい存在です。実際、降雪地域では4WDを購入するユーザーが多いようです。
悪路走行に向いている車なので、山に車で出かけてアウトドアやオフロード走行を楽しむ人にも人気です。
また、4輪すべてにエンジンの力が伝わるので走行安定性が高く、高速走行時の加速力も優れています。積雪やアウトドアに関係なく、安全性にこだわる人にとっては大きな魅力です。
4WDのデメリット
デメリット | ■2WDと比較すると車両価格が高い ■車重があるため、燃費が悪くなる ■街乗りでは性能が発揮しきれない |
---|
4WDは、2WDより構造が複雑な分、どうしても車両本体価格が高くなってしまいます。整備の手間も2WD以上にかかるのが一般的ですから、維持費にも覚悟が必要です。
また、2WDに比べて複雑な構造であるため、車体重量が大きく、燃費性能は良くありません。重量が増加すると、ブレーキが効き始めてから止まるまでの距離も長くなります。
購入を検討する場合は、このようなデメリットも十分に理解しておきましょう。
※最近の4WDは昔に比べるとシンプルで軽量な構造のモデルが多くなっているので、極端に燃費が悪いということはありません。あくまで同じ車種の2WDと比べた場合に燃費で劣るというだけの話です。
こんな希望がある人は4WD車の購入を検討すべき
- 降雪量の多いエリアに住んでいる人
- キャンプやアウトドアといった趣味に車を使用したい人
- 高速道路を利用する機会が多い人
- 雨の日の運転に不安を感じている人
降雪量の多いエリアに住んでいて、日常生活で車を頻繁に使う人にとって、4WDはとても頼りがいがあります。キャンプやアウトドアなどの趣味に車を使用したい人も、4WD車を選択した方が賢明でしょう。
4WDの走行安定性は雪道・悪路だけではなく雨の日にも発揮されますから、雪の降らない温暖な地域在住で、街乗りがメインの人にとってもメリットはあります。
また、優れた加速力は、高速道路を利用する機会の多い方にとって大きな魅力です。
4WDのシステムには違いがある!全5種類を詳しく解説
4WDのシステムには5つの種類があり、それぞれに特徴があります。一つずつ詳しく解説していきます。
4WDの種類 | 特徴 |
---|---|
センターデフ式フルタイム4WD | 常に4輪駆動で走行する。システムが複雑で車両価格が高くなりがち |
パートタイム4WD | 2WDと4WDを手動で使い分けられるので、燃費を調節できる |
アクティブオンデマンド4WD | 走行状況によって2WDと4WDが自動で切り替わる |
パッシブオンデマンド4WD | 基本的に2WDながら、タイヤが空転した時などに4WDに切り替わる |
電動独立式(電気式)4WD | ハイブリッドカーに搭載され、燃費性能の高さが魅力 |
センターデフ式フルタイム4WD
センターデフ式フルタイム4WDは、常に四駆の能力を発揮するタイプです。4WDのシステムが複雑で車両重量も重いため、本体価格は高めになり燃費性能もあまりよくありません。
トヨタ・ランドクルーザーに代表される本格的オフロード車が多く採用しています。
代表的な車種:ランドクルーザー
パートタイム4WD
2WDと4WDを使い分けることができる車です。切り替えはレバーやスイッチを使って手動で行えるため、4WDの必要ない晴天時や街中では2WDモードで走行すれば、燃費を自分でコントロールできます。スズキのジムニーがこの方式です。
代表的な車種:ジムニー
アクティブオンデマンド4WD
パートタイム4WDと同じように、2WDと4WDを使い分けられます。走行状況に合わせてすべて自動で切り替えが行われ、手動で駆動を切り替える手間がありません。
日産エクストレイルの一部モデル、スズキ新型エスクードの一部モデルに採用されています。
代表的な車種:エクストレイル
パッシブオンデマンド4WD
パッシブオンデマンド4WDも、2WDと4WDを使い分けられます。後輪へ動力を伝える機構の工夫による軽量化・軽コスト化が特徴です。
基本的に2WD走行であり、Passive(受動的)、on demand(要求に応じて)というネーミングが示すように、四駆としての機能が発揮されるのはタイヤが空転した時などに限定されます。
電動独立式(電気式)4WD
主にハイブリッドカーやプラグインハイブリッド車に採用されている4WDです。ここまで紹介した4輪駆動車は、車体の下にエンジンの動力を後輪に伝える装置が必要でした。
この電動独立式4WDはそのような装置は使わず、後輪を駆動させるための専用モーターが設置されています。
トヨタの新型プリウスなどに採用されており、燃費性能の高さが最大の特徴です。
代表的な車種:プリウス
最近よく耳にするAWDと4WDの違いとは
AWD(All-wheel drive)とは、すべてのタイヤが駆動するシステムです。4輪だけでなく、6輪・8輪の車でも、すべてのタイヤが駆動すればAWDです。
4WDは4つのタイヤが駆動するシステムですからAWDに含まれます。
デメリットを克服し常に進化を続ける4WDの未来
従来の4WD車のイメージは「雪道・悪路に強い」でしたが、国内自動車メーカーは新たなメリットを生み出しているようです。
燃費性能が良くないといったデメリットを払拭するために、電子制御で駆動力をコントロールし、走行性と燃費性能を両立させたタイプの車も登場しています。
この進化は今後も続くでしょう。
メリット・デメリットを知ることで4WDも購入の視野に
いかがでしたか?4WDには価格面・燃費面でデメリットはありますが、坂道や雪道で安定した走行を実現できるという大きなメリットがあります。4WDならではの走行安定性は、オフロードだけでなく街中の走行でも発揮されますから安心ですね。
近年は4WDの課題である燃費向上を狙ったタイプも登場しています。あなたにぴったり4WD車がないか調べてみましょう。
norico編集部おすすめ記事
「4WDとはどんな車?メリット・デメリットや、走行性能についてまとめました」を読んだ方は、こちらの記事も読んでいます。ぜひ参考にしてください。
- Supervised by norico編集長 村田創
-
中古車のガリバーに勤務して20年以上のベテランが車の知識をわかりやすく解説します。車のことは、多くのメーカーを横断して取り扱うガリバーにぜひ聞いてください。「車ってたのしい!」を感じてほしいと思っています!