BMWシリーズの違いと見分け方を解説!おすすめ車種も紹介

BMWの車種名は、アルファベットと数字の組み合わせになっている。そのため、法則を理解していないと、シリーズの違いやどんな車種なのか分からない。だが法則そのものは、とても簡単だ。一度分かれば、国産車のように車名を覚えるのに苦労することもない。

今回は、BMWの車種名の法則と共に人気の3、5シリーズのおすすめ車種について解説する。

BMWシリーズの違いを知るための「車種名の法則」

BMWの車種名の最初の数字/文字には、以下の法則がある。

  • 数字が小さい➡ボディサイズも小さい
  • 数字が奇数➡セダンやハッチバック、ステーションワゴン系
  • 数字が偶数➡クーペ系(4ドアクーペ含む)
  • Xから始まる➡SUV。Xの次の文字がボディサイズを示す
  • iから始まる➡EV(電気自動車)。iの次の文字がボディサイズやカテゴリーを示す
  • Mから始まる➡スポーツカー。Mの次の文字がボディサイズカテゴリーを示す

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※上図:ガリバーのBMW中古車情報ページ(2023年1月26日時点)
人気なのは1シリーズ、3シリーズ、5シリーズがあげられる。1シリーズはエントリーモデルに位置づけられており、ボディサイズが小さく日本の道路事情にもあったシリーズだ。また、3シリーズ、5シリーズは高級セダンとして人気が高い。

BMWの購入を初めて検討する人は1,3,5シリーズを中心に検討をするのが分かりやすいだろう。また、SUVが気になるならX3といった頭文字がX、EVが気になるなら頭文字がiの車種を見るようにしよう。

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数字とアルファベットの意味

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例:340i

  • 頭の3…3シリーズ
  • 40…排気量相当。40は0L級。数字が増えるほどパワフル。
  • 最後のアルファベット…パワーユニットの種類(i:ガソリンエンジン、d:ディーゼルエンジン、e:PHEV)

排気量「相当」としたのは、4.0L位の出力というザックリとした意味を持つからだ。

最近はターボ車などが多いので、単純な排気量ではない。

【補足】xDriveとは?

xDriveは最近増えてきたグレードだ。電子制御式のフルタイム4WDのことで、走行状況によりトルク配分を前0:後100から前50:後50まで自在にコントロールできる。

頭文字が数字の車種例(1~8) 

1シリーズ(車種例:118d)

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BMWのラインアップの中で、最もコンパクトなモデルである。現在の1シリーズは、Cセグメントのコンパクトカーだ。

  • ライバル車:メルセデス・ベンツAクラス、フォルクスワーゲン ゴルフなど

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2シリーズ(車種例:218iグランクーペ)

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2シリーズは、少し混沌としている。

頭文字が偶数なので、基本的に2シリーズクーペや2シリーズグランクーペが当てはまる。しかし、2シリーズアクティブツアラーは、5ドアハッチバックの背を高くしたようなスペース系モデルとなっている。

  • 2シリーズアクティブツアラーのライバル車;メルセデス・ベンツBクラスなど

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3シリーズ(車種例:320d)

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国内のBMWで最も人気があり、売れているのが3シリーズだ。主流である小型セダンの他にステーションワゴンもあり、3シリーズツーリングと呼ばれている。

  • ライバル車:メルセデス・ベンツCクラス、アウディA4など

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4シリーズ(車種例:420iグランクーペ)

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基本的にはクーペを示すが、4ドアクーペのグランクーペ、オープンカーのカブリオレも含まれる。

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5シリーズ(車種例:530e)

中型のセダンがメインだが、3シリーズと同じくステーションワゴンも含まれる。

  • ライバル車:メルセデス・ベンツEクラス、アウディA6

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6シリーズ(車種例:623d グランツーリスモ)

直近では中型4ドアクーペ系のグランツーリスモのみになった。(以前はクーペもラインアップしていた。)

現在、国内で6シリーズは販売されていない。

7シリーズ(車種例:740i)

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BMWのフラッグシップセダンが当てはまる。

  • ライバル車:メルセデス・ベンツSクラス、アウディA8、レクサスLSなど

8シリーズ(車種例:840i グランクーペ)

大型のクーペ系モデルの他、4ドアクーペのグランクーペ、オープンモデルのカブリオレも含む。

  • ライバル車:メルセデス・ベンツCLS、ポルシェ パナメーラなど

頭文字が英語の車種例(X,iなど)

Xシリーズ(例:X3、X5)

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頭にXが使用されるのが、BMWのSUVだ。その次の数字はボディサイズを表す。例えば、X3であれば、SUVの3シリーズクラス。X4であれば、SUVの4シリーズクラスでクーペタイプということになる。

SUVのXシリーズもX1、X2、X3、X4、X5、X6、X7と豊富なラインアップをもつ。

  • X3のライバル車:メルセデス・ベンツGLCなど

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iシリーズ(例:iX、i4)

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iシリーズは、BMWのEV(電気自動車)を指す。iの次の数字はサイズ、文字はカテゴリーを示す。i4は4シリーズ(グランクーペ)のEVを意味し、iX3だとEVのX3となる。

ただし、これは既存のガソリン車と同じボディをもつモデルに限られている。iXはEV専用車のため、こうした法則とは異なる。また、生産を終了したi3も独自の車名が与えられていた。

Zシリーズ

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2シーターのオープンスポーツカーで、現在ではZ4のみ。前身はZ3だった。

Z8もわずかな期間生産された。2000年のミレニアムを記念して登場した軽量2シーターオープンスポーツのモデルだ。

Mモデル(例:M3セダン、M8クーペ)

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頭にMと付けられたモデルは、特別なハイパフォーマンスモデルだ。通常のシリーズモデルとはまったく異なる優れた走行性能を誇る。

  • ライバル車:メルセデスAMGなど

なお、M340iやM135iは、純粋なMモデルではないが、既存のモデルをベースにスポーティなチューニングを施したモデルである。

BMWのお勧めグレードはMスポーツ

BMW車には、様々なグレードが存在する。そんな中、ほぼどのモデルにも共通しているグレードが「Mスポーツ」だ。

Mスポーツはスポーティなエアロパーツ類を装着し、より大きなインチのホイールを履く。車高は10mm前後下げ、サスペンションはよりスポーティな走りを実現している。中には、ブレーキまでスポーティ仕様のモデルもある。内装もスポーティな仕様になっていることが多い。(全項目、車種によって若干違いがある)

 

日本では、こうしたスポーティ仕様が人気を博している。多くの人がMスポーツを選択するほどだ。

Mスポーツグレードはリセールバリューも高く、売却時にもメリットがある。

BMW3シリーズおすすめ車種をG20系とF30系で紹介

国内で販売されているBMWモデルの中で、最も売れているのがスポーティなルックスと走行性能を持つ3シリーズだ。セダンとステーションワゴンの2タイプが用意されている。2019年にフルモデルチェンジしG20系となり、2022年9月にマイナーチェンジした。

先代のモデルはF30系であり、F30系が6代目、G20系が7代目と呼ばれている。G20系はF30系よりもボディが大きくなり、4WDモデルのラインナップも増えたという特徴がある。

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3シリーズセダンで人気のボディサイズは、全長4,720×全幅1,825×全高1,445mmだ。それほど小さくないが、小型セダンに分類されていて、日本でも扱いやすいサイズである。

搭載エンジンは、2.0Lディーゼルターボ、2.0Lターボ+モーターのPHEV、直6 3.0Lターボの3種類だ。

3シリーズの魅力は、なんといってもハンドリング性能にある。前後50:50の重量配分にこだわり、微妙なステアリング操作にも機敏に反応する。このクラスでは、世界トップレベルのスポーティなハンドリング性能を誇る。

人気グレードであるMスポーツは、引き締められたサスペンションが特徴だ。乗り心地は硬めだが走る楽しさが凝縮されている。

3シリーズ(G20系)のお勧めグレード:PHEVの330e

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PHEVの330eは、充電された電力を使い切るまではモーターのみで56.5km(WLTCモード)走行できる。日々の送迎や買い物、通勤程度の短距離であればガソリンを使用しない生活が可能な走行距離だ。環境にも財布にも優しいモデルといえる。

PHEVの330eは、340i系を除く3シリーズの中で、最もスポーティだ。ターボエンジンの悪癖であるレスポンスの悪さをモーターが解消している。

モーターは、瞬時に最大トルクをアウトプットできるので、アクセルを踏んだ瞬間にモーター特有のトルクでクルマをグッと押し出し、わずかに遅れてエンジンのパワーが加わる。他のターボエンジンでは味わえない、極上のアクセルレスポンスを誇る。

ハイブリッド時の燃費性能はイマイチだが、優れた経済性と実用性、そして他の3シリーズにはない走る楽しさに満ちたグレードだ。

3シリーズ(G20系)はタイミングが合えば、大幅値引きも?

BMWは高級輸入車なので、値引きはできない? と思うかもしれない。だがむしろ、国産車より値引き販売されているモデルが多いのだ。

中でも大幅値引きが期待できるのは、いわゆる長期の在庫車である。好きなグレードや色、仕様が選べないのは難点だが、長期在庫になっている車両なら簡単に大幅値引きしてくれる可能性が高い。

 

タイミングも重要だ。

マイナーチェンジ直後で、余ったマイナーチェンジ前のモデルなら100万円以上の値引きが出ることもある。

インポーターの決算である12月末に向けて勝負をかけるのもお勧めだ。12月になると、販売実績をアップするために、買い手がいないのにディーラー名などでの登録が行われる。こうした在庫車がある場合、自社名義で登録するよりも大幅値引きしてでも売りたい状態といえる。12月は、より安く買える可能性が高くなる。

3シリーズ(F30系)は中古車が狙い目

BMW3シリーズの中古車で買い得感が出てきているのが、先代の6代目である3シリーズ(F30系)だ。

6代目3シリーズの中古車相場は、モデルチェンジ直前の2018年式320dで約250~280万円とやや幅が広い。新車価格が562~608万円位だったので、中古車相場は新車価格の44~46%にまで落ちていて、なかなか買い得感がある。

お勧めグレードは、スポーティで低燃費なディーゼルターボエンジンを搭載する320d Mスポーツだ。

BMW5シリーズ(G30系)のおすすめ車種

ミディアムサイズのセダンとステーションワゴンのBMW5シリーズは、2017年にフルモデルチェンジし7代目となった。ラグジュアリーとスポーツを両立した人気のシリーズだ。

5シリーズセダンのPHEVモデル530eのボディサイズは、全長4,975×全幅1,870×全高1,485mmだ。ミディアムサイズながら、かなり大きく感じる。

  • ライバル車:メルセデス・ベンツEクラス、アウディA6など
  • 国産ライバル車:レクサスES(駆動方式が異なるが、同等のボディサイズ)

この7代目5シリーズは、アルミを多用し大幅な軽量化が施された。軽量化は、運動性能アップだけでなく燃費向上にも寄与するからだ。また、空力にも優れ高い速度域でも安定した走行を可能とした。

ミドルサイズのモデルなので、乗り心地や静粛性にも優れている。Mスポーツ系は、やや硬めな乗り味でスポーティな走行性能を得ながら、ラグジュアリーモデルに匹敵する快適性も兼ね備えている。

5シリーズ(G30系)のお勧めグレード:PHEVの530e

カーボンニュートラル時代に合わせ、BMWも積極的にEV(電気自動車)を投入している。1クラス下の4シリーズには、EVのi4が設定されているが、5シリーズのEVはまだ設定されていない中、これからの未来を考えるとPHEVの530eがお勧めだ。

 

このPHEVシステムは、基本3シリーズの330eと同じものを使用している。直4 2.0Lターボ(184ps&300Nm)と、109ps&265Nmのモーターが組み合わせていて、十分な出力を誇る。

満充電で通常走行すれば、54km(WLTCモード)のEV走行が可能。日々の短距離移動ではほとんどガソリンを使うことがないため、エコでありエコノミーでもある。

 

アクセルレスポンスのよい走りも魅力的だ。ターボエンジンのターボラグを、最大トルクを発揮するモーターが瞬時に補う。5シリーズは車体が大きいが、その大きさを感じさせない軽快なフットワークで走る楽しさを実感させてくれる。優れた空力もあり、高速道路でもピタッと安定した走りは高級車に相応しい高いレベルにある。

5シリーズ(G30系)の値引き:人気薄のため、バーゲン状態!?

BMW5シリーズは、人気があまりないため、大幅値引きが期待できる。とはいえ、クルマの性能は非常に高いので安心してよい。

 

5シリーズで、在庫車があり、しかも決算直前の12月となれば、大幅値引きの期待は大きい。11月末頃からじっくり商談を開始し「安かったら買ってもいいかなぁ」など、大幅値引きに期待するような発言しながら、相手側の動きを見るといいだろう。「在庫車なら大幅値引きできます」というような話が出てくれば「100万円位引いてくれるの?」とかなり大きな数字を出すのもお勧めだ。

その後、納得できるレベルまでジックリと交渉しよう。売り手側は、12月末の登録が条件になるので、歩み寄ってくる可能性がかなり高い。

もし値引きを渋り始めたら「年明けに未使用車でも探すから」と軽く突き放して様子を見てもよいだろう。未使用車とは、買い手がいないのにメーカーやディーラーの都合で登録しただけの車両のことだ。新車コンディションだが、一度登録すると中古車扱いになり未使用車として販売される。新車コンディションながら激安な未使用車を狙うのもよい。

5シリーズの中古車は買い得感大!

BMW5シリーズは、人気薄のため中古車価格もリーズナブルだ。

2017年式530eの中古車相場は、290~330万円程度。新車価格が778~803万円位だったので、新車価格の37~41%にまで下がっている。コスパに優れた中古車といえる。

 

2020年式530eの中古車相場は約420~630万円とかなり幅が広い。新車価格は872万円だったので、中古車価格は新車価格の48~72%にまで落ちている。新車価格60%以下の中古車であれば、かなり買い得感が高い。現行型なので、古さも感じさせないのも魅力だ。

ライター紹介

クルマ評論家 CORISM代表

大岡 智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員