2025年の乗用車全体に占めるBEV販売比率は、約1.6%と低調なままだ。そんな中、BEVシフトへのきっかけとして注目されているのがPHEV(プラグインハイブリッド)だ。
PHEVは、自宅のコンセントなどから車載バッテリーを充電する。短距離の移動では、その電力を使ってBEVとして走行。電力を使い切ると、ガソリンを使うハイブリッド車として走行できる。急速充電器などの充電インフラにあまり左右されず、ガソリン車とBEVのいいとこ取りをした注目のモデルだ。
そんなPHEVの中で高い人気を誇っているのが、ラグジュアリーSUVのトヨタ ハリアーPHEVと、PHEVのパイオニアである三菱アウトランダーPHEVだ。
しかし、ハリアーPHEVは2026年8月に販売を終了したばかり。そこで今回は、高年式の中古車を対象に、ハリアーPHEVとアウトランダーPHEVを解説・比較する。
*ハリアーPHEVは最終モデル、アウトランダーPHEVは最新モデルで解説・比較した。
ハリアーPHEVがおすすめな人
- 優れたハイブリッド燃費を重視する
- 街中での乗り心地や静粛性を重視する
- ハリアーブランドに憧れている
アウトランダーPHEVがおすすめな人
- 3列目シートが欲しい
- アウトドアのために、悪路走破性を重視する
- オーディオの性能にもこだわりたい
- より洗練されたラグジュアリーSUVへ
- より完成度を増したPHEVのパイオニア
- ハイブリッド燃費はハリアー優勢。EV走行可能距離はアウトランダーが上回る
- 価格差はあるものの、充実度はアウトランダーPHEV
- 中古車なので、値引きはゼロベース
- 多くの人に受け入れられやすいスタイリッシュなハリアーPHEV(80系)のデザイン
- 優れたパッケージングで広い空間を確保するアウトランダーPHEV
- 運転支援機能は両車充実しており、ほぼ互角
- スマートな都市型ハリアー。多彩なドライブモードで運転が楽しいアウトランダーPHEV
- ブランド力で、ハリアーPHEV優勢
- 都市部中心ならハリアーPHEV。アクティブなライフスタイル派はアウトランダーPHEV
- トヨタ ハリアーPHEV(80系)新車価格帯(最終モデル)
- 三菱アウトランダーPHEV(GN系)新車価格帯(最新モデル)
- トヨタ ハリアーPHEV(80系)燃費、ボディサイズなどスペック(最終モデル)
- 三菱アウトランダーPHEV(GN系)燃費、ボディサイズなどスペック
より洗練されたラグジュアリーSUVへ
トヨタ ハリアーPHEV(80系)の特徴
※上図:ハリアーPHEV(80系)の全景
ハリアーPHEVは、見て、乗って、走り出した瞬間に心に響く「感性品質」を重視し、実用性や数値だけではなく、人の心を満たしてくれる存在を目指して開発された。
プラットフォームには、TNGAプラットフォーム(GA-K)を採用。ボディの高剛性化と低重心化を実現し、ドライバーの感性を重視した乗り心地と走りを両立させた。また、走り出した瞬間や高速走行時の車両の挙動を素早く収束させるため、新しいショックアブソーバーを採用。接地感のあるフラットな乗り心地を実現している。
搭載するPHEVシステムは、システム最高出力306psとパワフルだ。駆動用バッテリーにはリチウムイオンバッテリーを採用し、総電力量は18.1kWhとなっている。
駆動方式は、E-Fourと呼ばれる電気式4WDのみ。燃費性能はWLTCモードで20.5km/Lを実現し、満充電時のEV走行可能距離は93kmとなっている。
2022年に登場した際、ハリアーPHEVはZグレードの1種類だった。しかし、2025年6月の一部改良で、エントリーグレードのGグレードを追加。同時に先進安全機能の「Toyota Safety Sense」をアップデートした。
さらに、ステアリングヒーターやシートヒーター(運転席・助手席)を全グレードで標準装備とするなど、商品性も高めている。
より完成度を増したPHEVのパイオニア
三菱アウトランダーPHEV(GN系)の特徴
※上図:アウトランダーPHEV(GN系)の全景
2021年12月に販売を開始した2代目アウトランダーPHEVは、日産・ルノー・三菱のアライアンスによって開発されたCMF(コモン・モジュール・ファミリー)-C/Dを採用。エンジンルームやキャビン周りには連続した環状構造を採用し、従来車よりもボディの曲げ剛性とねじり剛性を大幅に向上させ、上質な乗り味を実現している。
アウトランダーPHEVに搭載されているプラグインハイブリッドシステムは、エンジン直結モードを持つシリーズハイブリッドシステムがベースだ。エンジンは主に発電を担い、その電力を使って走行する。
駆動方式は、前後モーター駆動の4WDのみ。車両運動統合制御システム「S-AWC」を搭載し、ブレーキ制御「ブレーキAYC」を後輪にも採用することで、運動性能を高めている。
また、先代モデルが5人乗りのみだったのに対し、2代目アウトランダーPHEVでは、グレードによって5人乗りと7人乗りが用意されている。
アウトランダーPHEVは、2024年10月に大幅な改良を実施した。搭載するリチウムイオンバッテリーを刷新し、バッテリー容量を約13%増の22.7kWhとしている。その結果、全グレードでEV走行可能距離が約20km延長されただけでなく、PHEVシステムの最高出力も約20%向上した。スムースで力強い加速性能を持続し、高速道路での合流や追い越し時のストレスを軽減している。
より上質で安定した乗り心地を実現するため、サスペンションチューニングも見直すとともに、新開発のタイヤを装着した。これにより、路面から伝わる振動やショックを低減し、より上質で安定した乗り心地を実現している。
また、電動パワーステアリングのアシスト力を最適化するとともに、出力向上に合わせてS-AWCの制御も見直し、旋回中の安定性を向上させている。
装備面では、モニターサイズを従来の9インチから12.3インチへ大型化。オーディオシステムでは、ヤマハと三菱自動車がアウトランダーPHEV専用に共同開発した「ダイナミックサウンドヤマハアルティメット」と「ダイナミックサウンドヤマハプレミアム」という2つのシステムを用意している。
2024年の大幅改良に続き、2025年9月には2代目アウトランダーPHEVが一部改良を実施した。センターコンソールをより高級感のあるデザインへ刷新するとともに、コンソールボックス上部の肘置きスペースを拡大し、ゆったりとした着座姿勢を取れるようにしている。
安全装備では、踏み間違い防止アシストにおいて、後退時に従来の超音波センサーに加え、新たにリヤビューカメラも採用した。
ハイブリッド燃費はハリアー優勢。EV走行可能距離はアウトランダーが上回る
1. 燃費比較
ハリアーPHEV(80系)の評価:4.5
アウトランダーPHEV(GN系)の評価:4.0
ハリアーPHEV(80系)のハイブリッド燃費は以下の通りだ(WLTCモード)。
- ハリアーPHEV 2.5L直4 PHEV:20.5km/L
- 充電電力使用時走行距離:93km
- 駆動用バッテリー容量:18.1kWh
- 車重:1,920~1,950kg
アウトランダーPHEV(GN系)は以下の通りだ(WLTCモード)。
- アウトランダーPHEV 2.4L直4 PHEV:17.2~17.6km/L
- 充電電力使用時走行距離:102~106km
- 駆動用バッテリー容量:22.7kWh
- 車重:2,070~2,140kg(5人乗り)
ハリアーPHEVとアウトランダーPHEVの排気量には100cc以上の差があり、ハリアーPHEVの方が大きい。一般的に、排気量が大きいほど燃費面では不利になる。しかし、実際には排気量の大きいハリアーPHEVが、ハイブリッド燃費では大きく上回った。
これは、ハイブリッドシステムの違い以上に、車重の差が大きく影響していると考えられる。アウトランダーPHEVは、ハリアーPHEVより150~190kgも重い。これだけ車重に差があると、燃費にも大きな差が生じる。
一方、駆動用バッテリー容量はアウトランダーPHEVの方が大きいものの、充電電力使用時走行距離の差は9~13kmにとどまる。ここでも、車重の差が大きく影響していると考えられる。
そのため、燃費と充電電力使用時走行距離の効率という点では、ハリアーPHEVが一歩リードしている。
価格差はあるものの、充実度はアウトランダーPHEV
2. 価格比較
ハリアーPHEV(80系)の評価:3.5
アウトランダーPHEV(GN系)の評価:4.0
*中古車相場は2026年8月調べ
ハリアーPHEVと2代目アウトランダーPHEVの5人乗り最上級グレードの価格は、以下の通りだ。
- ハリアーPHEV Z中古車相場(2025年式):約520~540万円
- アウトランダーPHEV P エグゼクティブパッケージ5人乗り中古車相場(2025年式):約510~540万円
ハリアーPHEVは5人乗りのみだが、アウトランダーPHEVはエントリーグレードのMを除き、5人乗りと7人乗りが用意されている。
アウトランダーPHEVの最上級グレードは、車両本体価格671万6,600円のP エグゼクティブパッケージ7人乗りだ。ここではハリアーPHEVに条件を揃え、車両本体価格662万5,300円のP エグゼクティブパッケージ5人乗りを最上級グレードとして比較する。
ハリアーPHEVの最上級グレードは、車両本体価格626万100円のPHEV Z 4WD。2代目アウトランダーPHEV(GN系)のP エグゼクティブパッケージ5人乗りとの価格差は約36万5,200円だ。
ここでは、装備が充実した最上級グレードを比較しながら、この価格差がどのように生じるのか、装備面からチェックする。
ハリアーPHEVとアウトランダーPHEVは、システムこそ異なるものの、搭載するガソリンエンジンの排気量はハリアーPHEVが2.5L、アウトランダーPHEVが2.4Lだ。駆動方式も、出力は異なるものの、両車とも電動4WDを採用している。
装着タイヤサイズは、ハリアーPHEVが225/55R19。アウトランダーPHEVは、1インチ大きい255/45R20を装着している。
快適装備はアウトランダーPHEVが充実
最上級グレードの快適装備を比較すると、ハリアーPHEVは本革シートを標準装備。運転席8way、助手席4wayの電動調整が可能なパワーシートを搭載している。
フロント&リヤシートにはヒーター機能を標準装備し、フロントシートにはベンチレーション機能も備えている。12.3インチのディスプレイを採用したディスプレイオーディオ(コネクテッドナビ対応)Plusも標準装備だ。
家庭用電気機器が使用できるアクセサリーコンセントもラゲッジ右側に1個標準装備。スマートフォンなどの充電に便利な、おくだけ充電も標準装備している。充電ポートは普通充電のみに対応する。
一方、アウトランダーPHEVは、高級素材のセミアニリンレザーをシート表皮に採用。フロントシートは運転席・助手席ともにパワーシートを標準装備し、ヒーター&ベンチレーション機能も備えている。さらに、リヤシートの座面と背もたれにもヒーター機能を採用している。
12.3インチのディスプレイを採用したスマートフォン連携ナビゲーションを標準装備するほか、12スピーカー+デュアルアンプの「ダイナミックサウンドヤマハアルティメイト」という高級オーディオも標準装備している。
家庭用電気機器が使用できるアクセサリーコンセントをはじめ、フロントコンソールにはワイヤレス充電器を装備。さらに、充電ポートは普通充電と急速充電の両方に対応している。
装備内容はほぼ互角だが、セミアニリンレザーをシート表皮に使用していることや、ヤマハと共同開発した高級オーディオを標準装備していることなどから、快適装備はアウトランダーPHEVの方が充実している。
ハリアーPHEVとアウトランダーPHEV(GN系)の最上級グレードの新車価格を比較すると、アウトランダーPHEVの方が約37万円高価だった。
しかし、中古車になると、この新車時の価格差がグッと縮まり、2025年式の中古車相場はほぼ互角となっている。こうなると、装備が充実したアウトランダーPHEVの中古車は、コストパフォーマンスがより高く感じられる。
中古車なので、値引きはゼロベース
3. 購入時の値引き術
ハリアーPHEV(80系)の評価:3.0
アウトランダーPHEV(GN系)の評価:3.0
両車とも中古車なので、値引きはゼロベースと考えたい。中古車サイトなどで総額表示が導入されたことで、価格競争がより激しくなり、販売店の利益が減っていることも要因のひとつだ。
そのため、商談中にいきなり大幅な値引きを提示する販売店には注意したい。大幅に値引きしてでも売りたい理由があると考えた方がよいだろう。現金購入での値引きは、端数カット程度と思っておいた方がよい。
ただし、下取車があったり、ローン購入を選択したりするなど条件が揃えば、有料延長保証やボディコーティングなどの費用を値引きできないか相談するのもよいだろう。
また、逆に総額表示になっているにもかかわらず、「ローンやボディコーティングを利用しないと販売できない」といった条件を提示してくる販売店には注意したい。いわゆる抱き合わせ販売を行う販売店は、慎重に判断した方がよいだろう。
下取車の売却にも注意が必要だ。下取車がある場合は、必ずほかの買取専門店でも査定してもらうことをおすすめする。中古車の購入時に数万円値引きしてもらっても、下取車の査定額が10万円安くなっていれば意味がないからだ。
ほかの買取店でも査定してもらえば、下取車のおおよその適正価格が分かりやすくなる。購入時の値引きだけでなく、下取車を含めた総額で条件を比較することが大切だ。
多くの人に受け入れられやすいスタイリッシュなハリアーPHEV(80系)のデザイン
4. デザイン比較
ハリアーPHEV(80系)の評価は4.0
2代目アウトランダーPHEV(GN系)の評価は4.0
ハリアーは流麗なクーペルックの洗練されたスタイル
※上図:ハリアーPEHV(80系)の後景
ハリアーPHEVは「Dignified Elegance(大いなる逞しさ)」をコンセプトに開発された。
※上図:ハリアーPHEV(80系)のサイド全景
外観デザインのポイントは、「Graceful life」を彩る、華美でも無骨でもない洗練されたSUVスタイルだ。流麗なクーペキャビンとスポーツカー並みの逞しいスタンスを組み合わせ、独自の佇まいを表現している。
※上図:ハリアーPHEV(80系)のサイド全景
また、あらゆるシーンにマッチしながらも映える、シンプルで研ぎ澄まされた存在感も特徴だ。
アウトランダーは「威風堂々」を具現化した逞しさと安心感を演出するデザイン
※上図:アウトランダーPHEV(GN系)の後景
アウトランダーPHEVの商品コンセプトは「威風堂々」。そのコンセプトを実現するため、ボディデザインには「BOLD STRIDE(ボールドストライド)」を掲げ、パッケージから大きく見直した。
※上図:アウトランダーPHEV(GN系)のフロントフェイス
フロントからリヤへと伸びる水平基調のデザインにより、力強くスタンスのよいプロポーションを表現。張りのある豊かな面と、エッジの利いたシャープなキャラクターラインのコントラストも特徴だ。
※上図:アウトランダーPHEV(GN系)のリアエンド
さらに、大径の20インチタイヤとワイドボディを強調する張り出したフェンダーによって、堂々とした佇まいを演出。存在感と安定感も表現している。
フロントには、力強いパフォーマンスと、人とクルマを守る安心感を表現した「ダイナミックシールド」を進化させて採用。SUVとしての力強さを一段と高めている。
優れたパッケージングで広い空間を確保するアウトランダーPHEV
5. 室内空間と使い勝手
ハリアーPHEV(80系)の評価は3.5
アウトランダーPHEV(GN系)の評価は4.5
ハリアーPHEVとアウトランダーPHEVのボディサイズ、ホイールベースは以下のとおりだ。
ハリアーPHEV(80系)
- ボディサイズ:全長4,740mm×全幅1,855mm×全高1,660mm
- 室内長:1,880mm×室内幅1,520mm×室内高1,215mm
- ホイールベース:2,690mm
アウトランダーPHEV(GN系)
- ボディサイズ:全長4,720mm×全幅1,860mm×全高1,750mm(一部1,745mm)
- 室内長:1,920mm×室内幅1,520mm×室内高1,220mm(5人乗り)
- 室内長:2,450mm×室内幅1,520mm×室内高1,220mm(7人乗り)
- ホイールベース:2,705mm
※上図:ハリアーPHEV(80系)の運転席
※上図:ハリアーPHEV(80系)の後席
室内の広さの目安となるホイールベースは、アウトランダーPHEVが15mm長い。
※上図:アウトランダーPHEV(GN系)の運転席
※上図:アウトランダーPHEV(GN系)の2列目シート
室内寸法を比較すると、ハリアーPHEVは室内長1,880mm×室内幅1,520mm×室内高1,215mm。対してアウトランダーPHEVの2列シート仕様車は、室内長1,920mm×室内幅1,520mm×室内高1,220mmとなっている。室内長はアウトランダーPHEVの方が40mm長い。
※上図:ハリアーPHEV(80系)の荷室
※上図:アウトランダーPHEV(GN系)の荷室
この室内空間の差は、キャビンスペースに余裕を生むだけでなく、ラゲッジスペースの容量にも影響している。5人乗車時のハリアーPHEVのラゲッジ容量は約409L。対してアウトランダーPHEVは約463~469Lと上回っている。セカンドシートをすべて倒した場合は、最大で200L以上の差が付く。
※上図:アウトランダーPHEV(GN系)の荷室
アウトランダーPHEVは、ハリアーPHEVより全長が20mm短い。しかし、全高を1,750mm(一部1,745mm)まで高くすることで、キャビンスペースを確保している。さらに、7人乗りでは3列シートをレイアウトできる優れたパッケージングを持つ。
※上図:アウトランダーPHEV(GN系)の3列目シート
3列目シートの設定がないハリアーPHEVと比べると、室内空間やラゲッジスペースを含めた使い勝手では、アウトランダーPHEVが一歩リードしている。
運転支援機能は両車充実しており、ほぼ互角
6. 安全装備&運転支援機能
ハリアーPHEV(80系)の評価は4.5
アウトランダーPHEV(GN系)の評価は4.5
※上図:ハリアーPHEV(80系)のインパネデザイン
ハリアーPHEV(80系)と2代目アウトランダーPHEV(GN系)は、ともに2025年に一部改良を行い、運転支援機能を充実させている。
ハリアーPHEV(80系)は、プリクラッシュセーフティ(歩行者[昼夜]・自転車運転者[昼]検知機能付)をはじめ、ドライバー異常時対応システムなど8つの機能をパッケージ化した「Toyota Safety Sense」を標準装備。さらに、パーキングサポートブレーキ(後方接近車両)やブラインドスポットモニター(BSM)といった、車両後方をサポートする機能も充実している。
※上図:ハリアーPHEV(80系)のメーター
2025年の一部改良では、「Toyota Safety Sense」ならびにその他の安全装備を進化させた。プリクラッシュセーフティの検知対象を、自転車運転者(夜)や自動二輪車(昼)まで拡大。さらに、交差点での右左折時に横断する自転車運転者や、交差点へ進入する際の車両および自動二輪車も検知対象としている。
また、車線をはみ出しそうなときに警告を発するとともに、ステアリング操作を支援するレーンディパーチャーアラート(LDA)を追加。さらに、歩行者・自転車運転者・駐車車両に対する操舵・減速支援をはじめ、先行車やカーブに対する減速支援、右左折時の減速支援、車線内を走行している際の常時操舵支援などを行うプロアクティブドライビングアシスト(PDA)も追加している。
対して、2代目アウトランダーPHEV(GN系)は、「e-Assist(イーアシスト)」と呼ばれる9つの運転支援機能をパッケージ化し、全車に標準装備。さらに、高速道路での同一車線運転支援機能「マイパイロット」も全車標準装備となっている。
※上図:アウトランダーPHEV(GN系)のメーター
コネクテッドサービスの「MITSUBISHI CONNECT(ミツビシコネクト)」も、Mグレードを除いて標準装備。この点も高く評価できる。
スマートな都市型ハリアー。多彩なドライブモードで運転が楽しいアウトランダーPHEV
7.走行性能の比較
ハリアーPHEV(80系)の評価は3.5
アウトランダーPHEV(GN系)の評価は4.5
ハリアーPHEVのシステム最高出力、エンジン/モーターの最高出力、最大トルク、車両重量は以下のとおりだ。
- システム最高出力:306㎰
- 2.5L直4ガソリンエンジン:最高出力177ps、最大トルク219Nm
- フロントモーター:最高出力182ps、最大トルク270Nm
- リアモーター:最高出力54ps、最大トルク121Nm
- 車両重量1,920~ 1,950kg
アウトランダーPHEVのシステム最高出力、エンジンの最高出力、最大トルク、車両重量は以下のとおりだ。
- システム最高出力:非公表(約300㎰)
- 2.4L直4ガソリンエンジン:最高出力131ps、最大トルク195Nm
- フロントモーター:最高出力114ps、最大トルク255Nm
- リアモーター:最高出力134ps、最大トルク195Nm
- 車両重量2,070~ 2,180kg
ハリアーPHEVのエンジンフィール
※上図:ハリアーPHEV(80系)のエンジンルーム
ハリアーPHEVは、システム最高出力306psとアウトランダーPHEVよりややパワフル。さらに、車重が150~190kg程度軽いため、加速性能ではハリアーPHEVが少し上回る印象だ。
また、トヨタによると、EV走行時の最高速度は135km/h。ただし、アクセル操作次第では、加速時など多くのパワーが必要な場面でエンジンが始動する。
ハリアーPHEVで気になるのが充電方法だ。ハリアーPHEVは急速充電に対応しておらず、普通充電のみとなる。そのため、ロングドライブでは急速充電を利用できない。
アウトランダーPHEVのエンジンフィール
アウトランダーPHEVもハリアーPHEVと同じく、三菱によるとEV走行時の最高速度は135km/hとなっている。ただし、ハイブリッドシステムが異なるため、アウトランダーPHEVの方がエンジン始動の頻度が高く感じられるかもしれない。
その理由は、エンジン直結モードを備えているからだ。電気で走行するよりもエンジン直結モードで走行した方が燃費がよいとコンピューターが判断した場合に、エンジンが始動する。このモードは中高速域で使用されるため、街中ではほぼEV走行となる。
アウトランダーPHEVは、ハリアーPHEVより大出力のリヤモーターを採用している。そのため、アクセルをグッと踏み込んだ瞬間には、後ろから押されるような後輪駆動車に近い加速感が味わえる。
ハリアーPHEVのハンドリングや乗り心地・静粛性
※上図:ハリアーPHEV(80系)の給電口
ハリアーPHEVは、ボディ各部に吸遮音材を最適に配置したうえ、高遮音ガラスを採用。徹底した振動対策も施し、高い静粛性を実現しているのが特徴だ。そのため、姉妹車関係にある50系RAV4 PHEVよりも、静粛性では優れている。
乗り心地は、ラグジュアリーSUVらしい、優しく柔らかな仕上がりだ。特に街中では、優れた静粛性も加わり、快適性が際立つ。
ハリアーPHEVは、大きく重いリチウムイオンバッテリーを床下に配置している。そのため重心高が大幅に下がり、カーブでの安定感も高い。機敏なハンドリングではないものの、誰もが運転しやすいと感じるタイプだ。
ただし、ハリアーPHEVはリヤモーターの出力が小さい。そのため、かなり荒れた悪路での走破性という点では、アウトランダーPHEVに一歩譲る。
アウトランダーPHEVのハンドリングや乗り心地・静粛性
※上図:アウトランダーPHEV(GN系)の給電口
アウトランダーPHEVの乗り心地は、ハリアーPHEVと比べるとややしっかりした印象だ。硬めというほどではなく、しなやかな乗り味に仕上がっている。
ヤマハと共同開発したサウンドシステムを生かすため、静粛性もかなり高いレベルにまとめられている。最上級の「アルティメット」と呼ばれるサウンドシステムは臨場感が高く、このクラスではトップレベルの実力を持つ。音楽好きには魅力的な仕様だ。
ハンドリングでは、車両運動統合制御システム「S-AWC」をはじめ、さまざまな電子デバイスを搭載。また、重い駆動用バッテリーを床下に設置して低重心化しているため、大きく重い車体ながら、軽快に曲がる。
さらに、ノーマル、エコ、パワー、グラベル、ターマック、スノー、マッドと7つのドライブモードを設定。ドライバーが路面状況に応じてモードを選択し、走りを楽しめる。
こうした走行モードに加え、アウトランダーPHEVの最低地上高は210mm(一部205mm)。ハリアーPHEVは190mmとなっている。さらに、アウトランダーPHEVはリヤモーターの出力も大きいため、悪路走破性ではハリアーPHEVをリードする。
ブランド力で、ハリアーPHEV優勢
8. リセールバリュー比較
ハリアーPHEV(80系)の評価は4.0
アウトランダーPHEV(GN系)の評価は3.5
*中古車相場は2026年8月調べ
ハリアーPHEV(80系)Z
- 中古車相場(2025年式):約520~540万円
- 当時の新車価格比:約83~86%
アウトランダーPHEV P エグゼクティブパッケージ5人乗り
- 中古車相場(2025年式):約510~540万円
- 当時の新車価格比:約77~81%
両車ともPHEVなので、国のCEV補助金が支給されていた。中古車では、こうした補助金を新車価格から引いた金額が実質的な新車価格と見なされるため、人気SUVとはいえリセールバリューは低めになっている。
とはいえ、さすがトヨタの人気SUVということもあり、ハリアーPHEVの新車価格比は、アウトランダーPHEVを約5%上回っている。アウトランダーPHEVも2代目から徐々に存在感を見せ始め、リセールバリューも上昇してきているものの、トヨタブランドの強さには及ばない印象だ。
トヨタブランドのSUVは、総じて高いリセールバリューとなっている。そのため、ハリアーPHEVのリセールバリューがアウトランダーPHEVを下回ることはないと予想できる。
ただし、新車価格と装備の充実度では、アウトランダーPHEVが勝っている。リセールバリューがハリアーPHEVよりやや低めなアウトランダーPHEVは、中古車としてのコストパフォーマンスが高いといえる。
都市部中心ならハリアーPHEV。アクティブなライフスタイル派はアウトランダーPHEV
まとめ
ハリアーPHEVとアウトランダーPHEVは、同じSUVのPHEVでもキャラクターが異なる。ハリアーPHEVは都会派のラグジュアリーSUVで、アウトランダーPHEVはアウトドア志向のPHEVだ。
そのため、購入時はどのような使い方をするかが大きなポイントになる。ハリアーPHEVは、都市部での移動を快適にこなすことを重視したモデルだ。ハイブリッド燃費にも優れ、リセールバリューも高いため、経済性にも優れている。
アウトランダーPHEVは、優れた悪路走破性に加え、走る楽しさやアウトドアでの使い勝手も重視している。また、3列シートモデルも用意されているため、より幅広い用途に対応できるメリットがある。
また、どちらもPHEVなので、通勤や送迎、買い物などの短距離移動では、電力を使ってEVとして走行できる。電気代はガソリン代より安価なため、日常生活でガソリンの使用量を抑えられるPHEVは経済性にも優れている。ガソリン価格が高い状況では、使い方次第で大きなメリットを得られるモデルといえる。
こうした違いを理解したうえで、自分の使い方により合うモデルを選ぶとよい。
| ハリアーPHEV | アウトランダーPHEV | |
|---|---|---|
| 総合得点(40点満点) | 30 | 32 |
| 1.燃費 | 4.5 | 4 |
| 2.価格 | 3.5 | 4 |
| 3.購入時の値引きしやすさ | 3 | 3 |
| 4.デザイン | 4 | 4 |
| 5.室内空間と使い勝手 | 3.5 | 4.5 |
| 6.安全装備 | 4.5 | 4.5 |
| 7.走行性能 | 3.5 | 4.5 |
| 8.リセールバリュー | 4 | 3.5 |
トヨタ ハリアーPHEV(80系)新車価格帯(最終モデル)
- G 45,470,300円~Z 6,260,100円
三菱アウトランダーPHEV(GN系)新車価格帯(最新モデル)
- M(5人乗り) 5,369,100円~ブラックエディション(7人乗り) 6,901,400円
トヨタ ハリアーPHEV(80系)燃費、ボディサイズなどスペック(最終モデル)
| 代表グレード | Z |
|---|---|
| ボディサイズ | 4,740×1,855×1,660mm |
| ホイールベース | 2,690mm |
| 最低地上高 | 190mm |
| 最小回転半径 | 5.7m |
| 車両重量 | 1,950kg |
| エンジン型式 | A25A-FXS |
| エンジンタイプ | 直列4気筒DOHC |
| 総排気量 | 2,487cc |
| 最高出力 | 177ps(130kW)/6,000rpm |
| 最大トルク | 219N・m(22.3kgm)/3,600rpm |
| フロントモーター形式 | 5NM |
| フロントモータータイプ | 交流同期電動機 |
| フロントモーター最高出力 | 182ps(134kW) |
| フロントモーター最大トルク | 270N・m(27.5kgm) |
| リヤモーター形式 | 4NM |
| リヤモータータイプ | 交流同期電動機 |
| リヤモーター最高出力 | 54ps(40kW) |
| リヤモーター最大トルク | 121N・m(12.3kgm) |
| 電力用主電池 | リチウムイオン電池 |
| 駆動方式 | 四輪駆動(4WD) |
| サスペンション | 前:マクファーソンストラット式 後:ダブルウィッシュボーン式 |
| タイヤサイズ | 225/55R19 |
三菱アウトランダーPHEV(GN系)燃費、ボディサイズなどスペック
| 代表グレード | Pエグゼクティブパッケージ 5人乗り |
|---|---|
| ボディサイズ | 4,720×1,860×1,750mm |
| ホイールベース | 2,705mm |
| 最低地上高 | 200mm |
| 最小回転半径 | 5.5m |
| 車両重量 | 2,140kg |
| エンジン型式 | 4B12 |
| エンジンタイプ | 直列4気筒DOHC |
| 総排気量 | 2,359cc |
| 最高出力 | 131ps(98kW)/5,000rpm |
| 最大トルク | 195N・m(19.8kgm)/4,300rpm |
| フロントモーター形式 | S91 |
| フロントモータータイプ | 交流同期電動機 |
| フロントモーター最高出力 | 114ps(85kW) |
| フロントモーター最大トルク | 255N・m(26.0kgm) |
| 燃費(WLTCモード) | 23.9km/L |
| リヤモーター形式 | YA1 |
| リヤモータータイプ | 交流同期電動機 |
| リヤモーター最高出力 | 134ps(100kW) |
| リヤモーター最大トルク | 195N・m(19.8kgm) |
| 電力用主電池 | リチウムイオン電池 |
| 駆動方式 | 四輪駆動(4WD) |
| サスペンション | 前:マクファーソンストラット式 後:マルチリンク式 |
| タイヤサイズ | 255/45R20 |
