60系プリウス vs FL4型シビックe:HEV徹底比較!人気のCセグメント、ハイブリッド車

60系プリウス vs FL4型シビックe:HEV徹底比較!人気のCセグメント、ハイブリッド車

60系プリウス(5代目)とFL4型シビックe:HEV(11代目)は双方グローバルモデルで大活躍するモデルだ。両車独自のハイブリッドシステムを搭載し、優れた低燃費性能をアピール。さらに、スポーティな走りをアピールしているのも共通点だ。

そこで、低燃費&スポーティという近しい個性をもつハッチバックである5代目60系トヨタプリウスと、11代目FL4型ホンダシビックe:HEVを徹底比較した。

トヨタ 60系プリウス(5代目)の特徴

60系プリウスの全景の画像

※上図:60系プリウスの全景

60系プリウス(5代目)は2023年1月にデビューした。コンセプトは「Hybrid Reborn」だ。歴代プリウスの特徴である高い環境性能に加えて、「一目惚れするデザイン」と「虜にされる走り」を兼ね備えた、エモーショナルなモデルに進化している。

 

60系プリウスに搭載されているパワートレインは2種類ある。ひとつは1.8Lエンジンとモーターを組み合わせたパラレルハイブリッドシステムだ。サブスクリプションサービスで設定されているグレードなどに搭載されている。すべての電動モジュールを刷新しWLTCモード32.6km/Lいう優れた燃費性能を実現している。

新搭載となる2.0Lエンジンのハイブリッドシステムは、システム最高出力は196psという従来型の1.6倍を達成。同時に28.6km/Lという低燃費を両立している。ハイブリッド専用車であるプリウスならではの高い環境性能・加速感・ドライバーの操作に素早く反応するレスポンスの良さを感じられる。

駆動方式は1.8L、2Lハイブリッドどちらにも2WD(FF)に加えて、E-Fourと呼ばれる4WDを設定している。E-Fourはリアに最高出力41ps、最大トルク84Nmを発生するモーターを搭載した。

 

安全性能は、最新の予防安全パッケージ「トヨタセーフティセンス」を全車標準装備。従来の機能に加え、トヨタブランド初採用となる以下の機能を追加した。

  • 後方車両接近告知(ミリ波レーダーで後続車を検知し、接近したらドライバーに伝える)
  • 周辺車両接近時サポート(録画機能・通報提案機能)
  • セカンダリーコリジョンブレーキ(停車中後突対応)
  • 5代目60系プリウスの車両本体価格は320万~392万円だ。

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ホンダ FL4型シビックe:HEVの特徴

FL4型シビックe:HEVの全景の画像

※上図:FL4型シビックe:HEVの全景

11代目にあたるFL4型シビックe:HEVは、2022年6月に登場した。「爽快スポーツe:HEV」をコンセプトに、「操る喜び」をより高い次元へと引き上げ、“ハイブリッド車=スポーティ”という方程式を世界に根付かせることを目指している。

FL4型シビックe:HEVのパワートレインには、2モーターハイブリッドシステム「スポーツe:HEV」を搭載した。新開発の2.0L直噴エンジンと高出力モーターを融合させ、新次元の加速フィールをもたらしている。シビックタイプRと同じ高性能プラットフォームを基盤に、バッテリー重量という一見デメリットになりそうな要素を低重心化に活かした。これにより、走行性能を徹底的に磨き上げ、「質の高い軽快感」を実現した。

 

ハイブリッドシステムは、2Lエンジン(最高出力141ps、最大トルク182Nm)と、モーター(最高出力184ps、最大トルク315Nm)の組み合わせだ。高い走行性能と同時にWLTCモード24.2km/Lという燃費性能を発揮する。駆動方式は2WD(FF)のみだ。

 

2024年9月にはマイナーチェンジを行い、クルマとドライバーの一体感をさらに高めた爽快スポーツモデルに進化した。従来のe:HEVはグレードが一種類だったが、今回e:HEV LXとe:HEV EXの2グレード設定に変更された。

フロントバンパーは、よりシャープで精悍なデザインに進化。18インチのアルミホイールは、シャークグレーメタリック、マット切削の新規デザインを採用した。

インテリアにはグレー内装を追加。ハイブリッドの静かで滑らかな走りを想起させる、より明るく軽快な印象となった。上級グレードのe:HEV EXは電動パノラミックサンルーフを標準装備し、開放感を高めている。加えて電動式チルトアップ機構による優れた換気性能によりキャビン内の快適性を向上させている。

 

安全装備は、先進の安全運転支援システム「ホンダセンシング」を標準装備。広い範囲と高い精度で対象物を検知するフロントワイドビューカメラや、ガラスや外壁など非金属も高い精度で検知する前後ソナーセンサーを採用した。

マイナーチェンジ前は衝突被害軽減ブレーキのCMBSをはじめ、渋滞追従機能付アダプティブクルーズコントロールなど13の機能がパッケージ化されていた。マイナーチェンジ後は、急アクセル抑制機能を新設定するとともに、従来機能をさらに進化させている。

FL4型シビックe:HEVの車両本体価格は399万8500円~430万7600円だ。

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4WD車でもリッター30km超え!驚異の燃費を発揮するプリウス

燃費比較

60系プリウスの評価は5.0

FL4型シビックe:HEVの評価は4.0

 

60系プリウスとFL4型シビックe:HEVの燃費は以下の通りだ(WLTCモード以下同)。

 

2WD

4WD

60系プリウス
2.0Lハイブリッド

28.6km/L

26.7km/L

60系プリウス
1.8Lハイブリッド

32.6 km/L

30.7 km/L

FL4型シビックe:HEV

24.2km/L

-

60系プリウス は搭載しているハイブリッドシステムは、2Lと1.8Lの2タイプだ。

1.8Lモデルは電動モジュールを刷新し、走りに磨きを掛けており、駆動方式を問わず30km/Lを超える優れた燃費性能を発揮する。

 

対するFL4型シビックe:HEVは、2.0Lのハイブリッドシステムを採用。以下の3つのモードを走行シーンに合わせて使い分けることが可能だ。

  • EVドライブモード(発進時や街中での走行時はモーターのみで走行)
  • ハイブリッドドライブモード(加速時や坂道などよりパワーが必要な時はエンジンとモーターを併用)
  • エンジンドライブモード(高速道路などのクルージング時にエンジンの力をメインに走行)

2.0L直列4気筒エンジンは、アトキンソンサイクルと直噴システムをe:HEV用エンジンとして初めて採用。最大41%という高い熱効率を達成した。

 

両車を同じ2Lエンジンで比べると、以下の通り60系プリウスが上回る。

  • 60系プリウス:7~32.6km/L
  • FL4型シビックe:HEV:2km/L
  • またプリウスの8Lハイブリッドは4WDでも30km/Lを超える驚異的な燃費性能を発揮。燃費性能ではプリウスに軍配が上がった。

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シビックe:HEV EXは高級オーディオやサンルーフといった人気装備が標準装備

価格比較

60系プリウスの評価は4.0

FL4型シビックe:HEVの評価は3.5

 

60系プリウスと11代目FL4型シビックe:HEVの最上級グレードの価格は下記の通り(2WDで比較)。

プリウスZ 2WD

370万円

シビックe:HEV EX 2WD

430万7600円

両車の2WD最上級グレードの価格を比較すると、FL4型シビックe:HEVの方が約61万円高額だ。この価格差がどうして生じるの、装備面をチェックしてみよう。

■タイヤ(標準装備)

  • 60系プリウスZ:195/50 R19タイヤ+19インチアルミホイール
  • FL4型シビックe:HEV EX:235/40ZR18タイヤ+ノイズリデューシング18インチアルミホイール

タイヤはFL4型シビックe:HEVの方が1インチ小さいが、幅は広い。

■シート表皮

  • 60系プリウスZ:合成皮革
  • FL4型シビックe:HEV EX:プライムスムース×ウルトラスエードのコンビシート

■フロントシートのヒーター機能

  • 60系プリウスZ:標準装備+シートベンチレーション機能も装備
  • FL4型シビックe:HEV EX:標準装備

■フロントシートのパワーシート(標準装備)

  • 60系プリウスZ 4WD:運転席にのみ8ウェイパワーシート
  • FL4型シビックe:HEV EX:運転席8ウェイパワーシート+助手席4ウェイパワーシート(スライド&リクライングを電動調整可能)

■ディスプレイ、オーディオ

  • 60系プリウスZ:ディスプレイオーディオを標準装備(3インチディスプレイを採用したコネクティドナビ対応)。+6万1600円でディスプレイオーディオPlus(車載ナビ付き)にアップデート可能
  • FL4型シビックe:HEV EX:Google搭載の9インチホンダコネクトディスプレイ・12スピーカーのBOSEサウンドシステムを標準装備

60系プリウスZに標準装備で、FL4型シビックe:HEV EXに装着されていない装備は以下の通り。

  • 前席シートベンチレーション
  • 運転席シートポジションメモリー(2メモリー付)
  • アクセサリーコンセント

FL4型シビックe:HEV EXに標準装備で60系プリウスZ に装着されていない装備は以下の通り

  • 助手席4ウェイパワーシート
  • BOSEプレミアムサウンドシステム
  • 電動パノラミックサンルーフ

FL4型シビックe:HEV EXは、助手席パワーシートをはじめ、BOSEプレミアムサウンドシステム、電動パノラミックサンルーフなどを標準装備している。

高額装備を標準装備していることを加味すると、やや価格差は縮まる。だが、それでもFL4型シビックe:HEV EXは、少し高めの価格設定と言える。

両車ともに納車待ちが長期化しており値引きは期待薄か

購入時の値引き術

60系プリウスの評価は3.5

FL4型シビックe:HEVの評価は3.5

 

新車を購入する際に気になることの一つが納期だ。

2024年12月現在、60系プリウスのハイブリッド車の納期は3~4カ月。KINTO専用グレードのUは1.5~2カ月程度だ。対するFL4型シビックe:HEVは3~4カ月なので、新車の納期はほぼ同等だ。

そのような状況なので、新車の値引きはかなり厳しいと考えたほうが良い。60系プリウスのハイブリッド車の値引きは5~10万円、FL4型シビックe:HEVは10万~15万円程度がひとつの指標だ。

ただし、FL4型シビックe:HEVの値引き額はマイナーチェンジ前の数字。マイナーチェンジ後の現在はプリウスと同じ5~10万円程度と考えたほうが良いだろう。

 

両車ともに、車両本体価格の値引きは厳しい。指名買いをすると、値引きがゼロになる可能性が高くなる。面倒でも必ず60系プリウスとFL4型シビックe:HEVの見積りを取り競合させることが重要だ。そうすることで、販売店はライバル車に顧客を取られないようにするため、値引き額を引き上げる可能性が高まる。現金値引きが厳しくなったら、ディーラーオプションのサービスなどに切り替えるのもよいだろう。

 

また、下取車は買取り専門店で必ず査定することが重要だ。下取り価格と比較して、より高値を付けた方に売ればよい。

同じクーペスタイルでも表現方法が大きく異なる

デザイン比較

60系プリウスの評価は4.5

FL4型シビックe:HEVの評価は4.0

60系プリウス:ハンマーヘッドモチーフを採用し、より洗練されたプロポーションに

60系プリウスの後景の画像

※上図:60系プリウスの後景

5代目60系プリウスは、プリウス伝統のアイコンである「モノフォルムシルエット」を継承。さらに、GA-Cプラットフォームによる低重心化とワイドトレッド化によって、スタイリッシュなプロポーションへと進化した。

60系プリウスのフロントフェイスの画像

※上図:60系プリウスのフロントフェイス

60系プリウスのフロントフェイスには、特徴的なハンマーヘッドモチーフを採用した。

60系プリウスのリヤエンドの画像

※上図:60系プリウスのリヤエンド

リアには薄型一文字リアランプ、センターには車両エンブレムを配置し、先進性・スポーティさを際出せている。

 

さらに、キャラクターラインを最小限に抑え、シンプルでありながら抑揚のあるボディ造形を実現。「感性に響くエモーション」と「普遍的な美しさ」を表現している。

スポーティなサイドシルエットを印象的に際立たせる19インチタイヤは、国内初の新規開発サイズだ。大径ホイールでスタイリッシュに見せながら、195/50R19という細幅タイヤにすることで、タイヤの空気抵抗なども低減。洗練されたスタイリングと低燃費を両立した。

60系プリウスのインパネデザインの画像

※上図:60系プリウスのインパネデザイン

インテリアは、「アイランドアーキテクチャー」を採用。圧迫感の少ない広々とした空間と運転に集中しやすいコクピットを両立させている。

60系プリウスのメーターの画像

※上図:60系プリウスのメーター

シビックe:HEV:ロー&ワイドなプロポーションを演出する工夫が光る

FL4型シビックe:HEVの後景の画像

※上図:FL4型シビックe:HEVの後景

FL4型シビックe:HEVは、デザインコンセプトを「sokai Exterior」に定め、走る楽しさ、爽快な生活を予感させるプロポーションを特徴としている。流れるようにスムーズなフォルムをベースに、タイヤがしっかりと路面をつかむグッドスタンスによって、走りの良さを表現している。

FL4型シビックe:HEVのフロントフェイスの画像

※上図:FL4型シビックe:HEVのフロントフェイス

FL4型シビックe:HEVは、先代モデルが確立したスポーティな基本骨格をさらに進化させている。スポーティなフロントビューは、精緻感のあるハニカムパターンのアッパーグリルとヘッドライトを上下に纏う、薄いシャープなデザインで構成された。バンパー左右を伸びやかな造形とすることでワイド感を強めている。

爽快な走りを予感させるクーペライクなサイドビューでは、ルーフの高さのピークを先代モデルに対し前方に設けた。後方に向かってスムーズに傾斜させることで、クーペを思わせるような流れるフォルムを創出している。

また、フロントフードからリアエンドまで水平基調を低く一気につなげることで、低重心で伸びやかなクーペイメージをさらに強調した。力強く爽快な走りを予感させるデザインだ。

FL4型シビックe:HEVのリヤエンドの画像

※上図:FL4型シビックe:HEVのリヤエンド

リアビューは、テールゲート一体型のリッピスポイラーを採用した。リアコンビネーションランプとともに低く配置し、リアタイヤより外側に張り出すことで、地面に貼り付くような力強いリアビューを実現している。

FL4型シビックe:HEVのインパネデザインの画像

※上図:FL4型シビックe:HEVのインパネデザイン

インテリアは、視覚的ノイズを最小限に抑えたクリーンな空間に仕立てられている。インパネは不要なカットラインを極力排除する一方、面の曲率や角度を徹底的に吟味。シンプルでありながら質の高さを感じさせるデザインを追求し、視界はより広くなった。

FL4型シビックe:HEVのメーターの画像

※上図:FL4型シビックe:HEVのメーター

ボディサイズは互角だが、室内の広さとラゲッジ容量はシビックが有利

室内空間と使い勝手

60系プリウスの評価は4.0

FL4型シビックe:HEVの評価は4.5

 

60系プリウスとFL4型シビックe:HEVのボディサイズ、ホイールベース、荷室容量は以下のとおり。

 

60系プリウス

ボディサイズ

全長4,600mm×全幅1,780mm×全高1,420/1,430mm

ホイールベース

2,750mm

ラゲッジ容量

343~357L(5人乗車時・スペアタイヤあり)

FL4型シビックe:HEV

ボディサイズ

全長4,560mm×全幅1,800mm×全高1,415mm

ホイールベース

2,735mm

ラゲッジ容量

446~452L(5人乗車時)

ボディサイズは、両車共に全幅1,800mm以下、全高1,550mm以下。都市部に多いやや古いタイプの立体駐車場にも対応するボディサイズとなっている。スポーティさをアピールするモデルということで、両車共に全高はやや低めだ。

60系プリウスの運転席の画像

※上図:60系プリウスの運転席

60系プリウスの後席の画像

※上図:60系プリウスの後席

60系プリウスのほうが全長は40mm、全高は5~15mm大きく、FL4型シビックe:HEVのほうが全幅は20mm大きい。したがって、FL4型シビックe:HEVのほうがロー&ワイドでスポーティなフォルムとなっている。

FL4型シビックe:HEVの運転席の画像

※上図:FL4型シビックe:HEVの運転席

FL4型シビックe:HEVの後席の画像

※上図:FL4型シビックe:HEVの後席

室内の広さに大きく影響するホイールベースは、60系プリウスが2,750mm。対してFL4型シビックe:HEVは2,735mmと15mm差しかない。

そこで室内の広さを比較してみよう。

  • 60系プリウス:室内長1,840mm×室内幅1,500mm×室内高1,130mm
  • FL4型シビックe:HEV:室内長1,915mm×室内幅1,545mm×室内高1,130mm(ただし、サンルーフが標準装備となるEXの室内高は1,120mm)

室内高はほぼ互角だが、室内長や室内幅はFL4型シビックe:HEVのほうが大きい。

60系プリウスの荷室の画像

※上図:60系プリウスの荷室

FL4型シビックe:HEVの荷室の画像

※上図:FL4型シビックe:HEVの荷室

ラゲッジスペースは、5代目60系プリウスが343~357L、11代目FL4型シビックe:HEVは446~452Lとシビックのほうが大きい。両車ともに6:4の分割可倒式リアシートには、リクライニング&スライド機構を装着。背もたれを倒すとフラットな床面の空間が広がる。

室内の広さやラゲッジ容量では、FL4型シビックe:HEVが優勢だ。

後側方を監視するブラインドスポットモニターはシビックのみ標準装備

安全装備&運転支援機能

60系プリウスの評価は4.0

FL4型シビックe:HEVの評価は4.5

 

60系プリウスの上級グレードであるZの運転支援機能には、以下を含む9つの機能がパッケージ化されたトヨタセーフティセンスが標準装備されている。

  • プリクラッシュセーフティ(昼夜の歩行者、自転車運転者、そして昼間の自動二輪車を検知)
  • レーダークルーズコントロール(全車速追従機能付)
  • 緊急時操舵支援(アクティブ操舵機能付)+フロントクロストラフィックアラート+レーンチェンジアラート

オプションでは、セカンダリーコリジョンブレーキ(SCB)を設定している。SRSエアバッグのセンサーが衝突を感知して作動した際、自動的にブレーキと制動灯を制御することで、車両を減速させ二次衝突による被害軽減させる機能だ。

さらに、高度な運転支援を行う「トヨタチームメイト(アドバンスドパーク)」リモート機能付+パーキングサポートブレーキ(周囲静止物)も標準装備している。

 

対するFL4型シビックe:HEV EXは、衝突軽減ブレーキをはじめ、より自然で滑らかなブレーキフィーリングを実現した渋滞追従機能付アダプティブクルーズコントロールなど17の機能を搭載している。

衝突軽減ブレーキは、交差点での右折時に四輪・歩行者に加えて自転車・二輪車まで検知機能を拡大したほか、直進時における左右からの横断があるケースでは歩行者・自転車に加えて、四輪車も検知可能となった。

 

駐車支援などの高度な運転支援は、60系プリウスでは標準装備だが、車線変更時の後方の安全確認をサポートしてくれるブラインドスポットモニターはオプションだ。しかしFL4型シビックe:HEVは標準装備している。この点ではシビックが有利と言える。

ハイブリッド車らしくない? 両車、想像を超えるスポーティな走りを実現

走行性能の比較

60系プリウスの評価は4.5

FL4型シビックe:HEVの評価は4.5

 

60系プリウスのシステム最高出力、車両重量は以下のとおり。

■1.8Lハイブリッド

  • システム最高出力:140㎰(FF)
  • 車両重量:1,360~ 1,420kg

■2.0Lハイブリッド

  • システム最高出力:196㎰(FF)
  • 車両重量:1,400~1,480kg

FL4型シビックe:HEVのモーター最高出力、最大トルク、車両重量は以下のとおり

■2.0L e:HEV

  • モーター最高出力:184ps
  • 最大トルク:315Nm
  • 車両重量:1,460~ 1,490kg
プリウス:燃費第一主義から操る楽しさを味わえるモデルに変貌

60系プリウスのエンジンルームの画像

※上図:60系プリウスのエンジンルーム

プリウスといえば、燃費重視のモデルというイメージが強い。しかし60系プリウスは、外観デザイン通りのスポーティな走りを披露する。

先代からキャリーオーバーされたGA-Cプラットフォームはより熟成され、軽快ある切れ味鋭いハンドリングを実現。街中では少々硬めかと感じた乗り心地も、少し速度が上がるとしなやかさを増す。前後の重量バランスも良好で低重心化されていることから、カーブでの姿勢コントロールも容易で安定感がある。

 

そのスポーティな走りをアシストしているのが、2.0Lハイブリッドシステムだ。システム出力は196㎰(FF)と、なかなかパワフル。歴代プリウスで最もスポーティな走りが楽しめる。

1.8Lハイブリッド車も、従来モデルと比べると少しパワフルになった。モーター駆動モデルらしいトルク感のあるパワーフィールなので、街中で運転しやすい。ハンドリングも良好で、キビキビ走る。パワフルさを重視しなければ、最もコストパフォーマンスに優れるグレードだ。

シビックe:HEV:走行シーンに合わせてキャラクターが変わる

FL4型シビックe:HEVのエンジンルームの画像

※上図:FL4型シビックe:HEVのエンジンルーム

FL4型シビックe:HEVは、街乗りでは高い静粛性とフラットな乗り味を感じられる。従来のシビックのイメージを覆すほどの上質さを持つ。また、バッテリーモジュールの重量あたりのエネルギー密度を高めつつ、パッケージ効率も向上。重量物であるIPUの配置を工夫したことで、車体の低重心化とボディの高剛性化を実現した。

そのため、カーブの多い道路などを走行すると、ドライバーの意志にマッチしたハンドリング性能や加速性能、そして車体の傾きも少ないスポーティな走りを楽しむことができる。

 

FL4型シビックe:HEVは、基本的にモーターで走行する。そのため、アクセル操作に対するレスポンスは抜群だ。電動車ながら、BEV(バッテリー電気自動車)にありがちな、急激にトルクを立ち上げるタイプではない。ガソリン車から乗り換えても違和感がないよう、スムーズにトルクが立ち上がるタイプだ。

 

パワフルさで比較すると、60系プリウスがやや上回る。FL4型シビックe:HEVは、洗練された上質感がある。異なるハイブリッドシステムを搭載する両車だが、ハンドリングは軽快で、従来のハイブリッド車とは全く異なるスポーティさがある。購入してから、後悔・失敗したと思わないように、ジックリと試乗してから購入を決めると良い。

2年落ち旧モデルでもプリウスは残価率70%以上

リセールバリュー

5代目60系プリウスの評価は4.5

11代目FL4型シビックe:HEVの評価は4.0

 

60系プリウスは2023年1月登場したため、リセールバリューは安定していない(2025年1月現在)。そこで、先代である4代目50系プリウスと11代目FL4型シビックe:HEVの2022年式でのリセールバリューを調べてみた。

■50系プリウス

  • 中古車相場(2022年式):約230~290万円
  • 当時の新車価格:約273~364万円(除くEグレード)
  • 中古車相場の新車価格比:約80~84%

■FL4型シビックe:HEV

  • 中古車相場(2022年式):約310~340万円
  • 当時の新車価格:約394万円
  • 中古車価格の新車価格比:約79~86%

60系プリウスとFL4型シビックe:HEVのリセールバリューは良好、ほぼ同等となっている。ただし、50系プリウスは旧型に当たるため、一度、リセールバリューを大きく下げている。この点を加味すると、60系プリウスでは、FL4型シビックe:HEVよりやや優位ではないかと推測できる。

また、今後より高リセールバリューが期待できるグレードは、60系プリウスがZグレード、FL4型シビックe:HEVはEXグレードとなるだろう。

コストパフォーマンスが高いプリウス優勢!?

まとめ・総合評価

60系プリウスがお勧めの人
  • 4WD車が欲しい人

降雪地域に住んでいるなど、4WDであることが必要な人。シビックe:HEVには4WDの設定が無い。

  • より高いリセールバリューを求める人

今のところ、60系プリウスの方がより高リセールバリューが期待できそう。

  • 100V・1500Wのアクセサリーコンセントが欲しい人

いざというときに、クルマが電源車にすることができるコンセント。スマホの充電はもちろん、1500Wまでの家電製品が使える。停電時などの非常用電源として使える。

  • 0Lと1.8Lのハイブリッドから好みに合わせて選択したい人。

1.8L:超低燃費など、コストパフォーマンスに優れる。2.0L:走る愉しさと低燃費を両立。

  • クラストップレベルの安全装備が欲しい人(フルオプションの場合)

オプションではあるが、自動ブレーキ(衝突被害軽減ブレーキ)の検知対象などはクラストップレベルの実力。

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FL4型シビックe:HEVがお勧めの人
  • スポーティな走りが好きな人

低重心で、ホンダ車らしいスポーティな走りが楽しめる。

  • 豪華装備を重視する人

高級オーディオやサンルーフなどの豪華装備が充実。

  • 広い室内と荷室を求める人

室内のスペースや荷室は、シビックe:HEVがやや上回る。とくに、荷物を多く積み込むことが頻繁にあるのであれがシビックe:HEVが便利。

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60系プリウス

FL4型シビックe:HEV

総合得点(40点満点)

34.0

33.0

1.燃費

5.0

4.0

2.価格

4.0

3.5

3.購入時の値引きしやすさ

3.5

3.5

4.デザイン

4.5

4.0

5.室内空間と使い勝手

4.0

4.5

6.安全装備

4.0

4.5

7.走行性能

4.5

4.5

8.リセールバリュー

4.5

4.0

トヨタ 60系プリウス価格

 

2WD

4WD

2.0G

320万円

342万円

2.0Z

370万円

392万円

1.8U(KINTO専用)

299万円

321万円

ホンダ  FL4型シビックe:HEV価格

 

2WD

4WD

e:HEV LX

399万8500円

-

e:HEV EX

430万7600円

-

トヨタ 60系プリウスのスペック

代表グレード

プリウスZ2WD

ボディサイズ

4,600mm×1,780mm×1,430mm

ホイールベース

2,750mm

最低地上高

150mm

最小回転半径

5.1m

車両重量

1,420kg

エンジン型式

M20A-FXS型

エンジンタイプ

直列4気筒DOHC

総排気量

1,986cc

最高出力

152ps(112kW)/6,000rpm

最大トルク

188N・m(19.2kgm)/4,400~5,200rpm

モーター最高出力

83kW(113ps)

モーター最大トルク

206N・m(21.0kgm)

動力用主電池

リチウムイオン電池

燃費(WLTCモード)

28.6km/L

駆動方式

前輪駆動(2WD)

サスペンション

前:マクファーソンストラット式 後:ダブルウィッシュボーン式

タイヤサイズ

195/50R19

ホンダ FL4型シビックe:HEVのスペック

代表グレード

e:HEV EX2WD

ボディサイズ

4,560mm×1,800mm×1,415mm

ホイールベース

2,735mm

最低地上高

135mm

最小回転半径

5.7m

車両重量

1,490kg

エンジン型式

LFC型

エンジンタイプ

直列4気筒DOHC

総排気量

1,993cc

最高出力

141ps(104kW)/6,000rpm

最大トルク

182N・m(18.6kgm)/4,500rpm

モーター最高出力

135kW(184ps)/5,000~6,000rpm

モーター最大トルク

315N・m(32.1kgm)/0~2,000rpm

燃費(WLTCモード)

24.2km/L

電力用主電池

リチウムイオン電池

駆動方式

前輪駆動(2WD)

サスペンション

前:マクファーソンストラット式 後:マルチリンク式

タイヤサイズ

235/40ZR18

ライター紹介

クルマ評論家 CORISM代表

大岡 智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員