トヨタハイブリッド車一覧と、お勧め中古ハイブリッド車5選

トヨタハイブリッド車一覧と、お勧め中古ハイブリッド車5選

ガソリン代の値上がりによる燃費が気になる中、ハイブリッド車への乗り換えを考えている人も多いだろう。トヨタのハイブリッド車はプリウスやアクアをはじめ、SUVやミニバンにも人気の車種がある。今回は、トヨタのハイブリッド車一覧とおすすめ中古車を紹介する。

トヨタのハイブリッドシステムは、初代プリウスから始まった

現行プリウス(60系)の車両画像

※上図:現行プリウス(60系)の画像

圧倒的な低燃費性能で人気を得てきたトヨタのハイブリッド車。現在では、多様なハイブリッドシステムが製造され、多くの車種に搭載されている。

 

トヨタのハイブリッドシステムを最初に搭載したのが、1997年登場した初代10系プリウスだ。「21世紀に間に合いました」のキャッチフレーズで話題となったが、ハイブリッドシステムの認知や理解が進まず、販売台数は少ないものだった。ただし、専門家には高く評価され1997-1998日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞している。

 

ハイブリッド車が一気に注目を集めたのは、2003年にデビューした2代目20系プリウスからだ。20系プリウスのデビューからしばらくは、あまり販売台数が伸びなかった。しかしその後、ガソリン価格が急騰し続けた。これが引き金になり、超低燃費の20系プリウスの販売台数は急上昇する。その後、プリウス人気は続き、2009年に登場した3代目30系プリウスに引き継がれていく。

 

そして、2011年に初代アクアが誕生。プリウスを超える大ヒットモデルとなり、トヨタはハイブリッド車を急速に増やしていった。

トヨタのハイブリッド車一覧(代表車種の排気量と燃費)

日本で売れている乗用車(軽自動車を除く)の内、ハイブリッド車のシェアはガソリン車よりも比率が高い。ハイブリッド車は今後も高い人気を維持すると思われる。その中で、最も多くのハイブリッド車ラインアップを誇るトヨタ車を比較してみよう。

まずは、現在新車販売されているモデルをボディタイプ別にまとめてみた。ハイブリッド車の排気量と燃費(WLTCモード)は以下の通り。

■SUV

 

排気量

燃費

ライズ

1.2L

28.0km/L

ヤリスクロス

1.5L

25.0~30.8km/L

カローラクロス

1.8L

24.5~26.4km/L

RAV4

2.5L

20.3~21.4km/L

ハリアー

2.5L

21.6~22.3km/L

クラウンクロスオーバー

2.5L

15.7~22.4km/L

クラウンスポーツ

2.5L

20.3~21.3km/L

センチュリーSUV

3.5L

14.2km/L

■ミニバン

 

排気量

燃費

シエンタ

1.5L

25.3~28.8km/L

ノア

1.8L

22.0~23.4km/L

ヴォクシー

1.8L

22.0~23.0km/L

アルファード

2.5L

16.5~17.7km/L

ヴェルファイア

2.5L

16.5~17.7km/L

■コンパクトカー

 

排気量

燃費

アクア

1.5L

29.3~34.6km/L

ヤリス

1.5L

30.2~36.0km/L

カローラスポーツ

1.8L

27.2~30.0km/L

プリウス

1.8~2.0L

26.7~32.6km/L

■セダン&ワゴン

 

排気量

燃費

カローラ アクシオ

1.5L

27.8km/L

カローラ フィールダー

1.5L

27.8km/L

カローラ セダン

1.8L

25.3~30.2km/L

カローラ ツーリング

1.8L

24.9~29.5km/L

クラウン セダン

2.5L

18.0km/L

センチュリー セダン

5.0L

12.4km/L

トヨタのお勧めハイブリッド車5選

トヨタのハイブリッド車は幅広い車種があり、どれが良いか悩む人もいるだろう。ハイブリッド車は価格が高いものも多いため、今回は中古車で手の届きやすい価格も考慮したお勧めを5車種紹介する。グレードや装備のお勧めも紹介しているので購入の参考にしてほしい。

*中古車相場は、2024年7月調べ

RAV4ハイブリッド

RAV4ハイブリッド(2019年式)の車両画像

※上図:RAV4ハイブリッド(2019年式)

  • 中古車相場(2019年式):約260~350万円

50系RAV4は、2019年4月にデビューした。GA-Kという中型用プラットフォームを採用し、2.5Lハイブリッドシステムを搭載。この組み合わせは、ラグジュアリーSUVであるハリアーと同じ。だが、駆動用バッテリーは、RAV4が低コストのニッケル水素に対し、ハリアーは高コストのリチウムイオンを使用している。そのため、若干スペックは異なる。

 

50系RAV4の魅力は、カジュアルでアウトドアシーンにピッタリなデザインや、優れたパッケージングと低燃費性能にある。総合力に優れるため、色々なシーンで大活躍してくれるモデルだ。荷室はクラストップレベルの580Lを誇る。2019-2020日本カーオブザイヤーを受賞した実力派だ。

 

4WD仕様には、電動4WDのE-Fourを採用。後輪側に54㎰のモーターを設置した。オンロードでも気持ちの良い走りを提供してくれる。E-Fourのシステム出力は222㎰。FF(前輪駆動)車は218㎰。どちらも、パワフルで余裕ある走りが可能だ。

RAV4ハイブリッドのお勧めグレードや装備など

50系RAV4ハイブリッドは、2019年にデビューしたモデルなので、前期モデルは徐々に買い得感が出てきている。

前期の50系RAV4ハイブリッドは、GとXの2グレードがある。GはE-Fourのみで、XはFFとE-Fourの選択が可能。お勧めはGグレード。RAV4の走りの良さをより楽しめるのは、E-Fourが装備されたGになる。

 

Xは廉価モデルのためシンプルなエクステリア、基本的な安全装備を有する。一方のGでは以下のような豪華装備から安全装備が付いている。

  • 18インチアルミホイール
  • インテリジェントクリアランスソナー
  • リヤクロストラフィックオートブレーキ+ブラインドスポットモニター
  • オプティトロンメーター
  • 合成皮革シート
  • 運転席パワーシート
  • 運転席助手席シートヒーター
  • パワーバックドア
  • バックカメラ

予算が厳しい場合は、年式を古くしてでもGを選んだ方が満足度は高い。

また、2020年8月の改良からディスプレイオーディオが装備された。そのため、2020年8月以前のモデルは純正ナビが装備されている車両がお勧めとなる。

 

2021年12月の改良では、よりアウトドア風なデザインをもつ「アドベンチャー」がハイブリッド車にも設定された。アドベンチャーは人気が高い。この改良後の年式を狙うならアドベンチャーがお勧めだ。

2022年10月の改良では、自動ブレーキを含む予防安全装備パッケージ「トヨタセーフティセンス」の機能が向上し、交差点右折時の対向直進車、右左折時の対向歩行者の検知が可能になった。予防安全装備を重視するのであれば、2022年10月以降のモデルがお勧めだ。

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ヤリスクロス ハイブリッド

ヤリスクロス ハイブリッド(2021年式)の車両画像

※上図:ヤリスクロス ハイブリッド(2021年式)

  • 中古車相場(2021年式):約210~300万円

ヤリスクロスハイブリッドは、2020年8月にデビュー。その名の通り、コンパクトカーであるヤリスをベースとしたBセグメントのコンパクトSUVだ。ライバル車は、ホンダ ヴェゼルやマツダCX-3などが当てはまる。

 

ヤリスクロスハイブリッドの魅力は、なんといってもライバルを圧倒する超低燃費性能にある。1.5Lハイブリッドを搭載し、25.0~30.8km/Lという優れた燃費値を誇る。システム出力は116㎰と十分なレベル。低重心化されたGA-Bプラットフォームを採用したことにより、高速道路でも想像以上にキビキビと走る。

4WDであるE-Fourには、後輪側に5.3㎰の小さな出力のモーターを設置した。小さなモーターながら、まずまずの悪路走破性能をもつ。

 

また、ヤリスクロスハイブリッドは使い勝手がよいのも魅力だ。荷室容量は390Lと高いレベルにある。さらに、この荷室は6:4分割アジャスタブルデッキボードを装備。荷室を上下に分割できるので、工夫次第で色々な荷物を上手く収納可能だ。

そして、リヤシートは、このクラスでは珍しい4:2:4の3分割タイプ。このシートと6:4分割アジャスタブルデッキボードを組み合わせて使えば、さらに効率的な荷物の積載を実現する。

燃費、使い勝手、走行性能と高いレベルにあるものの、前期モデルはインテリアの質感がやや物足りない。

ヤリスクロス ハイブリッドのお勧めグレードや装備など

デビュー時のグレード構成は、エントリーグレードのX、中間グレードのG、上級グレードのZの3グレードだ。2022年7月の改良でスポーツ仕様のGRスポーツ、よりアウトドア色を強調したZアドベンチャーが追加された。

 

改良前後で一貫してお勧めなのが、Z系のグレードだ。最上級グレードなので装備が充実している。しかし、最上級のZでもメーカーオプションが多数設定されていた。そのため、Zを選ぶ場合であっても、どんなメーカーオプションが装備されているか確認してから購入したい。

主なメーカーオプションは以下の通りだ。

  • アダプティブハイビームシステム
  • ブラインドスポットモニター+リヤクロストラフィックオートブレーキ
  • トヨタ チームメイト[アドバンスト パーク(パノラミックビューモニター付)]
  • パノラミックビューモニター
  • ヘッドアップディスプレイ
  • AC100V1500Wアクセサリーコンセント
  • パワーバックドア

予算にもよるが、メーカーオプションが多く装備されている車両をお勧めしたい。

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50系プリウス

プリウス(2021年式)の車両画像

※上図:プリウス(2021年式)

中古車相場(2021年式):約180~270万円

中古車相場(2018年式):約140~180万円

 

50系プリウス(4代目)は、2015年から2023年まで発売された。プリウスは「燃費はよいけど走りはつまらない」というイメージから脱却するために、当時最新の低重心GA-Cプラットフォームを採用した。3代目30系プリウスのリヤサスペンションは、トーションビーム式を採用していたが、4代目50系プリウスはより乗り心地や高い操縦安定性を誇るダブルウィッシュボーン式を採用し、走りの質を大幅にアップした。

 

さらに1.8Lハイブリッドシステムも刷新され、燃費性能は25.4~32.1km/Lへと向上した。この1.8Lハイブリッドのシステム出力は122㎰と、必要十分な出力をもつ。

また、この50系プリウスはプリウス史上初の4WDシステムを搭載している。電気式4WDであるE-Fourを設定し、7.2㎰という小さなモーターを後輪側に設置した。出力の小さなモーターなので、悪路走破性を高めるというよりは、滑りやすい道でのアシストをしてくれる4WDだ。

 

50系プリウスのお勧めグレードや装備など

50系プリウスは、すでに新型となる60系プリウスが登場していることもあり、中古車価格は順調に下降している。特に前期モデルは買い得感が出てきている。

 

50系プリウスのグレードは、大きく分けるとエントリーグレードのE、中間のS、上級のAとなる。しかし、それぞれに多くの仕様がプラスされているので、なかなか選びにくい。新車時の売れ筋グレードはSツーリングセレクションだったが、オプション設定も多く車両によってバラつきも多い。

 

そのため、十分に満足できる装備が標準装備されているA系のグレードがお勧めだ。A系の中でも、Aツーリングセレクションか、Aプレミアム、Aプレミアムツーリングセレクションをお勧めしたい。とくに、マイナーチェンジ前の前期モデルは、自動ブレーキを含む予防安全装備パッケージ「トヨタセーフティセンスP」が、S系とEではオプションだった中で、A系は標準装備されていた点も魅力だ。

Aプレミアムになると、本革シートや運転席パワーシート、AC100V1500Wアクセサリーコンセントなどが標準装備されている。

 

2018年12月にはマイナーチェンジが行われ、「トヨタセーフティセンスP」が標準装備された。

2020年7月の改良では「トヨタセーフティセンス」の機能を向上した。夜間の歩行者と昼間の自転車が検知できるようになったのだ。予防安全装備を重視するなら、この改良後のモデルがよい。

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カローラツーリングハイブリッド

カローラツーリング ハイブリッド(2021年式)の車両画像

※上図:カローラツーリング ハイブリッド(2021年式)

  • 中古車相場(2021年式):160~250万円
  • 中古車相場(2019年式):160~240万円

カローラツーリングは、2019年10月にデビュー。カローラセダンをベースにステーション化されたモデルだ。日本で扱いやすいように、グローバルモデルに比べ少々コンパクトなボディに変更されている点はカローラセダンと同様だ。

 

ワゴンモデルながら、カローラツーリングの荷室容量392Lと、それほど広くはない。同じプラットフォームを使うカローラクロスは487Lもある。スタイリッシュなショーとワゴンのようなモデルと言える。

 

前期モデルは、1.8Lハイブリッドシステムを採用した。システム出力は、122㎰と必要十分だ。燃費は24.4~29.0km/L。リヤサスペンションには、乗り心地と優れた操縦安定性をもつダブルウィッシュボーン式を採用。キビキビとしたハンドリングと快適な乗り心地を得ている。

 

2022年10月の改良では、1.8Lハイブリッドシステムが刷新された。システム出力は140㎰へパワーアップ、燃費も24.9~29.5km/Lへと向上した。この改良で、よりモーターで走行できる距離も増え、力強さも大幅にアップ。より余裕ある走りが可能となった。パワフルさと燃費の良さを重視するのであれば、2022年10月以降のモデルがお勧めになる。

カローラツーリングハイブリッドのお勧めグレードや装備など

カローラツーリングは、エントリーのG系、中間のS、上級のダブルバイビーの3グレード構成。人気グレードはダブルバイビーだ。Sの装備に、17インチアルミホイールや合成皮革+レザテックのシート表皮などが加えられている。これくらいの装備差なら、中古車価格次第ではSでも十分だろう。

 

チェックしたいのは、メーカーオプションの有無だ。以下などが装備されている車両がお勧めだ。

  • シートヒーター
  • ブラインドスポットモニター[BSM]+リヤクロストラフィックオートブレーキ
  • 9インチディスプレイオーディオ

お勧めボディカラーは、白か黒だ。この2色が最も人気が高い。これ以外のボディカラーの場合、短期の乗り換えではリセールバリューが大きく下がる可能性が高い。

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220系クラウンハイブリッド

クラウン ハイブリッド(2021年式)の車両画像

※上図:クラウン ハイブリッド(2021年式)

  • 中古車相場(2021年式):330~460万円
  • 中古車相場(2019年式):260~380万円

220系クラウン(15代目)は、2018年にデビューし2022年に生産を終了と短命に終わったモデルだ。販売不調を受けての結果だが、16代目からは国内専用車からグローバルなSUVやセダンを含むクラウンシリーズとして生まれ変わっている。

 

220系クラウンは、レクサスLSなどに採用されている後輪駆動用のプラットフォーム(車台)「GA-K」を採用した結果、先代モデルより大幅に低重心化し、運動性能が向上した。

大型車用プラットフォームを使っている220系クラウンだが、国内専用車なので全幅は1800mmに抑えている。これは、都市部に多い全幅1800mm以下という立体駐車場に入ることを条件としているためだ。また、狭い道が多い日本では、全幅が狭い方が使い勝手がよいという利点もある。

 

220系クラウンハイブリッドに搭載されたハイブリッドシステムは2タイプ。1つはトヨタブランドのフラッグシップセダンらしい、V6 3.5Lハイブリッドだ。ベーシックな2.5Lハイブリッドも用意し、4WDも設定した。

従来のロイヤル、アスリートと呼ばれていたグレードは姿を消し、乗り心地重視のラグジュアリー仕様をロイヤルからGへ。スポーティ仕様のアスリートはRSへと変更されている。AVS(アダプティブバリアブルサスペンション)を装備したスポーティ仕様のRS系の走りは、なかなか秀逸だ。従来のクラウンとは思えないよう爽快な走りと乗り心地を実現している。

220系クラウンハイブリッドのお勧めグレードや装備など

220系クラウンハイブリッドは、大きく分けてエントリーのS系、スポーティ仕様のRS系、ラグジュアリー仕様のG系に分類される。RS系の方が高い人気を持つため、お勧めグレードはRS系だ。リセールバリューもRS系の方が高いので、短期の乗り換えであればRS系はさらに有利になる。

RS系には3.5Lと2.5Lのハイブリッドがある。3.5LハイブリッドはRSアドバンス、2.5LハイブリッドはRSアドバンスとRSに分類される。年式によってRSとRSアドバンスの装備差は異なるのだが、より上級装備がプラスされているのがRSアドバンスだ。

 

注目したいのがシステム出力だ。3.5LハイブリッドのRSアドバンスのシステム出力は、なんと359㎰。スポーツカー並みの豪快な走りが楽しめ、燃費性能も16.0km/L(WLTCモード以下同)と優秀だ。対する2.5Lハイブリッドシステムを搭載したRSアドバンスとRSのシステム出力は226㎰、燃費も18.2~20.0km/Lと優れている。

スポーティセダンとしての走りを楽しみたいなら、3.5Lハイブリッドを搭載したRSアドバンスがお勧めだ。ただ、中古車流通量がとても少ないグレードなので、購入時はじっくりと時間をかけて探す必要がある。

また、ラグジュアリー仕様のG系でGエクスクルーシブは、ショーファーカーとしての使用も想定されたグレードで、後席の快適性を重視した装備が装着されている。

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ライター紹介

クルマ評論家 CORISM代表

大岡 智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員