アルファード20系前期と後期の違いは? 特徴やお勧めグレードを解説

トヨタ アルファードは高い人気を誇るLクラスミニバンだ。4代目40系アルファードが登場しても、3代目30系アルファードの中古車価格はなかなか下がらない。そんな中2代目20系アルファードの中古車は、年式はやや古いものの買い得感が出てきている。

そこで、今回は20系アルファードの前期と後期の違いと特徴、お勧めグレードなどをレポートする。

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トヨタ アルファードの歴史・概要

歴代モデル 発売年 備考
10系アルファード 2002~2008年 アルファードGとアルファードVの2車種が用意されたが、グリルが少し異なる程度の違い。
20系アルファード前期 2008年5月~2011年9月 従来のアルファードVがヴェルファイアとなる。
20系アルファード後期 2011年9月~2015年1月 2.4Lハイブリッド車を設定。
30系アルファード前期 2015年1月~2018年1月 ショーファーカーとなるエグゼクティブラウンジを初設定。
30系アルファード後期 2018年1月~2023年6月 歩行者検知式自動ブレーキを含む予防安全装備「トヨタセーフティセンス」を全車標準装備。
40系アルファード前期 2023年6月~ デザインや運動性能が劇的進化を遂げる。

2代目にあたる20系アルファードは、2008年5月にフルモデルチェンジした。従来のアルファードには販売チャネルによりGとVが存在していたが、20系からVはヴェルファイアとなった。

アルファードは、トヨタ車のデザインフィロソフィである「VIBRANT CLARITY(活き活き・明快)」に基づき、堂々たる存在感・高級感を表現している。上品かつ洗練されたデザインとなった。

デビュー当時は、直4 2.4LとV6 3.5Lのガソリンエンジンのみ用意されていた。2011年のマイナーチェンジでは2.4Lハイブリッドが投入されている。その他、デザインも若干変更された。

2015年1月にはフルモデルチェンジを果たし0系アルファード(3代目3)となる。巨大なグリルと押出感あふれる迫力フェイスで、アルファード人気はさらに加速した。

2018年1月にマイナーチェンジされ、高い支持を得ていた迫力系フェイスは、さらに精悍さを増したデザインへ変更している。ヴェルファイアとの販売台数でも大差を付け、圧倒的人気を誇るようになった。

2023年6月にフルモデルチェンジし40系アルファードへと進化した。プラットフォームは最新のGA-Kをベースとし、ミニバン用に改良されたものを使用している。デザインの大幅な変更や走行性能の劇的進化を果たした。

アルファード(2009年~2014年式)の中古車情報をチェックする>

20系アルファード前期・後期の違いと特徴

アルファード20系の前期、後期の全景

※左図:アルファード20系前期、右部:アルファード20系後期の全景

外観デザインを比較

前期

20系アルファードのフロントフェイスに採用されている、フロントピラーからバンパーへ抜けるV字型ラインが躍動的だ。切れ長の大型ヘッドランプと動きのある横バーグリルが高級感を演出している。精悍で引き締まったフェイスデザインが人気の理由だ。

後期

マイナーチェンジでは、フロントグリルやフロントバンパー、リヤガーニッシュ、バックランプが変更されている。微小な変更なので、全体のイメージは前期とそれほど変わらない。

ボディカラーには、ライトブルーメタリック、ダークバイオレットマイカメタリック、ダークブルーマイカを新設定している。

インテリア&室内スペース、装備を比較

アルファード20系、前期と後期の内装

※上図:アルファード20系前期、下図:アルファード20系後期の内装

前期

新プラットフォームが採用し低床化した結果、より乗降性に優れたモデルとなった。室内高は10mm、室内長は75mm拡大し、室内空間はさらに広大になった。

車内は高級感あるインテリアをイメージしている。多彩なシートアレンジで、くつろぎの室内空間を創出し、より豪華で快適な空間にまとめている。

 

装備は、下記の内容を新設定した。

  • エグゼクティブパワーシート(大型ヘッドレストやアームレストを備える)
  • LED室内間接照明(サードシートまで続く)
  • トヨタプレミアムサウンドシステム(合計18個のスピーカーで臨場感あふれる音質を誇る)
  • 前席左右・前後独立温度コントロールオートエアコン(湿度センサー付)
  • リヤシートエンターテイメントシステム(ワイヤレスリモコンで電動開閉する後席大型9インチVGAモニターを採用)
後期

後期モデルの大きな変更点はない。シート表皮やスピードメーターのデザイン、インパネの木目色などの微小な変更により、前期よりやや高級感がアップした。

 

装備は、下記の内容を新設定した。

  • オートマチックハイビーム
  • 運転席オートスライドアウェイ
  • ナノイー
  • スーパーUVカットガラス(フロントドア)
  • パノラミックビューモニター(当時、トヨタ初/オプション設定)

予防安全装備、運転支援機能を比較

前期:

この時代の予防安全装備は、歩行者検知式自動ブレーキなどは用意されていない。最新モデルと比べると、少々物足りない。

計7個のエアバッグを全車に標準装備している(サイドエアバッグ、カーテンシールドエアバッグ、ニーエアバッグ(運転席)を含む)。

下記の機能が一部グレードにオプション設定されている。

  • プリクラッシュセーフティシステム(対車両など)
  • レーダークルーズコントロール
  • レーンキープアシスト
後期

予防安全装備などは、前期モデルとほぼ同じだ。

後期モデルからトヨタ車として初めて「パノラミックビューモニター」をオプション設定している。車載カメラの映像を加工し、車両周辺を真上から見たような広範囲の映像として表示する機能だ。車両周辺の死角が無くなるため、衝突リスクを大幅に軽減してくれる。

20系アルファードのように、車体が大きく死角も多いモデルには「パノラミックビューモニター」装着車がお勧めだ。

搭載エンジン、走行性能を比較

前期

デビュー時の20系ヴェルファイアは、ガソリン車のみだ。排気量、出力、燃費は以下の通り。

 

3.5L V6エンジン

2.4L 直4エンジン

最高出力

280ps

170ps

最大トルク

344Nm

224Nm

燃費(FF、10・15モード)

9.2~9.5km/L

11.6km/L

後期

3.5L、2.4Lガソリンエンジンは変更なし。

新たに2.4Lハイブリッドが追加された。2.4Lハイブリッド車は、後輪側に小さなモーターを設置した4WDのE-Fourのみの設定。排気量、出力、燃費などは以下の通りだ。

 

2.4Lハイブリッド

システム出力

190ps

燃費(4WD、10・15モード)

19.0km/L

ガソリンエンジンに関しては、前期と後期ともに同じである。そのため、走行フィールはほとんど同じだ。

 

3.5L V6エンジンと2.4L 直4エンジンの違いは下記の通りだ。

 

3.5L V6エンジン

2.4L 直4エンジン

車重

約2,000kg

約1,900kg

走行性能

ストレスなく走れる

高速道路では非力

自動車税

ハイオク仕様で自動車税が高い

自動車税が安い

エンジンのレビュー
  • 4Lエンジン

車重が1,900kgと重いこともあり、高速道路の登り坂などでは、やや非力感がある。アクセルを踏み込む回数が増え、エンジンの回転数も上がるため、室内は少々賑やかになる。3.5Lエンジンより税金も安価なので、街中中心であればお勧めだ。

  • 5Lエンジン

エンジンは280ps&344Nmとかなりパワフルなので、すべてにおいて余裕がある。20系アルファードにピッタリなエンジンだ。ただ、ハイオク仕様であり燃料費が高めになるのは確実。さらに、自動車税も高くなる。ガソリン価格高騰&物価高騰時代にはあまり向かない。

  • 4Lハイブリッド

システム出力は190psあり、2.4Lガソリンと比べるとパワフルだ。速くはないが、不満もない。バランスの取れたパワーユニットと言える。

燃費性能は、この世代のミニバンとしては圧倒しており、燃料費面でもメリットがある。しかしハイブリッド車は、人気が高いため中古車価格も高めになる。

 2.4Lハイブリッド車には、後輪側に小さなモーターを設置したE-Fourという4WDのみの設定だ。しかし4WDと言っても、悪路を走れるというレベルでは無い。ちょっとした雪道の登り坂などで、滑り落ちることなく安心感して走れる仕様だ。

また、ハイブリッド車なので、静粛性も高く高級車ミニバンにピッタリだ。

20系アルファードは、ガソリン車とハイブリッド車どっちがおすすめ?

走行性能や燃費面を考えると、20系アルファードの後期に追加されたハイブリッド車がおすすめだ。しかし、ハイブリッド車は中古車価格が高い。ガソリン車とハイブリッド車、それぞれの中古車価格相場からおすすめの探し方を解説する。

20系アルファードの中古車相場

20系アルファードは、人気のLクラスミニバンであるため、低年式化していても中古車価格は高値がついている。

 

2009年式

(前期/ガソリン車)

2012年式

(後期/ガソリン車)

2012年式

(後期/ハイブリッド車)

中古車相場

約50~130万円

約70~160万円

約110~200万円

※2024年1月時点の中古車相場

 

前期のガソリン車は買い得感が出てきている。ただし、かなり低年式化が進んでいるので、グレードや装備の充実度よりも車両の程度がよければ高価になる傾向がある。

 

後期モデルは、選択が難しい。予算重視ならば、ガソリン車となる。ただ、低年式化しているため、車両の状態が良ければ価格が高くなる。そうなると、ハイブリッド車の安価な価格帯に入ってくるのが悩ましい。

予算に余裕があるのなら、ハイブリッドの上級グレードで状態のよい車両の方が満足度も高くなるのでお勧めだ。

燃料費や税金を気にしないのであれば、3.5Lガソリン車の最上級グレードを狙うのもよい。装備もよく、力強い走りで満足度も高くなる。

20系アルファードは前期と後期どっちがおすすめ?

アルファード20系の前期、後期の全景

※左図:アルファード20系前期、右図:アルファード20系後期の全景

予算抜きであれば、後期モデルがお勧めだ。

20系アルファードはすでに低年式化しているため、できるだけ年式は新しく状態の良い車両がよい。

また後期モデルでは、パノラミックビューモニターがオプションで装備されている車両も多い。安全面や運転のしやすさという面では、パノラミックビューモニターは便利だ。

その上で、ハイブリッド車を選びたい。走行性能はもちろん、低燃費の4WDなので、隙の無い仕上がりと言える。多くの人が満足できる仕様だ。

アルファード(2009年~2014年式)の中古車情報をチェックする>

20系アルファードの前期・後期、それぞれのお勧めグレードは?

20系アルファードで高い人気を誇っているのが、ガソリン車ならS系、ハイブリッド車ならSR系だ(パワーユニットを問わない)。双方スポーティなエアロパーツ類を装着したグレードだ。中古車流通量も多く選びやすいので、まずはこのグレードを中心に選ぶとよいだろう。

外観のスポーティさにこだわらなければ、豪華装備のG系という選択肢もある。人気のS、SR系と比べると、車両価格が少し安価傾向なのもメリットのひとつだ。

ガソリン車でお勧めなのが特別仕様車だ(前期、後期問わず)。20系アルファードでは、豪華装備をプラスした特別仕様車の人気が高く、中古車流通量も多いため選びやすい。

ここからは、前期・後期モデルの特別仕様車「20系アルファード」のお勧めをそれぞれ紹介する。

 

20系アルファード

年式

中古車相場

前期モデル

プライムセレクションⅡタイプゴールド

2011年式

約70~140万円

後期モデル

タイプゴールドⅡ

2014年式

約110~210万円

前期:特別仕様車プライムセレクションⅡ タイプゴールド

240Sと250Sをベースに下記の装備をプラスした。ギラギラ豪華仕様となっているのが特徴だ。

  • デュアルパワースライドドア(イージークローザー、挟み込み防止機能付)
  • パワーバックドア(挟み込み防止機能付)&バックドアイージークローザー
  • 専用アルカンターラシート表皮(ゴールドパーフォレーション)
  • 専用ツヤあり黒木目調+シャンパンゴールド加飾(インストルメントパネル&センタークラスター)
  • 専用ツヤあり黒木目調加飾(本革巻きステアリングホイール、本革巻きシフトレバー&シフトノブ、ドアトリム、回転式センターフロアコンソールボックス天板部、折りたたみ式サイドテーブル)
  • イルミネーテッドエントリーシステム(フロントパーソナルランプ、エンジンスイッチ、足元照明<運転席・助手席>)
  • メッキインサイドドアハンドル(フロント・リヤ)
  • ドアスカッフプレート(車名ロゴ入り、ゴールド)
  • 雨滴感知式ウォッシャー連動時間調整式間欠フロントワイパー(ミスト機能付)
  • サイドターンランプ付電動格納式リモコンドアミラー(オート格納&リバース連動機能付)
  • メッキドアミラーカバー
  • 専用アルミホイール(スーパークロームメッキ塗装)235/50R18
  • 排気ガス検知式内外気自動切替システム〔5L車に装備〕 
後期:特別仕様車 タイプゴールドⅡ

240Sと350Sをベースに下記の装備をプラスしている。前期特別仕様車プライムセレクションⅡタイプゴールドと基本的に同様で、ギラギラ豪華仕様となっている。

  • インストルメントパネル(ゴールドメーターリングや黒木目にゴールドの模様)
  • 内外装の随所にゴールドを配す
  • スモークメッキ加飾(フロントフォグランプなど)
  • 専用ゴールドエンブレム(フロント)を特別装備
  • 高級感のある専用シート表皮を特別装備(ブラウンの表皮にちりばめられたパーフォレーションからゴールドがのぞくアルカンターラのメイン材に、ドレープ調本革&ブラック人工皮革(ライトブラウンステッチ)のサイド材を組み合わせた)
  • デュアルパワースライド、パワーバックドアを標準装備
  • 専用アルミホイール(スーパークロームメッキ塗装)
  • フロントグリル(スモークメッキ+カラード)&ミッドグリル&バックドアガーニッシュ(スモークメッキ)<アルファードのみ>
  • “TYPE GOLD ll”エンブレム(リヤ)<アルファード>/“GOLDEN EYES ll”エンブレム(リヤ)<ヴェルファイア>
  • センタークラスター(ゴールド)
  • メッキインサイドドアハンドル(フロント・リヤ)
  • 専用ツヤあり黒木目調パネル(本革巻き4本スポークステアリングホイール、本革巻きゲート式シフトレバー&シフトノブ)
  • スマートキー(専用ゴールド加飾)

後期ハイブリッド車のお勧めは?

ハイブリッド車には、特別仕様車の設定が無いので、通常のSRプレミアムシートパッケージがお勧めだ。エアロパーツ類を装備したスポーティな外観と豪華装備で高い人気を得た。

ハイブリッドSR プレミアムシートパッケージは、上質なプレミアムレザーを使用した。他にも以下を装備している。

  • 運転席・助手席パワーシート
  • シートポジションメモリー・リターン機能
  • 読書灯
  • 専用ブラック加飾スマートキー
  • ベンチレーション&快適温熱シート(セカンドシート)

さらにオプションで、停電などの非常時に車両を発電機として活用できるアクセサリーコンセント(AC100V・1500W)を設定している。家電製品などが使えるようになり、アウトドアレジャーにも便利だ。

 

20系アルファード

年式

中古車相場

後期モデル

SRプレミアムシートパッケージ

2013年式

約170~260万円

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20系アルファード ハイブリッドのスペック

代表グレード

20系アルファードハイブリッドSRプレミアムシートパッケージ

全長×全幅×全高

4,885mm×1,840mm×1,905mm

ホイールベース

2,950mm

最小回転半径

5.7m

車両重量

2,200kg

エンジン型式・種類

2AZ-FXE型直4DOHC+モーター

総排気量

2,362cc

最高出力

110kW(150ps)/6,000rpm

最大トルク

190N・m(19.4kgf・m)/4,000rpm

燃費(JC08モード)

16.2km/L

駆動方式

4WD

ミッション

電気式無段変速機

サスペンション前/後

ストラット/トーションビーム

タイヤサイズ前/後

215/65R16

アルファードのカタログ情報

現行モデル
令和5年6月(2023年6月)〜現在
新車時価格
540.0万円〜559.8万円

アルファードの在庫が現在438件あります

以下車両の保証内容詳細は画像をクリックした遷移先をご確認ください。

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ライター紹介

クルマ評論家 CORISM代表

大岡 智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員