ワイパーのビビリを止めたい!ビビリ音の原因や対策を整備士が解説

ワイパーのビビリを止めたい!ビビリ音の原因や対策を整備士が解説

ワイパーのビビリは一度気になりだすとその後もずっと気になるので原因を掴んで対策をしたいと考えている人は多いでしょう。ビビリの原因はワイパーゴムの劣化以外にもガラスコーディングが影響している場合があったりします。
今回は、ワイパーのビビリ対策や、原因について現役整備士が分かりやすく解説します。

ワイパーのビビリとはどんな症状?

ワイパーのビビリとは、ワイパーを動かしたときに、ワイパーゴムがガラス面に「ガガガッ…」と引っ掛かるような動きをすることを指します。
ゴムがガラスの表面を滑らかに(スムーズに)動かないので、ガラスの拭き取り不良にもつながります。

また、場合によって雨の弱いときになりやすい、ウォッシャーを使ったときになりやすい、雨の強いときになりやすい、いつでも発生するといった症状の違いもあります。

ワイパーのビビリの原因

ワイパーを動かしたときに、ワイパーゴムがガラス面に対してスムーズに抵抗なく動かないとワイパーのビビリが発生します。 ビビリが発生する原因は、ワイパーの他にもガラス面の不具合といったいくつかの原因が考えられます。

ワイパーゴム・アームの不具合

  • ワイパーゴムの硬化(劣化)
  • ワイパーゴムの千切れ(劣化)
  • ワイパーゴムに汚れやゴミが付着
  • ワイパーブレード・ワイパーアームの不具合・損傷
  • ガラスのコーティングに対応したワイパーゴムを使っていない

ワイパーゴムは消耗品なので、劣化によって硬化したりゴムが切れてしまうと、ガラスにゴムが引っ掛かりやすくなって、ビビリの原因になります。
また、長く洗車を怠っていたり駐車している周りの環境がよくないと、ワイパーゴムに汚れやゴミが付着してしまい、ビビリが発生することがあります。

また、ワイパーブレード(ワイパーゴムが取り付けられているフレーム)やワイパーアームといった部品の損傷や不具合によって、ワイパーゴムがガラス面に対して正常に当たらなくり、ビビリが発生することがあります。

ゴムが経年劣化でななく、新品であってもガラスに撥水コーティングなどを施工している場合には、ノーマルワイパーだと相性が悪くビビることがあります。そういった場合にはコーティング施工車用ワイパーに交換するとビビリが改善することもあります。

ガラス面の不具合

  • ガラスの汚れ
  • ガラスに油膜が付着
  • ガラスに施工したコーティングの劣化またはムラ

ガラス面の不具合によって、ビビリが発生するときには上記のような原因が考えられます。油膜の付着によって、ガラスの表面の状態が均一でないと、ワイパーゴムが引っ掛かってビビリにつながります。
ガラスに施工したコーティングが原因の場合は、ワイパーゴムをコーティング対応品に交換することをおすすめします。


しかし、コーティングの施工から時間が経過している場合や、そもそもコーティングがうまく施工できていないとき、ガラス表面の状態にムラができている可能性があります。このような場合、油膜が付着したときと同様にワイパーゴムが引っ掛かっる部分がでてきてしまい、ビビリにつながります。

ワイパーのビビリにおすすめの対策

ユーザー自身でもできる、ワイパーのビビリ対策方法をいくつか紹介します。

ガラス面の清掃をする

まず第一に、ビビリ対策としてガラス面がきれいであることが大前提です。
洗車やガラスクリーナーの使用により、きれいにすれば基本的にはOKですが、万全を期すのであれば、油膜取りを同時に実施することをおすすめします。

 

油膜取りは、カー用品店などでも様々な種類のものが販売されていますが、ガラスにスポンジで塗り込む液体コンパウンドタイプのものが、使いやすくて効果も見込めるのでおすすめです。

ガラコをしている場合

ガラスに付着した雨水を吹き飛ばす撥水性能が魅力の、「ガラコ」シリーズを愛用されているオーナーさんも多いでしょう。
こうしたメンテナンス用品は、何も施工していないことが前提で装着されている純正のワイパーと、相性が悪いことがあります。
ビビリの原因になることもあるので、ガラコを使い続ける場合、対策が必要となるかもしれません。
専用のワイパーゴムや、ウォッシャー液を使用することがビビリ対策になります。

ワイパーゴムは車種ごとに長さや形状が異なります。
間違えると交換ができないので、適合表でかならず交換する車に合った品番を調べて、交換するようにしましょう。

また、上記のようなワイパーゴムに直接溶剤を塗り込んでビビリを解消させるアイテムもあります。
評価の良し悪しは分かれますが、試してみるのもよいかもしれません。

劣化したワイパーを交換する

ワイパーゴムはそもそも消耗品です。 一般的には1年ごとの交換が推奨されているので、前回の交換から1年以上経過している場合は、まずワイパーゴムを新品に交換してみましょう。 ちなみに、ガラスが凍結しているのにワイパーを動かしてしまうと、ワイパーゴムは一発で傷んでしまいます。 それ以外の場合でも、フロントガラスが汚れていると(虫の付着や鳥のフンが付着しているのにワイパーを使用するなど)、使用環境によっては1年経過前にゴムが傷んでしまって、交換時期を迎えることもあるので注意しましょう。 拭き取りが悪い、拭き残しが発生するときは当然ながら交換時期を迎えています。 また、何年かに一度はワイパーブレードもまとめて交換してあげると、良い状態をキープできます。

【補足】ワイパーゴムの交換時の注意点

ワイパーゴムの交換はただ単にゴムを付け替えるだけ …と甘く見ていてはいけません。 交換時には、ワイパーを所定の位置に動かして作業しないとボンネットに傷を付けてしまうリスクがある車種があります。 また、ワイパーアームやブレードの扱いを丁寧に行わず壊してしまうのはまだマシで、フロントガラスにそれらが当たってしまうと、当たった衝撃でフロントガラスが割れてしまうこともあります。 そうなると、フロントガラスの修理または交換で数万円〜10万円以上の修理費用がかかることもあるので注意が必要です。

ワイパーのビビリにシリコンスプレーは有効?

ワイパーのビビリ対策にシリコンスプレーを使う方法がネットで散見されます。自動車整備士の間でも賛否の分かれる方法です。 ガラスの撥水コーティング剤で有名なガラコは主成分がシリコンなので、この方法がビビリ対策として効果があることは間違いありません。 ただし、あくまで専用品ではないので、施工方法や商品によっては油膜の発生や拭きスジの残る原因になったり、効果に持続性がないといったデメリットがあります。 もちろん、ビビリの原因がほかにある場合にはビビリが解消しないこともあります。 ビビリ対策のために、わざわざシリコンスプレーを購入して試すまでではありませんが、すでにシリコンスプレーを所有している場合には、ご自身に合ったビビリ対策として有効なのか試す価値はあるでしょう。

整備士のまとめ

カー用品店で販売されているビビリ対策の商品も多くあり、何かしらの対策を試しやすいのがワイパーのビビリ問題です。 ただし、消耗品であるワイパーゴムを定期的に交換し、ガラス(車)を普段からきれいにしているという前提をクリアしていることが大切です。 ワイパーゴムの交換は、簡単なようでその商品選びも含めて意外と難しい場合もあるので、不安な場合には車屋さんに作業依頼するようにしましょう。

<関連記事>ワイパーの交換方法~業者との料金比較・選び方・交換時期も解説~

Supervised by 整備士 ヒロ

ヒロ 2級整備士

保有資格:2級整備士。国産ディーラー整備士、輸入車ディーラー整備士の経験がある、現役の整備士。 整備士経験は10年以上で過去にはエンジニアとして全国規模のサービス技術大会に出場。 車の整備に関する情報をtwitterで発信している。