2023年1月、プリウスの60系が登場した。ハイブリッド車のパイオニアであるプリウスの新車価格は、高級セダンであるクラウンハイブリッドの先代220系中古車と同等程度だ。ガソリン価格が下がる要因が見つからない現状、燃費性能の優れたハイブリッド車の人気はさらに高まっている。今回は現行型60系プリウスと最後のFR車である旧型220系クラウンハイブリッドの中古車について、燃費性能、価格、機能、デザインを徹底比較した。
買い替え前に愛車の買取相場を確認する
- 現行型プリウスの新車価格で、高級セダンの旧型クラウンハイブリッドが買える!
- プリウスは最新第5世代のハイブリッドシステムを搭載
- 220系クラウンハイブリッドは2種類のハイブリッドシステムを搭載
- 単純な燃費値なら60系プリウスの方が良い
- 新車プリウスと同価格帯となってきた220系クラウンハイブリッド
- 60系プリウスの納期は約1年。中古の220系クラウンハイブリッドならすぐに乗れる
- 人気がある60系プリウスのデザイン。歴史を感じさせる220系クラウンハイブリッド
- 空力重視の60系プリウス。220系クラウンハイブリッドは後席の快適性に優れる
- 予防安全機能や運転支援機能は、60系プリウスの圧勝
- 走行性能は220系クラウンハイブリッドがやや上回る
- リセールバリューは、60系プリウスが高い
- 燃費重視なら60系プリウス。走りと豪華さなら、220系クラウンハイブリッドがおすすめ
- 価格まとめ
- スペックまとめ
現行型プリウスの新車価格で、高級セダンの旧型クラウンハイブリッドが買える!
現行型60系プリウスはハイブリッド専用車だ。ハイブリッドシステムは高い熱効率を達成したエンジンと高出力モーターを組み合わせた。
このシステムを優れた空力性能を発揮する流線型の5ドアハッチバックのボディに搭載している。
対する先代220系クラウンは、高級FR(後輪駆動)車用プラットフォーム(車台)であるGA-Lを採用している。さらに、車載通信機DCMを全車に標準装備した初代コネクティッドカーだ。
高級セダンの代名詞だったクラウンは、2022年7月の新型クラウンクロスオーバーの発表で、スポーツ、セダン、エステートの4種類のボディタイプとなり、駆動方式もFF(前輪駆動)ベースが主流となっている。
現行型60系プリウスの新車価格は320万円~と、旧型クラウンハイブリッド車の中古車相場と重なっている。そこで、現行型プリウスの新車と旧型クラウンハイブリッドの中古車のどちらを購入したほうが良いのか、全方位で検証する。クルマ選びに失敗・後悔のないための参考にしてもらいたい。
プリウスは最新第5世代のハイブリッドシステムを搭載
60系トヨタプリウスの特徴
※上図:60系プリウスの全景
2023年1月に登場した60系プリウスは「Hybrid Reborn」をコンセプトに、歴代プリウスの特徴である高い環境性能に加えて、「一目惚れするデザイン」と「虜にされる走り」を兼ね備えたエモーショナルなモデルに進化している。
60系プリウスはプラグインハイブリッドとハイブリッドを設定している。ハイブリッドに搭載されているパワートレインも2種類用意されている。2Lと、1.8Lエンジンにモーターを組み合わせたものだ。
サブスクリプションサービス(KINTO)で設定されているグレードに搭載されているのが、1.8Lエンジンのハイブリッドシステムだ。主役はあくまでもエンジンで、モーターはサポート役となる「パラレル方式」を採用している。すべての電動モジュールを刷新してWLTCモード32.6km/Lいう優れた燃費性能を実現している。
一方、新搭載となる2Lエンジンのハイブリッドシステムは、システム最高出力は従来型の1.6倍となる196psを達成し、同時に28.6km/Lという低燃費を両立した。ハイブリッド専用車であるプリウスならではの高い環境性能に加え、胸のすくような加速感やドライバーの操作に素早く反応するレスポンスの良さを実現した。
駆動方式は1.8L、2.0Lハイブリッドどちらにも2WD(FF)に加え、E-Fourという4WDを設定した。E-Fourはリアに最高出力41ps、最大トルク84Nmを発生するモーターを搭載している。
安全性能は、最新の予防安全パッケージ「トヨタセーフティセンス」を全車標準装備している。従来の機能に加えて、以下のトヨタブランド初採用となる機能が追加されている。
- 後方車両接近告知(ミリ波レーダーで後続車を検知し、接近したらドライバーに伝える)
- 周辺車両接近時サポート(録画機能・通報提案機能)
- セカンダリーコリジョンブレーキ(停車中後突対応)
予防安全機能や運転支援機能はクラストップレベルを誇る。
220系クラウンハイブリッドは2種類のハイブリッドシステムを搭載
220系トヨタ クラウンハイブリッドの特徴
※上図:220系クラウンハイブリッドの全景
15代目となる220系クラウンは、2018年6月に登場した。プラットフォームには高級FRセダン用のGA-Lを採用している。ボディの高剛性化や低重心化を実現し、意のままのハンドリングとフラットな乗り心地を実現しているのが特徴だ。
220系クラウンが搭載しているハイブリッドシステムは二種類ある。
ひとつ目のガソリンエンジン+モーターの2.5L直4は、高い熱効率を実現している。
もうひとつが、マルチステージハイブリッドシステムだ。当時トヨタブランド初搭載となった3.5L V6エンジン+モーターと、10速のトランスミッションを組み合わせた。駆動方式は後輪駆動を中心に、2.5Lエンジンのハイブリッド車に4WD車を設定している。
安全装備は、第2世代となる予防安全パッケージ「トヨタセーフティセンス」を全車に標準装備した。
- プリクラッシュセーフティ…歩行者検知(昼間・夜間)・自転車運転者検知(昼間)を行い衝突回避支援または被害軽減を図る
- レーダークルーズコントロール(全車速追従機能付)…前方車両の追従走行を支援
- T-Connect…コネクティッドサービス
2020年11月には一部改良を行い、最新の「トヨタセーフティセンス」を搭載した。早期救命救急をサポートする「ドライバー異常時対応システム(体調急変などドライバーの無操作状態が継続している場合、徐々に車両を減速させ自車線内に停車)」などの機能が追加されている。
さらに、ダブルディスプレイを廃止し、12.3インチのワイドディスプレイを採用しインストルメントパネルのデザインを変更している。
単純な燃費値なら60系プリウスの方が良い
1.燃費性能
60系プリウスの評価は 5.0
220系クラウンの評価は 4.5
60系トヨタプリウスの燃費(WLTCモード)は下記の通り。
|
FF(2WD) |
4WD |
1.8Lハイブリッド |
32.6km/L |
30.7km/L |
2.0Lハイブリッド |
28.6km/L |
26.7km/L |
220系トヨタクラウンハイブリッドの燃費は下記の通り。
|
FF(2WD) |
4WD |
2.5Lハイブリッド |
20.0km/L |
18.2km/L |
3.5Lハイブリッド |
16.0km/L |
- |
現行型プリウスと旧型クラウンハイブリッドは、双方ハイブリッド専用車だ。だが欧州のCセグメントに属するプリウスと、Eセグメントに属するクラウンではボディサイズや車両重量、さらに搭載するハイブリッドシステムも大きく異なっている。
現行型プリウスと旧型クラウンハイブリッドのボディサイズは以下の通りだ。
|
全長×全幅×全高 |
プリウス |
4,600mm×1,780mm×1,430mm |
クラウンハイブリッド |
4,910mm×1,800mm×1,455mm |
現行型プリウスと比べ、旧型クラウンハイブリッドは全長+310mm、全幅+20mm、全高+25mmだ。余裕タップリのキャビンスペースを確保している。
搭載するハイブリッドシステムのエンジンは以下の通りだ。旧型クラウンハイブリッドは大排気量となっている。
【現行型プリウス】
- 2.0L直列4気筒
- 1.8L直列4気筒
【旧型クラウンハイブリッド】
- 2.5L直列4気筒
- 3.5L V型6気筒
現行型プリウスの車両重量は1,360~1,480kg、旧型クラウンハイブリッドは1,730~1,900kgだ。だいたい400kgは旧型クラウンハイブリッドのほうが重い。この車両重量の重さは燃費性能に大きく影響を及ぼしており、燃費性能では現行型プリウスが大きくリードしている。
しかし、旧型クラウンの燃費も負けていない。2.5Lハイブリッド2WD車は20.0km/Lで、この数値は現在でもクラストップレベルの燃費性能だ。
とにかく優れた燃費性能で燃料費を節約したいというのであれば、60系プリウスという選択になる。ただし、燃費がやや悪化するものの、より広く、快適で余裕のある走りを手に入れたいのならば、220系クラウンハイブリッドということになる。
新車プリウスと同価格帯となってきた220系クラウンハイブリッド
2.価格比較
60系プリウスの評価は 4.0
220系クラウンの評価は 4.5
60系プリウスと220系クラウンハイブリッドの新車価格と中古車相場を比較した。
60系トヨタプリウス Z(新車価格) |
299万円(Uグレード FF) |
220系トヨタクラウン |
約330~390万円(2020年式) |
※中古車相場は、2023年11月調べ
220系クラウンハイブリッドの中古車で、流通台数が多く狙い目なのが2.5LハイブリッドのRSアドバンスだ。スポーティグレードとして以下を装備している。
- メッシュタイプのフロントグリル
- 低重心でワイドに見せるフロント下部のメッキモール
- 直進安定性向上に寄与するサイドエアダムスカート
- 専用18インチアルミホイール
加えてRS専用のパフォーマンスアップアイテムも装備している。専用フロントスタビライザーやリニアソレノイド式AVSだ。大きな入力が入った時でも適切な減衰力を瞬時に発生させて、無駄な動きを抑えて走行性能を向上させている。
装備面では、元々新車時価格が高いクラウン2.5LハイブリッドRSアドバンスの充実振りが目立つ。現行型プリウスでも先進の運転支援システムは充実しているが、クラウンハイブリッドにはブラインドスポットモニター(BSM)も標準装備となっている。
シート表皮は、現行型プリウスZグレードは合成皮革だ。対してクラウン2.5HV RSアドバンスは本革となっている。しかし、パワーシートやヒーター&ベンチレーション機能はどちらも標準装備としていて互角だ。
クラウン2.5LハイブリッドRSアドバンスは、10スピーカーのスーパーサウンドシステムが標準装備となっており、快適装備では上回っている。
ハイブリッド車の特徴でもある、アクセサリーコンセント(AC100V・1500W/非常時給電システム付)は60系プリウスが2カ所標準装備されているのに対して、220系クラウンハイブリッドはオプションだ。
運転支援機能では、以下の機能は双方標準装備している。
- パーキングサポートブレーキ(前後方静止物)
- パーキングサポートブレーキ(後方接近車両)
- リアクロストラフィックアラート
しかし以下は60系プリウス Zのみ標準装備となっている。
- パーキングサポートブレーキ(後方歩行者)
- トヨタチームメイト(さらに高度な運転支援機能)
快適装備では220系クラウンハイブリッドのほうが充実しているが、日々進化する運転支援機能はフレッシュなモデルである60系プリウスが大きく上回る。
220系クラウンハイブリッドの中古車を買う場合、廉価グレードはさらに装備が簡素化しているので注意が必要だ。なるべく上級グレードを選択した方が満足度は高くなる。
60系プリウスの納期は約1年。中古の220系クラウンハイブリッドならすぐに乗れる
3.購入時の値引き術
60系プリウスの評価は 1.5
220系クラウンの評価は 1.5
2023年11月現在、60系トヨタプリウスの納期は1年程度だ。超人気モデルなので、新車値引きは基本的にゼロベース、頑張って10万円前後といったところだ。新車値引きは期待しない方がよいだろう。
対する220系クラウンハイブリッドは中古車での購入となるため、こちらも値引きはゼロベースと考えたい。中古車の利益は少ないため、もし、大幅値引きがすぐに提示された場合、なにかあるのでは?と、疑ってみる必要がある。
ただ、下取車の売却と中古車の購入を同一店舗で行う場合、わずかだが買取価格のアップもしくは、中古車値引きが期待できる。
また、納車を急ぎたいというのであれば、中古車の220系クラウンハイブリッド一択となる。
220系クラウンハイブリッドは、旧型と言っても、販売開始したのは2018年。2020年式であれば、まだ1回目の車検を迎えたタイミングだ。
220系クラウンハイブリッドは、トヨタブランドの最上級車種だ。3年程度では、経年劣化もほとんどみられないだろう。
人気がある60系プリウスのデザイン。歴史を感じさせる220系クラウンハイブリッド
4.デザイン比較
60系プリウスの評価は 4.5
220系クラウンの評価は 4.0
60系プリウス:新世代トヨタ車のアイコンであるハンマーヘッドデザインを採用
※上図:60系プリウスの全景
60系プリウスは、プリウス伝統のアイコンである「モノフォルムシルエット」を継承している。さらに第2世代GA-Cプラットフォームによる低重心化とワイドトレッド化によって、スタイリッシュなプロポーションへと進化した。
※上図:60系プリウスのフロントフェイス
フロントには、特徴的なハンマーヘッドモチーフを採用した。リアは薄型一文字リアランプ、センターは車両エンブレムにより、先進性・スポーティさを際出せている。
※上図:60系プリウスのリヤエンド
さらに、キャラクターラインを最小限に抑え、シンプルでありながら抑揚のあるボディ造形により、「感性に響くエモーション」と「普遍的な美しさ」を表現している。
このデザインは、歴代のプリウスらしさはほとんど無いが、マーケットでは非常に高い評価を得ている。60系プリウスは、燃費だけでなく、デザインも魅力的だ。
220系クラウンハイブリッド:ファストバックのような6ライトデザインを採用
※上図:220系クラウンハイブリッドの全景
220系クラウンハイブリッドは、凝縮された強さと洗練されたエレガンスの両立によるスポーティセダンを追求した。
※上図:220系クラウンハイブリッドのフロントフェイス
エンジンフードの長いロングノーズのFRらしいプロポーションと6ライトウィンドウを採用し、ルーフからラゲージにかけて伸びやかで流麗なサイドシルエットが特徴的だ。また、低重心でスポーティな骨格を表現するために、ボディを凝縮してタイヤの張り出しを強調した。
※上図:220系クラウンハイブリッドのリヤエンド
RS仕様には、流れるように点灯するLEDシーケンシャルターンランプを前後に採用した。さらに、リアスポイラーやドアフレームのブラック化などによってスポーティ感を強調している。
ひと目でクラウンと分かる伝統的なデザインも採用されており、歴代クラウンらしさも兼ね備えている。
空力重視の60系プリウス。220系クラウンハイブリッドは後席の快適性に優れる
5.室内空間と使い勝手
60系プリウスの評価は 4.0
220系クラウンの評価は 4.5
60系トヨタプリウスと、220系クラウンハイブリッドのボディサイズ・室内サイズ・荷室容量を比較した。
【60系トヨタ プリウス】
全長×全幅×全高 |
4,600mm×1,780mm×1,430mm |
ホイールベース |
2,750mm |
室内長×室内幅×室内高 |
1,845mm×1,500mm×1,130mm |
荷室容量 |
410L |
【220系トヨタ クラウンハイブリッド】
全長×全幅×全高 |
4,910mm×1,800mm×1,455mm |
ホイールベース |
2,920mm |
室内長×室内幅×室内高 |
1,955mm×1,500mm×1,185mm |
荷室容量 |
405L |
※上図:220系クラウンハイブリッドの運転席
最も異なるのが全長だ。220系クラウンハイブリッドが全長約310mm、室内長約110mm、60系プリウスを上回っている。5ドアハッチバックと4ドアセダンの違いもあり、リアシートの快適さは数値以上の差がある。
※上図:60系プリウスの運転席
特に高い空力性能を発揮するモノフォルムシルエットを採用した60系プリウスは、室内高が1,130mmに留まっており、リアシートのヘッドクリアランスは220系クラウンハイブリッドとは大きく差が付いている。
※上図:60系プリウスの荷室
※上図:220系クラウンハイブリッドの荷室
5人乗車時のラゲッジ容量はほぼ互角だ。しかし5ドアハッチバックの60系プリウスは、リアシートをすべて倒せば、さらに拡大することができる。対する220系クラウンハイブリッドは、ラゲッジ容量を拡大することはできないので、利便性では現行型プリウスが上回る。
※上図:220系クラウンハイブリッドの後席
※上図:60系プリウスの荷室
ただ、高級セダンである220系クラウンハイブリッドと60系プリウスのリアシートを比較すると、座り心地などは足元の広さなどの快適性では220系クラウンハイブリッドが優位に立つ。
60系プリウス、220系クラウンハイブリッドともに全幅1,800mm、全高1,550mm以下に抑えているため、都市部に多い立体駐車場に対応している。
また、取り回しの良さの指標となる最小回転半径も2WD車の60系プリウスが5.3〜5.4m。220系クラウンハイブリッドが5.3mとほぼ同等だ。220系クラウンハイブリッドは、ほぼ日本専用車なので、日本での使い勝手面ではボディが大きくても高いレベルにある。
使い勝手の良さは、220系クラウンハイブリッドが広い室内空間を実現しつつ最小回転半径も抑えているため、リードしていると言える。
予防安全機能や運転支援機能は、60系プリウスの圧勝
6.安全装備&運転支援機能の比較
60系プリウスの評価は 4.5
220系クラウンの評価は 3.0
60系トヨタプリウスと220系トヨタクラウンハイブリッドの予防安全装備は、世代が違うため、大きな差が付いた。重要な自動ブレーキ機能の検知対象は以下の通り。
|
プリウス |
クラウンハイブリッド |
昼の歩行者/夜の歩行者 |
〇/〇 |
〇/〇 |
昼の自転車/夜の自転車 |
〇/〇 |
〇/× |
昼の自動二輪車 |
〇 |
× |
交差点内右左折時の対向歩行者/自転車 |
〇/〇 |
×/× |
右折時の対向車 |
〇 |
× |
※上図:60系プリウスのインパネデザイン
自動ブレーキ機能だけでも大きな差になっている。これは、60系プリウスに搭載されている最新世代トヨタセーフティセンスが優れているためだ。220系クラウンハイブリッドでも、現在の平均レベルは維持している。
※上図:60系プリウスのメーター
また60系プリウスには、高度な運転支援を行う「トヨタチームメイト」を採用しており、運転支援機能が充実している。予防安全装備や運転支援機能を重視するのであれば、60系プリウスになる。
※上図:220系クラウンハイブリッドのインパネデザイン
※上図:220系クラウンハイブリッドのメーター
220系クラウンハイブリッドは、エントリーグレードのBグレードは運転支援機能に差があるので、購入する際に注意したい。
走行性能は220系クラウンハイブリッドがやや上回る
7.走行性能の比較
60系プリウスの評価は 4.0
220系クラウンの評価は 4.5
60系プリウス2WD車と、220系クラウンハイブリッド2WD車のスペックは以下の通り。
【60系プリウス 2.0L直列4気筒DOHCエンジン】
最高出力&最大トルク |
152ps&188N・m |
フロントモーター最高出力&最大トルク |
113ps&206N・m |
システム最高出力 |
196ps |
【220系クラウン 2.5L直列4気筒DOHCエンジン】
最高出力&最大トルク |
184ps&221N・m |
フロントモーター最高出力&最大トルク |
143s&300N・m |
システム最高出力 |
226ps |
【220系クラウン 3.5LV型6気筒DOHCエンジン】
最高出力&最大トルク |
299ps&356N・m |
フロントモーター最高出力&最大トルク |
180ps&300N・m |
システム最高出力 |
359ps |
60系プリウスは新エンジン、モーターの刷新でパワーとエコを両立
※上図:60系プリウスのエンジンルーム
60系プリウスは1.8Lエンジンと2Lエンジンのハイブリッドシステムを搭載している。エンジンの高熱効率化、電動モジュールの刷新を実施した最新の「第5世代ハイブリッドシステム」だ。
1.8Lエンジンのハイブリッドシステムは、ハイブリッドならではのシームレスな加速性能とWLTCモード32.6km/Lの燃費性能を両立している。一方2Lエンジンのハイブリッドシステムのシステム合計の最高出力は196psだ。ハイブリッドらしい高い環境性能とパワフルな加速性能やレスポンスが特徴だ。
220系クラウンハイブリッドのオススメは2.5Lエンジンのハイブリッド
※上図:220系クラウンハイブリッドのエンジンルーム
220系クラウンは2種類のハイブリッドシステムを搭載している。
一つ目の2.5Lエンジンのハイブリッドシステムは、高い熱効率と高出力を両立した2.5Lダイナミックフォースエンジンを搭載したハイブリッドシステムだ。
もう一つは、3.5L V6エンジンにモーターを組み合わせたハイブリッドシステムに有段ギアを組み合わせたマルチステージハイブリッドシステムだ。エンジンと走行用モーターの両方の出力を制御することで、低速から力強い駆動力を発生する。さらに、低速域から高速域までシステム効率の高いポイントを選択することで、EV走行領域が拡大するだけでなく、エモーショナルな走りと高い燃費性能を実現する快適なクルージングを味わえる。
走行安定性や乗り心地は、220系クラウンハイブリッドが勝る
220系クラウンハイブリッドは、前後サスペンションに高性能のマルチリンク式を採用している。
「高級車の駆動方式は後輪駆動」というのは全世界共通で、BMWやメルセデス・ベンツもフラッグシップセダンは現在でも後輪駆動を採用している。220系クラウンは、レクサスのフラッグシップセダンと同じ、GA-Lプラットフォームだ。オーバークオリティともいえるほどの、贅沢仕様である。これによって快適な乗り心地と優れた操縦安定性を両立した。
新型クラウンは前輪駆動がメインであるため、最後のFRクラウン伝統の高い走行性能を味わっておくというのもよいだろう。
60系プリウスは、かなりスポーティな仕様になっていて、走りも十分に楽しめる。ただ、操縦安定性を高めるため、サスペンションはやや硬めだ。乗り心地という面では、220系クラウンには及ばない。
リセールバリューは、60系プリウスが高い
8.リセールバリュー比較
60系プリウスの評価は 4.5
220系クラウンの評価は 3.5
220系トヨタクラウン2.5Lハイブリッド中古車相場は、約330~390万円(2020年式)だ。新車価格が約490~740万円なので、新車価格の53~67%にまで落ちている。トヨタ車であってもさすがに中古車ニーズの低いセダンだと、かなり安くなっている。
60系プリウスは、まだ登場したばかりのモデルだ。先代の50系プリウスの中古車相場は、約180~240万円(2020年式)と、新車価格に対して、68~70%程度になっている。
両車を比較すると、高額価格帯は同等レベルだ。しかし安価な価格帯では、220系クラウンハイブリッドがかなり安くなっている傾向にある。
60系プリウスは非常に人気が高く、長期納期になっていることもあり、しばらくの間は50系プリウスを大きく上回るリセールバリューになる可能性が高い。リセールバリューを重視するのであれば、60系プリウスがお勧めだ。
ただ、リセールバリューが低めということは、中古車価格は割安ということになる。新車では手の届かないような高級セダンに乗れるという点では、220系クラウンハイブリッドも魅力的だ。
燃費重視なら60系プリウス。走りと豪華さなら、220系クラウンハイブリッドがおすすめ
9.まとめ・総合評価
新車60系プリウスと中古220系クラウンハイブリッドの車両価格は、ほぼ同等だ。そのため、重要視するポイントで選択肢が変わる。それぞれの優位点は下記の通りだ。
60系プリウスをお勧めしたい人
- とにかく燃費重視
- 優れた予防安全装備や運転支援機能が欲しい
- 高いリセールバリュー
220系クラウンハイブリッドをお勧めしたい人
- 高級後輪駆動車らしい、質の高い走行性能
- 広い室内と豪華装備
- とにかくパワフルな加速力(5Lハイブリッド)
燃費値だけを見れば、60系プリウスの圧勝だ。だが220系クラウンハイブリッドのボディサイズで、20.0km/Lという低燃費性能も十分といえる。
また、安全装備や運転支援機能は、最新のトヨタセーフティセンスを搭載した60系プリウスが圧倒している。運転支援機能を重視するのであれば、60系プリウスということになる。
走行性能は、220系クラウンハイブリッドなら60系プリウスを上回る質の高い走りが楽しめる。旧型とはいえ、レクサスLSと同じGA-Lプラットフォームなどを使っているからだ。後輪駆動を活かし、スポーティながら快適な乗り心地を実現しているのは高級セダンならではだ。この優れた走りや豪華装備をこの価格で手に入れられるというのは、中古車ならではの醍醐味というものだ。
グレードにもよるが、走行性能や快適さを重視するならば、コストパフォーマンスは220系クラウンハイブリッドが大きく上回だろう。最後のFR車と言われているモデルだけに、今後も人気は衰えないので、早めに購入するのがベストだ。
また、両モデルともに、全幅1,800mm&全高1,550mm以下にボディサイズを抑えていることもあり、都市部に多い立体駐車場に対応しているのはお見事と言える。
60系プリウス |
220系クラウン |
|
総合得点(40点満点) |
32.0 |
30.0 |
1.燃費 |
5.0 |
4.5 |
2.価格 |
4.0 |
4.5 |
3.購入時の値引きしやすさ |
1.5 |
1.5 |
4.デザイン |
4.5 |
4.0 |
5.室内空間と使い勝手 |
4.0 |
4.5 |
6.安全装備 |
4.5 |
3.0 |
7.走行性能 |
4.0 |
4.5 |
8.リセールバリュー |
4.5 |
3.5 |
価格まとめ
60系トヨタプリウス 新車価格
G 2WD |
320万円 |
Z 4WD |
392万円 |
220系トヨタクラウンハイブリッド 新車価格
※2020年11月一部改良後モデル
ハイブリッドB 2WD |
489万9000円 |
ハイブリッド3.5G エグゼクティブ2WD |
739万3000円 |
スペックまとめ
60系トヨタ プリウススペック
代表グレード |
2.0Z 2WD |
全長×全幅×全高 |
4,600mm×1,780mm×1,430mm |
ホイールベース |
2,750mm |
最低地上高 |
150mm |
車両重量 |
1,420kg |
エンジン型式 |
M20A-FXS |
エンジンタイプ |
直列4気筒DOHC |
総排気量 |
1,986cc |
最高出力 |
152ps(112kW)/6,000rpm |
最大トルク |
185N・m(19.2kgm)/4,400〜5,200rpm |
モーター型式 |
1VM |
モーター最高出力 |
113ps(83kW) |
モーター最大トルク |
206N・m(21.0kgm) |
燃費(WLTCモード) |
28.6km/L |
駆動方式 |
前輪駆動(FF) |
トランスミッション |
CVT |
サスペンション型式 |
前:ストラット 後:ダブルウィッシュボーン |
タイヤサイズ前後 |
195/50R19 |
最小回転半径 |
5.4m |
220系トヨタ クラウンハイブリッドスペック
代表グレード |
2.5ハイブリッドRSアドバンス 2WD |
全長×全幅×全高 |
4,910mm×1,800mm×1,455mm |
ホイールベース |
2,920mm |
最低地上高 |
135mm |
車両重量 |
1,770kg |
エンジン型式 |
A25A-FXS |
エンジンタイプ |
直列4気筒DOHC |
総排気量 |
2,487cc |
最高出力 |
184ps(135kW)/6,000rpm |
最大トルク |
221N・m(21.5kgm)/3,800〜約5,400rpm |
モーター型式 |
1KM |
モーター最高出力 |
143ps(105kW) |
モーター最大トルク |
300N・m(30.6kgm) |
燃費(WLTCモード) |
20.0km/L |
駆動方式 |
前輪駆動(FF) |
トランスミッション |
CVT |
サスペンション型式 |
前:マルチリンク、後:マルチリンク |
タイヤサイズ前後 |
225/45R18 |
最小回転半径 |
5.3m |
プリウスのカタログ情報
- 現行モデル
- 令和5年1月(2023年1月)〜現在
- 新車時価格
- 275.0万円〜460.0万円
プリウスの在庫が現在638件あります
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