ホンダのNシリーズは様々なタイプがあり、用途にあわせて選べる人気シリーズです。なかでもエヌボックスは車に詳しくない人でも知っているほど認知されています。今回はNシリーズの各車種の特徴やおすすめのケースについて紹介します。
- Nシリーズとは
- Nシリーズの違い早見表
- Nシリーズの内装、外装の違いを画像で確認
- Nシリーズ①スライドドア付きならN-BOX
- Nシリーズ②コスパ重視のN-WGN
- Nシリーズ③デザイン・走行性が魅力のN-ONE
- 家族構成や用途に合った選択を
Nシリーズとは
Nシリーズは、ホンダが販売する軽自動車のシリーズです。現在は「N-BOX」「N-WGN」「N-ONE」「N-VAN(商用)」の4種類があります。
Q. Nシリーズの「N」とは?
Nシリーズの「N」は「Norimono(乗り物)」に由来し、「人が乗るためのもの」という意味が込められています。
Nシリーズの原点となっているのは、1967年に発売されたN360です。室内空間の広さや快適性が重視されたクルマで、発売後3年にわたり軽自動車の販売台数トップに輝きました。
Q. Nシリーズの魅力は?
Nシリーズの魅力は、主に以下の2点です。
- 車内空間が広い
- 安全性が高い
Nシリーズは、燃料タンクを前席の下に配置し、広い車内空間を確保しています。例えばN-BOXとライバルのタントやスペーシアを比べても、N-BOXの車内空間が最も広いです。
また軽自動車では、グレードによって安全装備を簡略化することが少なくありません。そんな中、Nシリーズでは予防安全装備「ホンダセンシング」を全車標準装備。10の機能を集約したホンダセンシングは評価が高く、Nシリーズは毎年ガリバーの「安全な車ランキング」でも上位に位置しています。
Nシリーズの違い早見表
ここからは、軽乗用車の「N-BOX」「N-WGN」「N-ONE」の違いを解説します。
N-BOX | N-WGN | N-ONE | |
---|---|---|---|
ボディタイプ | スーパーハイトワゴン | ハイトワゴン | セミトールワゴン |
新車時価格(税込) | 146万8,500円~ | 129万8,000円~ | 159万9,400円~ |
燃費 (WLTCモード) |
19.0~21.2㎞/L | 20.2~23.2㎞/L | 20.2~23.0㎞/L |
全高 |
1,790~1,815㎜ | 1,675~1,725㎜ | 1,545~1,570㎜ |
ドア | スライドドア | ヒンジドア | ヒンジドア |
特徴 | ・軽トップクラスの広さ ・2022年新車登録台数No.1 |
・3車種の中で最も安価 ・荷室は2段使いも可能 |
・MT車あり |
オススメの人 | ・小さな子どもがいる ・荷物を多く積む ・高身長の人が乗る |
・高齢者を乗せる ・コスパ重視 |
・普段は1~2人で乗る ・デザイン性重視 ・走行性重視 |
※車両価格は2023年4月21日時点の情報です。今後モデルチェンジ等に伴い変更される可能性があります。
3台の中で最も車内空間が広く、利便性が高いのはN-BOXです。一方で安さと車内空間のバランスを重視するならN-WGN、デザイン性や走行性を重視するならN-ONEがオススメです。
予算を抑えて軽自動車を買いたい…
Nシリーズの内装、外装の違いを画像で確認
ここでは、「N-BOX」「N-WGN」「N-ONE」及び「N-BOXカスタム」の見た目の違いをご紹介します。
フロントフェイス
Nシリーズのうち、N-BOXとN-WGNにはカスタムモデルがあります。カスタムモデルは標準モデルより押し出し感の強いデザインで、価格は標準モデルより20万円程度高いです。
Nシリーズの中で、顔つきに最も特徴があるのはN-ONEでしょう。ヘッドライトが真ん丸で、個性を押し出しています。
ボディ形状と車高
N-BOXはほぼ箱型で、車内空間をできる限り広くしています。ベビーカーを折り畳まずに載せることも可能です。
N-WGNとN-ONEは台形に近い形状です。ただしN-WGNの方がN-ONEよりノーズ部分が短く、車内空間が広いです。全高もある程度高いので、N-WGNなら身長180㎝程度の人でも座れます。N-ONEの場合、身長180㎝の人が後部座席に座るのは厳しいでしょう。
内装
N-BOXとN-WGNはベンチシートで、助手席・運転席間の移動がしやすいです。またインパネ部分の収納も充実しています。一方、N-ONEの前席はセパレートシートです。インパネ部分もデザイン性重視で、収納機能は他の2車種より少ないです。
Nシリーズ①スライドドア付きならN-BOX
Nシリーズではじめに発売されたN-BOX。圧倒的な広さ、スライドドアによる利便性、シンプルで誰もが使いやすいデザインといった強みから、長年非常に高い人気を誇っています。2022年には、普通車も含めて1年で最も売れたクルマとなりました。
軽乗用車でトップクラスの広さ
N-BOXは、軽乗用車の中でもトップクラスの車内空間の広さを誇ります。車内長は2,240㎜で、後部座席の足元の広さはミニバンレベル。室内高も1,400㎜あり、小学校3~4年生程度の子どもであれば立ったまま着替えられます。
誰もが安心して乗れる
N-BOXは低床フロアでスライドドアも標準装備しているため、小さな子どもでも乗り降りしやすいです。ヒンジドアの場合は隣のクルマにぶつける心配もありますが、N-BOXではそういった心配がありません。
予防安全装備も充実しているため、子どもだけでなく、誰もが安心できるクルマといえます。
デザインや性能の選択肢も豊富
N-BOXは実用性の高さだけでなく、種類の多さも魅力です。押し出し感の強い「カスタム」、外観が2トーンカラーになる「コーディネートスタイル」、ターボエンジン搭載モデルなどが選択できます。最終的な組み合わせは30種類以上あり、いざN-BOXを買おうと思っても、迷ってしまうほどです。
<関連記事>N-BOXのグレードごとの違いとオススメは?違いを分かりやすく紹介
中古車も豊富
N-BOXは長期に渡るヒット車のため、中古での流通量も多いです。特に2023年4月現在はモデル末期のため、登録済み未使用車(※)も出回っています。
※車両登録を済ませているが、実際には運航に使われていないクルマ
どんな人にオススメ?
- 小さな子どもがいる
- とにかく荷物を多く積みたい
- スライドドアが欲しい
- 高身長の人が乗る
- 車中泊をする
N-BOXは、荷物の多い子育て世代やアウトドア好きなど、多くの人が快適に使えるクルマです。ただし一般的な軽自動車より車両価格が高いです。
Nシリーズ②コスパ重視のN-WGN
N-WGNは、Nシリーズの乗用車で最も安価なクルマです。安くても広さ・使い勝手は十分。通勤や買い物メインの人、セカンドカーなどにオススメです。
安くて広いハイトワゴン
N-BOXの場合、新車時価格は廉価グレードでも約150万円です。これに対してN-WGNは約130万円から手に入ります。N-BOXより車内が狭いといっても、大人4人で座るには十分な広さ。座面が腰の高さとほぼ同じであることから、高齢者も楽に乗り降りできます。
予防安全装備の充実度がNo.1
N-WGNは2022年9月のマイナーチェンジでホンダ車初の「急アクセル抑制機能」を搭載。これはペダルの踏み間違いや踏みすぎを検知した場合に加速を抑制し、音とディスプレー表示で警告してくれる機能です。 Nシリーズはどれを選んでも安全性能が高いですが、N-WGNはその中でも機能が充実しています。
荷室が2段になる便利さ
N-WGNは、荷室スペースを2段に区切ることができます。買い物の後に日用品を積む、汚れものと汚したくないものを分けるなど、何かと便利です。 もちろん荷室を1段で使ったり、後部座席を倒して積載量を増やしたりといった使い方もできます。
どんな人にオススメ?
- 通勤用や買い物での使用が中心
- 実用性重視だが、コストも抑えたい
- 予防安全性能を重視したい
- 高齢者が乗る
N-WGNは、広さとコストのバランス重視の人にオススメです。また子育て世代でも、「ベビーカーが必要なくなり、前ほどスペースがなくても平気」といった場合はN-WGNで十分でしょう。
Nシリーズ③デザイン・走行性が魅力のN-ONE
実はNシリーズで最もベース価格が高いN-ONE。デザイン性が高いだけでなく、走行性の高さも魅力のクルマです。
N360のデザインを受け継いだクルマ
N-ONEの最大の特徴は、その個性的なデザインです。Nシリーズの原点であるN360を現代風に仕上げており、タイムレスなデザインが多くのファンを魅了しています。
MT車もある貴重な存在
現在、MTの選択肢を持つ軽乗用車は新車で4種類しかありません。N-ONEはその一つで、スポーツグレードのRSにMT車を用意しています。 さらにN-ONEのMTは、前輪駆動の軽自動車で初の6速MT。最大トルクは104Nmでのびやかに加速します。静かで乗り心地も良いので、「上質感のあるMT車」という印象です。
上位グレードや特別仕様車も魅力的
N-ONEの中でも上質さを求めるのであれば、Premiumグレードか、特別仕様車の「STYLE+URBAN」がオススメです。フロントグリルのデザインなどが異なり、個性以上に上質感が漂います。内装のデザインも上質で、居心地の良い空間に仕上がっています。
どんな人にオススメ?
- 普段は1~2人で乗る
- デザイン性の高いクルマが欲しい
- MT車に乗りたい
- 走行性を重視したい
N-ONEは、N-BOXやN-WGNほどの広さがありません。そのため家族用というよりは、1~2人で乗る人にオススメです。また予算に適度な余力があり、デザインや走行性を重視したい人とも相性が良いでしょう。
家族構成や用途に合った選択を
ここまでご紹介したように、Nシリーズはそれぞれに特徴があります。そのため家族構成や用途に合った選び方が重要です。
子育て世代の場合は、子どもの成長に合わせてクルマを乗り換えるのも良いでしょう。またその場合は、汚しても気になりにくい中古車を選ぶのがオススメです。まずは欲しいと思ったNシリーズの中古車がいくらで売られているか、在庫をチェックしてみてください。