ハイエースとキャラバンの違いを徹底比較!オススメはどっち?

商用バンの2大巨頭といわれるハイエースとキャラバン。今回は両者を徹底比較し、買うならどちらがオススメかを解説します。

ハイエースとキャラバンを徹底比較

ハイエースとキャラバンの画像

※左図:ハイエースGLロング、右図:NV350キャラバン(マイナーチェンジ前)

ハイエースとキャラバンは、ともにバン・ワゴン・バスの3タイプを有するワンボックスカーです。両車両を比べると、以前は「ハイエースの方が圧倒的な実力を誇る」と評されていました。しかし2021年のキャラバンのマイナーチェンジを受けて、現在はその実力が肉薄しています。ここでは買うならどちらがオススメなのか、両車両を徹底比較して解説します。

比較①種類の豊富さは「互角」

ハイエースもキャラバンも、種類は豊富です。車両選びでは、ともに以下のような選択肢があります。

  • ボディ長:ロング、スーパーロング
  • ボディ幅:標準、ワイド
  • ルーフ形状:標準、ミドル(ハイエースのみ)、ハイ
  • フロア形状:標準、低床(ジャストロー)
  • 駆動方式:2WD、4WD
  • エンジン:ガソリン、ディーゼル(容量はそれぞれ異なる)

ボディサイズや駆動方式、エンジンの種類を組み合わせれば、どちらも何十種類というバリエーションがあります。グレードも複数に分かれているので、どちらを選んでも、納得のいく選択肢が見つかるでしょう。

エンジン容量が大きいのはハイエース

エンジンの種類で選ぶ場合、よりパワフルなエンジンを選べるのはハイエースです。

  • ハイエース:2.0Lガソリン、2.7Lガソリン、2.8Lディーゼル
  • キャラバン:2.0Lガソリン、2.5Lガソリン、2.5Lディーゼル

ただしトルクフルなのはキャラバンです。詳しくは「走行性能」の章を確認してください。

グレード展開が豊富なのはキャラバン

キャラバンは、ハイエースよりもグレード展開が豊富です。特に近年は乗用車としての販売を強化しており、上質感のある「AUTECH(オーテック)」「GRANDプレミアムGX」といったグレードを展開しています。

またハイエースに比べて、4WD×ガソリンエンジンの選択肢が豊富なのも特徴です。

比較②使い勝手は「それぞれに強みあり」

使い勝手の面では、それぞれの強みがあります。

ハイエースとキャラバンの基本スペック

今回は、両者の中でも人気の高いグレード「ハイエース・スーパーGL」と「キャラバン・GRANDプレミアムGX」で基本スペックを比較します。

車種 ハイエース・スーパーGL
(2WD、ディーゼル)
キャラバン・GRANDプレミアムGX
(2WD、ディーゼル)
車両価格 375万5,500円 387万9,700円
全長 4,695㎜ 4,695㎜
全幅 1,695㎜ 1,695㎜
全高 1,980㎜ 1.990㎜
ホイールベース 2,570㎜ 2,555m
乗車定員 2~5人 2~5人
車両重量 1,930㎏ 2,000㎏
最小回転半径 5.0m 5.2m
燃費(WLTC) 12.4㎞/L 11.3㎞/L
最低地上高 195㎜ 160㎜
荷室長 3,000㎜ 3,050㎜
荷室幅 1,520㎜ 1,520㎜
荷室高 1,320㎜ 1,320㎜
エンジン 2.8Lディーゼルエンジン 2.4Lディーゼルエンジン
排気量 2,754㏄ 2,439㏄
最大出力 111kW 97kW
最大トルク 300N・m 370N・m

※2023年4月10日時点の公式HPより引用。価格改定等により情報が変わる可能性もあります。

ボディサイズは、キャラバンの方が全高が10㎜高いだけで、全長や全幅は変わりません。一方で、ホイールベースの長さや最低地上高、荷室寸法などはそれぞれ異なります。また先述の通り、最大出力はハイエースが上回りますが、最大トルクはキャラバンの方が上です。

広さと積載量ではキャラバンが上

荷物を多く載せたい人の場合、オススメなのはキャラバンです。ハイエースに比べて、荷室長が50㎜長いです。たった50㎜の差ですが、これによってキャラバンは10尺長のものを置けるようになっています。

操作性はハイエースの方が優秀

狭い路地を運転する場合は、最小回転半径の小さいハイエースがオススメです。最小回転半径の差はわずか0.2mですが、乗り比べると、少なからず取り回しのしやすさの違いを感じるでしょう。

シートアレンジはそれぞれに魅力あり

スーパーGLとGRANDプレミアムGXの場合、乗車定員はともに5人です。シートアレンジはそれぞれに強みがあります。

ハイエースのスーパーGLの場合、2人乗りでは後部座席をフラットにした「オールフラット」仕様にできます。運転席や助手席を倒し、後部座席もフラットにすることで体を休められるのがメリットです。

一方キャラバンのGRANDプレミアムGXでは、後部座席を5:5分割できます。また後部座席は折り畳んで収納できるので、荷物を多く積みやすいです。

乗り心地は2WDならキャラバンが良い

スーパーGLとGRANDプレミアムGX(ともに2WD車)で比べた場合、シートはキャラバンのGRANDプレミアムGXの方が柔らかいです。またキャラバンは、ロングドライブでも疲れにくい背もたれパッドを採用しています。そのためこの2台で比較するなら、乗り心地はキャラバンに軍配が上がります。

ただし4WDではキャラバンでも凹凸の衝撃を拾いやすいです。そのため4WD同士で比べるのであれば、大きな差はありません。

比較③走行・燃費性能も「それぞれに強みあり」

先述の通り、エンジン容量が大きく、馬力があるのはハイエースです。一方キャラバンはハイエースより最大トルクが大きく、荷物を積んでいてもスムーズに加速してくれます。静粛性も、2WDならキャラバンが上回ります。

燃費性能で比べると、僅差ながらハイエースの方が低燃費です。

比較④安全性能は「キャラバンが一歩リード」

安全性能は、実力としてほとんど互角です。ハイエースはToyota Safety Senseを標準装備しており、オプションでパノラミックビューモニターも装備できます。

キャラバンの場合、ハイエースとほぼ同様の安全装備を備えている他、標識探知機能やふらつき警報も備えています。そのため新しさのあるキャラバンの方が、安全性能はわずかに優れています。

ただし耐久性に優れるのはハイエースか

ハイエースでは、「長年使っても壊れにくい」という評価が多いです。もちろん「キャラバンが壊れやすい」とは一概に言えません。しかしキャラバンより多くの販売実績を誇るハイエースの場合、キャラバン以上に耐久性への信頼度は高いでしょう。

比較⑤価格と人気度は「ハイエースに軍配」

車種 ハイエース キャラバン
バン 239万2,100円~419万600円 242万6,600円~452万3,200円
ワゴン 290万3,600円~403万9,100円 310万9,700円~411万7,300円

同じレベルのグレード同士で比べた場合、車両価格はハイエースの方が数万円~10万円程度安いです。燃費性能も含めて考えると、クルマの購入から維持までを踏まえたトータルコストは、ハイエースの方が安いでしょう。

ハイエースはリセールバリューも高い

売却時も、ハイエースの方が高く売れやすいです。これまでハイエースとキャラバンでは圧倒的な人気の差があり、2019年のデータでは、ハイエースの販売台数はキャラバンの3倍以上でした。現在でもハイエースの方が売れているため、乗り潰さずに売却するならハイエースがオススメです。

ハイエースの中古車情報をチェック

最終的なオススメはどっち?

以前は「ハイエースの方が走行性能や安全性能も上」といわれていましたが、現在は「キャラバンの方が魅力的」という声も多いです。そのため一概に「どちらが良い」とは言えません。

ハイエースとキャラバンにはそれぞれの強みがあるので、使用目的や重視するポイントを踏まえてどちらにするか考えましょう。

ハイエースがオススメな人

ハイエースはキャラバンより新車時価格が安く、耐久性の高さにも定評があります。またシートアレンジや最小回転半径の特徴から、以下のような人にオススメです。

  • 新車で安く買いたい人
  • 耐久性重視の人
  • 運転席と助手席で横になりたい人
  • 市街地走行が多い人

キャラバンがオススメな人

キャラバンは新車で購入するとハイエースより高いですが、中古車相場はハイエースより安いです。また積載性が高く、プライベートユースを意識したグレードも設定しているので、以下のような人にオススメです。

  • 中古で良いから安く買いたい人
  • 荷物を多く積みたい人
  • ロングドライブをする人
  • 内外装の上質感も重視したい人

カスタマイズ目的なら中古も検討を

ハイエースのインパネ、シートのカスタム

ハイエースやキャラバンを購入する人の中には、自分で車両をカスタマイズしたい人も多いです。この場合、車両の購入価格に加えてカスタマイズ費用がかかります。予算を抑えたい場合は、中古車も検討しましょう。

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221616 編集部

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