- この記事の目次 CONTENTS
- CO2削減に向けて、燃費の良い乗用車の注目度UP
- 世界でも電動化比率が高い日本
- 他の追随を許さない世界トップレベルの低燃費車
- 低燃費車の象徴
- 燃費だけじゃない!全方位スキなし
- 優れた走行性能と低燃費を両立
- 一世代前のモデルだが、未だ燃費は良好
- まとめ
国土交通省が燃費の良い乗用車ランキングを発表した。日本は世界と比べてもかなり燃費のよいクルマが多い。電気自動車化、ハイブリット化も他国よりはるかに普及しており、今後ますます注目が集まるだろう。今回は燃費に加え、各車の乗り心地や走行性能なども分析した。
CO2削減に向けて、燃費の良い乗用車の注目度UP
国土交通省が「燃費の良い乗用車」ランキングを発表した。2020年末時点で発売されている乗用車を、普通車(3ナンバー)と小型車(5ナンバー)で分類したランキングだ。
このランキングが残念なのは、分類がすこし大雑把なところである。排気量もボディサイズも異なるカテゴリーをひとまとめにしてしまうと、勝負にならないクルマが出てくるからだ。
燃費で比べると、軽くて小さいコンパクトカーが優勢になり、サイズや車重のあるカテゴリーはまずランクインしない。
おそらく、菅総理大臣の「2050年カーボンニュートラル宣言」の影響を受け、国土交通省はこのランキングを発表したと思われる。
この宣言は、「2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする」という内容だ。
いずれにしろ、CO2排出削減に向けた動きは、世界的にも加速するだろう。燃費の良い乗用車は、今後にますます期待されている。
世界でも電動化比率が高い日本
国土交通省によるエコカー減税などの効果により、日本はハイブリッド車などが普及し、クルマの電動化が進んでいる。
日本自動車工業会の発表では、電動車(ハイブリッド車、電気自動車、プラグインハイブリッド車、燃料電池車)の比率は、2020年で36%に達している。ドイツは25%、中国7%、アメリカは5%という状況だ。
クリーンディーゼル車を加えた枠組みだと、2020年の新車販売台数の内、約39%が次世代車、約61%が従来車と呼ばれるガソリン車などだ。
電気自動車などの比率は、今後さらに上がっていくだろう。日産は新型ノートにガソリン車を設定していない。また、ホンダも新型ヴェゼルではガソリン車を1グレードに絞り込んだ。トヨタもコンパクトカーのヤリスやヤリスクロスでガソリン車の設定を減らせば、電動化比率はさらに上がっていくだろう。
普通・小型自動車部門のランキングBEST5は以下の通り。燃費値はWLTCモードだ。
他の追随を許さない世界トップレベルの低燃費車
1位 トヨタ ヤリス 36.0㎞/L
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最新の高効率1.5Lハイブリッドシステムに加え、軽量・低重心の新プラットフォーム(車台)GA-Bが採用された。車重の軽さもあり、ライバル車の追随を許さない超低燃費性能を実現している。
こうした超低燃費車ながら、ヤリスハイブリッドの走行性能は非常にスポーティだ。重心の低さに加え、大きく重いリチウムイオンバッテリーを後席下付近に搭載した。これにより、前後の重量のバランスがよく、カーブでの走行安定性に優れている。乗り心地は、やや硬めだ。
低燃費車の象徴
2位 トヨタ プリウス 32.1㎞/L
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初代プリウスは、1997年に世界初の量産ハイブリッド車として登場した。これ以降、プリウスは低燃費車の象徴となった。世代を重ねる毎に燃費性能を高め、ハイブリッド車の普及に大きく貢献したモデルだ。
現行の4代目プリウスは、1.8Lハイブリッドシステムを搭載し、低重心化された最新プラットフォーム(車台)であるGA-Cを使用している。
従来のモデルとは異なり、スポーティな走行性能を得ている。乗り心地も良好だ。
プリウスは、ハイブリッド車に加え、プラグインハイブリッドとなるPHVも用意した。プリウスPHVは、家庭のコンセントなどを使用しバッテリーを充電する。この電力で約60㎞の距離を電気自動車として走行することが可能だ。電力が無くなれば、ハイブリッド車としてガソリンを使って走る。短距離移動が多いのであれば、ほとんどガソリンを使用しない生活も可能だ。電気自動車では、まだ航続距離に不安があると感じる人に向いている。
燃費だけじゃない!全方位スキなし
3位 トヨタ ヤリスクロス 30.8㎞/L
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ヤリスクロスはヤリスと同じプラットフォーム(車台)や1.5Lハイブリッドシステムを使用している。SUV化されて車重が重くなっているため、燃費はヤリス並みとはいかない。それでも、ライバル車とは比べ物にならないほどの超低燃費性能を実現している。
また、ヤリスと同じ軽量・低重心のGA-Bプラットフォームが採用されているため、SUVながらスポーティな走りが魅力だ。サスペンションもヤリスほど硬めな設定ではないので、非常に快適な乗り心地である。さらに、4:2:4分割可倒式リヤシートが用意されているなど、使い勝手面でも優れたモデルといえる。
優れた走行性能と低燃費を両立
4位 トヨタ カローラスポーツ 30.0㎞/L
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カローラスポーツは、プリウスと同じ最新のGA-Cプラットフォームや1.8Lハイブリッドシステムを使っている。プリウスの燃費である32.1㎞/Lと比べると、かなり燃費が悪く見える。実は32.1㎞/Lという数値は、燃費を良く見せるための特別なグレードが出している。装備も簡素化されていて、ほとんど買う人がいない。
売れ筋グレードの燃費は30.8㎞/Lと、ほぼ同等レベルになる。それでも燃費が若干悪いのは、車名にもある通りスポーツ性能を重視したためだ。
そのため、カローラスポーツの走りはかなり高いレベルにある。サスペンションは、快適な乗り心地を保ちながら、しっかりと路面をつかむ。路面追従性がよく、車両はとても安定している。スポーツと言う名は伊達ではない。
一世代前のモデルだが、未だ燃費は良好
5位 トヨタ アクア 29.8㎞/L
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アクアは、2011年に登場したモデルである。すでに、デビューから約10年となったロングセラーモデルだ。サイズ的には、ヤリスと同じBセグメントのコンパクトカーに属する。2011年デビューなので、ヤリスと比べるとすべての面で古さを感じさせる。燃費は、ヤリスより約20%悪い。
それでも5位に入ったのは、ハイブリッドシステムの優位性だけでなく車重の軽さが要因である。アクアはヤリスクロスと同等の重さなのだ。最新のライバル車より100㎏以上軽いことが、燃費のよさにつながっている。
ただし、乗り心地や走行性能面は、さすがに古さを隠せない。乗り心地は、ややゴツゴツとした粗い乗り味で、最新のヤリスやライバル車と比べてしまうと大きな差となっている。燃費はよいが、やや選びにくいモデルだ。
まとめ
国土交通省発表の「燃費の良い乗用車ランキング」を紐解いてみた。
菅総理大臣の「2050年カーボンニュートラル宣言」の影響で、CO2排出削減に向けた動きは、さらに加速するだろう。国産車は外車に比べて燃費のよいクルマが多く、さらに日本はハイブリット車や電気自動車の普及率も高まっている。
今後ますます低燃費のクルマの登場が期待できるし、国が普及の後押しをする可能性もある。引き続き注目していきたい。
ヤリスのカタログ情報
- 現行モデル
- 令和2年2月(2020年2月)〜現在
- 新車時価格
- 139.5万円〜269.4万円
ヤリスの在庫が現在85件あります
以下車両の保証内容詳細は画像をクリックした遷移先をご確認ください。