メルセデス・ベンツGLA新旧比較レビュー!都会派から本格派へ転身

自動車ニュース / ガリバー

2020.11.26

メルセデス・ベンツGLA新旧比較レビュー!都会派から本格派へ転身

※本記事内に安全装備への言及がありますが、安全装備には作動条件や限界があります。機能を過信せず、安全運転を心がけましょう。

メルセデス・ベンツGLA新旧比較レビュー!都会派から本格派へ転身

メルセデス・ベンツGLAの新旧比較レビュー。
CセグメントのコンパクトカーであるAクラスをベースに、メルセデス・ベンツのSUVラインナップのなかで最もコンパクトなモデルとして開発された、GLA。
都会派SUVとしての価値を提案したモデルである初代、そして正統派SUVとして開発され、優れた安全装備や悪路走破性を誇る2代目。
今回は、このコンセプトの異なる初代と2代目を内装・外装、安全装備面で比較評価する。

この記事の目次 CONTENTS
メルセデス・ベンツGLAの歴史・概要
コンセプト&外装デザイン&サイズ
安全装備
内装
走り、燃費、メカニズム
おすすめは初代GLA?それとも、2代目GLA?
新車値引き交渉のポイント
メルセデス・ベンツGLAの価格・スペック

ライター紹介

クルマ評論家 CORISM代表

大岡 智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員

メルセデス・ベンツGLAの歴史・概要

メルセデス・ベンツのSUVラインナップは、最初の文字がGLとなる。
そして、その次にくるアルファベットがクラスを表す。
通常のモデルは、Aクラス、Bクラス、Cクラス、Eクラスという順にボディサイズが大きくなっているので、GLAはSUVラインアップで最もコンパクトなモデルということになる。

そんな初代GLAは、2014年にデビューした。
CセグメントのコンパクトカーであるAクラスをベースとした、SUVである。

初代GLA

初代GLAは、都会派SUVとしての価値を提案したモデル。
全高は1,505mmと低く、スタイリッシュにまとめられた。
最低地上高は150mmとSUVとしては小さい数値で、量販グレードはFF(前輪駆動)だった。
オフローダーというよりは、ラフロードも走れるSUVテイストのコンパクトカーといった印象だ。
この初代GLAはSUVブームに乗り、国内で好調なセールスを誇った。

しかしグローバルでは、よりSUVらしい悪路走破性などを求められたようで、2代目GLAは初代とは異なるコンセプトで2020年6月に発売された。

2代目GLA

全長は初代GLAと同等程度だが、より高く、よりワイドなボディサイズとなった。
デザインも都会派SUVから、正統派SUV的にチェンジしている。
また、初代GLAはFFがメインだったが、2代目GLAの駆動方式は4WDのみの設定。
正統派SUVらしさを前面に押し出したグレード設定になっている。

コンセプト&外装デザイン&サイズ

軽快感ある都会派デザインの初代。重厚で力強さを感じさせる2代目

初代GLAは全高が低いこともあり、パッと見た瞬間はSUVとは思えないほど、スタイリッシュで都会的なデザインとなっている。
ベースとなっている3代目Aクラスのイメージが強い。
Aクラスより少し全高が高いこともあり、乗降性も良好だ。
ただ、力強くタフなSUVらしさという点では、少々物足りない印象もある。
SUVというより、ややワイルドなコンパクトカーという視点で見た方がしっくりくるかもしれない。

初代GLAの外装
初代GLAのフロントフェイス

そんな都会派の初代GLAのデザインとは、まさに真逆のテイストをもつのが2代目GLAだ。
初代GLAのボディサイズは、全長4,430×全幅1,805×全高1505mm。
これに対して2代目GLAのボディサイズは、全長が-15mmの4415mm、全幅は+30mmの1835mm、全高は+115mmの1620mmとなっている。
全高が非常に高くなったこと、そして全幅が広げられたことで、SUVらしいたくましいスタイリングになっている。
ベースモデルとなっているAクラスの面影もまったくなく、完全に独立したモデルに見えるのもポイントだ。

2代目GLAの外装
2代目GLAのフロントフェイス

このように、初代と2代目はまったく異なる方向性でデザインされているので、比較するのは難しい。
初代GLAのデザインは、未だに古臭さを感じさせない点はとても優れている。
SUVという視点ではなく、ラフロードも走れ、少しワイルドなテイストのコンパクトカーとしてなら、十分価値がある。

一方、2代目GLAはまさに正統派SUV的デザイン。
全長は短いものの、SUVらしい重厚感もあり、存在感もある。
週末のキャンプやアウトドアスポーツシーンなどで、映えるデザインだ。

安全装備

大きな差がついた予防安全装備とインフォテインメントシステム

初代GLAは、2014年デビューと設計がやや古いこともあり、予防安全装備に関してはやや物足りない。
自動ブレーキ自体は用意されているものの、対車両のみとなっており、重要な歩行者検知式自動ブレーキなどが用意されていないのだ。

発売当時、先行車が停止した場合に減速して停止する渋滞追従機能を備えた「ディスタンスパイロット・ディストロニック」や、ドアミラーの死角範囲をレーダーによってモニターして危険性を警告する「ブラインドスポットアシスト」などは、レーダーセーフティパッケージとして設定されていた。
しかし、年式やグレードにより標準装備だったり、オプションだったりとさまざまだ。
予防安全装備を重視するのであれば、少々選びにくい仕様となっている。

対して、最新モデルとなる2代目GLAは、歩行者検知式自動ブレーキはもちろん、高速道路などではウインカー操作をするだけで自動で車線変更してくれる機能など、世界トップレベルの予防安全装備を標準装備している。
安心して乗れるクルマに仕上がっている。

また、2代目GLAでは、AIを使った最新のインフォテインメントシステム、MBUX(メルセデス・ベンツ ユーザー エクスペリエンス)が採用されている。
「ハイ、メルセデス」と発話するとシステムが起動、「少し暑い」と普段の会話のように話しかけるとエアコンの設定を下げてくれるなど、車両設定やナビ、インフォテインメント機能が簡単に操作できる。
しかも、使いこむほどAIがより理解を深めていくので、より使いやすくなる。
こうした、最新のテクノロジーは、やはり新型GLAが上回る。

内装

クラシカルな雰囲気の初代、近未来感ある2代目

インテリアも、やや大きな差がついている。
初代GLAのインパネデザインは、広がり感あるオーソドックスなもの。
質感も高く、デザイン的にも高いレベルにある。

初代GLAの内装
初代GLAのメーター

一方、2代目GLAは、近未来感あるインパネデザインに仕上げている。
メーターが液晶化されており、2つの10.25インチ液晶モニターを並べ、知りたい情報を自在に表示する。

2代目GLAの内装
2代目GLAのメーター

こうした装備の進化もあり、インテリアはやはり2代目GLAが初代GLAを圧倒する。

ただ、インフォテインメントシステムや液晶メーターなどにはそれほど興味がなく、むしろシンプルでクラシカルな方がよいというのであれば、初代GLAという選択も悪くない。

走り、燃費、メカニズム

軽快感では初代、総合力では2代目

初代GLAの後期モデルには、1.6Lターボの122ps&200Nmを搭載したGLA180(FFのみ)と、2.0Lターボで出力違いの184ps&300NmのGLA220 4マチック(4WDのみ)、211ps&350NmのGLA250 4マチック(4WDのみ)の計3タイプのガソリン車が用意されていた。
燃費は、GLA180が16.4km/L、GLA220が13.1km/L、GLA250が14.2km/L(いずれもJC08モード値)。
ややデビューが古いのだが、燃費はまずまずといった数値になっている。

初代GLAのエンジン

街中での走行が中心なら、1.6Lターボでも十分な印象だ。
ある程度余裕が欲しいというのであれば、2.0Lターボという選択になる。
価格との力強さのバランスでみると、GLA220 4マチックがベストだ。

最終モデルでは、GLA180が422万円。
GLA220 4マチックが476万円となっている。
GLA250 4マチックは、543万円と少々高価だ。

対する2代目GLAは、初期導入直後ということもあり、かなり割り切ったグレード設定がされていて、GLA220d 4マチックの1グレード設定となっている。
エンジンは2.0Lディーゼルターボで、出力は150ps&320Nm。
価格は、502万円。
燃費は16.5km/L(WLTCモード)なっている。

2代目GLAのエンジン

320Nmものトルクがあるので、十分に余裕があるクルージングが楽しめる。
燃費も良好。ディーゼルなので、燃料は軽油を使用する。
ハイオクガソリンを使用する初代GLAと比べると、30円/Lも燃料費が安くなり、燃費もよいので燃料費は大幅に少なくなる。

走行性能も、都会派SUVと正統派SUVとコンセプトが異なるモデルとあって、まったく異なる。

まず、初代GLAは全高の低いSUVということもあり、軽快感のある走りを披露する。
少し背の高いハッチバック的だ。
1.6Lターボ車のGLA180は市街地などでは不満はないが、高速道路などではもう少しパワーやトルクが欲しいと感じる。
GLA180はFFモデルで、しかも最低地上高は150mmと小さい。
SUVだがオフロードでの走行は難しく、あくまでラフロード程度と考えておいた方がよい。
ただ、その分、オンロードでの軽快さや乗り心地の良さを誇る。

2.0Lターボ系のGLA220とGLA250は非常に力強く、高速道路などでのクルージングでも余裕がある。
こちらも最低地上高は150mmと小さいのだが、4WDなのでオフロードでも意外なほどの走破性を誇る。
ただし、最低地上高150mmの制約は大きく、ハードなオフロードや雪深い道での走破性はあまり期待できない。

初代GLAの運転席

こうした初代GLAとは、真逆ともいえるのが2代目GLAだ。
2代目GLAの最低地上高は、202mmへと大幅に拡大。
これにより、初代GLAでは走行できなかったようなオフロードも余裕で走破できるようになった。

さらに2代目GLAには、Off-Roadエンジニアリングパッケージを装備。
「Off-road」モードが追加され、ABSも専用セッティングとなることで、滑りやすい路面で力強いトラクションを発揮してくれる。
またメーター内には、勾配、傾きなどをリアルタイムで表示するオフロードスクリーン機能も装備されている。
悪路走破性能という面では、2代目GLAの圧勝だ。
しかし、失ったものもある。
最低地上高と全高を上げたことによる重心高のアップや車重の増加により、初代GLAのような軽快感や乗り心地のよさを失った。

2代目GLAのパワーユニットは、2.0Lのディーゼルターボのみ。
320Nmという大トルクをもつので、高速道路などだけでなく悪路でも大きなメリットになる。
ただ、ディーゼルターボ車なので仕方のないことかもしれないが、高回転でのパンチがなく実用車的なフィーリングだ。

2代目GLAの運転席

初代か2代目かは、GLAというクルマに何を求めているのかで選択が異なる。

おすすめは初代GLA?それとも、2代目GLA?

都会派SUVか?正統派SUVか?好みで決まる

基本的に、歩行者検知式自動ブレーキなどの予防安全装備や、AIを使ったインフォテインメントシステム、液晶メーターなどの部分に関しては、設計が新しい2代目GLAの圧勝だ。
こうした部分を重視するのであれば、2代目GLAという選択肢になる。
しかし、これらにあまり興味がないのであれば、初代GLAという選択も出てくる。

そもそも、初代と2代目はキャラクターが大きく違う。
ゆえに、自分がGLAに何を求めているかで選択が異なる。

「いかにもSUVというデザインで、悪路走破性を重視したい」というのであれば、2代目GLAになる。悪路走破性能面では、最低地上高が202mmある2代目GLAが圧倒的に有利だ。

ところが「悪路走破性はそこそこで十分」というのであれば、初代GLAがよい。
最低地上高が150mmと小さいことや全高が低いここともあってボディも軽いので、軽快さでは2代目GLAを上回る。
山道などでは、初代GLAの方が楽しく走れる。

使い勝手面では、2代目GLAが勝る。
最小回転半径は5.3mに収まっていて、日本の狭い道や駐車場でも扱いやすい。
初代GLAは、都会派SUVなのに最小回転半径は5.7mと大きい。
この数値は、大型ミニバンのトヨタ アルファード並み。
コンパクトSUVなのに、少々扱いにくい数値になっている。

価格面で見ると、人気SUVなのでやや高めながら、初代GLAの中古車相場は順調に下がっている印象だ。
2014年式だと160~250万円程度が相場となっている。
新車当時なら459万円のGLA250が、160万円台から手に入るようになってきている。
人気モデルがこの価格であれば、かなり買い得感がある。
高年式だと2017年式で240~320万円位が相場になってきている。
2代目GLAが出たこともあり、相場は下落傾向にあるようで、そろそろ買い時といえるだろう。

新車値引き交渉のポイント

納期が長くなる傾向もあり、しばらく値引きゼロベース

メルセデス・ベンツの人気コンパクトSUVということもあり、初期の受注は好調な2代目GLA。
初期の輸入車両が、ひと通りはけた後は、コロナ禍ということもあり長い納期になっているようだ。
こうなると、値引き云々ではない状態。しばらくの間は、値引きゼロが続くだろう。

ただ、GLAの姉妹車であるGLBの人気が高いようで、納期がある程度解消されてくれば、GLAの値引きが大きくなる可能性は高い。

輸入車の場合、在庫車があれば値引きしてでも売る可能性高くなるので、しばらく待つのが得策だ。
長期在庫になっている車両であれば、驚くほどの値引き額が提示されることもある。

輸入車とはいえ、やはりしっかりとライバル車と競合させることが重要。
2代目GLAのライバル車は、BMW X1やアウディQ3など。レクサスUXなどを加えるのもよい。

まず、先にX1やQ3などの見積りを取ってから、GLAの商談に向かいたい。
これは、あくまでもライバル車が本命であり、GLAは通りがけに見に来た程度だと思わせるため。
商談中は「ライバル車が思ったより高くて…、もう少し安くなるといいのだけど…」と、ライバル車よりGLAが安くなるなら、買うかもしれないという期待感を営業マンに感じさせるとより効果的だ。
商談期間は長くとり、ジックリジワジワと値引きを引き出していくといいだろう。

もし、しばらく購入を待てるというのであれば、1年くらい待つのもよい。
輸入車ディーラーはノルマをクリアするために、自社名義で登録してしまうことがよくある。
こうして一度登録されてしまった車両は、未使用車として中古車店で驚くほど安い価格で販売される。
グレードや色などを多少妥協すれば、お買い得感のある買い物になる。
頻繁に中古車サイトなどで探してみるとよい。

メルセデス・ベンツGLAの価格・スペック

  • GLA 200 d 4MATIC:5,020,000円
代表グレード GLA 200 d 4MATIC
ボディサイズ 全長4,415×全幅1,835×全高1,620 mm
ホイールベース 2,730mm
トレッド 前1,590mm 後1,595mm
最低地上高 202mm
タイヤサイズ前後 235/55R18
最小回転半径 5.3 m
車両重量 1,710 kg
エンジン 直4 DOHCディーゼルターボ
排気量 1,949 cc
最高出力 110kW(150ps)/3400rpm
最高トルク 320N・m(32.6kgf・m)/1400rpm
WLTCモード燃費 16.5㎞/L
トランスミッション 8速AT
駆動方式 4MATIC(4WD)