キープコンセプトとなった2代目ハスラー
スズキは、ハイト系ワゴンセグメントに属する人気クロスオーバー軽自動車「ハスラー」をフルモデルチェンジし発売を開始した。今回のフルモデルチェンジで、ハスラーは2世代目となった。
新型2代目スズキ ハスラーのコンセプトは「もっと遊べる!もっとワクワク!もっとアクティブな軽クロスオーバー」だ。
コンセプトはともかく、デザインや機能など、完全にキープコンセプトだ。
初代ハスラーが大ヒットしたモデルなので、大きな変更はリスクが高い。しかし、初代ほど目新しさが無い点は、残念なポイントだ。
2代目ハスラーの外観デザインは、初代ハスラーの角を丸くしたスクエアなシルエットに、丸型ヘッドライトの組み合わせを継承。
ただ、今回はフード高を高めに設定。ヘッドライトも大型の丸型にした。
また、アンダーガードやフェンダーガードといったデザインも、より迫力のあるものとなっている。
こうした変更が加えられたことで、2代目ハスラーの顔は大きく見え、全体的に迫力が増している。
初代ハスラーは、やや線が細く可愛らしい女性感があったが、2代目ハスラーはタフさが際立ち男らしさを感じるデザインになっている。
ボディカラーは、2トーンカラーをメインに、ガンメタリックの2トーンが3色、ホワイトの2トーンが2色、モノトーンが5色の計11色の豊富なカラーバリエーションを持つ。
個性を重視し過ぎた?コッテリ系インパネデザイン
2代目ハスラーのインテリアは、タフで機能的、遊び心を刺激する先進的でワクワクするデザインを目指した。
こうしたコンセプトを象徴しているのが、3連のインパネカラーガーニッシュだ。ボディカラーによって、オレンジやブルー、ホワイトなどのインパネカラーガーニッシュが組み合わされる。
このインパネカラーガーニッシュ、たしかに個性的で力強さを感じさせる。しかし、逆に奇をてらい過ぎた感じもあり、ゴチャゴチャした印象を与えている。
そして、ナビは高画質の大型9インチHDディスプレーを採用。視認性は良好だ。
また、スマートフォンとの連携も強化。Apple CarPlay、Android Autoに加え、汎用性の高いSmartDeviceLinkにも対応している。
使い勝手面では、後席の背面やラゲッジフロアは汚れを拭き取りやすい素材を採用。荷室下には防汚タイプのラゲッジアンダーボックスを設置した。
ボックスは取り出して洗うことができ、汚れたものの収納にも便利だ。アウトドアスポーツなどで、汚れを気にせずガンガン使える仕様となっている。
そして、室内スペースは、スズキの新世代のボディ設計技術である「HEARTECT(ハーテクト)」を採用。
先代ハスラーと比べてホイールベースを35mm延長し、後席乗員の足元空間をより拡大。
前席は左右乗員間距離を30mm拡大し、より広い室内空間を実現した。
クラストップレベルの乗り心地と静粛性
2代目ハスラーは、強固で軽量なボディを目指した。超高張力鋼板や高張力鋼板を効果的に使うことで、ボディの軽量化と高剛性を両立させている。
さらに、バックドア、センターピラー、サイドドアでそれぞれ「環状骨格構造」とすることで、ボディ全体で剛性を高めている。
また、ボディのスポット溶接部に「構造用接着剤」をスズキとして初採用。構造用接着剤を使うことで、部品間のわずかな隙間を埋めることが可能になり、ボディの高剛性化に貢献する。
高剛性ボディにより、サスペンションをよりしなやかに動かすことができ、乗り心地が向上している。
静粛性を高めるために、こもり音や雨音を低減する「高減衰マスチックシーラー」を軽自動車で初採用。吸音・遮音材も効果的に配置した。
こうした技術の投入により、2代目ハスラーはクラストップレベルの乗り心地・静粛性を誇るモデルになっている。
また、初代ハスラーから、見た目だけでなく悪路走破性にもこだわっている。
最低地上高は180mmを確保。さらに、アプローチアングルを1度拡大。デパーチャーアングルを4度拡大し、優れた悪路走破性をさらに進化させている。
そして、最小回転半径は4.6m。狭い道や駐車場など、取り回しの良さはしっかり確保されている。
4WDシステムには、雪道やアイスバーンでのスムーズな発進をサポートする「スノーモード」を新採用。ぬかるみや滑りやすい路面で発進をサポートする「グリップコントロール」、急な下り坂で車速を約7km/hで維持する「ヒルディセントコントロール」と合わせて4WD車に標準装備した。
相変わらず全車標準装備化されない予防安全装備
2代目ハスラーには、予防安全装備をパッケージ化した「スズキセーフティサポート」が用意されている。
ただし、相変わらず標準装備化は見送られている。
クルマは扱い方を誤れば、人を殺すことがある道具だ。こうした道具を売り利益を出している自動車メーカーは、交通事故を未然に防ぐための機能を積極的に標準装備化する社会的責任がある。安全なクルマと安全ではないクルマを並行して売るという姿勢は、社会的責任を果たしていない。
2代目ハスラーに装備された歩行者検知式自動ブレーキは、やや進化し夜間の歩行者を検知できるようになった。ただ、自転車検知もできる自動ブレーキがドンドンと増えているので、夜間の歩行者検知だけでは少々物足りない。
その他の安全装備は、誤発進抑制機能、車線逸脱警報機能、ふらつき警報機能、ヘッドランプのハイビーム /ロービームを自動で切り替えるハイビームアシスト、一時停止標識の認識を追加した標識認識機能を採用している。
また、比較的ユニークな機能として、後方の障害物を検知し衝突の危険性が高まると自動ブレーキが作動する「後退時ブレーキサポート」を採用した。
そして、自車周辺を真上から俯瞰的に見たような映像をモニターに映し出す全方位モニターも用意。
障害物などがひと目で確認できる便利な機能だ。自車の前方および後方で左右から人などが近づいてくることを知らせする「左右確認サポート機能」も搭載している。
運転支援機能として、スズキの軽自動車としては初採用となる「アダプティブクルーズコントロール(ACC、全車速追従機能付き)をターボ車に設定。車線逸脱抑制機能もスズキの軽自動車として初採用している。
なんと、新開発エンジン&CVTまで投入
2代目ハスラーのモデルチェンジは、かな気合が入っていて、新開発のエンジンとCVTも投入された。
R06D型と呼ばれる新開発自然吸気エンジンは、低速から中高速までの実用速度域で優れた燃費性能と軽快な走りを両立。全車、マイルドハイブリッドシステムが組み合わされている。
このエンジンは、スズキの軽自動車初のデュアルインジェクションシステムと、クールドEGR(排気ガス再循環装置)を採用している。
同時にCVTも新開発された。
軽量化と高効率化を追及。低中速域でのスムーズな走りを得るとともに、高速域ではハイギヤード化により燃費性能と静粛性を向上させている。
その結果、2代目ハスラーの燃費は、自然吸気エンジン車が25.0㎞/L(WLTCモード)、ターボ車が22.6㎞/Lを達成。クラストップレベルの燃費値となっている。
スズキ ハスラーの選び方
2代目ハスラーのグレード体系はシンプルだ。
自然吸気エンジンの搭載車がGとXの2グレード、ターボ仕様エンジンの搭載車がGターボとXターボの2グレードの設定となっている。
Gには、予防安全装備であるスズキセーフティサポート非装着グレードがある。
この5グレードすべてにFF(前輪駆動)と4WDの設定があり、計10グレードになる。
まず、選択肢から外したいのが、Gのスズキセーフティサポート非装着グレード。今時、予防安全性を無視したグレードを選んではいけない。
このグレードを外すと、選択肢は8グレードになる。
価格はGの2WD車が1,365,100円からで、最上級グレードとなるXターボが1,746,800円。
自然吸気とターボの価格差は10万円弱。
街中しか使わないというのであれば、自然吸気エンジンでも良いのだが、ターボ車の力強さも魅力的だ。予算に余裕があれば、積極的にターボ車を選びたい。
X系とG系の装備差は、LEDヘッドランプ&LEDポジションランプ、本革巻きステアリングホイールシフトノブ、インテリア回りの各種加飾、プレミアムUV&IRカットガラス(フロントドア)、IRカット機能付きフロントガラス、運転席シートバックポケット、15インチアルミホイールなど。
女性なら、日焼け防止効果があるプレミアムUV&IRカットガラスを装備したX系がおすすめだ。また、X系のターボモデルの静粛性は非常に高いので、X系ターボモデルがイチオシになる。
FFと4WDの選択は、やはり降雪地域に住んでいたり、ウインタースポーツを好むユーザーは4WDがよい。ハスラーは走破性にもこだわったモデルなので、その性能を十分に堪能できる。
スズキ ハスラー価格、燃費などスペック
・HYBRID G 2WD:1,365,100円/4WD:1,499,300円
・HYBRID Gターボ 2WD:1,459,700円/4WD:1,593,900円
・HYBRID X 2WD:1,518,000円/4WD:1,652,200円
・HYBRID Xターボ 2WD:1,612,600円/4WD:1,746,800円
スズキ ハスラー燃費、ボディサイズなどスペック
■代表グレード ハスラーX HYBRID FF(前輪駆動)
・ボディサイズ:全長(mm) 3,395 全幅(mm) 1,475 全高(mm)1,680
・ホイールベース(mm):2,460
・最低地上高(mm):180
・車両重量(kg):820
・乗車定員(名):4
・燃費(km/L):25.0(WLTCモード) 30.4(JC08モード)
・最小回転半径(m):4.6
・エンジン:型式 R06D型 直列3気筒 DOHC12バルブ
・総排気量(L):0.657
・最高出力(kW/rpm) 36<49PS>/6,500
・最大トルク(N・m/rpm) 58<5.9kg・m>/5,000
ハスラーのカタログ情報
- 現行モデル
- 令和2年1月(2020年1月)〜現在
- 新車時価格
- 128.0万円〜197.2万円
ハスラーの在庫が現在476件あります
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