CX-30 vs 三菱エクリプスクロス徹底比較!人気CセグメントSUV対決

マツダCX-30と三菱エクリプスクロスを徹底比較。
燃費性能、価格、デザイン、車内空間、安全装備、走行性能など様々な角度から調査した。
CX-30は見た目は都会派だが、総合力の高いSUV。エクリプスクロスは悪路走破性が高く、4WD機能を楽しめるモデルとなっている。

この記事の目次 CONTENTS
CX-30の特徴
エクリプスクロスの特徴
1.燃費比較
2.価格比較
3.購入時の値引き術
4.デザイン比較
5.室内空間と使い勝手
6.安全装備の比較
7.走行性能の比較
8.リセールバリュー比較
9.まとめ・総合評価

ライター紹介

クルマ評論家 CORISM代表

大岡 智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員

マツダCX-30は、2019年に発売された新型SUVだ。
先に発売されていた、セダン・ハッチバックのマツダ3がベースとなっている。
CX-30のボディサイズは全長4,395mm×全幅1,795mm×全高1,540mm。
全長4.4m前後のモデルは、Cセグメントと呼ばれるクラスに属する。
CセグメントのSUVは、世界的に高い人気を誇っており、世界中のメーカーが優れたモデルを投入している激戦区だ。
マツダにとっても、このCX-30は世界戦略車として、非常に重要なモデルなのだ。

ボディサイズとして注目したいのは、全高が1,550mm以下であること。
これは、国内の都市部に多い立体駐車場の全高制限だ。
マンションなどでこうした駐車場を使う顧客も、CX-30なら人気のSUVに乗れる。
また、都市部への移動時も、入れない駐車場が大幅に減るので便利だ。

そして、CX-30にも従来通りマツダのデザインコンセプト「魂動デザイン」が採用された。
ただマツダ3から、やや方向性が変化しており、シンプルな面を生かしたデザインになっている。

CX-30

CX-30に搭載されたエンジンは3タイプ。
2.0L自然吸気ガソリンエンジン、1.8Lディーゼルターボ、そして世界初となるマツダ独自の燃焼方式「SPCCI(Spark Controlled Compression Ignition:火花点火制御圧縮着火)」が採用されたガソリンエンジンSKYACTIV-Xだ。

一方、三菱エクリプスクロスは、2018年3月に登場した新型車だ。
ひとクラス上のSUVであるアウトランダーのプラットフォーム(車台)をベースに、全長を縮めている。

エクリプスクロスのボディサイズは、全長4,405mm×全幅1,805mm×全高1,685mm。
CセグメントのSUVに属する。
全長は短いものの、ワイドで背が高いこともあり、なかなか大きく見える。

エクリプスクロス

フェイスデザインは、三菱のデザインアイコンでもある「ダイナミックシールド」を採用。
力強い台形グリルと薄型のLEDヘッドライトの組み合わせは、SUVで人気の押し出し感重視の迫力系だ。

エクリプスクロスに搭載されたエンジンは2タイプ。
1.5Lガソリンターボと2.3Lディーゼルターボとなる。

エクリプスクロスのガソリン車には、FF(前輪駆動)車が用意されているが、やはり三菱車ということもあり4WD車が注目される。
電子制御4WDをベースに、三菱の車両運動統合制御システム(S-AWC)と組み合わせ、優れた悪路走破性と走る楽しさを実現している。

今回は、そんな人気CセグメントSUVを徹底比較評価する。

CX-30の特徴

デザインへのこだわりが細部にも宿る

CX-30は、マツダ3の派生車ともいえるモデルで、プラットフォーム(車台)などを共通化している。
コストを抑え、より安く提供するということであれば、外観を少し変更した程度に抑え、SUV化するケースも多い。
ところがCX-30は、内外装デザイン共に、マツダ3とは全く異なる。
これは、CX-30がマツダ3の派生車ではなく、別のモデルであることを強くアピールしている。

だが、その分コストは当然アップし、価格もアップする。販売面ではプラスとはいえない。
それでも独自性を高める理由は、こだわりを持ってCX-30を選んだ顧客の満足度だ。
とくに、デザインへのこだわりは強い。
細部に渡りCX-30専用デザインとした結果、CX-30のデザインや質感などはクラストップレベルといえるものになった。
マツダ3の派生車とは言わせない、という強い想いを感じる。

CX-30

エクリプスクロスの特徴

意のままに走る4WDシステム「S-AWC」

エクリプスクロスのガソリン車には、FF(前輪駆動)も用意されているが、やはり売れているのは4WDモデルだ。
これは、多くの顧客が三菱の4WD性能に大きな信頼を寄せているからだ。

エクリプスクロスの4WDは電子制御式。
これに、三菱独自のS-AWC(車両運動統合制御システム)が組み合わせられている。
悪路での走破力はもちろんのこと、オンロードでも意のままに走る制御が行われている。
ドライブモードは3種類設定。
グラベルモードを選択し、トラクションコントロールなどをオフにすると、悪路などではドリフト走行も楽しめるほどだ。
なかなか走りの質が高いモデルといえる。

エクリプスクロス

1.燃費比較

CX-30の評価は4点
エクリプスクロスの評価は4点

燃費では、クラストップレベルとなるディーゼル車をもつCX-30

CX-30の燃費は、2.0Lガソリン(4WD、AT)が14.8㎞/L(WLTCモード)。
1.8Lディーゼルが18.4㎞/Lとなっている。
マツダ独自の燃焼方式「SPCCI(Spark Controlled Compression Ignition:火花点火制御圧縮着火)」を実用化したスカイアクティブXは、2020年1月以降の発売で燃費値は非公表。
マツダ3をベースに予測すると17.0㎞/L前後になるかもしれない。
ただスカイアクティブXは、ハイオクガソリンを使用することから、ガソリン車より少し燃費が良いとしても、燃料費が高くなる分、経済性面では少々物足りないだろう。

CX-30のエンジン

エクリプスクロスの燃費は、1.5Lターボが14.0㎞/L(JC08モード)、2.3Lディーゼが14.2㎞/L(WLTCモード)となっている。

ガソリン車同士の比較では、エクリプスクロスの最大トルクは240Nmもあることを勘案すると、同等レベルといったところ。
ディーゼル比較では、1.8Lと排気量の小さなCX-30が圧倒している。
ただ、最大トルクはCX-30が270Nmなのに対して、エクリプスクロスは380Nmもあり、この最大トルク差をどう考えるかがポイントだろう。

エクリプスクロスのエンジン

2.価格比較

CX-30の評価は3.5点
エクリプスクロスの評価は3点

エントリーグレードのコスパが高いCX-30。やや割高なエクリプスクロス

CX-30のエントリーグレード20Sは、2,392,500円。
エクリプスクロスのエントリーグレードMは、2,586,100 円となった。
約20万円弱もの差となっている。

エクリプスクロスはターボエンジンを搭載するため、ややコスト高になるとはいえ、装備差を含めるとCX-30のコストパフォーマンスは優れているといえる。
エクリプスクロスには、前走車追従式クルーズコントロールや後側方車両接近警報などが装備されていないが、CX-30はこうした装備が標準装備化されている。
エクリプスクロスのMはやや装備が物足りなく選びにくいが、CX-30は十分に納得できるレベルになっている。

ディーゼル車のエントリーグレードを比較すると、CX-30 XDプロアクティブは3,124,000円(4WD)。
エクリプスクロスMは、3,118,500円となった。
ほぼ、互角といった価格だ。
ディーゼル車もガソリン車同様で、エクリプスクロスには前走車追従式クルーズコントロールや後側方車両接近警報などが装備されていない。
CX-30は標準装備化されているので、コストパフォーマンスに優れる。
ただCX-30は1.8Lなのに対して、エクリプスクロスは2.3Lと排気量分の差をどう考えるかがポイントになる。

3.購入時の値引き術

CX-30の評価は2点
エクリプスクロスの評価は4点

値引きは期待できないCX-30。大幅値引きの期待大なエクリプスクロス

デビュー直後の新型車なので、CX-30の値引きはほぼゼロベースといえる。
しかも、マツダはどのモデルも値引きせずに売る姿勢を崩していないので、値引き商談はかなり厳しい戦いになる。

だからといって、何もしなければ本当に値引きゼロになるので注意したい。
少ないなりに値引きやオプションや用品値引きを引き出すためには、商談時にライバル車と競合させることが重要だ。

ポイントは、CX-30が本命ではないと思わせること。
先に、ライバル車であるスバルXVやトヨタC-HRなどの見積りを取っておき、ライバル車の見積りを先に取ってあることを営業マンに伝えることが重要だ。
ライバル車が本命で、CX-30は対抗だと理解させたい。
こうすることで、営業マンはライバル車を倒すためには、多少値引きしてでも契約を勝ち取りたいと思うはずだ。

エクリプスクロスの値引きも同様。
そもそも、エクリプスクロスはCMも少なく認知度が低い。しかも、三菱の店舗数も少ない。
そんな三菱車をわざわざ探して買いに来るということは、指名買いの顧客と認識するからだ。
指名買いとなれば、必ず買うのだから値引きする必要はないと考えるのは当然だ。
こう思わせないためにも、CX-30やC-HRなどのライバル車の見積りが必要。
あくまで「ちょっと寄ってみただけ」くらいの感じで、商談するといいだろう。
エクリプスクロスはやや高値傾向なので、「値引き次第では買ってもいいかも」という曖昧な感じで、大幅値引きが前提であることを理解させるといいだろう。

4.デザイン比較

CX-30の評価は4.5点
エクリプスクロスの評価は4点

都会派ビューティ系のCX-30。タフネス&スポーティ系のエクリプスクロス

CX-30は、マツダのデザインコンセプトである「魂動デザイン」が継続採用されている。
ただ、マツダ3から方向性がやや変化した。
シンプルな造形と光の移ろいにより、美しさをアピールする手法となっている。
全体的に凛とした雰囲気をもち、ボディの映り込みや光の入り方により、複雑に表情を変えて魅せるユニークなデザインとなった。
SUVというと、オフローダー的でタフネスさをアピールするモデルが多いが、CX-30にはそれが無く、とても洗練された都会派といった印象だ。

CX-30のフロントフェイス

ただ単にデザイン性を追い求めただけでなく、デザインに機能を持たせた点も特徴。
一般的にクーペのように後方に向かって流麗なルーフラインを描くと、どうしても後席のヘッドクリアランスが小さくなり圧迫感がある。
しかし、CX-30ではCピラー部分のデザインを工夫し、流麗さを担保しながら後席のヘッドクリアランスも十分に確保した。

CX-30の後席

エクリプスクロスは、三菱のデザインアイコンでもある「ダイナミックシールド」をベースに、薄型LEDヘッドライトをプラス。
押し出し感と睨みの効いた、迫力あるフェイスに仕上げている。
エッジの効いたスポーティなキャラクターラインは、スポーティさを感じさせる。
オンロードでのキビキビ感も表現している。

エクリプスクロスのフロントフェイス

内装はセンターコンソールを太くし、タフネスさをアピールする定番の手法が用いられた。

エクリプスクロスの内装

このように、CX-30とエクリプスクロスのデザインは、かなり方向性が異なっている。
こうなると、自分がどちらの方向性に共感するかが、選択のポイントになる。
街乗りが中心で、街中で映える美しいクルマに乗りたいというのであればCX-30。
オン・オフ問わず、気持ちよく走れるスポーティなSUVというのであれば、エクリプスクロスという選択になるのだろう。

5.室内空間と使い勝手

CX-30の評価は3.5点
エクリプスクロスの評価は3.5点

ほぼ同等の室内。エクリプスクロスのリヤシートまわりの使い勝手は〇

CX-30とエクリプスクロスのボディサイズは、全高を除き、ほぼ同等レベル。
室内スペースそのものは、ほぼ同等レベルといったところ。
CX-30は全高が低いのだが、意外にパッケージングに優れていて、全高の高いエクリプスクロス並みのヘッドクリアランスがある。

差がついた部分は後席。
エクリプスクロスは、CX-30に対して、ホイールベースが15mm長い2,670mmとなった。
エクリプスクロスの方が、やや余裕がある印象だ。
また、使い勝手の面でも差がある。
エクリプスクロスの後席は200mmのロングスライドが可能。
さらに、9段階のリクライニング機能もある。

エクリプスクロスの後席

荷室容量は、CX-30が430L。
エクリプスクロスは、後席を最後端にすると374L。最先端すると448Lとなる。
後席を最後端にすると荷室容量は374Lになってしまうので、実質的にはややCX-30が優位といったところだろう。

CX-30の荷室
エクリプスクロスの荷室

そして、CセグメントのコンパクトSUVならば、機動性も重要になる。
駐車場やUターン時の小回り性能の指標になる最小回転半径は、CX-30が5.3mで、エクリプスクロスが5.4m。
両車ともに、小回りが得意とは言えないが、まずまずの数値だ。

6.安全装備の比較

CX-30の評価は4.5点
エクリプスクロスの評価は2.5点

クラストップレベルの安全装備を全車標準装備したCX-30は高評価!

自動ブレーキは、義務化の流れにある。当然の流れだ。
そもそも、クルマは扱い方を間違えると人を傷つけてしまうことがある道具だ。
現在のように、安価な価格で命を守ることができる自動ブレーキがあるのであれば、自動車メーカーは社会的責任として積極的に予防安全装備を標準装備化すべきだ。

マツダは、こうした安全に対して真摯に取り組んでいる。
CX-30には、歩行者検知式自動ブレーキは当然のことだが標準装備化。夜間の歩行者、昼間の自転車にも対応している。
また、他社ではオプションになるような、後側方車両接近警報や後退時車両接近警報などの予防安全装備も標準装備だ。
しかし評価すべきは、グレード間で安全装備の差がないこと。
お金をたくさん出して上級グレードを買った人は安全、そうでない人は危険、というクルマの売り方をしていない。
一定の安全性能は、グレード間で差をつけるべきではない。
すべてのユーザーに、一定の安全性能を担保するという点では、自動車メーカーとしての社会的責任を果たしている。
CX-30は、どのグレードを買っても安心できる。

そうした視点から見ると、エクリプスクロスはまだまだ物足りない。
エントリーグレードのMには、後側方車両接近警報や後退時車両接近警報が選択不可。
中間グレードのGでオプション設定となる。
また、歩行者検知式自動ブレーキも夜間に対応しておらず、自転車検知もできない。
歩行者事故は夜間に多いことから、自動ブレーキのバージョンアップが必要だ。

7.走行性能の比較

CX-30の評価は4点
エクリプスクロスの評価は4.5点

乗り心地が少々微妙なCX-30。4WD制御が絶妙で走りが楽しいエクリプスクロス

CX-30の2.0Lガソリンエンジンは、156ps&199Nmをアウトプット。
高回転域では、ややノイジーだが十分なパワーとトルクをもつ。
力強いとはいえないものの、通常の使い方なら十分だ。

1.8Lディーゼルは116ps&270Nmとなる。
低中速域での力強さは、やはりディーゼル車。わずかなアクセル操作で、グイグイと車速を上げていく。
高速道路などと相性がよく、気持ちよくクルージングできる。
トルクがあるので、アクセルの開閉量が少なくても十分加速するので、実燃費も良好だった。

ただ、実用性の高いエンジンなのだが、エモーショナルな部分に欠ける。
アクセラに搭載されていた2.2Lディーゼルのような、刺激的な走りをみせるようなパワーユニットも欲しいところだ。

CX-30のリヤサスペンションは、トーションビーム式だ。
アクセラのマルチリンク式と比べると、グレードが落ちるサスペンション形式になる。
トーションビーム式は、コストを抑えることが可能だが、色々工夫をしているものの、やはり物理的に路面追従性面ではマルチリンク式に劣る。
そのため、CX-30もマツダ3よりは若干よくなっているが、凹凸の大きい荒れた道では、少々ドタバタした乗り味になっている。

このCセグメントSUVのライバル車は、C-HRやXVがトーションビーム式より優れるダブルウィッシュボーン式、エクリプスクロスはマルチリンク式を使用。
物理的な乗り味という点では、やはりCX-30は不利な傾向になる。

ハンドリング面では、マツダの車両挙動制御技術であるGVC+(Gベクタリング・コントロール・プラス)が大きな役割を果たす。
コーナーリング時の姿勢が非常によく、カーブがスムーズに気持ちよく曲がれるのだ。
ドライビングが上手くなったような気持ちにしてくれる制御だ。
滑りやすい路面や、急ハンドル時の車両安定性も高められている。

都会派SUVであるCX-30だが、悪路走破性にもこだわった。
最低地上高は175mmと十分な数値だ。
CX-30の4WD車には、オフロード・トラクション・アシストを装備。
片輪が浮くような悪路では、トラクション・コントロール・システム(TCS)との協調制御で、タイヤの空転を抑制。優れたトラクション性能を発揮する。

CX-30の運転席

一方、エクリプスクロス1.5Lガソリンターボエンジンの出力は、150ps&240Nmを発揮。
やや、アクセル操作に対して緩慢な部分はあるものの、なかなか力強い加速力を誇る。
ミッションは8速設定のCVT。スムーズさとスポーティさを両立している。

2.3Lディーゼルターボの出力は、145ps&380Nm。
このディーゼルエンジンは、やや控えめなスペックだ。
同等レベルの排気量をもつ他社のエンジンだと、出力170ps&400Nmオーバーが平均的だ。
とはいえ、CセグメントのSUVで380Nmのトルクは力強い。
こちらも、ややターボラグを感じるが、元々の排気量が2.3Lもあるので、ストップ&ゴーを繰り返しても、あまり扱いにくさは感じなかった。

ディーゼルエンジンは、ガソリンエンジンより重いため、カーブでの軽快感という部分では、やはりガソリン車に軍配が上がる。
軽快な走りを求めるのであれば、ガソリン車がよいだろう。
ただし高速巡行などでは、ディーゼル車の大トルクが生きる。
ディーゼル車は8速ATと組み合わされており、スムーズで力強い加速感が楽しめる。
ロングツーリングでは、やはりディーゼル車がよい。

そして、エクリプスクロスの走りを支えているのが4WD技術だ。
いわゆる電子制御カップリング式の4WDだ。
この4WDには、車両運動統合制御システムS-AWCが装着されており、実にきめ細かい制御を行っている。
左右輪の回転差を制御するトルクベクタリング機能もあり、とてもよく曲がる。
4WDの制御にはオート、グラベル、スノーと3種類のモードが用意されている。
グラベルモードをセレクトし、横滑り防止装置をオフにすれば、後輪を振り出し滑らせて走ることも可能だ。
背の高いSUVながら、山道も気持ちよく駆け抜けていくことができる。

エクリプスクロスのリヤサスペンションは、マルチリンク式が採用されている。
乗り心地はやや硬めといった印象だが、路面の凹凸もそれほど気にならない。

エクリプスクロスの運転席

CX-30とエクリプスクロスを比較すると、走破性やハンドリング、乗り心地面ではエクリプスクロスが上回る印象だ。
両車ともレベルが高く、CX-30も優れた走りをもっているのだが、エクリプスクロスのようにワクワク感がない。
ある意味、CX-30の走りは上品すぎるのかもしれない。

8.リセールバリュー比較

CX-30の評価は4点
エクリプスクロスの評価は4点

SUV人気で非常に高いリセールバリュー

CX-30は、デビューしたばかりの新型車なので、リセールバリューがどうなるかはまだ分からない。
ただ、世界的にSUV人気ということもあり、高値安定となることは十分に予想できる。
プラス査定になりそうなオプションは、360°ビューモニターなどが装備される360°セーフティパッケージ、サンルーフ、ボーズサウンドシステムといったところだ。

エクリプスクロスも人気SUVで、中古車の流通量が少ないということもあり、高値安定といった相場になっている。
ただ、FF(前輪駆動)のエントリーグレードであるMグレードに関しては、リセールバリューはそれほど高いとは言えない。
エクリプスクロスは、やはり4WD車のリセールバリューが高い。
プラス査定になりそうなオプションは、サンルーフに本革シート、ロックフォード製オーディオ、ナビなどだ。

9.まとめ・総合評価

CX-30の総合点は30点/40点
エクリプスクロスの総合点は29.5点/40点

総合力ならCX-30、4WD機能を楽しみたいならエクリプスクロス

CX-30の魅力は、やはり美しいスタイリングにある。
インテリアの質感もエクリプスクロスを上回るものだ。
アウトドアスポーツなどでガンガンと使い込むタイプのSUVとは異なり、上質な空間の中に身を委ね、華麗にコンクリートジャングルを駆け抜けるタイプといえる。
とはいえ、4WD車の走破性も高く、荷室も広いのでアウトドアスポーツなどにも十分に使える実力を備える。
見た目は都会派だが、総合力の高いSUVだ。

エクリプスクロスは、FF(前輪駆動)もあるが、エクリプスクロスの真髄といえるのは、やはり4WDモデルだ。
車両運動統合制御システムS-AWCによる走りの爽快感は、非常におもしろい。
しかも、3つの走行モードを駆使すれば、走行シーンにドライバーのテクニックに合わせ色々なドライビング体験も可能だ。
悪路走破性も高いので、降雪地域の人にとって安心して扱える。
エクリプスクロスは、やはり4WDありきのモデルだ。