この記事の目次 CONTENTS
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ひと回り大きくなったカローラシリーズ
高齢者はターゲットではない?
グローバル化で、ついに3ナンバー化した新型カローラシリーズ
好き嫌いが明確に出るデザイン
29.0km/Lという低燃費を実現した1.8Lハイブリッド車
詰めの甘い安全装備
ツーリングのハイブリッドW×Bがおすすめグレード
トヨタ カローラシリーズ価格
トヨタ カローラ スペック

ひと回り大きくなったカローラシリーズ

トヨタは、カローラシリーズをフルモデルチェンジし発売を開始した。
このフルモデルチェンジチェンジを期に、セダンはカローラ、ワゴンはカローラツーリングと車名を変更している。
すでに発売済みの5ドアハッチバックであるカローラスポーツを加え、計3タイプのボディをもつことになった。

今回のフルモデルチェンジで、12代目となった新型カローラシリーズ。初代カローラは、1966年に登場しており、非常に長い歴史を誇るモデルだ。

この12代目カローラシリーズは、先代の5ナンバーサイズから3ナンバーサイズへとボディサイズが拡大されているのが特徴である。
先代カローラは、Bセグメントと呼ばれるカテゴリーに属したが、新型カローラシリーズはCセグメンと呼ばれる1つ上のカテゴリーになる。

高齢者はターゲットではない?

従来のカローラシリーズでセダンのアクシオに乗る顧客の平均年齢は、なんと70歳台だという。
まさに、おじいちゃんのクルマといった印象だ。

高齢者が乗るクルマということもあり、先代カローラシリーズは5ナンバーサイズで扱いやすさを重視していた。
しかし、今回のフルモデルチェンジでは、完全にひと回り大きくなっており、高齢顧客のニーズとは異なるものとなっている。

これには、理由があった。トヨタは、カローラブランドの再構築と、グローバル車と統合し効率をアップさせたいのだ。

先代カローラシリーズは、ほぼ国内専用車で効率が悪く利益が出にくい。
さらに高齢者は、近い将来に運転しなくなる可能性のある顧客層だ。

こうしたユーザー層に向けて、再び国内専用車を開発し投入するのは非常に効率が悪い。
このカテゴリーから撤退という考え方も当然といえる。

高齢者よりも若者にフォーカス

カローラというクルマのイメージは、中高年以上には「おじいちゃんのクルマ」というイメージが強い。

ところが、トヨタの調べによると、若者のカローラに対するイメージは、真っ白状態だという。
悪く言えば、まったく興味の対象となっていないということにもなる。
つまり、アプローチ次第では、カローラブランドは「若者のクルマ」に変革することができるということにもなる。

そこで、新カローラシリーズの第1弾となったカローラスポーツでは、CMキャラクターに若年層からの人気が高いタレントの菅田将暉と中条あやみを起用。若者のクルマ感を強烈にアピールした。
セダンの新型カローラやワゴンのカローラツーリングのCMも若々しいイメージだ。

グローバル化で、ついに3ナンバー化した新型カローラシリーズ

新型トヨタ カローラのボディサイズは、4,495mm×1,745mm×1,435mm、ホイールベースは2,640mmとなった。5ナンバーサイズだった先代モデルと比較すると、全長が+90mm、全幅+50mm、ホイールベース+40mmとひと回り大きくなった。

先代カローラは、Bセグメントと呼ばれるカテゴリーに属していたが、新型カローラはひとクラス上のCセグメントになった。全幅が1,695mmを超えたことで、新型カローラは3ナンバーとなっている。

現在は、3ナンバーサイズになったからといって、税金がアップすることはない。
しかし、道幅が狭い日本においては、5ナンバーサイズが扱いやすいということもあり、根強いニーズがあるのも事実だ。

とくに、運転が苦手になってきている高齢者にとっては、ボディサイズが小さい方が運転しやすい。
こうなると、カローラに乗っていた高齢顧客のカローラ離れが始まるのは確実だ。

カローラブランドを若者向けにしたいトヨタにとって、それは仕方の無いことと、割り切ってもよかったはずだ。

ところが、完全に割り切らずに従来の高齢顧客をつなぎとめるために、新型カローラはグローバルモデルをベースに、日本専用の部品を開発。主に全幅を狭くした。

カローラスポーツでは1,790mmあった全幅を45mm狭くし1,745mmへと変更。5ナンバーサイズだったカローラから乗り換えしやすくしている。

単にグローバルモデルとするのではなく、日本マーケットにできるだけ合わせるクルマ造りを行ったことは高く評価できる。こうした細かい配慮がトヨタの強さでもある。

この1,745mmというボディサイズは、先代となる30型プリウスと同じ。30型プリウスの顧客も高齢顧客が多く、違和感なく乗れる全幅であるとトヨタは判断したのだ。

ただ、詰めが甘いのが最小回転半径だ。
最小回転半径は、小回りの良さの指標で数値が小さいほど小回りが得意ということになる。
新型カローラシリーズでは、15インチホイール装着グレードの最小回転半径は5.0mと小さい。

5.0mという数値は、Cセグメントのモデルの中でトップレベルの数値だ。
さすがトヨタ!と言いたいところだが、15インチタイヤ装着車はエントリーグレードのみの設定で、売れ筋グレードを含んだ多くのグレードは16インチもしくは17インチとなる。

このサイズになると最小回転半径は5.3m。クラス平均値ということになり、最小回転半径5.0mという優れた機動性を得られる顧客はほとんどいない。

好き嫌いが明確に出るデザイン

新型トヨタ カローラシリーズのデザインは、基本的にカローラスポーツと同様な独自のキーンルックが採用された。
好き嫌いが出るデザインで、なかなか個性的ではあるものの、どうマーケットに評価されるのか注目される部分だ。

新型カローラのリヤデザインは、ワイド感を強調した安定感あるリヤビューとなった。
ワゴンのカローラツーリングは、樹脂バックドアを採用した。バックドアを樹脂とすることで軽量化に貢献。さらに、立体的な造形を実現している。

新型カローラシリーズのインパネは、水平基調のデザインを採用し広さをアピール。滑らかさとシャープさを組み合わたデザインで、スポーティな空間としている。
また、Aピラーを細形化したことで良好な視界を確保し、安全性も高めている。

新型カローラツーリングの荷室は、リバーシブルデッキボードを設定。荷室床面の高さを2段階に設定でき、使い勝手を向上した。

残念なのは、内装色だ。ブラックのみの選択肢が少ない。
W×Bグレードでは、ブラックとホワイトの2トーンを採用し個性的なものとした。

若年層の顧客を増やしたいのであれば、もう少し色やシート生地にこだわりたいところだ。こうした部分は、マツダ3の方が上手い。

29.0km/Lという低燃費を実現した1.8Lハイブリッド車

新型トヨタ カローラシリーズに用意されたパワーユニットは3タイプ。メインは1.8Lハイブリッドで、自然吸気の1.8Lと1.2Lターボが用意された。

主力となる1.8Lハイブリッドは、システム出力が122ps、燃費性能は29.0km/L(WLTC)となった。
全グレードに電気式4WDであるE-Fourが用意されているので、降雪地域の人も安心して選べる。

1.8L車は、140ps&170Nmの出力で燃費は14.6㎞/L(WLTC)。ミッションはCVTが組み合わされている。

微妙な設定となっているのが、1.2Lターボ。6MTのみの設定で、出力は116ps&185Nm、燃費は15.8km/Lだ。
MTを設定することは悪くないが、CVT仕様も欲しいところ。

詰めの甘い安全装備

新型トヨタ カローラシリーズの安全装備は、一定の安全性のを確保している。
クルマや歩行者(昼夜)、自転車運転者(昼)を検知する自動ブレーキを含む予防安全装備「トヨタセーフティセンス」、サイド&カーテンエアバッグ、ニーエアバッグを全車標準装備した。

ただ、自動ブレーキなどの性能は高いものの、アクセルとブレーキの踏み間違いを抑制するインテリジェントクリアランスソナーは、一部オプション設定となっている。
後側方から接近する車両を検知し警報を発するブラインドスポットモニター、リヤクロストラフィックオートブレーキなどは全車オプションと物足りない状況だ。

ブラインドスポットモニターなどは、車線変更時など使用頻度が高い機能だ。
1クラス下のコンパクトカーであるマツダ デミオには標準装備されている。ベーシックな機能なので、積極的に標準装備化を進めるべき装備だ。

トヨタの豊田社長は「交通死亡事故ゼロを目指したい」とアピールする。しかし、実際の車両は、こうしたアピールをする豊田社長の意向とは異なる。

ツーリングのハイブリッドW×Bがおすすめグレード

新型トヨタ カローラシリーズのグレード選びは、まずセダンかワゴンかというボディ形状の選択から。

普通に使うのであれば、セダンで十分。しかし、セダンの人気の低さから、リセールバリューが低くなることもあり、あまりおすすめできない。
ワゴンのツーリングは、一定の人気があるので積極的にツーリングを選びたい。

次の選択は、パワーユニット。1.8Lと1.2Lターボ、そして1.8Lハイブリッドの3タイプから選ぶことになる。

1.2LターボはMTのみなので、一般的な人は選択肢から外れる。1.8Lか1.8Lハイブリッドからの選択になる。
これから、よりCO2の排出量が厳さを増すことを考えると、やはり一般的なガソリン車は選びにくい。予算に余裕があるのなら、やはり1.8Lハイブリッドということになる。

そして、グレード選択だ。

まず、ガソリン車とハイブリッド車共にエントリーグレードとして設定されているG-X系は、選択肢から外して考えたい。
このG-X系は、走行安定性に係わるリヤスタビライザーが装着されていない。
このクラスでスタビライザー無しというのは、操縦安定性能的にもあまりおすすめできない仕様となっている。

さらに、アクセルとブレーキの踏み間違え防止に効果があるインテリジェントクリアランスソナーもオプション設定。その他、細かい装備が簡素化されており、満足度という面でも微妙だ。

こうなると、選択肢はSかW×Bのどちらかのグレードということになる。

SとW×Bの装備差は、視認性に優れるオプティトロンメーター、合成皮革+レザテックのシート表皮、リヤスポイラー、17インチホイール、Bi-Beam LEDヘッドライトなど。

この装備差は、とくに無くてもよいという贅沢装備。W×Bは、贅沢仕様といえる。
それほど豪華さは必要無いというのであればSで十分だ。

ただ、価格差はセダンが約18万円、ツーリングが約15万円。それほど大きな価格差はないところがポイントだろう。
予算に余裕があるのであれば、W×Bを選ぶとよい。満足度もアップするし、W×Bはリセールバリューも高い。

トヨタ カローラシリーズ価格

▼新型トヨタ カローラ(セダン)価格

  • G-X(FF):1,936,000円(1.8L)
  • S(FF):2,139,500円(1.8L)
  • W×B(FF):2,315,500円(1.8L)
  • W×B(FF):2,409,000円(1.2Lターボ、6速MT[i-MT])
  • HYBRID G-X(FF):2,403,500円(1.8L)/4WD(E-Four):2,601,500円(1.8L)
  • HYBRID S(FF):2,574,000円(1.8L)/4WD(E-Four):2,772,000円(1.8L)
  • HYBRID W×B(FF):2,750,000円(1.8L)/4WD(E-Four):2,948,000円(1.8L)

▼トヨタ カローラ ツーリング(ワゴン)価格

  • G-X(FF):2,013,000円(1.8L)
  • S(FF):2,216,500円(1.8L)
  • W×B(FF):2,365,000円(1.8L)
  • W×B(FF):2,458,500(1.2Lターボ、6速MT[i-MT])
  • HYBRID G-X(FF):2,480,500(1.8L)/4WD(E-Four、1.8L):2,678,500円
  • HYBRID S(FF):2,651,000円(1.8L)/4WD(E-Four、1.8L):2,849,000円
  • HYBRID W×B(FF):2,799,500円(1.8L)/4WD(E-Four、1.8L):2,997,500円

トヨタ カローラ スペック

代表グレードはトヨタ カローラハイブリッドW×B(FF)

全長×全幅×全高 4,495mm×1,745mm×1,435mm
ホイールベース 2,640mm
車両重量 1,370kg
乗車定員 5名
ハイブリッドシステム出力 122ps
トランスミッション 電気式無段変速機
使用燃料 レギュラーガソリン
JC08モード燃費 30.8km/L
WLTCモード燃費 25.6km/L