トヨタ ルーミー&タンクとスズキ ソリオを徹底比較。
日本の狭い道でも扱いやすいボディサイズに使い勝手を併せ持ったルーミー&タンク。
マイルドハイブリッドシステム搭載で抜群の燃費性能を誇るソリオ。
2台のデザインや走行性能、安全装備といった計8項目で比較、評価した。
近年人気急上昇中のコンパクトトールワゴンの購入を検討している方、必見の記事だ。
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- この記事の目次 CONTENTS
- 1.トヨタ ルーミー&タンク、スズキ ソリオの歴史
- 2.トヨタ ルーミー&タンク、スズキ ソリオの特徴
- 3.燃費比較
- 4.価格比較
- 5.購入時の値引き術
- 6.デザイン比較
- 7.室内空間と使い勝手比較
- 8.安全装備の比較
- 9.走行性能の比較
- 10.リセールバリュー比較
- 11.今のクルマを高く売る方法
- 12.まとめ・総合評価
1.トヨタ ルーミー&タンク、スズキ ソリオの歴史
近年、急速に人気を集めているのが、コンパクトトールワゴン。
1,700mmを超える高い全高に、左右スライドドアをもつ全長3,700mm前後のコンパクトカーだ。
スズキの高評価に目を付けたトヨタとダイハツ
トヨタとダイハツはソリオの評価に目を付け、コンパクトトールワゴンマーケットの潜在需要の大きさを確信。
ダイハツが企画・開発・生産を担い、トヨタブランドでルーミーとタンクを、ダイハツブランドではトール、スバルブランドでジャスティと計4タイプを投入し発売を開始した。
コンパクトトールワゴンを生み出したスズキ ソリオ
2011年に登場したスズキ ソリオは「コンパクトトールワゴン」というジャンルを生み出した。
そして、スライドドアを装備したコンパクトトールワゴンとなった。
デビュー時のソリオは、ヒットモデルとは呼べないものの、一定数を地道に販売していたロングセラーモデルで、優れた居住性や使い勝手の良さが高く評価されていた。
コンパクトトールワゴンマーケットを活性化させたトヨタ
営業力に長けたトヨタが扱うことで、コンパクトトールワゴンマーケットは一気に活性化。
2018年の販売台数では、ルーミーとタンク両車で16万台超を販売した。
登録車の販売台数ランキングでは、ルーミーが10位、タンクが13位となった。
同じボディタイプのトールまで含めると19万台弱という販売台数になる。
販売台数で雲泥の差が出たルーミー&タンクとソリオ
この3車種の販売台数は、登録車販売台数ナンバー1になった日産ノートの約14万台という記録を楽々と超えた。
ルーミーとタンクは、実質の登録車新車販売台数ナンバー1ともいえるモデルとなったのだ。
その一方で、このクラスのパイオニアであるソリオは、約4.5万台と大敗を喫している状態だ。
2.トヨタ ルーミー&タンク、スズキ ソリオの特徴
狭い道でも使いやすいルーミー&タンク、マイルドハイブリッドが用意されているソリオ。
トヨタ ルーミー&タンクの特徴
トヨタ ルーミー&タンクは、2016年に新型車として登場。
コンパクトカーであるパッソのプラットフォーム(車台)をベースとしている。
ボディサイズは、全長3,700×全幅1,670×全高1,735mmで、全長は短く、全幅も5ナンバーサイズ以下だ。
全高こそ高いものの、狭い道でも扱いやすいボディサイズを持っている。
また、両側にスライドドアを装備することで、狭い場所での乗り降りが用意で使い勝手がよい。
販売会社が異なるため、フェイスデザインもルーミーとタンクで異なっている。
スズキ ソリオの特徴
スズキ ソリオは、2015年にフルモデルチェンジした。
ボディサイズは全長3,710×全幅1,625×全高1,745mmで、ルーミー&タンクと全長・全高はほぼ同じだが、全幅は45mm狭い。
ソリオもコンパクトなボディサイズと広大な室内、そして両側スライドドアの利便性が特徴のモデル。
ソリオの特徴としては、ルーミー&タンクには設定されていないマイルドハイブリッドシステムが搭載され、燃費性能が優れている点だ。
また、より迫力のあるフェイスデザインとなったバンディットも用意されている。
3.燃費比較
軽量ボディとマイルドハイブリッドシステムで燃費性能はソリオが圧勝!
2つのタイプのエンジンを用意したルーミー&タンク
ルーミー&タンクに搭載されるエンジンは、1.0L直3の自然吸気とターボの2タイプが用意されている。
自然吸気エンジンの燃費は24.6㎞/L(JC08モード)で、ターボが21.8㎞/Lとなった。
ソリオはハイブリッドを含む3タイプのエンジンを用意
ソリオには1.2L直3の自然吸気とハイブリッド、マイルドハイブリッドの計3タイプが用意されている。
燃費は自然吸気エンジンが24.8㎞/L、マイルドハイブリッドが27.8㎞/L、ハイブリッドが32.0㎞/Lとなっている。
車重とハイブリッドシステムで燃費抜群のソリオ
ハイブリッドシステムが採用されていることもあり、燃費性能面ではソリオがルーミー&タンクに圧勝している。
これは、単にハイブリッドシステムを使っているからだけでなく、車重も大きく影響している。
スズキの軽量化技術により、ソリオの車重は930~990㎏に収まっている。
これに対して、ルーミー&タンクは1,070~1,100㎏で、ソリオと比べて100㎏以上も重いのだ。
ルーミー&タンクの燃費評価
2.5点
スズキ ソリオの燃費評価
5.0点
4.価格比較
ハイブリッドシステムを搭載した分、やや高価なソリオ。
ソリオよりもお買い得な設定のルーミー&タンク
ルーミー&タンクの価格は、1,463,400~2,008,800円。
エントリーグレードの価格帯はソリオとほぼ同じだが、ハイブリッドが無い分、ルーミー&タンクの方が多少お買い得な価格設定となっている。
ハイブリッドシステム採用でやや高価なソリオ
ソリオ(バンディット含む)は、1,459,080~220,480円。
ハイブリッドシステムを採用していることにより、価格は若干高めになっている。
エコカー減税を含めると若干縮まる価格差
ルーミー&タンクのターボモデルと、ソリオのマイルドハイブリッド車が、ほぼ同等といった価格帯になる。
ただし、2018年度のエコカー減税だと、ソリオのハイブリッド車は最大8万円程度の減税が受けられるが、ルーミー&タンクは最大で1.5万円程度に止まる。
この節税分を含めると、ソリオハイブリッドは高価だが、価格差は若干縮まる。
トヨタ ルーミー&タンク価格評価
4点
スズキ ソリオ価格評価
3点
5.購入時の値引き術
ソリオは登録済未使用車狙い!ルーミー&タンクは大幅値引きの期待大。
ダイハツ トールとも競合させ大幅値引きを狙う
両車ともに十分な値引きが期待できる。
値引きを引き出すために重要なのは、ライバル車と競合させること。
ソリオが本命なら、必ずルーミー&タンクだけでなくダイハツ トールまで入れて競合させたい。
車種毎に販売会社が異なるので、競わせることで値引き額アップを狙えるだろう。
また、ルーミー&タンクが本命の場合も同様だ。
値引き額は、ほぼ同等レベルといったところになるだろう。
新車コンディションでも中古車扱いの登録済未使用車
ソリオの場合、新車だけでなく登録済未使用車という選択肢もある。
登録済未使用車とは、メーカーやディーラーの都合で、買い手がいないのに登録してしまった車両を示す。
登録しただけなので、ほぼ新車コンディションなので登録済未使用車と言われている。
ただし、一度登録していると中古車扱いになるため、多くの中古車店で売られる。
ソリオはお買い得感のある登録済未使用車がおすすめ
スズキはこうした登録済未使用車を大量に発生させる傾向が強いメーカーで、軽自動車だけでなくソリオの登録済未使用車もそれなりに流通している。
このようにお買い得な登録済未使用車と新車を競合させてみるのもいいだろう。
2~3月、6~7月、9月が大幅値引きのチャンス
大幅値引きを引き出すのは時期も重要。
自動車販売業界最大の繁忙期であり決算月になる2~3月や、半期決算の9月、6~7月のボーナス期も値引きが大きくなる時期だ。
トヨタ ルーミー&タンクの値引き評価
4点
スズキ ソリオ値引き評価
4.5点
6.デザイン比較
各モデルごとに好みの顔が選べる!選択肢が豊富なデザイン。
フロントフェイスで違いを出したルーミー&タンク
ルーミー&タンクは、ソリオを研究して生まれたモデルだ。
そのため、ボディサイズはほぼ同じで、全体のシルエットもかなり類似する。
ボディサイドやリヤ周りは室内スペースを優先しているので、ほとんどフラットなデザインになっている。
こうなると、もはや両車とも似たデザインになるのは必然で、フロントフェイスで多少の違いを出すしかない。
そのため、両車ともにフロントフェイスにはこだわりを感じる。
デザインの異なるグレードを用意したルーミー&タンク
ルーミー&タンクは、とにかく顔の大きさを重視して押し出し感を強調。
これは、トヨタのミニバンと同じで、画一的な手法。
そして、それぞれに若干テイストの異なるカスタムを用意して顧客の選択肢を増やしている。
良くも悪くも、こうしたモデルを好む顧客ニーズを的確に捉えている。
スッキリと落ち着いたデザインのソリオ
ソリオは、クリーンでスッキリとしたフェイスデザインが好印象な、ややおとなしめなデザイン。
派手さは無いが、落ち着いた感じのするデザインだ。
また、より迫力と存在感を重視したバンディットを用意。
狙いはルーミー&タンクと同じなのだが、意外とそこまで振り切れなかったのか、スタイリッシュな感じを残している。
ルーミー&タンクのデザイン評価
4点
ソリオのデザイン評価
4点
7.室内空間と使い勝手比較
両社共に、インパネは広さを強調する水平基調のデザインが採用されている。
また、かなりデコラティブな印象が強い。
共通のデザインを採用しつつメーターが異なる両車
大きな違いはメーター関連。
ルーミー&タンクは、一般的なドライバーの前にメーターが設置されているのに対して、ソリオはセンターメーターを採用している。
また、両社共に太くタフな印象を与えるセンターコンソールのデザインが採用されているのが特徴。
デザインはともかく、高級感はルーミー&タンクがやや上回る印象だ。
ほぼ互角の室内だが座り心地はソリオが上回る
室内空間そのものは、ほぼ互角といった印象。
フロントシートの快適性もほぼ同等。
後席シートの座り心地は、ソリオがやや上回る。
大きな荷物でも楽々積めるルーミー&タンク
使い勝手面では、リヤゲートの開口面積が広いルーミー&タンクの方が使いやすい。
また、大きな荷物の積み降ろしといった点でも、ルーミー&タンクが楽だろう。
乗り降りのしやすさはソリオが上回る
荷物とは逆に、ソリオのリヤスライドドアの開口幅は640mmに対して、ルーミー&タンクは597mm。
開口高もわずかにソリオが高いので、乗り降りのしやすさはソリオがやや上回る。
コンパクトカーで重要な小回りもほぼ互角
コンパクトカーの取り回しで重要な最小回転半径は、ルーミー&タンクが4.6mに対してソリオは4.8mとなった。
ややルーミー&タンクの方が扱いやすさを感じる。
しかし、ソリオは全幅が45mmルーミー&タンクより狭いので、こちらもほぼ互角だ。
ルーミー&タンクの室内空間と使い勝手評価
4.5点
ソリオの室内空間と使い勝手評価
4.5点
8.安全装備の比較
それぞれ予防安全装備が装着できないグレードがある。
予防安全装備が装着ない=選んではいけないグレード
重要な予防安全装備は、両車とも歩行者検知式自動ブレーキを用意している。
ルーミー&タンクは、予防安全装備であるスマートアシストⅢを、1グレードを除き全車標準装備化。
このスマートアシストⅢが標準装備化されていないグレードは、オプションでも装着できないので、選んではいけないグレードになる。
また、サイド&カーテンエアバッグは、全車オプション設定。
グレードごとに予防安全装備が異なるソリオ
ソリオは、予防安全装備であるスズキセーフティサポートを、2グレードを除き標準装備化。
この2グレードはオプションでスズキセーフティサポートを装備することができる。
サイドエアバッグは、Gグレードを除き標準装備、カーテンエアバッグはSZとMZグレードのみに標準装備されている。
ルーミー&タンクの安全装備評価
3.5点
ソリオの安全装備評価
3点
9.走行性能の比較
走行性能は、すべてにおいてソリオが上回る。
パワフルさに欠けるルーミー&タンクのエンジン
ルーミー&タンクの1.0L自然吸気エンジンは69ps&92Nmを発揮し、少々アンダーパワーの印象がある。
また、1.0Lターボは、98psと140Nmというパワフルさを誇る。
しかし、車重が重いことや2,000回転付近を超えないと十分なトルク感が出てこないため、思ったより力強さを感じない。
さらに、この1.0Lエンジンはターボ自然吸気エンジン共にやや騒がしく、静粛性という面でも今一つだ。
エンジンによっては硬さが顕著に表れる
ルーミー&タンクは、先代パッソからのやや古いプラットフォーム(車台)を使用している。
そのため、ソリオと安定感で差が出る。
また、背の高さからくる不安定感を、サスペンションを硬めにすることで対応しているようで、乗り心地も硬めで突っ張った感がある。
その傾向は特に14インチタイヤを履いた1.0L自然吸気エンジン車で顕著に感じる。
パワーや静粛性が高いソリオのエンジン
ソリオの1.2L自然吸気エンジンは91ps&118Nmで、排気量が大きく出力が高い。
それだけでなく、100㎏程度車重が軽いので、ルーミー&タンクとの差は歴然。
しかも、マイルドハイブリッドやハイブリッド車は、モーターのパワーもプラスされるので、力強さはソリオが完全に勝る。
また、ソリオのハイブリッド車は、モーターのアシストが効果的に働き、運転をしやすいだけでなく静粛性も高い。
新型プラットフォームの使用で安定感抜群の走行
ソリオは新型のプラットフォームを使用し、車重も軽い。
そのため、カーブでの安定感が高い。
走行性能面では、すべてにおいてソリオが勝る印象が強い。
ルーミー&タンクの走行性能評価
2点
ソリオの走行性能の評価
4点
10.リセールバリュー比較
リセールバリューは、ややルーミー&タンクが有利。
短期間での乗り換えならルーミー&タンクがおすすめ
コンパクトカーというジャンルに入るため、SUVやミニバンといったカテゴリーに比べると、リセールバリューはそれほど高くない。
それぞれのリセールバリューを比べると、ややルーミー&タンクが高めになる。
これは、主にトヨタブランドの強さによるものだろう。
短期間での乗り換えなら、ルーミー&タンクが良いということになる。
ルーミー&タンクのリセールバリュー評価
3.5点
ソリオのリセールバリュー評価
2.5点
11.今のクルマを高く売る方法
高価買取を狙うなら、1~3月に売却せよ。
時期により上下するオークション相場
高価買取を狙うためには、時期が重要だ。
クルマの売却価格は、オートオークションの相場で決まる。
このオートオークションの相場は、時期により上下するのだ。
オークション相場が上がる時期は、主に中古車販売の繁忙期の少し前からになる。
中古車販売の繁忙期は、2~3月だ。
そのため、オークション相場は、若干早く1月頃から上がってくる。
これは、中古車店が繁忙期を前にオークションで商品となる中古車を仕入れるからだ。
中古車相場が上がれば、買取店もそれに合わせてより高値で買取ることができる。
多くの店が中古車販売を兼ねている買取店
買取店選びも重要。
買取店の中には、中古車販売を兼ねているものも多い。
こうした店は、自社の販売網で仕入れたクルマを直接販売している。
直接販売はオークションを通さなくて良いので、より高値で買取ることができるのだ。
買取店での査定で愛車の価値を知っておく
基本的にディーラーでの下取りより、買取店での価格の方が高くなるケースがほとんどだ。
そのため、買取店での査定は必須。
ディーラーの中には、値引きした分、下取車の価格を下げ利益を上げようとすることがある。
大幅値引きしてもらっても、下取車が安くなっているのでは意味がない。
こうした駆け引きに負けないように、自分のクルマの本当の価値を事前に知っておく。
そのために、買取店での査定は絶対に必要だ。
12.まとめ・総合評価
ルーミー&タンクとソリオを比較すると、クルマとしての総合性能はソリオに軍配が上がる。
試乗し比較するとすぐに分かる両車の性能差
ルーミー&タンクは、使い勝手や装備などをソリオと同等レベルにし、やや安価な価格設定とした。
しかし、先代パッソの古いプラットフォームの使用や車重が重いことから、走行安定性や乗り心地、静粛性は完全にソリオが上回っている。
こうした性能差は、試乗して比べてみるとすぐに分かるレベルだ。
また、ソリオはハイブリッドやマイルドハイブリッドシステムを採用し、燃費面でも大幅に上回っている。
予算やデザイン、ブランド重視ならルーミー&タンク
どうしても予算やデザイン、トヨタブランドでなければダメというのであれば、ルーミー&タンクという選択肢になる。
しかし、そうでなければソリオを積極的におすすめしたい。
トヨタ ルーミー&タンクの総合点
28点/40点
スズキ ソリオの総合点
30.5点/40点
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ルーミーのカタログ情報
- 現行モデル
- 平成28年11月(2016年11月)〜現在
- 新車時価格
- 146.3万円〜210.0万円
ルーミーの在庫が現在242件あります
以下車両の保証内容詳細は画像をクリックした遷移先をご確認ください。