この記事の目次 CONTENTS
オマケではなく独立モデルになった2シリーズ
スポーツクーペであることを主張するエクステリア
厳選された2種類のエンジン
FRらしい軽快なハンドリング
基本を押さえた安全システム
2シリーズクーペ/カブリオレの価格・グレード情報

ライター紹介

CAR-TOPICS編集長

村田 創 氏

大学卒業後新車ディーラーにて5年勤務。その後、中古車のガリバーへ入社。車一筋20年以上のベテランが新車から中古車まで幅広く解説します。

オマケではなく独立モデルになった2シリーズ

BMWの最小モデルである1シリーズに、かつて存在した1シリーズクーペの後継モデルとして誕生したのが、2シリーズクーペ/カブリオレである。BMWにおいて1,3,5などの奇数モデルが主幹モデルで、2,4,6などの偶数モデルがその派生モデルという位置づけ。全長4,440mm全幅1,775mm全高1,420mmで、欧州の規格ではCセグメントに分類される。

オーソドックスな3ボックススタイル

BMW 2シリーズ 外観

日本では2014年2月から販売を開始。2016年には新型エンジンへと変更され、現在のラインナップは、2.0L直列4気筒ターボの「220i」と、3.0L直列6気筒ターボを搭載する「M240i」の2グレードとなっている。

駆動方式はBMW伝統のFR(後輪駆動)、5ドアハッチバックの1シリーズに対して、典型的な3ボックススタイルを採用し、ボディタイプはクーペとカブリオレの2種類となっている

スポーツクーペであることを主張するエクステリア

1シリーズが最小クラスのセダン(ハッチバック)ならば、2シリーズクーペは最小スポーツクーペ。ホイールベースは2,690mmと共通だが、1シリーズに比べて全長は100mm長く10mm幅広、そして全高は20mm低い。諸元表で確認できる数値以上に、実際の見た目はワイド&ローのスポーツクーペらしいスタイリングである。

1シリーズのスタイリングと比較すると、フロントバンパーに開けられた大型のエアスクープなどは似ている部分もある。しかし、鋭角にデザインされたヘッドライトや、クローム処理されたキドニーフレームがよりスポーティな印象を効果的に与え、2シリーズが真のスポーツクーペであることを主張している。

適度なタイト感が気持ちいいインテリア

BMW 2シリーズ 内装

基本的なインテリアデザインは、他のシリーズと共通で、機能性とBMWらしい個性が融合した空間になっている。当然のことだが、ボディが小さい分、3シリーズや5シリーズなどと比べて、お世辞にも広いとは言えない。だがその狭さが、いかにもスポーツカーらしい適度な「囲われ感」を演出し、否が応でもドライバーをその気にさせてくれる。

厳選された2種類のエンジン

1.5Lのダウンサイジングターボやディーゼルなど、多彩なエンジンラインナップを揃えるBMWにおいて、2シリーズには、2.0リッター4気筒ターボと3.0リッター6気筒ターボの2種類のエンジンのみとなっている。

今後の展開によっては欧州モデルに採用されている3気筒の1.5リッターや、ディーゼルエンジンの投入もあり得る。しかし、日本のマーケットにおいて、小気味よく駆け抜けるキャラクターの2シリーズには、現状2種類のエンジンでも十分だろう。

走りの気持ち良さを支えトランスミッション

BMW 2シリーズ 外観

気持ち良く吹け上がるエンジンもさることながら、ZF社製の8速スポーツATのデキは賞賛に値する。肩の力を抜いてのんびりとクルージングする際には、変速ショックが無く、滑らかでジェントルな印象。ひとたびアクセルを踏み込めば、眠っていた本能が目を覚ますように、プロドライバーでも嫉妬するような早さで的確な段数を選択してくれる。

FRらしい軽快なハンドリング

Cセグメントにカテゴライズされる2シリーズクーペは、日本のワインディングなどで走るにはちょうど良いサイズ感。サイズアップしてしまった3シリーズに代わり、昔ながらのBMWスポーツを味わうことができる。また、BMWの中では短めな2,690mmのホイールベースと、セグメント唯一のFRという点で、ライバルとは明らかに違うハンドリングだ。

ボディ剛性の高さがポイント

BMW 2シリーズ 外観

先述したように、2シリーズクーペは、その適度なサイズ感も手伝って、まるで自分の手足のような一体感を感じることができる。その感覚を得られる秘密は、50:50の重量配分もさることながら、BMWらしいボディ剛性の高さにある。ボディ剛性が高いからこそサスペンションの動きがスムーズになり、コンフォートな乗り心地と軽快な身のこなしを高次元で両立している。

基本を押さえた安全システム

2シリーズクーペに装備される安全支援システムは、バンパーに設置されたセンサーと、フロントガラス上部にあるカメラによって、前方の車両だけでなく歩行者も検知。衝突回避と被害軽減をサポートする自動ブレーキや車線逸脱警告など、基本を押さえた充実の内容。安全をしっかりサポートすることで、さらに走りを楽しむことができる。

利便性を高める工夫

BMW 2シリーズ 外観

コンパクトな3ボックスボディゆえ、ラゲッジスペースの容量はある程度妥協しなければならないポイントだ。しかし、荷物固定用フックやラゲージ・ルーム・ネットなどの、狭めなラゲッジを効率よく使うための工夫が見て取れる。さらに、リヤシートは可倒式であるため、大人2人の利用であれば十分な実用的と言っても良いだろう。

2シリーズクーペ/カブリオレの価格・グレード情報

・220iクーペ Sport 478万円
・220iクーペ MSport 502万円
・220iカブリオレ Sport 550万円
・220iカブリオレ Luxury 569万円
・220iカブリオレ MSport 591万円
・M240iクーペ 6速MT 631万円
・M240iクーペ 8速スポーツAT 645万円

2シリーズが販売され始めて3年以上が経過し、ちょうど初回車検を終えた車両が市場に出回る時期になった。2シリーズはBMWの入門モデルと言っても、同サイズの国産車と比べると若干割高である。そこで、中古車として出回り始める3年目以降が、お得に手に入れる絶好のチャンス。もちろん、最新モデルにしかない魅力もあるため、新車と中古車両方の見積を取り、慎重に検討していただきたい。