BMWの入門モデルである1シリーズ
1シリーズは、Cセグメントに属する5ドアハッチバック。BMWのラインナップの中では、もっともコンパクトで、317万円から購入できるという価格設定もあり、手ごろな入門モデルである。
通常このサイズのハッチバックは、スペース効率などを考えてFF(前輪駆動)であることがほとんど。しかし、1シリーズはBMWらしくFR(後輪駆動)を採用。トヨタ86などのクーペではなく、5ドアハッチバック車では唯一の存在となっている。
BMW初の3気筒エンジン搭載
![BMW1シリーズ_外観_走行中](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/d/drivinghigh/20220921/20220921205324.jpg)
2004年、それまでの3シリーズコンパクトの後を継ぐ形で、初代1シリーズ(E87型)がデビュー。2代目となる現行型(F20型)がデビューしたのは2011年で、2015年には、ビックマイナーチェンジを受け、前後の意匠変更や、エンジンラインナップを刷新。この時、118iのエンジンが、BMWミニでの使用されている1.5Lの3気筒エンジンとなり話題となった。
エレガント&スポーティなエクステリア
いくら1シリーズが入門モデルだと言っても、BMWがプレミアムカーブランドであることは変わらない。そこで1シリーズのエクステリアは、エレガントさとドイツ車らしい質実剛健な雰囲気兼ね備えている。また同時に、立体的なキドニーグリルや、大型のエアスクープのおかげで、ハッチバックらしいスポーティな要素もあり、唯一無二の存在感である。
適度にタイトなコックピット
![BMW1シリーズ_インパネデザイン](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/d/drivinghigh/20220921/20220921205321.jpg)
決して大きくないボディ、そして、FR車特有の高さのあるセンターコンソール。運転席というよりは、コックピットと呼びたくなる適度に囲われた空間。そのタイトさは、決して窮屈感があるわけではなく、1シリーズが持つ走りのポテンシャルの高さを感じ、ワクワクする感覚さえある。
2017年8月のマイナーチェンジでは、インテリアに、ハイグロスブラックを使用した新デザインのインストゥルメントパネルを採用。トリムにはクロムメッキの加飾を追加し、グローブボックスなどのデザインも変更。使用されている素材も上質なものに変更され、パネルの継ぎ目を最小限にするなど、より上質な仕上がりとなった。
モジュール化された最新エンジン
現行型1シリーズには、3気筒(1.5L)、4気筒(2.0L)、6気筒(3.0L)という3種類のガソリンエンジンと、4気筒(2.0L)のディーゼルエンジンという4種類のエンジンがラインナップされている。どのエンジンも、1気筒あたり500㏄という基本設計でモジュール化されていることが大きな特徴だ。
どのエンジンにも、無段階可変バルブシステムの「バルブトロニック」や、吸排気可変バルブタイミング機構である「ダブルVANOS」といった、BMWの革新的な技術が組み込まれ、高い動力性能と環境性能を両立している。
お買い得感を求めるならディーゼルがオススメ
![BMW1シリーズ_外観_後ろ](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/d/drivinghigh/20220921/20220921205317.jpg)
日本人にとって、ディーゼルエンジンにあまり良いイメージを持っていないかもしれないが、118dに搭載されるB47型ディーゼルエンジンは、そんなネガティブな印象はほぼ皆無である。多少ディーゼル特有カラカラ音は聞こえるものの、豊かなトルク特性と、多段化された8速ATの恩恵もあり、走行中にはディーゼルであることを忘れるほど。
粘り強くトルクを発生させるエンジン特性で、市街地やワインディング、さらに高速道路においてもストレスを感じることはない。さらに、JC08モード22.2km/Lの燃費性能と、燃料単価が安い軽油であることを考えれば、118dがもっともコストパフォーマンスの良いモデルと言えるだろう。
ドライバーを軸にした身のこなし
BMW魅力は、気持ちよく吹け上がるエンジンはもちろんのこと、車と一体化したようなハンドリングにある。1シリーズはBMWの中でもっとも小柄なモデルで、車重は1.5t以下。さらに、2,690mmという、BMWの中では短めなホイールベースのおかげで、とにかく軽快に向きを変えてくれる。その感覚こそ「駆け抜ける歓び」なのだと実感できる。
前後の重量配分がほぼ50:50ということは、車が回転しようとする動き(ヨー方向)の中心が、ホイールベースのほぼ中央に来るということになる。そして、ドライバーの着座位置もホイールベースのほぼ中央。そう、このバランスこそが、名立たる自動車評論家を唸らせてきた、BMWのフィーリングなのである。
乗り心地の秘密はボディ剛性
![BMW1シリーズ_外観_横](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/d/drivinghigh/20220921/20220921205314.jpg)
1シリーズに限らず、欧州車のサスペンションは、国産車と比べると少々固めな印象を受けるかもしれない。その理由は、常用速度域が日本とヨーロッパでは違うからなのだ。そのため、低速では多少のゴツゴツ感を感じるが、速度が高くなるにつれて、その感覚は減少していく。
ただ、その硬さに負けないボディ剛性のおかげで、それほど不快な硬さに感じがしないのは流石と言えるだろう。
基本を押さえた安全装備
今では高級車から軽自動車まで、装備されていることが当たり前になった安全運転支援システムだが、1シリーズにも当然最新のシステムが備わる。車線逸脱警告システム、前車接近警告機能、衝突回避・被害軽減ブレーキ(歩行者検知機能付)など、基本的な機能はすべて網羅され、ドライバーの負担を大きく軽減してくれることだろう。
操作性が向上した装備
![BMW1シリーズ_外観](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/d/drivinghigh/20220921/20220921205311.jpg)
2017年8月のマイナーチェンジでは、新たにタッチ操作に対応した、8.8インチのワイドコントロールディスプレイを採用。HDDナビゲーションシステムのメニュー画面を見やすくしたほか、タッチパッドが組み込まれたiDrive コントローラーでの操作も可能。ユーザーの好みによって操作方法を選択できるようになったことで操作性が向上している。
2代目1シリーズの価格・グレード情報
・118i 317万円から
・118d 385万円から
・120i 439万円から
・M140i 618万円から
現行型1シリーズがデビューして、今年2017年で6年目となる。BMWのモデルチェンジサイクルや、他のモデルが次々とフルモデルチェンジしていることを考えると、1シリーズのフルモデルチェンジもそう遠くは無いだろう。次期1シリーズのFF化はほぼ間違いないため、貴重なFRである現行型や先代の需要が高まることは確実。したがって、1シリーズの購入を考えているのであれば、新車中古車を問わず「イマ」が買い時であることは間違いない。
1シリーズのカタログ情報
- 現行モデル
- 令和1年11月(2019年11月)〜現在
- 新車時価格
- 334.0万円〜698.0万円
1シリーズの在庫が現在57件あります
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