デビューから10年! 6代目Z34型フェアレディZ


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日産は、歴史あるスポーツカー、フェアレディZを一部改良し発売を開始した。

現行の6代目日産フェアレディZは、2008年にデビューした。すでに、10年目を迎えたロングセラーモデルとなっている。フェアレディZは、日産でも歴史あるモデルで、GT-Rと並び日産を象徴するスポーツモデルでもある。その歴史は長く、初代S30型フェアレディZが1969年に登場しているので、そろそろ50周年を迎える。

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スポーツカー離れという顧客ニーズの変化で販売不振に・・・

歴史あるスポーツカーであるフェアレディZなのだが、国内マーケットでの販売台数は不振が続いている。当初、オープンモデルのロードスターが用意されていたが、2014年に国内販売を終了し、現在は、クーペのみの販売となった。

販売不振の理由は、やはりスポーツカー離れという顧客ニーズの変化が大きい。さらに、燃費が重視される中、エンジンはV6 3.7Lのみ。その上、価格も高価だ。ある意味、とても古典的なスポーツカーだ。しかし、さすがにスポーツカーの未来像を感じさせないようでは売れないのは当然かもしれない。

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より熟成させた一部改良は高評価ポイントだが・・・


日産フェアレディZ売れないとはいえ、放置せずより熟成を図った今回の一部改良は、スポーツカーファンにとって高く評価したいポイントだ。

今回の改良では、まず、高効率クラッチが採用された。新型のクラッチは、モータースポーツなどで定評があるEXEDY製を採用しているのがポイント。さらに、独自の踏力軽減機構を採用し、半クラッチコントロールの操作性を向上。高摩擦係数を実現した摩擦材により、操作感を向上させている。今や貴重となったMT車のクラッチを向上させているところなど、かなりマニアックな改良といえる。

静粛性も向上させ、デートカーとしての価値を高める。

そして、フェアレディZは、高級クーペとして価値をもつモデルでもある。単に走行性能だけでなく、デートカーとしての価値を高めるために、静粛性も向上させた。合わせガラスの中間膜に遮音層を挟み、遮音性を向上させたフロントガラスを採用している。

さらに、NISMO(ニスモ)グレードには、転がり抵抗を20%低減した新タイヤを装着。操る喜びを損なわず、低燃費とロードノイズを1db低減(50km/h時)している。

日産フェアレディZ足回り関係では、Version STとSグレードには、鍛造アルミホイールを採用。鍛造ホイールは、一般的な鋳造ホイールに比べ軽量・高強度を誇る。スポーツモデルには、必須ともいえるアイテムだ。その鍛造アルミホイールは、ブラック塗装、切削光輝加工を施した新デザインが採用。軽量化により走りの質が変わるだけでなく、見た目も精悍で迫力のある足回りになった。

外観デザインも変更され全体的に引き締まった印象に。

外観デザインも僅かだが変更され、リフレッシュされた。ヘッドランプとリヤコンビランプは、ブラックハウジング仕様としたことで、全体的に引き締まった印象が強くなり精悍な雰囲気となっている。

日産フェアレディZそして、そのイメージをさらに加速させているのがリヤバンパーだ。リヤバンパー下部をブラックに変更。レーシングカーのような、ディフューザー風のデザインがより強調された。


環境性能や安全性能は手が入らず・・・

機能部分は熟成が進み、デザイン面ではリフレッシュされたフェアレディZ。しかし、肝心な環境性能や安全性能には一切手が入っていないのは残念なポイントでもある。スポーツカーだから、アイドリングストップ機能が無くてもいいというのは大間違いだ。メルセデスAMGやBMWのMもアイドリングストップ機能は装備されている。また、スポーツカーだから自動ブレーキ関連の先進予防安全装備が無くていいということでもない。売れないので、そこまでコストをかけることができないというのも理解できなくはないが、尚更売れなくなるのも事実だろう。日産一押しのプロパイロット機能などの装備も期待したいところだ。

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日産フェアレディZの選び方


日産フェアレディZフェアレディZを生粋のスポーツカーとして乗りたいというのであれば、やはりNISMOがおすすめとなる。動的性能やスポーツカーとしてのフィーリングは、他のグレードを圧倒するものがある。しかし、価格は高価でベースグレードの1.5倍以上となる6,293,160円からとなってしまうことが難点でもある。ただ、ニスモはリセールバリューが高いので、短期での乗り替えに向く。

ニスモは、エンジン出力が標準車の336psから355psへパワーアップ。わずか19psのアップなので、絶対的なパワーという点では少し速いといったところ。しかし、エンジンの回転フィーリングは全く異なる。400回転ほど高回転化され、最大出力を発生するのは7400回転。全開で走行すると、標準車よりも高回転域でひと伸びあり、レスポンスも良い。自然吸気エンジンらしい、気持ちのよいエンジンフィーリングが魅力だ。

装備を希望するならバージョンSがおすすめ

NISMO以外のグレードでは、バージョンSがおすすめだ。標準車は、価格を安く見せるグレードのようで、装備は簡素化されている。走りを重要視するスポーツカーで、4輪アルミキャリパー対向ピストンブレーキが装備されていないというのでは、やはり選びにくい。さらに、ナビも標準装備されていないのだ。こうした装備が装着されたバージョンSの価格は4,760,640円となっている。

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日産フェアレディZ価格


日産 フェアレディZの価格は以下の通り。

6速MT

・フェアレディZ Version ST 5,104,080円
・フェアレディZ Version S 4,760,640円
・フェアレディZ  3,907,440円
・フェアレディZ NISMO 6,293,160円

7速AT

・フェアレディZ Version ST 5,212,080円
・フェアレディZ Version T 4,715,280円
・フェアレディZ 3,985,200円
・フェアレディZ NISMO 6,401,160円

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執筆者プロフィール
クルマ評論家 CORISM代表
大岡 智彦 氏

CORISM(http://www.corism.com/)編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員。


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