EVのトミーカイラZZを発売したGLMから、第2弾とがG4が登場! お値段は、まさかの4,000万円!


GLM G4EV(電気自動車)メーカーであるGLMは、新型EVの「GLM G4」を発表。量産時期は2019年とし、価格は価格は4,000万円を想定しているという。実際に発売されれば、日本初のEVスーパーカーとなる。

GLMとは?

GLMは、京都大学VBL(ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー)のEV開発プロジェクト「京都電気自動車プロジェクト」(2006年発足)を母体に、電気自動車の開発、販売を行うベンチャーとして、2010年に設立された。

GLMが一気に注目されたのは、EV化したトミーカイラZZを99台の限定車として発売してからだ。GLMは、倒産したトミーカイラブランドを継承し、少量生産の自動車メーカーとしてのノウハウを得たことで実際に発売ができた。

このトミーカイラZZは、航続距離こそ120㎞と短いが、急速充電にも対応し、車重は850㎏と軽量だ。この車体に225kW(305馬力)&415Nmという大出力を誇るモーターを搭載。最高速は180㎞/hに止まったが、0-100㎞/h加速は3.9秒とスーパーカー並みの加速力を誇るスポーツカーだ。そんなトミーカイラZZをも上回るパフォーマンスを誇るモデルがG4ということになる。

1,000Nmのトルクを誇り4WDかされたスーパーカー! 0-100㎞/h加速は3.7秒!


GLM G4このGLM G4のスタイリングは、とにかくワイドでロングホイールベース化されていること。エンジンが無いEVだからこそできたデザインといったところで、これほどスポーティなシルエットながら、4ドアで4人乗りとなっている。前後のドアは、ガルウイングのように上方へ跳ね上がるように開く。また、プラットフォーム(車台)は、まるでレーシングカーのように厚いサイドシルをもっており、高い走行性能を期待させるものだ。

このG4に搭載されるモーターは、専用開発の高効率・高出力なモーター「Multi saliency power package(マルチ・サリエンシー・パワー・パッケージ)」が搭載された。最高出力400kW(540馬力)、最大トルク1000Nm(101kgm)というスペックを誇る。1000Nmという大トルクを誇るスーパーカーは数少ない。G4は前後に高出力モーターを計2基搭載した4WDのEVとなっている。

大トルクを誇るEVの大きな魅力は、やはり瞬発力。G4は、4WDであることのトラクション性能もあり、0-100㎞/h加速は3.7秒という超俊足を誇る。最高速度は250㎞/hと、まぁそれなりの数値となっった。また、モーター駆動用電池のスペックはなども公表されていないが、400㎞の航続距離確保しているという。

そして、ユニークなのがトランスミッションだ。一般的なEVは、多段化されたトランスミッションはない。しかし、G4には多段化されたトランスミッションが搭載されているという。このあたりの技術にも注目だが、詳細は明らかにされていない。

まだ、コンセプトカーレベル? 明らかにされない技術の詳細。


GLM G4GLMの小間社長は、このG4の技術をテクノロジーショーケースにしたいと意気込みを見せた。しかし、現段階で技術の詳細はまったく明らかにされていない。

さらに、小間社長は、年内に何らかのカタチでG4が走行しているシーンを紹介したいとした。また、配られた資料には、年内には試作車での走行テストを行う予定と記載されている。つまり、現時点で試作車すら走行テストをしていないという状況が読み取れる。

本当に2019年に量産できるのか?

こうなると、G4は未だコンセプトカーレベルといった状況であると推測できる。公開されたスペックや技術は、試作車による走行でテストができていないのであれば、設定値であり実証されたものではないということにもなる。

さらに、G4専用のパワートレイン(モーター、バッテリー、車両制御ユニット等)や最先端の電子制御装置等の開発を協力会社と共同で進めており、それらも実用化に向けて開発を加速させるという記載もある。実用化に向けて開発を加速させるとは、つまり、現在、実用化への目途が立っていないということになる。
GLMは、まだ試作車の走行テストや実用化が確認できていない技術を搭載するクルマを2019年に量産、販売するということを発表したことになる。

GLM G4こうしたEVのスポーツカー開発は、日産も随分前から始めている。モーターショーでも公開されたEVスポーツカーであるブレードグライダーは、メディア関係者にサーキットで同乗試乗させるレベルまでに達している。ブレードグライダーのパフォーマンスは非常に高く、圧倒的な加速力と優れた旋回性能をもっていた。技術的にもインホイールモーターが採用されているなど、先進性も高いレベルにある。このレベルにあっても、日産は販売を考えるレベルではないとしているのだ。

2019年のG4量産まで、残された時間はたった2年。それまでに、実用化し認可されるのであろうか少々疑問だらけの発表だ。今回のG4の発表は、現出資者へのアピールと新たな出資者やパートナー企業探しのためのものという印象が強い。

とはいえ、現実的に販売できれば、日本初のEVスーパーカーメーカーの誕生だ。世界的に見ても、注目度は非常に高い。年内に走行シーンを公開したいとしているが、ただ走っているだけでなく、実際に0-100㎞/h加速3.7秒を達成しているようなシーンなどのリアリティが欲しいところだ。

執筆者プロフィール
クルマ評論家 CORISM代表
大岡 智彦 氏

CORISM(http://www.corism.com/)編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員。