ミニバン 人気おすすめランキングベスト3 2017冬

車の乗り換えや購入を検討している方で、車種選びにお悩み中の方へ。
コリズム編集長で車評論家の大岡氏に、この冬新車でおすすめのミニバンを聞きました。

  • RANKING BEST 1日産 セレナ

    日産 セレナ

    2016年8月にフルモデルチェンジし4代目となったC27型セレナ。プラットフォーム(車台)はキャリーオーバーなので、走行性能などの大幅進化は無い。そのかわり、元々先代セレナは使い勝手の良いモデルだったが、新型セレナはさらに熟成。まさに、痒い所に手が届くほど使い勝手が良いミニバンになった。この使い勝手の良さは、クラストップレベル。また、単眼カメラを使った運転支援技術「プロパイロット」が用意された。単一車線で渋滞時など前走車に追従して停止・発進を繰り返し行うことができるようになり、ドライバーの大幅な疲労軽減に役立つ。

  • RANKING BEST 2ホンダ オデッセイハイブリッド

    ホンダ オデッセイハイブリッド

    オデッセイハイブリッドは、2016年2月に登場した。すでに発売済みだったガソリン車は、あまり売れていなかったが、ハイブリッド車の投入でオデッセイはイッキに息を吹き返し販売状況は好転する。いかに、ハイブリッド車が熱望されていたかが分かる。オデッセイハイブリッドには、「スポーツ ハイブリッド(SPORT HYBRID)i-MMD」が搭載されている。このハイブリッドシステムは、アコードハイブリッド用を流用しながらも、大きく重いミニバン用にパワーアップさせた進化型だ。その結果、燃費は26.0㎞/Lとクラストップの燃費値を実現した。
    また、車両価格が356万円からと、ライバルのアルファード/ヴェルファイアに比べ、価格設定が安いため売れている。安全装備面でもアルファード/ヴェルファイアにはない歩行者検知式の自動ブレーキである「ホンダ センシング」が、一部グレードを除き標準装備化されているなど、高い安全性も評価されて売れている。

  • RANKING BEST 3ホンダ ステップワゴン

    ホンダ ステップワゴン

    価格がやや高いこともあり、販売面では不調が続くステップワゴン。2016年4~9月の販売台数では、今では旧型となったモデル末期のセレナに販売台数で負けていた。ただし、クルマが悪い訳ではなく、一部改良では、歩行者検知式の自動ブレーキ「ホンダセンシング」や右側パワースライドドアを、一部グレードを除き標準装備化。従来のモデルと比べると実質価格引き下げを行った。価格はやや高めに見えるが、内容は充実している。このクラスで歩行者検知式の自動ブレーキが装備されていないトヨタ ノア/ヴォクシー系に比べれば、かなり安全性能は高いと言える。また、ステップワゴンは、1.5Lダウンサイジングターボを踏査することで、ライバル車が2.0Lエンジンを使うのに対して、自動車税が年間5,000円安くなるというメリットを提示している。

オススメランキングの3台を比較

燃費・価格
  • セレナ

    セレナの燃費は27.2㎞/Lとクラストップの燃費値となった。セレナは、2.0Lマイルドハイブリッド機能をもつ。エンジン型式こそ同じだが、従来のエンジンと比べると、中身はまったくの別物といえるほど改良が加えられている。エンジンをアシストするマイルドハイブリッドのモーターも変更されている。
    セレナの車両価格は、かなりアップした。セレナのウリとなる運転支援機能であるプロパイロットは、一部のグレードを除きほぼオプション設定。人気グレードにこうしたオプションを装備すると、セレナの価格は300万円を軽く超えていく。価格面での経済性は高いとは言えない。

  • オデッセイハイブリッド

    オデッセイハイブリッドの燃費は、26.0㎞/Lとクラストップの実力を誇る。ライバルのアルファード/ヴェルファイアの19.4㎞/Lなので、排気量が違うがその差は大きい。この26.0㎞/Lという燃費は、ひとクラス下のノア/ヴォクシー1.8Lハイブリッド車の23.8㎞/Lをも上回るものだ。ホンダは、オデッセイハイブリッドを投入するときに、かなり気にしたのが価格だ。アルファード/ヴェルファイアのハイブリッド車は、価格が高くなりすぎ、ハイブリッド車比率が低くなっていた。それを見たホンダは、オデッセイハイブリッドの価格は356万円からとした。ヴェルファイア/アルファードの価格が約416万円からなので、価格差は約60万円となった。これだけ価格差がある上に、燃費も勝るオデッセイの経済性はより際立ってくる。ホンダの価格戦略が上手くいった。

  • ステップワゴン

    ステップワゴンは、ハイブリッド車を持たず、ダウンサイジング1.5Lターボエンジンのみの設定だ。なかなか力強いパワーユニットだが、売れ筋グレードであるスパーダの燃費は、16.0㎞/Lか15.4㎞/L。この燃費値は、ヴォクシー/ノアの2.0Lの自然吸気エンジンとほぼ同じ。燃費性能面でのアドバンテージはない。しかし、1.5Lエンジンのため、自動車税が2.0L車より年間5,000円安いメリットを提示している。税金は安くなったが、ターボ化したことで、車両コストは上昇。結果的に、車両価格も高くなり、経済性という面では今ひとつといった印象になってしまっている。

装備・使い勝手
  • セレナ

    プロパイロットは、ドライバーの疲労軽減にも役立ち、結果的に事故防止の役割ももつ機能だ。しかし、こうした優れた装備が高価なパッケージオプションとなっており、なかなか手が出しにくい価格帯になっている。多くの人に使ってもらってこそ意味がある機能なだけに残念だ。プラットフォーム(車台)は、キャリーオーバーだが、各部の工夫により室内はクラストップレベルの広々とした空間を提供している。使い勝手面では、さらに進化。大きく重いバックドアを上下二分割し、狭い場所での開閉を可能とした「デュアルバックドア」装備。また、荷物などで両腕が使えない状況で、キーさえ持っていればスライドア下に足を出し入れするだけで、スライドドアが開く「ハンズフリーオートスライドドア」も用意されている。こうした機能はセレナだけ。この使い勝手の良さだけでも、セレナを選ぶ理由になる。

  • オデッセイハイブリッド

    安全装備で歩行者検知式自動ブレーキである「ホンダセンシング」が、一部グレードを除き標準装備化されている。大きく重いミニバンだけに、歩行者との衝突は死亡事故につながりやすい。それだけに、ミニバンには歩行者検知式自動ブレーキが必要だ。また、ライバルのアルファード/ヴェルファイアには無い装備なので、安全面を重視するならオデッセイハイブリッドという選択にもなる。また、ハイブリッド車なので、大容量のリチウムイオン電池を積んでいる。一部のグレードには、1500wの電源が用意されているおり、災害時には電源車として使える。災害時だけでなく、電源車としてアウトドアレジャーなどで、家電が使えるようになるなど、遊びの幅も広がる装備といえる。

  • ステップワゴン

    価格が高めということで、販売が低迷しているステップワゴン。そのため、一部改良で装備を充実させながら価格アップを抑えた。一部改良では、歩行者検知式自動ブレーキ「ホンダ センシング」が一部グレードを除き標準装備化された。ライバルのノア/ヴォクシーには歩行者検知式自動ブレーキが無い。安全面では、十分に差別化できる。そして、同時にサイドエアバッグ&カーテンエアバッグも一部グレードを除き標準装備化。5ナンバーミニバンは、全幅が狭いため、側突などもしものときに横転の可能性も高くサイドエアバッグやカーテンエアバッグは必須アイテムと言える。多くの乗員を乗せるミニバンだけに、安全装備の拡充は高く評価できる。また、大きく重いリヤゲートの利便性を上げるために、ホンダは分割横開きできる「わくわくゲート」を装備。後方のスペースが無い場合でも、荷物の積み下ろしができる機能だ。さらに、わくわくゲートと分割して床下収納できる3列目シートを組み合わることで、リヤゲートから車内にアクセスできるようになった。これは、ステップワゴンだけの機能だ。
    <関連記事> 人気ミニバン10種類をシートアレンジで比較!「本当に使いやすい車」はこれだ!

走行性能・乗り心地
  • セレナ

    プラットフォーム(車台)がキャリーオーバーなので、走行性能面での大きな進化は無い。ショックアブソーバーのサイズアップやバックドア開口部の剛性アップなどにより、高速道路などでの安定性がやや良くなった。また、ホイールハウス内の吸音ライナーなどが装備され、やや静粛性が向上。3列目シートの静粛性も向上している。
    注目のプロパイロットは、基本的に高速道路用といったところで、あえて郊外の一般路ではなかなか起動しないようになっている。高速道路では、急カーブでなければ、車線内に収まるように自動でステアリングを操作。先行車があれば、停止から再発進を繰り返す。渋滞時には、非常に便利で疲労軽減にもなる。最発進時の加速がやや穏やかなこともあり、先行車との車間がやや大きくなる傾向がある。

  • オデッセイハイブリッド

    先に発売されていたオデッセイのガソリン車は、3列目シートの乗り心地が悪かった。主にリヤサスペンションの突き上げ感によるものだ。ハイブリッド車では、そうした部分もかなり改善されていて、3列目シートの乗り心地は、大幅に改善された。ハイブリッド化により、静粛性も高くなり、3列目シートの快適さは大幅に向上し、全乗員が快適に過ごせるようになっている。走行性能面では、車重が上がったものの重いハイブリッド用バッテリーがフロントシート下に設置。これにより、低重心化されボディ剛性も向上。乗り心地もより上質になり、カーブでの安定感も増している。全体的に上級ミニバンに相応しいドッシリとした安定感ある走りとなっている。

  • ステップワゴン

    ステップワゴンの走りの核となるのは、1.5Lダウンサイジングターボ。低回転で最大トルクを出すようにセッティングされているため、低回転では自然吸気エンジンの2.4L車と並みのトルクを発揮する。それほどエンジンを回さない運転状況だと、なかなか力強さを感じる。とくに、街中でのストップ&ゴーや高速道路のクルージングで、そのメリットを享受できる。とはいえ、高回転域ではパワーやトルクは、ライバルの2.0L自然吸気エンジンと大差のない走りとなる。カーブでは、ホンダらしいクルマの傾きを抑えたスポーティな走りを披露。なかなかシッカリとした足回りなので、ミニバンながら走る楽しさも感じさせる。

デザイン
  • セレナ

    セレナ

    どちらかというとスッキリしたスポーティな雰囲気だった先代セレナに対して、新型セレナは随分迫力あるデザインとなった。日産デザインの象徴である「Vモーショングリル」を採用しているが、このVモーショングリルも太く存在感のあるものとなっている。こうした押し出し感のあるフェイスは、最近のミニバンデザイントレンドでもある。セレナの魅力は、標準モデルの他にエアロパーツを装備したハイウェイスター、より個性的なフォルムに仕上げたライダーがあり、選択肢が豊富なのも魅力だ。

  • オデッセイハイブリッド

    オデッセイハイブリッド

    オデッセイハイブリッドのデザインは、標準車とアブソルートの2タイプが用意されている。マーケットでは、約9割がスポーティなアブソルートを選んでいるのが特徴。ガソリン車は、標準車とアブソルートで明確い外観デザインが異なるが、ハイブリッド車は、標準車でもほとんどアブソルート的な外観デザインになっている。一般的に、日本マーケットではスポーティ仕様が売れる。こうした傾向は、中古車マーケットでも同様。オデッセイのように、これだけアブソルート人気が高いとリセールバリューに大きく差が出ることから、積極的にアブソルートを選ぶといいだろう。

  • ステップワゴン

    ステップワゴン

    ステップワゴンには、標準車とスポーティな外観デザインなどを採用したスパーダの2タイプが用意されている。ただ、スパーダのデザインは、標準車とそれほど変わっていない。マーケットのトレンドは、トヨタ ヴォクシーのようにデザイン性に優れているかどうかではなく、押し出し感や迫力、どれだけ大きく見えるかが重要。ステップワゴンは、あえてこうしたデザインを避けた傾向があるが、もう少しスポーティさを前面に出してもいい。人気の高いのは当然スパーダ。こうした人気は、中古車マーケットでも同じなので、リセールバリューを重視するならスパーダを選びたい。

新車値引き交渉術

オデッセイは3車種競合で一定値引きが可能

まず、オデッセイハイブリッドのライバルは、上級ミニバンであるヴェルファイア&アルファード、日産エルグランドになる。販売台数面では、ヴェルファイア&アルファードが他のモデルを圧倒している。ただし、価格が高いこともあり、現在はデビュー当時ほどの勢いはない。このクラスのミニバンを購入するのなら、とにかくオデッセイ、アルファード/ヴェルファイア、エルグランドの3車種を競合させることが重要。とくに、オデッセイやエルグランドは、アルファード/ヴェルファイアと競合させれば、かなりヒートアップするだろう。大幅値引きが期待できるのはエルグランド。販売台数は激減しているので、もはや値引きで売るしかないという状況だ。アルファード/ヴェルファイアと比較・競合させながら「エルグランドは価格次第」という姿勢で商談を進めるといいだろう。オデッセイハイブリッドは、意外と売れているので最初の値引きは控えめとなるだろう。アルファード/ヴェルファイアと競合させることで、一定の値引きを引き出すことは可能。ジックリと商談して徐々に値引きを引き出したい。

激戦区の5ナンバーミニバンは、必ず競合させて!

5ナンバーミニバンの購入時には、セレナにステップワゴン、ノア/ヴォクシー/エスクァイアを必ず競合させることが重要。このクラスは激戦クラスなので、競合させることで買い手有利な状況にすることが大切だ。セレナはデビュー直後なので、大幅値引きを引き出すのは難しいが、ライバル車と競合させることで、そこそこの値引きが引き出せるだろう。強気なのがノア/ヴォクシー/エスクァイアのハイブリッド車。ストロングハイブリッドのミニバンという意味では、このクラスでは唯一の存在。競合させても唯一の存在なので、ガードはカタイだろう。そのため、ノア/ヴォクシー/エスクァイアとトヨタ車同士で競合させるといい。ほぼ同じクルマなので、こうなると価格勝負しかなくなる。じっくりと時間をかければ、販売目標達成が危うくなった営業マンが大幅値引きに走り可能性がある。また、このモデルは、価格が少々高いので、オデッセイハイブリッドと競合させてみたい。

他社の下取りにメリットなし。一度買取店で査定して正しい価格を知ろう。

そして、重要なのが下取り車の処理。新車と同じメーカーの下取り車なら、比較的高値で買い取ってくれるケースがあるが、他社となると極端に安くなることもある。これは、他社の中古車の再販能力が低いためだ。こうなると、顧客側のメリットはないので、必ず買取店へ行き査定してほしい。まずは、正しい愛車の価格を知ることが重要。買取店で出された価格を元に、ディーラーの下取り価格が安いか高いかの判断材料にしたい。最終的には、一番高く買取ってくれるところで売却すればいい。

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クルマ評論家 CORISM代表 大岡智彦 氏
クルマ評論家 CORISM代表
大岡智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員

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