コンパクトカー(輸入車) 人気おすすめランキングベスト3 2017冬

車種選びにお悩みの方へ。
コリズム編集長で車評論家の大岡氏に、この冬新車でおすすめのコンパクトカー(輸入車C セグメント)を聞きました。

  • RANKING BEST 1ボルボ V40

    ボルボ V40

    ボルボV40は2016年7月にマイナーチェンジした。内外装デザインが変更され、より洗練された。そして、ボルボのウリでもある安全性能もさらに向上。V40は、歩行者や自転車を検知し、衝突の危険がある場合自動ブレーキが作動するなどの世界トップレベルの安全装備「インテリセーフ10」が標準装備されているが、マイナーチェンジ後は歩行者エアバッグを標準装備し、より高い安全性能を得ている。こうした装備類は、V40が属するCセグメントで世界トップレベルといえる。こうした安全性能の高さにより、ボルボ車は69%も事故発生率を低減した。交通死亡事故死を減らすための多くの機能は、大きな社会貢献となっている。また、V40には標準車の他に、クロスオーバーモデであるルV40クロスカントリーも用意されている。

  • RANKING BEST 2BMW 2シリーズ
    アクティブツアラー

    BMW 2シリーズ アクティブツアラー

    2シリーズアクティブツアラーは、BMW初のFF(前輪駆動)車だ。FF化とやや高めの全高により、広々とした室内空間を実現している。また、パワーユニットが豊富。低燃費時代に合わせ、ガソリン車は高効率の直3 1.5Lと直4 2.0Lの2タイプがあり、直4 2.0Lのクリーンディーゼルも用意されている。そして、直3 1.5Lガソリンエンジンと組み合わされた新世代のPHVが用意されている。このクラスで、これほど多彩なエンジンラインアップを誇るのは2シリーズ アクティブツアラーだけだ。国産車でも、1つの車種でガソリンにディーゼル、PHVという3タイプのパワーユニットを用意しているクルマは存在しない。さらに、BMWのもつ優れた運動性能も加わり、多くの人にお勧めできるコンパクトカーに仕上がっている。こうした総合力の高さが評価され2015-2016日本カー・オブ・ザ・イヤーにおいて、輸入車ナンバー1となるインポート・カー・オブ・ザ・イヤーを受賞した。

  • RANKING BEST 3ミニ クラブマン

    ミニ クラブマン

    小さな高級車として、絶大な人気を誇るミニ。従来のミニは、全長4m以下のBセグメントに属するモデルとなっていた。そのため、家族がいる、荷物を多く積みたいなど実用性を考えると、ミニブランドは好きだが購入を見送っていた、という人も多い。そうしたニーズを拾うために生まれたのが、このクラブマンだ。このクラブマンは、全長4,270㎜とかなり大きくなり、Cセグメント車となった。国産車ではアクセラやインプレッサ、プリウスなどのクラスに属する。大きくなったボディにより、しっかりと5人乗車ができるようになり実用性がアップ。また、クラブマンはワゴンボディのため、荷室も余裕がある。ミニの弱点と言われていた実用性を大幅に高めたことで、より多くの人にお勧めできるミニとなった。エンジンは、ガソリン車の他にクリーンディーゼルエンジンもラインアップしている。

オススメランキングの3台を比較

燃費・価格
  • V40

    V40はマイナーチェンジでエンジンラインアップが整理され3タイプとなった。ガソリン直4 1.5L車が16.5㎞/L、直4 2.0Lが15.9㎞/Lとなっている。直4 2.0Lのクリーンディーゼルは、20.0㎞/Lとなった。どのエンジンも、平均的な燃費値だ。1.5L車のエントリグレードV40 T3 Kineticの価格は339万円。ディーゼルのV40 D4 Kineticは364万円となっていて、ガソリン車とディーゼル車の価格差は25万円と比較的小さい。ディーゼル車は、エコカー減税が免税となるため、さらにその差は縮まる。さらに、ディーゼル車は軽油を使うことから、ハイオクを使うガソリン車との燃料費差は30円/L前後もあり、燃費と燃料費に優れたディーゼル車なら、燃費による燃料費差で価格差分を取り換えることも可能だろう。

  • アクティブツアラー

    アクティブツアラーに搭載されているエンジンは、新しいエンジンのため、総じて燃費がよい。ガソリンの直3 1.5Lの燃費は17.3㎞/L、直4 2.0L は14.6㎞/Lとなっている。クリーンディーゼルの直4 2.0Lターボは22.2㎞/Lを誇る。そして、PHVの直3 1.5Lターボで17.6㎞/L、EV走行可能距離は42.4㎞/Lとなっている。225xe アクティブ ツアラー Luxuryの価格は、506万円と少々高価。対して、ディーゼルの218d アクティブ ツアラーLuxuryは426万円と、価格差は80万円とやや大きい。これでは、電気が安いとはいえ元を取ることはむずかしい。また、ガソリン車の218i アクティブツアラーLuxuryの価格は、405万円でディーゼル車と比べると21万円差だ。ディーゼル車はエコカー減税が免税になり、軽油はハイオクガソリンよりも30円/L程度安い。燃費と燃料費が安くエコカー減税の免税メリットまで含めれば、車両価格差21万円は十分に回収でき範囲内といえるだろう。

  • クラブマン

    ガソリン車は、排気量違いとパワー違いで3タイプが用意されている。燃費は直3 1.5L車が17.2㎞/Lと17.1㎞/Lの2タイプ。直4 2.0Lは16.6㎞/L。新設定されたディーゼル車は、直4 2.0Lで22.0㎞/Lと22.7㎞/Lとなっている。どのモデルも最新のエンジンになっていて優れた低燃費性能をもつ。ミニもガソリン車とディーゼル車の価格差が20万円と小さい。ハイオクと軽油の燃料価格差と燃費差で十分に回収できる範囲内だ。こうなると、大トルクを誇るディーゼル車を積極的に選びたい。経済性でミニのメリットとなっているのがリセールバリュー。ミニのリセールバリューは、かなり高いため、長く乗っても短期で乗り換えてもメリットがある。しかし、購入時には値引きがほぼゼロなのと、オプションが多数あり高額なので、予算は車両価格よりかなり多めに考えておく必要がある。

装備・使い勝手
  • V40

    V40の装備で最も注目したいのが、世界トップレベルの安全装備「インテリセーフ10」だ。この機能は、V40に標準装備されている。インテリセーフ10は、歩行者だけでなく自転車まで判別し、衝突する可能性が高い場合は自動ブレーキが作動する。また、夜間でも歩行者を検知できるという数少ない機能が追加された。マイナーチェンジ前までは、歩行者と衝突した場合に歩行者を守る歩行者エアバッグがオプション装備だったが、マイナーチェンジ後では歩行者エアバッグまで標準装備化された。
    V40はコンパクトカーなので、狭い道や駐車場での小回り性能は重要な要素。残念ながら、225/45R17タイヤを履いたInscriptionやRデザインでは、最小回転半径が5.5mとやや大きい。この数値は、国産5ナンバーミニバン並みで扱いやすいとは言えない。その他のグレードは5.2mなので、これでようやく平均的なコンパクトカー並みとなる。

  • アクティブツアラー

    アクティブツアラーは、コンパクトなボディサイズながら、広い室内と優れた積載性がメリットとなるモデルだ。輸入車では珍しく後席は最大130mmのスライド機能もある。また、荷室は広く468Lもある(PHVは400L)。この容量は、ちょっとしたワゴン車並み。全高の高さを生かした積載性の高さだ。また、全高が1,550mmとしたのは、日本のマーケットを十分に研究してきた結果だ。日本の立体駐車場に多い高さ制限が1,550㎜となっているからだ。1,550㎜を超えると、車庫証明が取れなくなりアクティブツアラーの購入機会を失ってしまう。アクティブツアラーは、日本国内での使い勝手を上げるため、こうした全高にしているのだ。
    安全装備面では、自動ブレーキ関連の安全装備を全車標準装備化。どのグレードも安心して選べる。また、キーをもってリヤバンパー下に足を出し入れするだけで、自動でリヤゲートが開く機能を用意。両手がふさがっているときなどに便利な機能。ただし、最小回転半径は5.5mと5ナンバーミニバン並みで、全長が短いのに小回りが苦手だ。

  • クラブマン

    クラブマンのボディサイズは、全長4,270×全幅1,800×全高1,470mmとなり、フォルクスワーゲン ゴルフとほぼ同じ。ミニと比べると、ボディサイズは1クラスアップし、Cセグメットと呼ばれるカテゴリーに属する。広大とはいえないものの、後席スペースは十分なスペースが確保されており、実用性はかなり高くなっている。また、クラブマンの荷室容量は360L。ワゴン車としては広いとは言えないが、フォルクスワーゲン ゴルフが380Lなので、5ドアHBだと思えば十分な広さをもつ。
    インテリアでは、センターコンソール上部に大型のナビ機能を含むモニターがセットされた。このモニターは見やすく、操作はシフトレバー手前のダイヤルで行うため確実な操作が可能。クラブマンは、コンパクトカーなのに最小回転半径が5.5mと5ナンバーミニバン並み。小さいクルマながら小回りは苦手だ。

走行性能・乗り心地
  • V40

    V40は、1.5Lエンジン車でも152ps&250Nmもあり、なかなかパワフルでよく走る。2.0L車は245ps&350Nmとかなり速い。よほど走りことが好きというのでなければ、1.5Lで十分だろう。そんな2.0Lエンジンよりも、さらに過激なのが2.0Lクリーンディーゼルエンジンだ。190ps&400Nmという出力は、コンパクトなV40に対してあり余るパワー。とても豪快な加速性能をもつ。このクリーンディーゼルエンジンは、8速ATと組み合わされていて、なかなかスムースな加速を示す。高速道路では、この大トルクがアクセルの操作量を減らしてくれるので、疲労軽減にも役立つ。これだけ速くてスポーティなのに、低燃費なのもディーゼルの魅力だ。こうしたパワフルなエンジンが用意されていることもあり、V40のハンドリング性能はクイックでスポーティ。やや硬めのフットワークをもち、カーブでは軽いフットワークをみせてくれ、運転するのが楽しいクルマだ。

  • アクティブツアラー

    アクディブツアラーは、BMW初のFF(前輪駆動)モデルということで、BMWらしいスポーティな走りが無くなったのでは? と不安視された。だが、すでにミニでFFのノウハウを蓄積していたこともあり、FFでも十分に楽しい走りを披露。FFであることすら感じさせないスポーティな走行性能は、さすがBMWというべきレベルだ。アクティブツアラーは、ファミリー層向けのモデルながら、他のモデルと同様に走って楽しいクルマに仕上がっている。そして、アクティブツアラーには新世代のクリーンディーゼルエンジンが搭載されている。この新型の直4 2.0Lディーゼルは、非常にスムース。もはやガソリンエンジンと区別がつかないほどスムースに回る。なかなか気持ちのよいフィーリングだ。最大トルクは、330Nmに抑えてあるがなかなか力強い加速と余裕あるクルージングが可能だ。PHEVである225xeは、システム最大出力224ps&385Nmを誇る。パワフルさと気持ちよさ、そして静粛性を兼ね備えたモデルだ。アクセルを踏んだ瞬間から、モーターは最大トルクを発生し前輪に伝える。わずか6.7秒(ヨーロッパ仕様車値)で100km/hまで加速できる瞬発力もある。このモデルは125km/hまでEV走行が可能。EV走行可能距離は42.4㎞/Lなので、日常のちょい乗り程度ならほとんどガソリンを使用することもない。走りの質を考えると、やはりPHVかディーゼルということになる。

  • クラブマン

    ミニの走りは、ゴーカートフィーリングと呼ばれ、俊敏さがウリだ。クラブマンは、ボディが大きくなったことで、ミニ特有のゴーカートフィーリングはやや薄れている。ボディが大きくなり重くなると、鈍重さが増すのは仕方のないことだ。それでもクラブマンは、そうしたネガティブ要素を抑え、やや薄れたとはいえミニの魅力であるゴーカートフィーリングを味合わせてくれる。通常のミニほどのキレは確かに無いが、このクラスのモデルとしてはかなりキレのあるハンドリング性能をもつ。大きくなりホイールベースが長くなったことで、キレのあるハンドリング性能の中に安定感が増し、運転の苦手な人には逆に走りやすいと感じるだろう。クラブマンの中で、キレキレの走りを披露するのがクーパーSDクラブマン。最大トルクは400Nmとクラストップレベル。これに、ゴーカートフィーリグが加わるのだから、かなり刺激的だ。

デザイン
  • V40

    V40

    マイナーチェンジしたV40は、基本的なスタイルに変更は無いものの、顔つきが随分変化した。XC90に導入された北欧神話に登場するトール神(雷神)がもつハンマーをモチーフにしたT字型のポジションライトが印象的なLEDヘッドライトが装備された。このデザインが、新世代ボルボの新たなデザインアイコンとなる。
    また、ドイツ車とは明らかに違う北欧デザインは、なかなか洗練されていて好感度は高い。どうもドイツ車の迫力重視系が苦手というのなら、V40のようなデザインが良いだろう。また、ドイツ車に比べれば、ほとんど売れていないに等しい販売台数なので、注目度も高い。

  • アクティブツアラー

    アクティブツアラー

    アクティブツアラーは、他のBMWと同様にボンネットは前方に向けて急激に傾斜させ、低く睨みの効いたフロントフェイスに仕上げている。BMW特有のやや前傾したキドニーグリルと特徴的な4灯式丸型のLEDヘッドの組み合わせは、まさにBMWといえるデザインだ。ただ、やはりボンネットの位置が高く全高も高いMPV的ルックスなので、やや可愛らしくも見えてくる。インテリアは、インパネデザインこそいつものBMWだが、セダン系のコックピットのように包まれるような感じはない。基本的には、広く解放感がある空間デザインになっている。前方に大きく傾斜したインパネは、空中に浮いているようにも見え、アクティブツアラーの世界観を表現している。

  • クラブマン

    ミニ クラブマン

    初代ミニから、デザインが大きく変わらないのがミニの魅力でもある。クラブマンは、大幅にボディサイズを拡大したことから、ミニらしさが無くなるようにも思えるが、ミニはやっぱりミニだった。ボディだけが大きくなったといった印象で、大きさを除けば紛れもなくミニなのだ。細部を見ると、随分違うのだが、全体像はミニそのものだ。ただし、真横から見ると、ホイールベースやルーフが伸びたことで、やや間延びしたようにも見える。インテリアデザインは、ミニと比べるとかなりコンサバになった。ミニ特有の大きなセンターメーターが無くなり、メインのメーターはドライバーの前に設置された。ミニとの共通性を出すために、ナビなどが入るモニターにはセンターメーター風のデザインが施されている。ボディサイズを1クラスアップしたこともあり、より多くの人に受け入れられるような質感や落ち着きのあるデザインが採用されている。

新車値引き交渉術

欧州を中心に各社主力モデルが投入される激戦マーケットが、Cセグメントと呼ばれるクラスだ。どのメーカーも威信をかけたモデルが投入されており、どのクルマも高い完成度を誇る。一定の値引きを引き出すためには、まず日本マーケットで売られているCセグメント車を理解することから始まる。まず、フォルクスワーゲン ゴルフがその中心で、メルセデス・ベンツAクラス、ボルボV40、BMW1シリーズ、2シリーズなどが高い人気を誇る。第2勢力として、プジョー308やシトロエンC4、ルノー メガーヌなどがある。このように選択肢はかなり豊富だ。
まずは、こうしたCセグメント車同士で競合させたい。本命のクルマが何であれ、販売台数の多いゴルフやAクラスは必ず競合車として入れておきたい。
ただ、こうしたCセグメント車の中で、値引きが難しいのがミニ。ミニは、強力なブランド力を背景に、値引きゼロという販売スタイルを崩していない。値引きゼロとはいえ、ある程度の値引きは可能。上記の競合車の見積りを先に取り、ミニもついでに見に来た程度で商談を始め、商談期間は1ヶ月以上と長めにしたい。ジックリ商談して、わずかだが値引きや用品サービスなどを獲得したいところだ。
その他の車種は、通常の競合で十分に値引き可能だ。輸入車の場合、とくに値引きが引き出せる時期がある。12月末が輸入車メーカーの決算月。そのため、12月末は決算直前に販売目標を達成するために、乱売状態になる。在庫車ですぐに登録できるクルマがあれば、大幅値引きが可能だ。また、マイナーチェンジやフルモデルチェンジ直前直後も狙い目。古いモデルが在庫車で残っている場合、想像できないような値引き額が提示されることがある。
そして、どうしても売れない場合は自社登録という売ったことにする手法が使われる。自社登録車は、その後登録済み未使用車として、中古車マーケットで販売される。中古車として売られるが、ほぼ新車コンディション。中古車ということもあり、価格は大幅に安くなっているのでお買い得だ。1月以降になると、ディーラー系中古車店を中心にマーケットに未使用車が出てくる。こうしたモデルを狙うのもよい。

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  • 軽自動車ハイト

    燃費、小回り、街で乗るならやはり便利な軽。

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    燃費と小回りに加えて、アウトドアにも!

  • ミニバン

    広くて便利、ファミリーカーの代名詞

  • コンパクト国産車

    無難に選びたいなら、おいしいとこ取りのコレ!

  • SUV

    デザインと走りを重視する人へ

  • 高級セダン

    いつかは乗りたい、王道スタイル。

クルマ評論家 CORISM代表 大岡智彦 氏
クルマ評論家 CORISM代表
大岡智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員

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