スバルXVハイブリッドtSスバルはインプレッサをベースとし、SUVとクロスオーバーさせたXVハイブリッドに、モータースポーツ統括会社であるスバルテクニカインターナショナル(STI)が独自のチューニングや架装を施した「XV ハイブリッドtS」をこの秋より発売を開始する。



  1. 目次
  2. ■ XVのベース車はインプレッサ

  3. ■ 走破性を持ち、市街地での使い勝手の良さを併せ持つ

  4. ■ 全般的に洗練され満足度の高い仕上がりに

  5. ■ XVハイブリッドtSの価格

  6. ■ リセールバリューは期待できる!

  7. ■ スバル XVハイブリッドtSの主要装備(予定)

  8. ■ スバルXV ハイブリッドtS予定スペック


XVのベース車はインプレッサ


XVハイブリッドtSのベースとなるXVハイブリッドは、2013年に登場した。ガソリン車のXVは、2012年にデビューしている。XVはデビュー当時、インプレッサXVと呼ばれていたので、XVのベース車はインプレッサということになる。XVはインプレッサをベースとして、最低地上高を200㎜としたクロスオーバー車。コンパクトなボディサイズに、スバルのもつシンメトリカルAWDと組み合わせ、高い走破性を兼ね備えたモデルだ。

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走破性を持ち、市街地での使い勝手の良さを併せ持つ


また、XVはラフロードを楽々と走り抜ける走破性をもちながら、市街地での使い勝手の良さも併せ持つ。最低地上高200㎜を確保することにより、全高は高められている。しかし、その全高は1,550㎜に抑えられているのだ。これは、都市部に多い立体駐車場の全高制限以内に収めるため。こうすることで、都市部で立体駐車場を車庫として使う顧客が、車庫証明が取れないことでの購入機会を損失を防ぐ。つまり、都市型のクロスオーバー車ということになる。ただ、ルーフレールを装備すると、全高は1,550㎜を超えてしまうので注意が必要。

ハイブリッドという名が付いているので、燃費性能も期待されるのだが、XVハイブリッドの燃費は20.4㎞/Lに止まった。これは、スバル初となるハイブリッド車ということもあり、慎重になり過ぎたのか、モーターの出力が小さく、ほとんどEV走行ができない状況だったためだ。

スバルXVハイブリッドtS燃費はもうひとつな感じはあるものの、走りの質という点ではガソリン車を超える。アクセルを踏んだ瞬間から、モーターのアシストが加わるため、なかなか力強い走りが可能となっている。エンジンの反応はより早くなり、モーターによるトルクが瞬時に立ち上がるのもレスポンスがよく気持ち良い。また、ハイブリッド用バッテリーを搭載し重量バランスが向上したことや、ボディ剛性が上がったこともあり、ハンドリング性能なども、より上質なものとなった。ハイブリッド車ということもあり、静粛性も高められている。

スバルXVハイブリッドtS新しく投入されたXVハイブリッドtSには、こうした走りの質をさらに向上させている。パワーユニットのチューニングはないものの、足回りや外観・内装の変更が行われた。足回りは、フレキシブルタワーバーはじめSTI独自のパーツ類に加え、専用チューニングダンパー&コイルスプリングや高剛性クランプスティフナーを採用することで、ハンドリング性能と乗り心地を高度に両立した。

全般的に洗練され満足度の高い仕上がりに


エクステリアには、専用装備のフロントスポイラー、サイドアンダースポイラーやルーフエンドスポイラーを装備。クロスオーバー車にエアロパーツ? と、少々疑問に思うかもしれないが、なかなかスタイリッシュでおもしろい。全般的に洗練された印象が強く、ラフロードを走るクロスオーバー車というイメージでは無く、よりシティ派クロスオーバー車というスタイリングになった。

スバルXVハイブリッドtSどちらかというと、スポーツ志向が強くなる傾向が強いtSだが、今回はなかなかオシャレな方向性のインテリアにまとめている。シート表皮には、STIロゴ入りの本革、ウルトラスエード(ブラック)、合成皮革(オレンジ)、トリコット(アイボリー)を組み合わせている。オレンジの鮮やかさが、品のある洗練された空間としている。その他、色々な専用装備が装着されていて、なかなか満足度の高い仕上がりになった。

XVハイブリッドtSの価格


XVハイブリッドtSの価格は3,326,400円となり、ベース車となっているXVハイブリッド2.0i-Lアイサイトが2,894,400円なので、約43万円ほど高価な設定となった。このクラスのモデルが300万円越えと言うのは、高級輸入車並みだ。

普通に考えたら、十分に高価なXVハイブリッドtSだが、XVハイブリッドというクルマに惚れ込んでしまった人にとっては、かなり安い。専用の特別装備されている数多くのパーツがある。似たようなパーツをアフターパーツで揃えていくと、とてもプラス約43万円では収まらない。さらに、このtSはSTIが専用に開発したもの。アフターパーツの寄せ集めでは、まったく敵わないほどの完成度を誇る。XVハイブリッドに惚れ込んでいて、さらに個性的なモデルが欲しいという人には、まさにお宝となるモデルになるからだ。

ただ単に、XVハイブリッドは選択肢のひとつ程度と考えている人には、かなり高価なので手を出さない方がいい。恐らく、その質の高さも理解できないだろう。XVハイブリッドtSは、比較して買うクルマというよりは、惚れ込んで買うクルマなのだ。

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リセールバリューは期待できる!


XVハイブリッドは、購入時一定の値引きが期待できるが、XVハイブリッドtSは、恐らく値引きゼロ。支払総額では、車両価格差以上のものになるだろう。ただし、こうした特別なモデルは、リセールバリューが高くなるだろう。特に短期の乗り換えでは、下取り価格が高くなるので有利になるだろう。

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スバル XVハイブリッドtSの主要装備(予定)


スバルXVハイブリッドtS■ 足回り/メカニズム
・ STI製フロントストラット&コイルスプリング
・ STI製リヤダンパー&コイルスプリング
・ STI製フレキシブルタワーバーフロント
・ STI製フレキシブルドロースティフナーフロント
・ 17インチアルミホイール(オレンジ塗装&切削光輝)

■ 視界
・ HIDロービームランプ(ブルーインナーレンズ、ブラックアイライン)
[ヘッドランプレベライザー(オート)、ポップアップ式ヘッドランプウォッシャー付]

■ 操作性・計器盤・警告灯
・ インパネセンターバイザー(レザー調素材巻)
・ 本革巻セレクトレバー(オレンジステッチ、ダークキャストメタリック加飾)+ピアノブラック調加飾パネル
・ シフトブーツ(オレンジステッチ)
・ 本革巻ステアリングホイール(オレンジステッチ、STIオーナメント、シルバー/ブラック加飾
+ダークキャストメタリック加飾)
・ 左右独立温度調整機能付フルオートエアコン(抗アレルゲンフィルター付)(メッキリング/シルバー&ピアノブラック調&オレンジベゼル付エアコンダイアル)
・ 高剛性クランプスティフナー(左右)付電動パワーステアリング

■ シート
・ 専用シート[メイン:ウルトラスエード&本革(ブラック)/サイド:合成皮革(オレンジ)&トリコット(アイボリー)、オレンジステッチ、STIロゴ型押し、フロントシートヒーター付]
・ 可倒式&上下調整式フロントシートヘッドレスト(オレンジステッチ)
・ リヤシートヘッドレスト(オレンジステッチ)

■ 内装
・ インパネ加飾パネル(ピアノブラック調+ダークキャストメタリック)
・ ドアトリム加飾(アイボリー、オレンジステッチ)
・ ドアアームレスト(オレンジ表皮、オレンジステッチ)
・ パワーウインドゥスイッチパネル(ダークキャストメタリック加飾、メッキ加飾付スイッチ)
・ STIロゴ入りステンレス製サイドシルプレート(フロント)
・ フロントコンソール(ダークキャストメタリック加飾パネル、レザー調素材巻+オレンジステッチ)
・ スライド機構付コンソールリッド(オレンジステッチ)

■ 外装
・ STI製フロントスポイラー(オレンジピンストライプ)
・ STI製サイドアンダースポイラー(オレンジピンストライプ)
・ フロントフォグランプカバーデカール(STIロゴ入り)
・ ダークメッキ加飾付フロントグリル
・ ブラック電動格納式リモコンドアミラー(LEDサイドターンランプ&ターンインジケーター付)
・ カラードドアハンドル
・ ルーフエンドスポイラー(LEDハイマウントストップランプ内蔵、オレンジピンストライプ※)
・ STIオーナメント(フロント、リヤ)
・ tSオーナメント(リヤ)

スバルXV ハイブリッドtS予定スペック


車名・型式 スバル・DAA-GPE
全長(mm) /全幅(mm) /全高(mm)[参考値] 4,485×1,780×1,550
トレッド[前](mm) / トレッド[後](mm) 1,535/1,540
最低地上高(mm) 200
車両重量(kg) [参考値] 1,530
車両総重量(kg) [参考値] 1,805

エンジン
型式・種類 FB20・水平対向4気筒[BOXER]
2.0ℓ DOHC 16バルブ デュアルAVCS
最高出力[ネット] [ kW(PS)/rpm] 110 (150) / 6,000
最大トルク[ネット] [N・m(kg・m)/rpm] 196 (20.0)/4,200
燃料タンク容量(ℓ) 52
燃料種類 無鉛レギュラーガソリン

執筆者プロフィール
クルマ評論家 CORISM代表
大岡 智彦 氏

CORISM(http://www.corism.com/)編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員。

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