人気中古車 コンパクト(輸入車) おすすめランキング2016秋

コリズム編集長で車評論家の大岡氏に、この秋おすすめの中古車・輸入車のコンパクトカーを聞きました。
しかも今回は、中古車選びの醍醐味でもある「知名度が低く新車では人気薄のため、実は非常に良いクルマなのにお買い得!」な安くて良いクルマも、「裏車種」として厳選してもらいました。

  • RANKING BEST 1ボルボ V40

    ボルボ V40

    最新のV40には、歩行者だけでなく自転車も認識し、自動ブレーキを作動させる世界トップレベルの安全装備「インテリセーフ10」が標準装備されている。さらに、歩行者の被害を軽減する歩行者エアバックまで標準装備。今では随分価格が上がってしまったが、2013年のデビュー時は269万円という戦略的な価格設定で登場した。高性能な安全装備とスタイリッシュなデザインということもあり、発売直後から人気モデルになる。今では、ボルボを支える基幹車種となった。しかし、ボルボのリセールバリューは低い。そのため、ビックリするくらいリーズナブルな価格で中古車が売られている。安全性能やデザインを含めると、かなりコストパフォーマンスに優れた中古車だ。

  • RANKING BEST 2フォルクスワーゲン ゴルフ

    フォルクスワーゲン ゴルフ

    7代目のゴルフは、2013年に登場した。世界中の自動車メーカーがベンチマークするほどのコンパクトカーだ。残念ながら、ゴルフの自動ブレーキは歩行者検知機能ではないが、エアバッグの数やそのほかの安全装備は高いレベルにある。ゴルフは、カジュアルな輸入車ブランドということもあり、国産車よりやや高めの価格設定となっている。比較的買いやすいブランドだ。しかし、北米でのディーゼル不正の影響を受け、日本のフォルクスワーゲンも販売不振に陥った。フォルクスワーゲンは一時期、自社登録を増やしたことがある。未使用車が多くなると、高年式車を中心に中古車価格が下がる傾向になる。さらに、ブランド力の低下も加わり、中古車として買い得感がより出てきている。世界トップレベルの完成度を誇るモデルなので、誰にでもおすすめできるクルマだ。初めての輸入車としてもピッタリの1台といえる。

  • RANKING BEST 3BMW 1シリーズ

    BMW 1シリーズ

    1シリーズの最大の魅力は、クラス唯一のFR(後輪駆動)であること。そのため、後席はやや狭かったりするが、すべては走る歓びのためといっていい。当然、BMWのこだわりである50:50の重量配分になっている。FR車ということもあり、ライバル車と比べるとやや高めの価格設定だったりすることもあり、販売台数はそれほど好調とは言えない状況だ。新車で人気があまり高くないと、一般的に中古車も同様で、リセールバリューは低く、中古車価格も安くなる。走りが楽しめるBMWのFR車が、非常に買い得感が出てきている。運転を楽しみたい、運転が上手くなりたいと望む若年層のクルマ好きにピッタリの1台だ。

中古車オススメランキングの3台を比較

燃費・経済性
  • V40

    V40の燃費はそれほど高いレベルにあるとは言えない。パワーユニットは、何度か改良や変更が加えられている。初期モデルの2013年式は、1.6Lターボ車が16.2㎞/Lと平均的。2015年になると1.5Lターボが加わり、燃費は16.5㎞/Lと向上したが、わずかな差に止まる。2.0Lは初期モデルで13.2㎞/Lで、モデル途中には15.9㎞/Lへと向上したが、これも平均以下といったところ。ただし、2.0Lディーゼルは別で、20.0㎞/Lというトップレベルの低燃費性能をもつ。中古車になると、リセールバリューが低いので、コストパフォーマンスに優れる。2013年式になると、150万円台から手に入る状況で、わずか3年落ちで国産新車コンパクトカー並みになってきている。

  • ゴルフ

    ゴルフの燃費は、輸入車の中でもトップクラスの実力。2013年のデビュー時で1.2Lが21.0㎞/Lで1.4Lが19.9㎞/L。燃費値こそ高いのだが、ゴルフはハイオクガソリンを使う。そのため、レギュラーガソリンより10円/L程度高い。コンパクトカーは、やはり経済性が重要。ゴルフだけでなく、輸入コンパクトカーが国産車に乗るユーザーからの乗り換えがあまり進まないのは、燃料費が高いハイオクガソリンを使用することがひとつの理由だ。デビュー当時249万円だったエントリーグレードのトレンドラインだと130万円くらいから選べるようになってきている。

  • 1シリーズ

    1シリーズの初期モデルは1.6Lターボで、116iは17.6㎞/L、120iは17.2㎞/Lという燃費値となっている。その後、最新モデルでは、116iがなくなり118iへ。エンジンは直3 1.5Lターボになり燃費は18.1㎞/Lへ向上。120iも直3 1.5Lターボになり16.8㎞/Lとなっている。さらに、モデル末期である直4 2.0Lクリーンディーゼルの118dが追加され、燃費は22.2㎞/Lとなった。ガソリン車はハイオク仕様だが、ディーゼルは軽油なので30円/L前後安いので、ディーゼル車の経済性は高い。2012年式だと、ほとんどの車両が200万円を切っている。130~180万円くらいまでがボリュームゾーンだ。新車価格と比べると120~160万円くらい価格が下がっている計算になる。2013年式からは少々価格が上がるが、BMWというブランドを考えると、なかなかお買い得だ。

装備・使い勝手
  • V40

    最新のボルボには、世界トップレベルの「インテリセーフ10」と呼ばれる自動ブレーキ関連の安全装備が標準装備されている。初期モデルは、こうした装備がオプション設定で、セーフティパッケージなどと呼ばれていた。装着率はかなり高かったが、念のため歩行者検知式自動ブレーキが装備されているかは確認しておきたい。この機能がなければ、V40の魅力は半減するといってもいいくらいの装備だ。初期モデルのSEグレードで17インチホイール装着車は、最小回転半径が5.7mとなるので注意が必要。この数値は、コンパクトカーなのに大型ミニバン並みの取り回しになる。これでは、さすがに狭い道・狭い駐車場の日本では使い勝手が悪い。16インチホイール装着車で5.2mとなっているので安心だ。また、最新のT3 SEは、そうした部分が改善され17インチホイールでも5.2mになっており使い勝手が向上している。

  • ゴルフ

    残念ながら、ゴルフの自動ブレーキは歩行者検知式ではない。しかし、それ以外は高いレベルにあり、車線を認識し車線を逸脱しないように走行をアシストしてくれるレーンキープアシストや、停止まで対応し渋滞時にも便利な全車速追従式のクルーズコントロールなども用意されている。こうした機能は、ちょっとした自動運転レベルだ。エアバッグ類は、サイドエアバッグ&カーテンエアバッグにニーエアバッグも標準装備。非常に高いレベルにある。使い勝手面では、最小回転半径は5m。この最小回転半径なら日本の狭い道などでも使いやすい。

  • 1シリーズ

    初期モデルの1シリーズには、歩行者検知式自動ブレーキが装備されていない。モデル途中でオプション装着となった。その後、マイナーチェンジ後のモデルには標準装備化されるなど、年式やグレードによりまちまちだ。このあたりの装備は、シッカリとチェックする必要がある。また、ナビなどの装備も同様。相場より価格が安い車両などは、こうした装備が無い場合があるので注意が必要。1シリーズは、FR(後輪駆動)ということで、最小回転半径は5.1mとまずまずの数値で使いやすいが、後席スペースはやや狭い。

走行性能
  • V40

    デビュー直後のモデルは、敏捷性を高めるために、やや硬めのサスペンションセッティングになっていて、特に17インチホイール装着車の乗り心地はあまり良いとは言えない状況だった。何度か改良されて後、乗り心地面は改善されていった。流通量が多い1.6Lターボエンジンは、180ps&240Nmとパワフルで加速感にパンチがある。モデル途中で投入された2.0Lクリーンディーゼルは、400Nmという大トルクを誇る。このコンパクトボディに400Nmものトルクをもつエンジンが組み合わされているので、その走りは豪快。それていて低燃費なのだから魅力的だ。

  • ゴルフ

    FF(前輪駆動)のモデルとしては、世界トップレベルの実力を誇る。高速道路では、直進安定性も高く、まさに路面に吸い付くような走りで安定感は抜群。カーブなどでは、ステアリング操作に忠実。FF車であることがわからないくらい、素直なハンドリング性能をもっていて、次のカーブが待ち遠しく思えるほどだ。他のコンパクトカーを買う予定であったとしても、一度は試乗しておきたいくらい高いレベルにある。乗り心地は、やや硬めながら非常に快適だ。ただし、現状のゴルフは、排気量によりリヤサスペンションが異なる。1.2Lのリヤサスペンションはトレーリングアームで、1.4Lはより豪華な4リンク式が採用されている。より走りの質や乗り心地面を重視するのであれば、1.4Lがお勧めとなる。

  • 1シリーズ

    1シリーズは、このクラス唯一のFR(後輪駆動)であり、BMWの特徴である50:50の重量配分としていることから、走る楽しさという点では優れている。ボディサイズが小さいということもあり、クルマとの一体感もある。運転をより楽しみたい、運転が上手くなりたい、そんな人にはまさにピッタリの1台とえる。この1シリーズには、高価だが走行性能を大幅に引き上げ、大パワーを誇る3.0Lターボを搭載したM135iがある。このモデルで、運転の上手いドライバーなら、リヤタイヤを自由自在に滑らせて走りを楽しむことも容易だ。

デザイン
  • V40

    ボルボ V40

    ボルボの母国はスウェーデン。そのため、明らかにドイツ車とは違うというユニークなデザインが特徴だ。そのデザインは、スカンジナビアンデザインと呼ばれ、洗練された美しさをもつ。また、国産車のデザインともまったく違うので、日本の道を走っていると、かなり目立つ。オーナーのデザインセンスを感じさせる1台だ。

  • ゴルフ

    フォルクスワーゲン ゴルフ

    フォルクスワーゲンのデザインは、官能的な要素がほとんどない。それが、フォルクスワーゲンのデザインともいるもので、ゴルフもそれを継承している。インテリアなどは、さらに徹底的に機能を優先したデザインが採用されていて、非常に使いやすい空間になっている。これがまさに機能美ともいえるデザインで、完成度は非常に高い。クルマが古くなっても、あまり古臭いデザインに見えないのなど、デザインの賞味期限も長い。

  • 1シリーズ

    BMW  1シリーズ

    1シリーズのマイナーチェンジ前は、コンパクトカーらしい優しい雰囲気のフェイスデザインをもつ。しかし、これがあまり好評ではなかったようで、マイナーチェンジ後は、他のBMWと同様にやや睨みの効いた精悍な顔つきになった。そのためか、マイナーチェンジ前のモデルは、価格も随分リーズナブル。

中古車値引き交渉術

このクラスの輸入車は、Cセグメントと呼ばれている。Cセグメント車は、欧州を中心とした激戦クラス。各社気合の入ったモデルが多く、熾烈な販売戦争を繰り広げており、この構図は日本でも同様で以下のライバル車が並ぶ。

 メルセデス・ベンツ Aクラス
 BMW 1シリーズ
 アウディ A3
 ボルボ V40
 シトロエン C4
 プジョー 308

どのモデルを選ぶにしても、値引きを引き出すためには上記の中から2台くらいをチョイスし競合させる必要がある。輸入車の場合、趣味性が強く出るのでどうしても指名買いになってしまう傾向が強い。しかし、指名買いでは営業マンの思うつぼ。この状況では、値引きは引き出せない。本命のクルマと悟られることを回避するためにも、先に競合車の見積りが必要なのだ。とくに人気なのは、ドイツ系車種。V40の購入には、必ずドイツ車と競合させたい。
V40は、登録済み未使用車が多く流通している。予算に余裕があるのなら、こうした未使用車がおすすめ。価格が安い上に、登録しただけなので新車とほぼ同じコンディションだ。価格は50万円以上安いものがゴロゴロしているので、こうしたモデルとドイツ車のCセグメント車を競合させてみるといいだろう。この未使用車はマイナーチェンジ前のものがほとんどで、販売店側も早く現金化したいはずなので、さらなる値引きが期待できる。
ゴルフの未使用車も少し流通している。高年式を狙うなら、未使用車がおすすめ。ゴルフの価格設定は、比較的国産車に近いので、プリウスやアクセラ、インプレッサなどの国産車と、価格を合わせた車両で競合させてみるといい。
1シリーズの場合は、必ずAクラスを競合車に加えたい。営業マンは「クラス唯一のFR(後輪駆動)」というセールスポイントをアピールしてくるだろうが、「FF(前輪駆動)でもFRでも気にしない」と共感しないことがポイント。また、Mスポーツは、人気グレードなので、やや高値で強気の販売になる。Mスポーツにこだわらなければ、価格も安く、値引きも引き出しやすい。1シリーズ同士で似たような仕様があれば、ディーラー系中古車店は価格が高めなので、一般の中古車店と競合させてみるのもいいだろう。

現金での値引き交渉が行き詰まったら、有料の延長保証のサービスを条件に出すといい。輸入車は、まだまだ整備費や部品などが国産車に比べると高価なので、何かあると意外と高額な出費になるからだ。有料サービスを無料で付けてほしいと交渉。また、タイヤやブレーキパッドなどの消耗品もチェックし、近い内に交換が必要なら、今のうちに交換費用などを無料サービスしてもらえるようすれば、買った後すぐにお金がかかることもないだろう。

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  • 軽自動車ハイト

    燃費、小回り、街で乗るならやはり便利な軽。

  • 軽自動車スーパーハイト

    燃費と小回りに加えて、アウトドアにも!

  • ミニバン

    広くて便利、ファミリーカーの代名詞

  • コンパクト国産車

    無難に選びたいなら、おいしいとこ取りのコレ!

  • SUV

    デザインと走りを重視する人へ

  • 高級セダン

    いつかは乗りたい、王道スタイル。

クルマ評論家 CORISM代表 大岡智彦 氏
クルマ評論家 CORISM代表
大岡智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員

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