<コンパクトなサイズのSUVでありながら、7人乗りを実現! 2017年10月に市販車がインドネシアで生産開始!?>

三菱XMコンセプトインドネシアで開催されているインドネシア国際オートショーで、三菱はコンセプトカー「三菱XMコンセプト」を世界初公開した。

三菱XMコンセプトは、三菱がこだわわるSUVとMPVの多用途性を融合させたコンセプトカーだ。三菱は、このXMコンセントをスモールサイズのクロスオーバーMPVとして出展。車名となったXMとは、コンセプトであるCross「X」-over、MPVから「M」をとって命名。三菱は、早くもこのXMコンセプトをベースとした市販モデルを2017年より稼動する新工場(西ジャワ州ブカシ県)で10月より生産を開始すると発表している。

XMコンセプトのボディサイズは、公表されていない。三菱によると、コンパクトサイズのボディながら、レイアウトの最適化とワイドボディの採用により、乗員7名がゆったりくつろげるMPVとして開発されたという。三菱にはアウトランダーがあり、アウトランダーも7人乗りが用意されている。そうした状況を考えると、同じサイズのモデルを開発しても意味がないので、アウトランダーよりコンパクトなボディサイズであることが想像できる。7人乗りとしているのは、インドネシアの大家族が使うシーンをイメージした。

三菱XMコンセプトXMコンセプトの外観デザインは、いかにも三菱らしくロボット感タップリといった印象。良くも悪くも、このデザインに近い状態で市販されたら、かなりインパクトがある。このデザインにも、最新三菱のデザインコンセプト「ダイナミックシールド」が採用されている。パワー・パフォーマンスを表現する中央のブラック部をバンパーの左右コーナー部が包み込むような造形とすることで、人とクルマを守る機能をダイナミックに力強く表現した。

ボディサイドには、SUVである力強さをアピール。エッジの効いたラインが大きく張り出したフェンダー形状を採用。ボディ下部にボリュームが増し、ドッシリした安定感がある。力強さだけでなく、ボディサイドのキャラクターラインは、スピード感にあふれスポーティさをアピールする。

また、実用面では最低地上高を高めに設定。ボディ下部全体を保護するアンダーガードなどを装備し、未舗装路やスコール時も安心してドライブできる走破性を提供。

内装デザインは、3列シート7人乗りが最大の特徴。シート配置を最適化し乗員7名がくつろげる広々とした居住空間を確保し、多彩なシートアレンジを可能としている。インパネまわりのデザインは、タフな印象が強いエクステリアデザインに対して、ややラグジュアリーな空間となっている。水平基調で空間の広がりがあるデザインが採用されている。ショーモデルであることもあり、白と黒のハイコントラストなインテリアカラー、シルバーの加飾などがより上質感を表現している。

三菱は、このXMコンセプトをベースとした市販モデルを2017年10月にインドネシアで生産を開始するとしている。そこで気になるのが、XMコンセプトをベースとした市販モデルが日本にも導入されるのかということだ。三菱は、RVRの開発については社内問題による開発遅延や、燃費不正問題など、ここしばらく新型車の投入がない状態が続いている。そのため、国内への新型車投入が非常に待望されている。すでに、タイからミラージュを導入しているだけに、今度はインドネシアから日本へXMコンセプトベースの市販車が導入されるのか注目されるところだ。

また、XMコンセプトをベースとした市販車モデルが、7人乗りであることや、アウトランダーよりも小さいボディサイズであるというのも、日本マーケットにあっている。ざっくり言えば、RVRとアウトランダーの間のボディサイズであるならば、日本マーケットでも使いやすい。日産エクストレイルやマツダCX-5といったサイズ感になると思われる。

三菱XMコンセプトすでに、エクストレイルには7人乗りが用意されている。ただ、人気の中心は5人乗りで7人乗りはあまり売れていない。単純に7人乗りのSUVであるならば、マーケットにニーズはないだろう。しかし、XMコンセントは、かなりMPVとしての要素が強い。こうなると、デリカD:5的な使い方ができることもあり、三菱の4WD性能と組み合わされれば、一定のニーズはあるように感じる。

また、パワーユニットにも注目だ。インドネシア生産という前提なら、ほぼガソリン車であることが予想できる。価格次第だが、日本に導入する以上、単なるガソリン車では売れない可能性が高い。期待したいのは、PHEVの存在だ。国内で三菱が存在価値をアピールできるのは、ツインモーター4WDをもつPHEVだけともいえる。この技術がXMコンセプトに搭載され、日本で発売されるのであれば、ライバル車とは明確な違いをアピールできるはずだ。先進性を感じるツインモーター4WDのPHEV化がされるのかどうか、XMコンセプトをベースとした市販モデルの登場に期待したい。