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悩ましき2台 スズキ ラパン と ダイハツ ミラココア

クルマ選びって楽しいですよね。でも、最後に選ぶ決め手ってなんだろう?って思うこと、ありませんか。このコーナーは、クルマ選びで悩み疲れたそんなアナタの背中をドーンと押しちゃいます。迷える子羊よ、存分に迷いたまえ・・・・

今回は、2001年にアルトの派生車種として登場、本家アルトを大幅に越える大人気を受けて独立車種となった「ラパン」(アルトラパンとして考えると3代目)と、ラパンのフォロワー、ライバルとしてミラをベースにラパンのようなかわいい上屋を載せた「ミラココア」の対決をお送りします。

どちらも女性向けとして軽自動車市場で大人気のこの2台。果たしてその違いはどこに!?


◆人気カテゴリーの女性向け軽自動車


古くは昭和30年代の日産・ブルーバードに設定されていた「ファンシーデラックス」などのように、かつてから女性をターゲットにしたクルマはありました。軽自動車にも女性向けをイメージした特別仕様車やグレードが用意されていましたっけ。開発のキーワードに「女性向け」という言葉が入っているクルマもあります。

でも、この2台のようにはっきりと内外装のデザインやボディカラー、キャラクターを女性向けとしたクルマはなかなかありません。ラパン(アルトラパン)が生み出したこの市場は、後から登場したムーブラテやミラココアの登場で確実な存在を得ることとなり、現在ではとても高い人気を誇っています。

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◆より一層ふんわりとした3代目ラパン

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「ゆるさ」をキーワードに(笑)開発された初代アルトラパン。ところどころにラパン(仏語でうさぎの意)をちりばめた遊び心や淡いボディカラーの設定、心地よい部屋感などが特徴でしたが、まだ男性が乗ってもおしゃれな感じがしました。ほぼキープコンセプトの2代目になってホワイトのルーフやホイールが選べるようになってさらに「かわいい」度を高め、そして2015年、より一層女性向け軽自動車のイメージを強く押し出した3代目へと進化しています。3代目ではそれまでの角を落とした四角いデザインから、全体的に丸さを強調したスタイルとなり、色、デザインともにトコトンこだわってファンシーさをアップしています。

でもラパンがすごいのは、単なるかわいい女性向け車ではなく、走りにもこだわっていること。この「走りのこだわり」というのは決してスポーティで走りがいい、という「走りのいいクルマ」という評価軸ではなく、女性向けのクルマとして、乗り心地の良さを操縦のしやすさをバランスさせている意味での「こだわり」なのです。何もかもがトコトンこだわったクルマなのです。


◆負けじとファンシーなミラココア

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アルトラパンの大ヒットを受け、ライバルのダイハツも指をくわえて見ている訳にはいきませんでした。それまでも女性に向けた軽自動車として、まるで昔のミニを思わせるクラシカルな外観が特徴のミラジーノ、そしてより一層女性にフォーカスを合わせたクルマとしてムーブをベースにした「ムーブラテ」を送り込んでいました。そんな中。2009年、背の高いトールワゴンだったムーブラテではなくアルトラパン同様ボンネット付きセダンであるミラをベースにしたミラココアが登場。これによってアルトラパンVSミラココアの対決がスタートしたのでした。

ミラココアはラパン同様四角いキャビンを持った1.5BOXスタイルを持ち、ヘッドライト、グリル、窓など各部品のディティールは徹底して角を落としています。色もパステルカラーがメインとなっています。登場は2009年と古いですが、乗りやすさを重視した設計や完成度の高いデザインはいまだ古くなることはありません。ただ、登場が古いだけに、横滑り防止装置などが装備されず、安全性能は劣ることは残念です。

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◆決め手は、どこに!?


登場年が2009年と古いミラココア。でも、デザインはいまだ一線級です。「おでかけプチワゴン」というキャッチだけあり、実用性の高さも十分あります。ラパンはかつてルノーの4(キャトル)のような6つ窓のある明快なワゴンスタイルだったのですが、3代目ではセダン風になったこともあり、逆にワゴン風のスタイルがいいという方にはミラココアのスタイルは魅力的です。

一方2015年に3代目となったラパンは、スズキのメイン車種でもあるだけに力の入れようがハンパないです。さきほども書きましたが、デザインだけでなく、走りにも「こだわり」があるのが垣間見えます。

総合的にどちらがいいか?というと、新しいラパンに軍配があがります。それは進歩著しい軽自動車で6年差分の進化をすべて受け止めた新型車であるラパンに、2009年登場のミラココアでは分が悪いのは確かです。ですので、デザインやコンセプトの違いで選んでみてはいかがでしょうか。


◆迷える子羊よ、迷いは消えただろうか


ということで、迷っているアナタ、いかがでしたでしょうか。気になったらぜひ現車に乗り、触れ、いろいろ感じてみてくださいね。
くるま選びは楽しくもあり、そして悩むもの。これからもいろいろな視点でのクルマ選びをこのコーナーで提案出来たら、と思います。


【イラスト/文 遠藤イヅル】
フリーのカーイラストレーター/ライター。東京都出身。自動車雑誌、WEBサイトにクルマをテーマにしたイラストや記事を多数提供。世界各国の生活感があるクルマを好み、20年間で18台のクルマを乗り継ぐ。クレイジーなほど深くて混沌としたクルマ知識を持つ元自動車系デザイナー。自身のクルマ体験をもと、独創的な視点で切り込むイラストやインプレッション記事は、他にないユニークなテイストとして定評がある。2015年7月現在の愛車はプジョー309SI。最新の掲載誌は遠藤イヅルのfacebookで確認!

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