メルセデス・ベンツは、Cクラスをベースとした2ドアクーペ「メルセデス・ベンツCクラス クーペ」の発売を開始した。


 


美しいスタイルだが、もう少しパワフルなパワーユニットも欲しい


メルセデス・ベンツCクラスクーペ CクラスクーペのベースとなっているCクラスは、2014年に登場している。クーペが投入されるまでは、セダンとワゴンのラインアップだった。このCクラスは、Cクラス史上最もスポーティなモデルとして登場した。コンセプトは「アジリティ&インテリジェンス」。アジリティとは敏捷性を指し、クイックなハンドリング性能や、ややカタめの足回りで高い操縦安定制を誇る。そして、インテリジェンスは部分自動運転や、歩行者検知式自動ブレーキなどを含む高い安全性をもつ先進技術レーダーセーフティパッケージなどを意味している。 Cクラスは、メルセデス・ベンツの主力モデルということもあり、最新テクノロジーが惜しみなく投入されていた。国内でも、その実力が高く評価され2014-2015日本カー・オブ・ザ・イヤ-のインポート・カー・オブ・ザ・イヤーを受賞した。 <関連記事> マツダ デミオ 2014-2015日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞! Cクラスは、2014年のデビュー時こそガソリンエンジンのみのラインアップだったが、現在ではディーゼルエンジン、PHVなどが加わり、幅の広いパワーユニットを選択できる。ガソリン、ディーゼル、PHVと3つのパワーユニットを1つの車種で用意している国産メーカーはほとんどない。


 


CクラスとCクラスクーペの違いとは?


そんな高い基本性能をもつCクラスに、Cクラスクーペは、新たに美しさという付加価値をプラスしたモデルだ。Cクラスクーペは、流麗なルーフラインが特徴。メルセデス・ベンツは、こうしたクーペのデザイン上の特徴でもある美しいルーフを表現するために、Aピラーより後方をクーペ用に専用設計した。


Cクラスクーペの外装


Cクラスクーペのボディサイズは、全長4,705×全幅1,810×全高1,405mm。ホイールベースこそセダンと同じだが、C180セダンのアヴァンギャルドと比較すると全長で15㎜大きく、全高は30㎜低くなった。Cクラスクーペは、ルーフが違うだけでなく、ボディサイドのデザインもクーペ専用。ドアパネルも異なり、独自のキャラクターラインをもつ。セダンでは、後方に向けて緩やかに下方へ流れるキャラクターラインをもつが、クーペでは水平に伸びていく。セダンのデザインが、どちらかというとシャープさをアピールしているのに対して、クーペは柔らかな面の張りで優美な美しさを表現している。フロントフェイスのデザインこそ似ているが、サイドやリヤのデザインはまったく異なる。Cクラスセダンのイメージというよりも、サイズ感こそ異なるがSクラスクーペのようなラグジュアリー感のあるフォルムが魅力的だ。


Cクラスクーペの内装


メルセデス・ベンツCクラスクーペインテリアのデザインは、セダンと大差ない。室内スペース面では、新型になったことで大きく拡大されている。ボディサイズは、先代よりホイールベースを80mm、全長を65mm、全幅を30mm拡大。これにより、新型Cクラスクーペは運転席、助手席を中心に室内空間に余裕が生まれた。クーペらしいラグジュアリーな空間になっている。Cクラスクーペでは、乗車定員は4名に変更されている。


Cクラスクーペの装備・スペックは?


クーペとはいえ、スポーツカーではないのでトランク容量など、やはり一定の実用性は欲しいところ。トランクスペースは、セダンのトランク容量が445Lに対してクーペは400L。約10%ほどサイズダウンとなっているが、十分なサイズを確保。さらに、後席分割可倒式機構(40:20:40)もあり、バックレストを前方に倒せば長尺物も積載可能となっている。 また、Cクラスクーペの足元には、大径の18インチもしくは19インチというホイールが装備されている。これだけ大径ホイールを履くと、最小回転半径など取り回し面での使い勝手が悪化しているのではないかと想像できる。しかし、Cクラスクーペの最小回転半径は5.2m。セダンより0.1m拡大しているものの、このクラスではトップクラスの実力。Cクラスのもつ実用性の高さがクーペでも生かされている。 Cクラスクーペに搭載されたエンジンは、1.6L直4ターボのみとなった。最高出力156PS/115kW、最大トルク250Nmを発揮する。エンジンスペックは、セダンのC180と同じだ。ラグジュアリー感あふれるクーペなので、ゆとりあるパワーに期待したいところだが、やや現実的な設定となった。販売面では、セカンドカーで使う顧客も多いので価格が重視されるのも分かるが、もう少しパワフルなパワーユニットも欲しいところだろう。パワフルなクーペが欲しいというのであれば、いずれ、先代モデルにもあったようにAMGモデルも出てくるだろう。


Cクラスクーペの燃費・価格は?


メルセデス・ベンツCクラスクーペ燃費面では、今ひとつの印象だ。車重がやや重くなり1,570㎏となったことで、14.9㎞/Lとなった。セダンは17.3㎞/Lとなっている。1.6Lターボでこの燃費値は、やや物足りない。


Cクラスクーペの安全性能は?


安全装備面では、さすがメルセデス・ベンツといったところ。部分自動運転や歩行者検知式自動ブレーキ機能をもつレーダーセーフティパッケージが標準装備された。このレーダーセーフティパッケージは、ステレオカメラに6つのミリ波レーダーで360度車両のまわりを監視。もしもの事故を未然に防いだり、被害を最小限に抑える高機能な安全装備だ。


Cクラスクーペはお買い得?コスパが悪い?


さて、Cクラスクーペの価格だが、エントリグレードのC180クーペスポーツが547万円となっている。ライバルには、BMWの4シリーズクーペがある。420iクーペスポーツの価格は517万円。装備差があるので単純比較はできないが、約30万円の価格差がある。さらに、420iクーペは2.0L直4ターボで184ps&270Nmを発揮し、燃費は16.4㎞/Lを誇る。420iはC180クーペをスペック面で上回り、価格も安い。安全装備のレーダーセーフティパッケージは、BMWの安全装備を上回るパフォーマンスをもっているもののやや高価な価格設定。BMW420iにするか、C180クーペにするかは、なかなか難しい選択となる。 昔は、クーペモデルのリセールバリューは高値傾向だった。短期での乗り換えでも十分なメリットがあった。しかし、現在このクラスのクーペのリセールバリューは、それほど高いとは言えない状況になっている。短期の乗り換えというのであれば、クーペではなく、メルセデス・ベンツSLKやBMW Z4などの2シーターオープンモデルの方がリセールバリューが高くお勧めだ。 Cクラスを最大限に値引く方法は?Cクラスの情報・新車値引き攻略の特集記事はこちら▶︎▶︎


 


 


メルセデス・ベンツCクラスクーペの価格


・C 180 Coupé Sports ¥5,470,000 ・C 180 Coupé Sports+ ¥5,850,000